女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません!!〜

アムロナオ

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【64】浮気のライン〜素直なオトコ〜

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「ちなみに俺は目を合わせるのも微笑むのも浮気だから」

「なっ!」

ダニエルは口をあんぐりさせた。


「手を握ったり、ハグなんてダメダメ!同性の友人にはいいけど、異性の友人にはしないように。あと俺が居ない間、酒場へ行くのは控えてください。どうしてもお酒が飲みたくなったら、侯爵邸の執事に言付けておくから、此処で飲んでネ」

「ぉ、横暴よ!あたしだってストレス発散にお酒が飲みたい日があるのよ」


あたしは痩せ我慢したって言うのに!

自分は任務とはいえ、口説いたり手を握ったりするくせに!!



「俺は素直なオトコなんデス」

「それならあたしも……んっ」


サニーはダニエルの口を塞いで、お尻から持ち上げた。

そしてのしのしと寝室へ向かう。


何か言おうものなら、またエッチに雪崩れ込んで有耶無耶にさせる魂胆だろう。

ズルいわ!我慢しているのをわかってて、言わせないなんて。

ダニエルは唇を尖らせた。



サニーはダニエルのお尻を片手で持ち上げながら、ちょこんと唇をつっついた。

「ストレスはショッピングで発散してくだサイ。小切手は”アグロン伯爵”名で切ってくれたら構わないからサ」


「いいの?破産するくらい、使っちゃうかもしれないわよ」

「いいよ、貢げるなんて男冥利に尽きるな」

ダニエルの脅しにも、サニーは余裕綽々ゆゆうしゃくしゃくだ。


「靴ドレス宝石、なんでもオッケー。なんなら山を買ったってイイよ」

「っ!」


きっとドルパ山の件を言ってるのだろう。

突然名前を出され、ダニエルは息を飲んだ。



「俺なら、共同購入じゃなくてドルパ山をディディの所有にしてあげられるヨ」

「……プレゼントに山を贈る気?正気?」


「あぁ、良い買い物でしょ」

「どこが!そういうのを酔狂っていうのよ」

窘められ、サニーはダニエルの真似をして唇を尖らせた。


「ディディが喜んでくれるなら、俺には最高の買い物だけどナ。正直、面白くないんだよネ。ディディが俺じゃなくて幼馴染君を頼って、共同購入するのがさ」

「頼ってるわけじゃないわ。ただ幼馴染の実家が代々ドルパ山に住み管理してきたから、彼等が所有するのが良いのかなって」



「それじゃあ、後々のちのち所有権を放棄するのか?」

「うん、そのつもり」


サニーはバカなという顔をした。

「放棄するなら、なんでディディがお金を出すんだ?その幼馴染君に全額出させればいいじゃないか」


「それは……その、幼馴染にお金が用意できるか不安だし。銀行からの借入ローンも難しいかもしれないから……」

「キミと共同購入なら、銀行もローンを組んでくれるだろうと?」


ダニエルが首肯すると、サニーは「はぁ……」と溜息をつく。

その様子にダニエルは居心地悪く尻をもぞもぞさせた。


やっぱりラスティーのこと知ってる?

幼馴染である彼との関係、つまり彼の学費を援助してる事をサニーは調べあげてるかもしれない。


ラスのことをどう説明しよう。

で小さい頃から可愛がってきた弟のような存在。


だが実際には少々複雑な関係である。

サニーに上手く話せない罪悪感が、ダニエルの胸をざわめかせた。
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