特盛お江戸猫家族

杏菜0315

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虹の橋

作 紅羽

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第一話
ここは虹の橋
 猫たちが集う、猫たちの国
ここにきつい性格のさーこ、ツンデレのジジ、おっとり屋のスッキの三兄弟が暮らしています
おっとり屋のスッキはいつもマイペース。
 さーこはそんなスッキを叱る毎日
 ジジはそれを見ながらツンツンしていました。
「お姉ちゃんはなんでいつも僕を叱るの」
 とスッキ。
「マイペース過ぎるからよ」
 とさーこ。
 「二人とも大変ね」
とジジ。
そんな毎日が続く中、ある日スッキが何も言わず旅に出ました。
 「スッキはどこに行ったの!!」
とさーこがハンカチをかじりながらジジに聞いています。
「さーこお姉ちゃんがいつも叱るからよ」
とジジ。
「スッキを探しに行くわよ」
「さーこお姉ちゃん、わかったよー」
二人は虹の橋から初めての旅に出ました。
「忘れ物はない?」
「ないよ、出発!!」
初めての旅にワクワクドキドキの二人。
「あれはなあに?」
「あれはね別の世界に行くふねよ」
「乗りたい」
「乗ってスッキを探そう」
こうして二人は船に乗って旅にでました。
初めての世界に興味しんしんなジジ。
スッキを探すのに必死なさーこ。
途中で猫又と出会いました。
「こんな子知らない?」
とさーこ。
「あの子ならあっちに行ったよ」
と猫又。
二人は猫又に感謝してスッキの後を追いかけました。
「さーこお姉ちゃん疲れたよ」
とジジ。
「休憩しようか」
「うん、おやつ食べよう」
「それにしてもスッキはどこまで行ったんだろうね」
「人間の世界にいったのかな」
そんな話をしながら二人はまた歩き出しました。

続く


第2話
突然旅にでたスッキを探すサー子とジジ。
一方でスッキはのんびりマイペースで旅をしていました。
「人間の世界にはどういくの?」
とスッキ。
あの船に乗れたら人間の世界に行けるよと教えてもらいワクワクしながらその船に乗ったスッキ。
「人間の世界と、猫の世界は何がちがうの?」
と聞くスッキ。
「人間の世界には寿命ってのがあってね、寿命が来たらまた、虹の橋に戻るんだよ」
と猫の船頭さん。
「そうなんだあ、優しい飼い主さん見つかるかな?」
とスッキ。
「あとは人間には猫の言葉はつうじないよ」
と猫の船頭さんが言います。
「えーそうなの、なんて聞こえるの?」
「にゃーって聞こえるんだよ」
と猫の船頭さん。
「そうなんだあ」
少し考えるスッキ。
「でも僕行くよ?」
とスッキ。
船に乗って人間の世界に到着しました。
人間の世界に猫はいるのかな?とワクワクのスッキ。
半面お家あるのかなと不安になっていました。
そうしていると、一人の女の子がやって来ました。
「お家なくて困ってるの?」
と女の子。
「僕の話がわかるの?」
とスッキ。
「うんちゃんと聞こえるよ?」
と女の子。
「人間でも話せる子がいるんだ?」
「私だけだけどね、うちに来る?」
「いいの?」
「いいよー!パパもママも良いっていうから、後ろに着いてきて」
「わかったよ」
虹の橋がどんな世界か、どうやって人間の世界に来たのか楽しそうに話すスッキ。
女の子もニコニコしながら聞いています。
「さーこお姉ちゃんとジジも来るかな?」
と不安がるスッキ。
「きっと来るよ」
と女の子。
「何でわかるの?」
とスッキ。
「大切な弟とお兄ちゃんがいなくなったら探すよ」
と女の子。
「来たらみんなで暮らせるといいな、僕、一人で旅出来たからさーこお姉ちゃんに自慢するんだ」

