女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません!!〜

アムロナオ

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【63】一穴主義 〜理解のあるいい女〜

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手の甲への口づけは高貴な身分の女性への挨拶、浮気とはいえない。

けど手を握るのはサニーの方から接触するわけで……どうだろう!?スケベ心を感じるよね?


でもでも!今時小学生だって手くらい握るし。

いい大人がそれくらいで目くじらをたてるのもどうかしら。



「ん……まぁ仕方ないかな」

ダニエルは痩せ我慢をした。


「ハグはどう?」

サニーはギュッとダニエルを抱き締め、意地悪な笑顔を浮かべた。


ハグは兄弟親友恋人などの親しい間柄にする身体言語ボディーランゲージ、手を握るのとは親密度が全然違う。

眉をしかめるダニエルに、サニーは身を屈めて顔を近づけてきた。

吐息がかかる距離まで近づかれ、不覚にも胸がキュンとする。


けれどサニーは誘惑するようにダニエルの頤を取り、「キスは?」と訊ねてきた。

囁きは甘く艶っぽく、瞳は幼い子どもみたいにキラキラしてる。

明らかにダニエルをからかってた。



「ダメに決まってるでしょ!!」

怒りで反射的に声を大きくすると、サニーはわかってましたとばかりにうんうん頷く。


「あたしが他の男とキスしてたら、サニー許せるの!?」

「勿論、ダメでーす」

抱く腕に力がこもり、鎖のように絡みつく。

その不自由さが、ダニエルをホッと安心させた。


束縛も執着も悪くない。

彼が再びダニエルの前に現れた時は、あんなにビビって逃げだしたかったのに。

今じゃ彼の腕の中がダニエルの定位置になってる。



「エッチもだめだからね!」

「俺は一穴主義だからネ。ディディ以外の女性ひととは寝ないヨ」


誇らし気に宣言するサニーに、ダニエルは首を傾げた。

「……いっけ、つ、主義?なにそれ」


「知らない?」

サニーは左手の人差し指と親指で丸く輪っかを作り、その穴の中に右手の人差し指を挿し込んだ。


「決まった女性以外とはセックスしない主義のことダヨ」

サニーは輪っかに何度も指を抜き挿しする。

挿入時の様子を生々しく表現しており、ダニエルは赤面した。


「反対に決まった男性以外とはセックスしないのを、一棒いちぼう主義っていうんだ。俺はディディを一棒主義にしてみせるから、覚悟しておいてネ」

そう言ってサニーはダニエルの頬っぺたをハムハムと甘噛みしてきた。


……勝手にあたしの主義を決めないでほしい。

けど、もうすでにそうなってる。

なんて、今はまだ教えてあげない。


ダニエルはサニーの頬を両手で包み、しっかりと目を合わせた。

「任務でも、キスとエッチはだめ。ハグはできる限りしないこと。それ以外は仕事と割り切るわ」

「ありがと、俺のお姫様は理解のあるいい女ダヨ」


本当に理解のあるいい女は、男の仕事には口出さない気がする。

なんて考えていたが、サニーの唇が柔らかく降り注ぎ、モヤモヤした気持ちが霧散した。
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