平凡希望な俺には、テンプレ召喚は必要ないです!

渡海 美雨

文字の大きさ
3 / 7

乙女ゲーの攻略対象

しおりを挟む

皆さんの作戦タイムの間、俺の事は超放置プレイでした。
魔法陣の中、棒立ちで待機してましたよ。
椅子でも持ってきてくれるとありがたかったんだけどな?

時間にして5分ほどだろうか。
とりあえずの話がまとまったのか、カラフル男子たちと黒ローブ集団がこちらに向きなおり一礼。
カラフル男子たちが上げた顔には、見事な営業スマイルが貼りついていた。

いやいやいや、さっき思いっきりしかめっ面してましたよね。
取り繕えると思ってんのかーい。

思わず脳内でツッコミを入れてしまう。
俺が女子だったら、イケメンフェイスパワーで押し切れたのかもしれないけど。
胡散臭いものしか感じてない俺には無理だ。
ただただ、胡散臭い。

代表して金髪碧眼コンビが話しかけてきた。
この2人は兄弟かな?
品行方正な王子様とフェロモン垂れ流しのチャラ男。
歳はチャラ男の方が少し上に見える。
王子の方は俺と同じくらいかな。
タイプは違うけど、顔の造りは似通っている。
胡散臭いけど。

「ようこそ、聖者さま」

「どうか私どもの話をお聞き下さい」

胡散臭い丁寧な口調で話しかけてくる。

おっとー。そうきたか。
聖女じゃなくて聖者扱いにして、異世界人をキープする考えのようだ。
でもさっき、「男だと…?」とか言ってたの、しっかり聞いてましたよ?
見事な手のひら返しだ。
俺の中では胡散臭いに拍車がかかっている。
そろそろ胡散臭いがゲシュタルト崩壊しそうだ。

「話、ですか?」

今もキラキラ輝いている魔法陣の上で、俺は首を傾げる。
とりあえず言質は取られないようしないとな。
顔には出さないけど、警戒モード発動中です。

それにしてもこの魔法陣、光りっぱなしでいいのか?
足元の光に目をやると、俺以外の人間も戸惑っているようだ。
誰も魔法陣の中に踏み込んで来ようとしない。

「ひとまず落ち着けるところでお話しましょうか」

「どうぞそちらから降りてきて下さい」

金髪コンビも魔法陣の外から呼びかけてくるけど、中に入ってこない。
まあ、こんなピカピカしてて怪しいところには入りたくないよなー。
ただ、どうしてなのだろう。
俺の勘はここから出ない方がいいと言っている。

「…」

「…」

エスコートするようにこちらに手を差し出している金髪王子。
その手を見つめてスルーする俺。

だって男にエスコートされても、ねぇ。
絵面を想像するとサムい。

沈黙の重たい室内。
少しずつ増えていく一般兵。
動こうとしない俺に焦れたのか、兵士を使って連れ出したいらしい。
でもその兵士さんたちも腰が引けてる。

さて、どうしようかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

泥まみれの英雄譚 〜その手が掴んだ温もりは〜

夢見中
ファンタジー
彼は異世界召喚に巻き込まれるが、そこで待っていたのは「ハズレ」の烙印と、城からの追放だった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...