続く


第三話
人間の世界に来たスッキ。
女の子と話してると突然
「あああああああああああ!」
とスッキが叫びました。
女の子が
「どうしたの?」
と聞くとスッキは
「僕うかれてて名前言うの忘れちゃった!僕の名前はスッキって言うんだよろしくね」
女の子は
「ビックリした!何かあったのかと思ったよ。私の名前はあおよろしくね。」
「今からね近所の猫ちゃんに挨拶に行くからね。」
とあおが言うと
「緊張するなあ」
とスッキ
「大丈夫だよ、優しいお姉さんだから」
とあお。
そんな話をしていると
「ここだよ」
とあおがスッキに言いました。
あおは「こんにちは!」と言うと
「だあれ?」
という声と共におっとりした猫が出てきました。
「あみちゃんあおだよー!」
というとあみが
「あおちゃんね、そちらの子は?」
とあみ
「ぼ、僕スッキと言います、虹の橋から来ました!」
というと
「私もよ~」
とあみがいいました。
「私の名前はあみって言うの
虹の橋から人間の世界にきたのよ
わからないことがあったらいつでも相談してね」
とのんびりと説明するあみ。
「わかましたあみさん!」
とスッキ。
「あみちゃん寝てるとこごめんね」
とあお。
「大丈夫よ~」
とあみ。
「私たち帰るからあみちゃんゆっくり寝てね」
とあお。
「ありがとう~」
と言って家の中に入って行ったあみ。
「ね、あみちゃん優しいでしょ」
とあお。
「頼りになりそうだね」
とスッキ
「あみちゃんがここの事大体知ってるからね」
「凄いなあ」
「うちはあみちゃんのお家の隣だからね」
とあお。
「そんなに近いの?」
とスッキ。
「あそこがスッキの住む家だよ」
とあおが言いました。
「凄いお家だあ‼」
とスッキ。
「スッキのお部屋もあるんだよ」
「えっ!どこどこ?」
「あそこの日がよく当たるお部屋」
「わーい」
とこんなことを二、三日繰り返しているとあみちゃんから突然呼ばれました。
ドキドキするスッキ
あみちゃんは写真を見せて
「この猫ちゃん二人知らないかしら?」
と言うのでマジマジと見たら
「サーコお姉ちゃんとジジだ‼」
とスッキが叫びました。
「どこで見かけたの?二人は元気?」
と捲(まく)し立てるスッキ。
あみちゃんは優しく
「公園付近でよく見るそうだからその公園に行ってみたらどうかしら?」
と言いました。
スッキはあわてて
「ありがとうございました」
と言って公園に向かいました。
するとそこにはサーコとジジがいてご飯を食べていました。
「何してるの?二人共」
とスッキ。
「スッキお兄ちゃんだあ!」
とジジ。
「なにやってるの‼」
とサーコ
「何ってここで暮らしてるよ」
「はじめましてあおって言います。飼い主とこの国では呼ばれています。スッキ君の飼い主です」
するとジジが「ズルい‼ジジも飼い主さん欲しいの‼」
と言ったところであおが
「ジジとサーコのお部屋もあります心配しないでください」
と言いました。
ジジは「わーい飼い主飼い主」と浮かれていて話にならないのでサーコが聞くことになりました。
「飼い主って何をしてくれるんですか?」
「ご飯の準備をしたり毛並みがよくなるようにブラッシングしたりトイレの掃除もしてくれますよ」
「そんなに便利なの?」
とサーコは驚いてビックリした表情をしていました。
「サーコとジジは今日から家の家族だね」
とあお。
「家族だあー」
とサーコとジジとスッキでした。
あみちゃんのお家から帰った4人。
「人間の家ってこうなってるんだ」
とサーコ。
「おトイレどこ?」
とジジ
スッキは説明におわれてバタバタでした。
ふうとスッキ
「わーいわーい涼しい」
とジジ
「なんでこんなに涼しいの?」
とサーコ
「それはね、エアコンって言うのがあるからだよ」
とスッキ。
「エアコンってなあに?」
とジジ
「涼しい風を出したり暖かい風を出したりする機械だよ」
とスッキ。
「へえ、凄い機械があるんだね」
とサーコ。
「それよりみんなあみちゃんにお礼に行こうよ」
とあお。
「みんな挨拶に行かないとねみんなが会えたのはあみちゃんのおかげだし」
とサーコ。
「じゃあじゃあ鰹節持ってしゅっぱーつ」
とサーコが言うとみんながしゅっぱーつと言ってあみちゃんの家に向かいました
「あみちゃんあおだよー」
「だあれ?あおちゃんにみんなどうしたの?」とあみちゃん
「あみちゃんのおかげでみんなが出会えました、ほんの気持ちですがもらってください」
とスッキが鰹節を差し出すと
「あらあらそんなこといいのに、でもみんなの気持ちだから受け取っておくね」
とあみちゃんは言いました。
みんなが帰宅したらご飯が出来ていました
「贅沢」
とサーコ
「美味しそう」
とジジ
「みんな食べるよ~いただきまーす」
続く



