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大地の恵みを

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俺たちは今、魔王城を超え、太陽の国エロールに向かっていた。



「ニャッニャニャッニャニャ~~♪」



 このニャニャニャニャ言ってるのは、俺をこの世界にオークとして放り込んだ張本人、邪神の本体、黒猫の姿をしているが、俺はまだ、コイツが四つ足で歩いているのを見ていない。



 ロコックとメチャメチャセックスした後、夢の中に出てきた邪神は、ある提案を持ち掛けてきた。



 それがエロール国の冒険である。



 それには、そもそもなぜ、邪神が猫になってまで、この世界にくるかを説明しよう。



 みんなは、ブロックを積み重ねて、町や城や国を作るゲームをしたことがあるだろうか?オレは、あの手のゲームセンスが壊滅的になかったが、この邪神もそうなので、世界を作るセンスがなく、イイ感じに作れないのである。



 じゃあどうするか?



 そうだ!他の神が作った世界に行こう!っと思ったらしい。



 でも考えて欲しい。



 子供に親が教えているところに、他の奴が勝手に来るのは論外ではなかろうか?まさに邪神の所業ではある。



 問題は、何をしたいかだけと、世界を作る運営していくと言うのは、一歩間違えば、ロコックのようなヤツに、めちゃくちゃにされる危険な遊び、なので邪神がしたいのは、他神のマップにいる奴らと、なんとなく楽しくお茶をすることである。



 そこに、ロコックが付いてくると言うから、話がややこしい。



 どうも、邪神の書いたネコノクロミンの愛読者であるロコックは、俺が他国に行くこともあり、意地でも付いていくそうだ、



「今日も幸せだニャ~♪」







 まずは、エロール最北の町「コズミ」を目指す。



 その道中で、ベタベタな奴らが三人組が出てきた。



「ヒャッは~~~!」



 イカツイ見た目だが、それ以上ではない。



 戦闘民族エロールの民らしく、袖のない服というか、千切ったみたいな服なのが仕上がっている。



「盗賊の類たぐいニャ?」



 猫は歩くと遅いので俺が抱っこしている。



 正直、町の近くまでは魔法で飛んで運んで貰ったのだが、魔法を使用しているところを、目撃されて攻撃を受けてもしょうがないので、10K先くらいから歩いている。



 コイツらは、高官国で行われた奴隷禁止令によって、食い扶持ぶちを無くした奴らだろう。



 出稼ぎは残っているが、それは元々少数、奴隷として出入りしていれば、コイツらには実入りがあるから襲われない、奴隷がなくなればコイツらに実入りがないから、こうやって実を狩らなくてはいけなくなる。



 道理と言えば道理か…



「大方、元奴隷商でしょう。高官国による奴隷禁止制度で、奴隷商達は稼ぎゼロですから」



 猫が、腕から飛び降りて大地に立った。



「何だ?コイツ動くぞ!」



 野盗たちが騒めき、ロコックは失笑し会話はどんどん聞き流している。



「この黒猫クロミンの華麗なステップに…恐怖してるニャ?」



 目をキラリと輝かせているのが腹が立つ。



「猫が喋ったぁぁぁぁあ!!!しかも二本足ぃぃぃぃぃぃぃ!!」



 そう!この物語は、邪神が黒猫の皮をかぶり、『クロミン』と名乗り、信者『レス=ロコック』と、クロミンの従者『タン=クーオ』による、お騒がせファンタジーである。



「ちょうどいい、3対3ニャ」



「そうだな、私もこちらの戦いに馴れておかないとな」



 ロコックは装備を重装から軽装に変え、武器もナックルに変えていた。適正武器のメテオスターは、リープより復活はしたが国の神器なので国外に持ち出せない。それと、相手の得意で打ち負かした方が、相手が理不尽に感じるとのことだ…ほんといい性格で…



「あっ俺はヤんないから、2対3でヨロシク」



 ハッキリ言って今回の旅でも、まったく戦う気がない。



 猫とロコックは楽しそうに談笑している。



 ではどうしてこの旅を了承したかというと、出発三日前、第三高官国…  



「クーオ様、お願いがあるです。」



 クロエは、アルケ王子、いや王位継承したアルケ王の助けもあり、唸るような権力を手にしていた。



「なんだ?」



 城壁の上から、魔王城の方を見る、その向こうにはエロールがある。



「エロール国に行くなら、お願いしたいことがあるです。」



 それは、まずエロール国の町に転送用の魔法陣を作ること、これは高官国からの物流をよくするためと、魔法を嫌うエロールでは、手つかずの魔石の鉱脈がかなりあると言われており、その魔石を輸送するために必要と言う事、そしてそれは、人身売買からエロール人を脱却させても、エロール国に利益を産むことになる。



 なお、人口がコントロールされた高官国では、エロール人は働き手として重宝されているので、人材を一括して管理する体制を作りたいとのこと、確かに、戦士として弱くてもクロエのよう超器用な奴らがいるのは確かだと思う。



