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復讐
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しおりを挟む首筋を噛まれた痛みでメリッサは漸く意識を取り戻した。
メリッサにとってはそのまま気絶した方が幸せだったかもしれない。
メリッサの意識が戻ったのを確認したディエゴは今度は背後からメリッサを犯した。
「あっ……!?」
下半身に、鋭い痛みと、息を呑むほどの熱を感じる。
目覚めたばかりのメリッサはまだ状況を把握できていなかった。
後ろから激しく突かれる衝撃に、そのまま床に顔ごと倒れそうになるメリッサを、背後からディエゴが支える。
肘を床につかせ、メリッサは意味も分からないまま、自分の口からひたすら零れる聞いたことのない声色に驚き戸惑っていた。
メリッサの丸く白い尻を掴みながら、ディエゴは恍惚とした表情で腰を振る。
もしもメリッサが状況を理解すれば、獣の姿勢で自分が犯されていることを恥じてすぐにでも舌を噛み切っていただろう。
白い衣装は形ばかりに纏わりつき、中途半端に脱がせられた上半身からは柔らかな乳房が露になっていた。
赤く色づいた乳首はつんと先端を尖らせ唾液で濡れている。
白い乳房には歯形や欝血が無数にあり、よく見ればメリッサの首筋や肩、腕にもその痕がある。
肌が見えるところ全てにディエゴの粘着質な執着の痕があり、ディエゴが陰茎を乱暴に抜き差ししているメリッサの秘部の周りを中心にして股や太ももにも無数に散らばっていた。
メリッサの純潔を奪った証に、そこには血の跡が微かに残っている。
今はディエゴが一度放った少し透明度の高い精液がぶくぶく泡立ちながら太ももを伝っている。
メリッサはディエゴがその破瓜の際に流れた血を綺麗に舐めとったことを知らない。
神殿には肌と肌がぶつかり合う音と、メリッサの嬌声、そしてディエゴの歓喜に満ちた呻き声が響いていた。
メリッサの中に二度目の射精をし、最後の一滴まで注ぐようにディエゴは小刻みに腰を振った。
そして、満足気に溜息をつき、メリッサの震える身体を背後から抱きしめるディエゴに、メリッサは漸く自分の今の状況を認識した。
ディエゴが背後からメリッサの胸を乱暴に揉み、その首筋を舐める。
あまりの屈辱に、メリッサは顔を覗き込んで来るディエゴを睨みつけた。
「卑怯者……! この、恥知らずがっ」
メリッサを無理やり犯し、そして気を失っている間にもずっと凌辱していただろうディエゴに吐き気がする。
だが、そんなメリッサの侮蔑の視線をディエゴは反論することもなく、必死に身を捩って離れようとするメリッサを強く抱きしめ、埋めたままの陰茎をまた硬くさせながら下から突き上げる。
「あんっ……!」
突然の刺激に、我慢する間もなくメリッサは喘いだ。
その脳髄ごと溶かすような甘い声に、ディエゴはうっとりと囁く。
興奮と蔑みを滲ませながら。
「その卑怯者に犯されて、恥知らずにも感じているのは誰だ?」
「んっ……ッ」
口を押えようとするメリッサの手をディエゴは強く掴んで放さない。
いくら唇を噛みしめても、ディエゴが腰を突き上げるたびに、声が漏れてしまう。
圧倒的な熱量は痛みを凌駕し、大きすぎるディエゴの一物がメリッサの膣を圧迫し、息をするのが難しいほど苦しい。
それなのに、メリッサのつい先ほどまで処女だった身体は少しの快楽も逃さないかのように敏感に濡れていた。
血やディエゴの精液だけではない粘液が厭らしい音を立てる。
あまりの羞恥と屈辱に、メリッサは髪を振り乱しながら首を振って現実を否定した。
ディエゴが愉快気にメリッサの淫乱さを揶揄するごとに、メリッサは絶望する。
すぐ側にはカイルがいるのに、自分は憎い仇でもあるディエゴに犯されて感じている。
これ以上の絶望はないと思った。
実際に処女だったメリッサがこうも感じてしまうのは生まれ持った素質もあったが、一番の原因は神殿に焚かれた香だ。
処女の花嫁が痛くないように、そして初めての性交で快楽を感じてその後の夫婦生活をより円滑に、子作りも積極的にできるように焚かれた香には王家秘伝の媚薬が含まれている。
幼少の頃から媚薬の類も毒と同じ様に含み耐性をつけていたディエゴには効かないが、メリッサは違う。
初めての媚薬をメリッサの身体は素直に受け入れていたのだ。
そんなことを知らないメリッサは今度は身体を反転させられた。
そのまま床に押し倒されたメリッサの乳房をディエゴは我が物顔で吸い付き、円を描くように腰を回してより強い快楽をメリッサに与えた。
感じたくないのに感じてしまう。
そして耳を塞ぎたくなるほどの快感に蕩けた自身の喘ぎ声。
メリッサが嬌声をあげるたび、苦痛と官能で顔を蕩かせるたびにディエゴの腰の動きは速まり、その陰茎はより硬く大きくなる。
ディエゴがメリッサの中に三度目の精を放ったとき、熱い放流が膣内を満たす刺激にメリッサは自覚なしにディエゴの精を搾り取るように膣を締め付けていた。
ディエゴは苦し気に息を吐き出し、そのままメリッサの腰を掴み、全てを注いだ。
今だかつてないほど興奮し、息を整えるディエゴ。
だが、まだ足りない。
ディエゴの積年の恨みも憎しみもこれっぽちの凌辱では満足しないのだ。
もっと、徹底的にメリッサを傷つけ、その尊厳も肉体も全て己の手で蹂躙しなければならない。
そして、そのままメリッサの中に陰茎を埋め込み、ディエゴは汗で濡れた正装服を脱ごうとした。
中途半端に白い衣装を身に纏うメリッサの色っぽい姿から片時も目を離さず服を脱いでいく。
激しすぎるディエゴの動きが止まり、漸くメリッサは息を整えた。
深い絶望を抱きながら自分をじっと見つめたままのディエゴを見上げた。
憎しみや怒り、絶望に濡れるメリッサは強い諦めをその時感じていた。
ディエゴが汗ではりつく長袖の肌着を不快に思いながらも、それを脱ぐことはなかった。
無意識にディエゴはメリッサに肌を見せること、自身の傷跡を見せることを拒んでいたのだ。
「……まだ、やるの?」
ディエゴはメリッサの呟きに返事をせず、ただ皮肉な笑みを浮かべながら熱に浮かされた目でメリッサを見下す。
それが答えだった。
「……もう、殺して」
それはメリッサの本音だった。
自尊心の高い王女であるメリッサにとってディエゴの行為は死よりも辛い。
ディエゴが国王を殺し、メリッサの大切な人々を不幸に陥れた張本人であり、出来ることならばその首に噛みついて殺してやりたいと思っている。
そして現実的にそれが出来ないと知っているからこそ、メリッサは死にたいと思った。
仇も満足にとれない自分が情けない。
だが、このままディエゴに惨めに犯されて殺されるのなら、せめての慈悲にもうこれで終わりにしてほしかった。
首でもなんでも絞めつけて殺して欲しい。
苦しいのも痛いのも嫌だが、こんな辱めをこれ以上受けたくなかった。
「殺す気がないのなら…… 今すぐ死なせて」
剣でも刀でもなんでも貸してくれれば自分で死ぬ。
紐でもいいし、何もないなら舌を噛み切るか、女神の像に頭をぶつけて死んでもいい。
死ぬことで解放されたかったのだ。
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