女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません!!〜

アムロナオ

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【47】幼馴染 〜ラスティ・マイトナー〜

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「それよりポーラ君から聞いたんだけど、債務整理で欲しい山があるんだって?ドルチェ……じゃなくて、ドルパ山だっけ?そんなにいい山なの?」

サニーから山の名が出て、ダニエルはなぜか動揺した。


「う、うん……子どもの頃によく遊んだ場所なの」

「でもマッキニー准尉は相続放棄するんですよね?買い取るつもりですか?」

そんなお金どこから?とユージンの次の言葉が聞こえてきそうだ。


「はい…………あ、でも実は幼馴染と共同名義で購入しようと思っているんです」

黙っているのも不実な気がして、ダニエルは打ち明けた。


「幼馴染……」

サニーは「誰?男?女?」とか、「どんな関係なの?」とか、「なんで共同購入するの?」とは聞いてこない。

代わりに居心地の悪い沈黙が流れた。



な、なに……この空気。

ユージンからは責められてる気がするし、サニーにも観察されてるみたい。

なにより自分自信が後ろめたさを感じている。


「よし!ひとまず作戦会議はこれで終わりにしよう。ディディ、ランチの準備を頼んできてくれ。カイル、ユージンも一緒に食べていけ」

サニーがその空気を明るく薙ぎ払った。


「う、うん!わかった」

ダニエルは逃げ出すように執務室を出て、「助かった~!ナイス、サニー!!」と独り言をこぼしたが、まさか執務室では「うまく追い払いましたね」と言われているとは思ってもみなかった。



ダニエルが去ったのを確認し、三人の男達はまた膝を突き合わせた。

「それで?マッキニー准尉を追い払ったってことは、ここからは密談ですか。幼馴染君のことですか?それとも”でっかい釣り針”のことですか?」

「まずはラスティー・マイトナーの件からだ。写真は入手できたか?」

「はい、此方です」


カイルは懐から二枚の写真を差し出す。

サニーはそれを奪い、しげしげと眺めた。



一枚は軍で撮影した証明写真、もう一枚は陸に上がった水兵を隠し撮りしたものだ。

何方も被写体は同じ男だった。


「こいつがラスティー・マイトナー?このクリクリ頭が?」

「はい」


サニーはもう一度、手元の写真に目を戻す。

まず目につくのは丸坊主に黒々とした立派な髭だ。

髭もさることながら、鷲鼻と口元の刀傷もインパクトある。

ブ男ではないが、イケメンと評すのも躊躇われる容姿だった。


「なんだよ、この髭!顎に黒狐でも巻いてんのか!?海軍はこれオッケーしたのか?」

「その髭はマッキニー領の遊牧民伝統スタイルです。それに軍部内での髭をオッケーしたのは殿下です。ダウニー閣下は身嗜みだしなみの観点から髭を禁止にすべきだと仰ったのに、若者にも自己表現の場を与えるべきだと……」

「もういい、ユーリ!」

サニーは手にした写真をローテブルに放り出し、足をなげだした。
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