「ムカイ―とか、特産品にならないのか?」



「エロールの農業は超適当です。耕すことなく適当に種をまき、育たなかったらそれまでです。」



「バナナ主食なんだろ?」



「アレは根元の方を半分に割って近くに植えたら大体なるです。」



 気候があっているのか?そんな感じで出来そうには思えないが…



「まあ、いいなら特産品になりそうなものは、安定して収穫できるか、栽培は可能かを探るのも悪くないだろう。戦闘員以外のエロール人に奴隷以外の選択肢を産んでくれるはずだ…」



 クロエが俺の右手を握ってきた、両手で握ってはいるが、小柄クロエの手と俺の手では、大人と子供ほど違う。



 目を閉じうつむき、そっと願うようにつぶやく…



「大地の恵みを…」



 上手いこと二人を撒いて逃げ出そうと思っていたのだが、こんなこと言われたらやるしかない。



 だってあの二人に任せたら、絶対にロクなことにはならない。



「任せろ…」



 反対の手で頭をポンポンする。



「信じます。クーオ様は、私を助けてくれたです。」



 俺は信じられない…



 これからお前が…



『ダークエルフには負けてられない!青髪の受付嬢100人斬り!』



 …の撮影を控えているだなんて…



 そして目の前では、戦闘が始まっている。



 両拳を合わせると、巨大ロボの合体でしか聞かない音がするロコックに、二足歩行で動く、その猫らしからぬ靭しなやかで軽快な動き、まあ、猫本来の靭しなやかで軽快な動きなんだけど、別物なんで馴染めな過ぎて、相手は困惑していた。



 そう言えば、試しておかないといけないことがあった。



「お前達、この二人に勝ったら、持ってるものは大人しく引き渡そう。お前達にはそうだな…男でもかけてもらおうかw」



 邪神がこの世界で力を使うためのデバイス、それが俺、そしてこれは、使用できる能力の確認と自分の状態を知るの為のものでもある。。



「いいぜ!賭けてやるよ!」



 流石に戦闘民族、女と猫に負ける気なしと見える。



「だってさ邪神様www」



「クックックッ、確かに聞いたニャ!あとクロミン様と呼ぶニャ!」



 黒い光の輪が、全員の首に首輪のように巻き付く。



「なっ何だこれ!?」



「このクロミンとの約束は神との契約ニャ…決して逃れられないと知るニャ!」



 3人の男達は、自分達がトンデモない者に絡んだことを、暗に悟ったが、その恐怖を隠すように、大声で叫びながら襲いかかった。



「勝ちゃぁあいいんだろうがぁぁぁ!!」



 一人の男がクロミンに蹴りかかった次の瞬間!!



「クロミンHI☆ZA!!それは神の嘆き!!クジラ達の残響!!」



 あっ、最初は打たせないでヒザ蹴り…あと神の嘆なげきは、なんか飲み込めたけど、クジラ達の残響がスッと入ってこない、クジラ達はクジラの群れだが、残響は声なん?ぶつかる音なん?オナラ?なッンッッッの!って白目剥しろめむくくらい意味解らん。



 男はうつ伏せに倒れ、残りは怯えてる。



 黒猫の心の黒さが伺える。



「ひぃいいっッ…」



「安心するニャン、お前たちの分の膝蹴ひざげりも、ちゃんととってあるニャン♪」



 膝蹴りって取り置きもあるんだ~って感心していたら、あっという間にやられていた。



 すると、三人の首に巻かれた黒い輪が、あたりに広がり四角い部屋のようなボックスになっていく、俺自身も、吸い込まれるように中に入る。



「なっ何だこれ?」



 見ていた俺も思った、さっきのいかつくて世紀末仕上がってるみたいな三人衆ではなく、美女三人組になっているのだから…



「あれ?お前たち誰だ?」



 黒髪褐色、グレーに褐色、黒髪に完全に白ではないが色白になっている。



 部屋に邪神の声が響く…



「どうも~、クロミンニャン♪約束通り、お前たちの男を貰ったニャン♪」



 どうやら俺も、以前のオークの姿に戻っている。



「でもクロミン、バッドエンドは嫌いニャン♪お前たちには小一時間、そのオークと部屋で過して貰って、男を返してあげるニャン♪優しいニャ~♪」



 生きていれば人生続くがどう見てもバッドエンドな気が…



 あの筋肉質バッキバッキのムッキムキだった肉体が、筋肉もスッカリなく、全身やわらかそうな、女の柔肌になっている。



 まあ…そんで性技スキル具合とか確認したいよね~



「気をつけるニャ、そのオークはクロミンより強い二ャw男は守れなかったけど、女は守れるといいニャ~~~」



 俺もそう思うけど、チン肉質がバッキバッキのムッキムキだから、仕方ないと思う。



「ヒィィィッッ…」



「へぇ、そんな声で鳴くんだ…」



 さて、知っている情報を洗いざらい吐いてもらおうか…



 性技せいぎの血が滾たぎる。
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