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【100】ミニッツ・アグロン伯爵 〜初対面?〜
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美人だがキリッとした目鼻立ちをしているミランダは、怒るとさらに迫力が増す。
ポーラは少しばかり弱り顔になった。
「母上、いいじゃありませんか。父上も姉上の顔を見たら喜ぶわ」
家を捨てたも同然のダニエルに以前は敵意を向けてきたキャサリンだが、寄宿舎に通う間に思うところがあったのだろう。
今は母を刺激しないようにご機嫌を取り、さりげなくダニエルを庇ってくれる。
「姉上、姉上」と慕ってくれた頃に戻ったみたいで、ダニエルは嬉しくなった。
「そうだとしても、一言連絡を入れられたでしょう?どうしてなんでも勝手に進めるの!!」
母の棘のある言い方には傷つくが、言い分はごもっとも。
こういう時はさっさと謝ってしまったほうが拗れずにすむ。
「急に帰ってきたのは謝ります。すみません」
「とにかく貴女は私の部屋へ行っていなさい。後で話しましょう」
「母上、なぜねぇさんを隠すんです!」
ポーラはダニエルを行かせまいとして、立ちふさがった。
サニー達に合流させる為、是が非でもダニエルを紹介しなければならないと考えているのだろう。
いつになく粘るポーラだが、逆に怪しまれてもまずい。
「ポーラ、いいから……」
ダニエルはポーラを制し母に従う姿勢を見せた。
「ポーラ君?」
その時、低く上質なビロードのように滑らかで凛とした声が響いた。
マッキニー家の全員がその声に誘われて振り返る。
長身の男がダイニングルームから颯爽と歩いてきた。
小麦色の金髪が太陽の光を浴びて輝き、オールバックにセットされた頭髪から一束おろした前髪が柔らかくウェーブを描き、目元にかかる。
平行の眉に彫りの深い目元、僅かに垂れた目尻の先にはアイリスの花から色素をギュッと絞り出したような深い青紫色の瞳が煌めいていた。
サニー……もといアグロン伯爵のウォーキングは頭の先から踵まで一本の線のように真っ直ぐで、立ち居姿には優美さと気品が感じられる。
彼は真っ直ぐにダニエルの前にやってきて、ふわりと微笑んだ。
「美しいお嬢さん、貴女のお名前を教えていただけませんか?」
分厚い下唇が弧を描き、目尻がさらに垂れる。
ダニエルを見つめる瞳が甘く蠱惑的で、心臓がバクバクと高鳴った。
サニーの笑った顔、口説く顔、誘う顔は何度か見たし、ボロンゴ領ではアグロン伯爵の護衛として帯同もしていた。
それなのによく似た別人と対面してるみたいな錯覚を覚える。
初めて彼と出会ったアリャーリャ村でのワイルドでアウトローな姿とも、宮殿きってのプレイボーイと噂される謎の第三王子ペティファー公爵とも違う。
これがマッキニー領でのミニッツ・アグロン伯爵で、これからダニエルが恋に落ちる相手なんだと思うと、自分が演じているから初対面のように感じるのか、演じさせられているから別人のように感じるのかわからなくなった。
ポーラは少しばかり弱り顔になった。
「母上、いいじゃありませんか。父上も姉上の顔を見たら喜ぶわ」
家を捨てたも同然のダニエルに以前は敵意を向けてきたキャサリンだが、寄宿舎に通う間に思うところがあったのだろう。
今は母を刺激しないようにご機嫌を取り、さりげなくダニエルを庇ってくれる。
「姉上、姉上」と慕ってくれた頃に戻ったみたいで、ダニエルは嬉しくなった。
「そうだとしても、一言連絡を入れられたでしょう?どうしてなんでも勝手に進めるの!!」
母の棘のある言い方には傷つくが、言い分はごもっとも。
こういう時はさっさと謝ってしまったほうが拗れずにすむ。
「急に帰ってきたのは謝ります。すみません」
「とにかく貴女は私の部屋へ行っていなさい。後で話しましょう」
「母上、なぜねぇさんを隠すんです!」
ポーラはダニエルを行かせまいとして、立ちふさがった。
サニー達に合流させる為、是が非でもダニエルを紹介しなければならないと考えているのだろう。
いつになく粘るポーラだが、逆に怪しまれてもまずい。
「ポーラ、いいから……」
ダニエルはポーラを制し母に従う姿勢を見せた。
「ポーラ君?」
その時、低く上質なビロードのように滑らかで凛とした声が響いた。
マッキニー家の全員がその声に誘われて振り返る。
長身の男がダイニングルームから颯爽と歩いてきた。
小麦色の金髪が太陽の光を浴びて輝き、オールバックにセットされた頭髪から一束おろした前髪が柔らかくウェーブを描き、目元にかかる。
平行の眉に彫りの深い目元、僅かに垂れた目尻の先にはアイリスの花から色素をギュッと絞り出したような深い青紫色の瞳が煌めいていた。
サニー……もといアグロン伯爵のウォーキングは頭の先から踵まで一本の線のように真っ直ぐで、立ち居姿には優美さと気品が感じられる。
彼は真っ直ぐにダニエルの前にやってきて、ふわりと微笑んだ。
「美しいお嬢さん、貴女のお名前を教えていただけませんか?」
分厚い下唇が弧を描き、目尻がさらに垂れる。
ダニエルを見つめる瞳が甘く蠱惑的で、心臓がバクバクと高鳴った。
サニーの笑った顔、口説く顔、誘う顔は何度か見たし、ボロンゴ領ではアグロン伯爵の護衛として帯同もしていた。
それなのによく似た別人と対面してるみたいな錯覚を覚える。
初めて彼と出会ったアリャーリャ村でのワイルドでアウトローな姿とも、宮殿きってのプレイボーイと噂される謎の第三王子ペティファー公爵とも違う。
これがマッキニー領でのミニッツ・アグロン伯爵で、これからダニエルが恋に落ちる相手なんだと思うと、自分が演じているから初対面のように感じるのか、演じさせられているから別人のように感じるのかわからなくなった。
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