社畜転生!

MAMETAROU

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とりあえず初心にカエリマス

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まさか赤ちゃんにまで退行してしまうなんて思いもしなかった。
とりあえず寝返りをして辺りを見渡した。
辺りにはなにもなくただひたすらに草原が広がっていた。

《どこかになにかしらあるといいんだけど町か村とかが》

『では自動マッピング付きマップスキルを追加なさいますか?約半径1キロぐらいの範囲を表示することができます』

《便利そう出しお願いしようかな》

『わかりました。ダウンロード中・・・』

そう言うと頭の中に色々な情報が流れ始めた。
しばらくしてダウンロード完了と映し出された。
画面脇に小さな枠が追加されていた。

『マップには1キロ圏内には何もないみたいです。マップスキルと合わせてスキル観察眼も平行してダウンロードしましたがご迷惑ではないですか?』

《観察眼?それはアイテムとかに使えるあれか?》

『アイテム以外にも使うことができます。常時発動、任意発動どちらになさいますか?』

《ずっと発動するのは大変だから任意発動でいいよ》

『かしこまりました』

試しにそこらへんの草を凝視していると説明文が現れた。
そのほかに石や虫にも使えたので大変便利でなものだ。

《とりあえず進んだけどなかなか進めないな》

小一時間は歩いているはずだがなかなか進まない。
辺りを見回しても景色も変わらない。
何でこんなとこに転生させるんだよあのやろう・・・

《篝様そろそろ電力値にも不安が出てきます。
残りの残量・供給量を計算しますとあと2時間が限界です。》

早速死亡フラグかよもう笑うしかねーな。

《どうすれば電力値を増やせる?》

『一番簡単な方法は食事です。篝様はおなかは空きませんが食べ物を分解しそこからエネルギーやら身体の機能に必要なものを得ます。

《何か食べるものか・・・》

そんな話をしているとマップにいくつかの緑点が表示された。

《メアリーこれってまさか!?》

『はい。人を表す点でございます』

やった!ついにこれで草原からおさらばできる!
そう考えつつもそこまでの距離はおおよそ1キロ
ハイハイでもいけなくないが時間が間に合うかわからない。どうやっていこうかと考えていると、

『篝様、ある程度電力を消費して飛んでいってはいかがでしょうか?』

《え・・・飛べるの?》

『はい。詳しい話を聞きますか?まずは重力のお話から・・・』

《また今度聞くわ!》

ものすごく難しそうだからやめておこう。
そんなことよりも早く人に会いに行こう!
ルンルン気分でメアリー頼みでお願いした。

『では出発しますよ?準備はいいですか?』

あれ・・・なんだがメアリーが不機嫌な気がするが気のせいか?

《おう!じゃあしゅっぱっっ》

そう言い掛けた瞬間景色が一新した
横に流れる草木、すべてが緑色に染まった。
そしてあっという間に人とあと数百メートルというところまできたのであった。
ちなみに俺はグロッキーであるあまりの出来事にただただ呆然としている。

『お早くとのことだったので音速で参りました。
電力の心配はございませんのでご心配なく。』

《あ、はーい》

以後メアリーの機嫌には気をつけようと誓ったときであった。

しばらくすると慌てて一人がこちらに向かってくるのがマップに映し出された。
何を慌ててと思ったが後ろをみていない。
今さっきメアリーは音速といった。
恐る恐る振り返ると・・・元々いたであろう場所からここまで真っ直ぐ一直線ではげ野原できていた。

《えぇぇ!?メアリーさんこれは・・・》

『ソニックブーストです。篝様がお早くと言ったので』

メアリーさん、根に持たれてしまったみたいです。

(なにこれ!?何でこんなことに?!)

到着してそうそう驚愕していた。しかもよく見ると女の人で俗に言う獣人みたいだ。
場所に気を取られすぎて気づいてもらえない。
よしイヤだが泣くしかないか・・・

《おぎゃ》

『とても可愛らしいです!篝様』

なぜメアリーが反応するのかはさて置き気づいてもらえた。

(人の子?しかも赤ちゃん・・・可哀想に捨てられたのね)

涙ぐみながら俺を拾い上げてきた獣道を戻っていく。
やっとここからぬけることができる!そう思うと涙が出てくる。

(寂しかったのね。よしよし。おなか減ってないかしら?おっぱい飲む?みんなのところに戻る前にあげちゃおうかしら)

え・・・身体が硬直して動けなかった。

『食事の機会なので身体の操作をさせていただきます。なお拒否権はありません』

とてもいい顔でそう言ってくるメアリー
お前面白がってるっていうか楽しんでるだろ!
と言いたいが身体が動かない。

《あうー》

(よしよし。おなか減ってたのねちょっと待ってね~)

着々と準備が進んでいく・・・あきらめてメアリーに身体を預けるのであった。心は少年である。
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