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【89】おかえり 〜ただいま〜
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サニーは鼻を真っ赤にしたままニカッと笑った。
へそを曲げられなくて良かった。
ダニエルはホッと胸をなでおろす。
「俺のお姫様は心配性だね。でも大丈夫ダヨ。俺、運は強い方だし、愛はパワーっていうでしょ」
サニーがダニエルの心配を全然理解していない事はわかったが、それでも彼の甘い笑顔の前では全てが些末な事に感じてしまう。
ダニエルの心臓はトクン、トクンと甘く痺れ、発作を起こしそうだ。
サニーは器用にコートや軍服、靴を脱ぎすて、ベッドの上に上がってきた。
そして流れるような動作でダニエルの肩を引き寄せ胸に抱きしめた。
「それより酷く魘されてたよ。怖い夢でもみたの?」
頬が冷やっとしたが、反対に心は急速に満たされていく。
指先が冷えるのもお構いなしに、ダニエルはサニーを抱きしめ返した。
「……忘れちゃった。目が覚めたら夢を忘れるタイプなの」
「そっか。まぁ、悪い夢なら忘れちゃうのがいいよね」
悪い夢じゃないし、忘れたくもないけれど、サニーにどう説明していいかわからず、ダニエルは黙った。
それよりも今はこの幸福を味わっていたい。
サニーの腕の中で思い切り息を吸い込むと、胸に詰まった石が消えていくようだ。
ダニエルはうっとりと息を吐いた。
太陽が登り、朝日が寝室に差し込む。
寝不足だっていうのに、ダニエルは幸せ一杯で朝を迎えた。
不眠不休で帰ってきたサニーも同じ気持ちだといいな。
サニーの頬をそっと包み込み、感謝を込めてそっと口付ける。
「おかえり」
「……ただいま、……フフフフフ」
「……なに?」
サニーのニヤニヤ顔にダニエルは首を傾げた。
「いや、ディディと離れてるのは辛かったけど、いい事もあるんだなって」
「例えば?」
「心配してもらえる。あと“おかえり”って言ってもらえる」
「心配されるの、うざくない?」
「うざくないよ!嬉しいデス。まぁ、あんまり頻繁に心配されると嫌になっちゃうかもだけど」
「それって心配しすぎるなって、牽制?」
「冗談だよ。ディディになら毎日心配されたって嬉しいヨ」
「そんなに心配してたら、私、皺くちゃの顔になっちゃうわ」
「それならこうして皺を伸ばしてあげなきゃな」
サニーはダニエルに覆いかぶさり両手で眉間の皺を伸ばした。
二人の顔が近づき、吐息が唇にかかる。
「……ん」
待ちわびていた温もりを与えられ、ダニエルは目を瞑った。
心臓をキュッと掴まれたような甘い疼きに身を委ね、唇を開くと直ぐに舌が入ってくる。
「ん…、んん……」
生理中だから程々にしなければと思う反面、もっともっとと求めてしまう。
へそを曲げられなくて良かった。
ダニエルはホッと胸をなでおろす。
「俺のお姫様は心配性だね。でも大丈夫ダヨ。俺、運は強い方だし、愛はパワーっていうでしょ」
サニーがダニエルの心配を全然理解していない事はわかったが、それでも彼の甘い笑顔の前では全てが些末な事に感じてしまう。
ダニエルの心臓はトクン、トクンと甘く痺れ、発作を起こしそうだ。
サニーは器用にコートや軍服、靴を脱ぎすて、ベッドの上に上がってきた。
そして流れるような動作でダニエルの肩を引き寄せ胸に抱きしめた。
「それより酷く魘されてたよ。怖い夢でもみたの?」
頬が冷やっとしたが、反対に心は急速に満たされていく。
指先が冷えるのもお構いなしに、ダニエルはサニーを抱きしめ返した。
「……忘れちゃった。目が覚めたら夢を忘れるタイプなの」
「そっか。まぁ、悪い夢なら忘れちゃうのがいいよね」
悪い夢じゃないし、忘れたくもないけれど、サニーにどう説明していいかわからず、ダニエルは黙った。
それよりも今はこの幸福を味わっていたい。
サニーの腕の中で思い切り息を吸い込むと、胸に詰まった石が消えていくようだ。
ダニエルはうっとりと息を吐いた。
太陽が登り、朝日が寝室に差し込む。
寝不足だっていうのに、ダニエルは幸せ一杯で朝を迎えた。
不眠不休で帰ってきたサニーも同じ気持ちだといいな。
サニーの頬をそっと包み込み、感謝を込めてそっと口付ける。
「おかえり」
「……ただいま、……フフフフフ」
「……なに?」
サニーのニヤニヤ顔にダニエルは首を傾げた。
「いや、ディディと離れてるのは辛かったけど、いい事もあるんだなって」
「例えば?」
「心配してもらえる。あと“おかえり”って言ってもらえる」
「心配されるの、うざくない?」
「うざくないよ!嬉しいデス。まぁ、あんまり頻繁に心配されると嫌になっちゃうかもだけど」
「それって心配しすぎるなって、牽制?」
「冗談だよ。ディディになら毎日心配されたって嬉しいヨ」
「そんなに心配してたら、私、皺くちゃの顔になっちゃうわ」
「それならこうして皺を伸ばしてあげなきゃな」
サニーはダニエルに覆いかぶさり両手で眉間の皺を伸ばした。
二人の顔が近づき、吐息が唇にかかる。
「……ん」
待ちわびていた温もりを与えられ、ダニエルは目を瞑った。
心臓をキュッと掴まれたような甘い疼きに身を委ね、唇を開くと直ぐに舌が入ってくる。
「ん…、んん……」
生理中だから程々にしなければと思う反面、もっともっとと求めてしまう。
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