第四話
後日またあみちゃんの元へ来た四人
あみちゃんの飼い主さんが出してくれた鰹節でお話していました。
「頂きます」
とみんな鰹節に夢中のなか、ジジがふと
「あみちゃんの飼い主さんてどんな人?」
と聞き出しました。
「優しくて料理がとっても上手で自慢の飼い主さんよ~」
とあみが言いました。
「素敵な飼い主さんなんだね」
とジジが鰹節をいっぱいほうばって、言いました。
「ジジちゃん食べるか話すかのどっちかにしたら?」
とあみが言いました。
「ちょとジジ!」
とスッキとさーこ
「むっ?」
と振り向くと頬が鰹節で膨らんだジジがいました。
「食べ過ぎ!」
っとみんなが一斉に叫びました。
「ジジちゃん凄い顔になっているよ」
とあみ。
「ジジ頬が凄いことになってるよ」
とさーことスッキ。
「かちゅおぶしおひしいんだもん」
と言うジジ
「何言ってるかわかんないよ」
とみんなが一斉に言いました。
しばらくして
「そろそろ帰るね」
とあおが言うと、あみがちょっと待っててと言ってお部屋に向かって行きました。
しばらくして奥からあみちゃんの飼い主さんが出てきて
「鰹節ありがとうね、みんなあみと仲良くしてね」
と挨拶に来ました。
優しそうでふわふわしたお洋服を着たお姉さんが出てきました。
「はーい」とみんな挨拶するとあおが
「みんな仲良くするって」
と飼い主さんに伝えました。
「改めてみんなよろしくね」
とあみと飼い主さんが言いました。
「こちらこそよろしくお願いします」
とさーこ、ジジ、スッキ、あおが言いました。
「あみちゃんの飼い主さん優しそうだったね、いいなあ」
と言ってスッキが振り向くと、頬いっぱいに鰹節を溜め込んでいるさーことジジがいました。
「ほうだね、やひゃひほうだっね」
とさーこ。
「かちゅおぶしおひしい」
とジジ。
そんなことを話していると、家の前に着きました。
「お隣さんだから近いね」
とあお。
「ほもったよひひかかったね」
とジジ。
「いい加減鰹節食べ終わりなよ」
とスッキ。
「おひしいんだもん」
とさーこ。
「さーこお姉ちゃんも!」
「みんな遠慮しなさい!」
とスッキ。
それを見てケラケラ笑うあお
「遠慮ってなに?」
とさーこ。
「それはね、さーこお姉ちゃんやジジみたいに山盛り食べないことだよ」
とスッキ。
「へーそうなんだあ」
とジジ。
「でもジジは出されたもの全部食べるよ」
とジジ。
「さーこも!」
とさーこ。
「この二人わかってない」
とずるっと二人の意見に転ぶスッキは時々二人の意見に悩まされるのであった。

次の日、あおは朝からバタバタしながらスッキたちに「あお今日保育園だからちゃんとお留守番しててね」
と言ってあおが出掛けて行きました。
「ホイクエンってどんなところだろう?」
「楽しいのかな?」
「行ってみたいな」
「行ってみよう!」
と3人はあおの通う保育園を目指しました。
あおの後ろを見つからないように歩く3人。
「ワクワクするね」
とさーこ。
「あおちゃんの行くとこいくの楽しみ」
とジジ。
「怒られないかな?」
とスッキ。
そこうこうしてると保育園に着いたらしく
「あおをよろしくお願いします」
と言ってあおのお母さんがさって行きました。
しばらく隠れていると
「あっ!猫ちゃんがいる!」
と見つかってしまいました。
わらわらとやって来る子供たちにビクビクする3人。
すると
「さーこ!ジジ!スッキ!」
とあおの声がしました。
「あ、あおちゃん~」
と言うとあおは
「ついてきちゃいけないって言ったでしょ!」
と怒るあお
「いやぁやめて」
「毛引っ張らないで」
「痛いよ~」
とジジとスッキ。
「ウゥゥゥシャー」
という声と共に周りを蹴散らすさーこ。
「さーこ強い」
とあお。
「なんの騒ぎ?」
と奥からお姉さんがやって来ました。
「先生うちの猫が着いてきちゃったんです」
とあお。
「なら今日は特別に皆で遊びましょうか?」
とお姉さん。
「ありがとうございます」
とあお。
「ありがとう」
と三匹
お部屋に入ると楽しそうなおもちゃが沢山ありました。
「これで遊んでいいの?」
とスッキ
「お遊びの時間になったらね」
とあお。
「みんなお歌歌いますよ」
とお姉さん。
「ジジお歌好きらんらる~♪」
「さーこもお歌好き」
「僕苦手」
皆で楽しくお歌を歌い、ご飯の時間になりました。
「みんないただきまーす」
「ご飯おいひい」
ジジまた頬に溜め込んで言いました。
「美味しいね」
とスッキ
「美味しいよね」
とさーこ。
「あー!ジジまた」
「う?ほいひいほのはいっはいたへなきゃ」
「もうなにいってるかわかんないよ」
とスッキ
「ジジ美味しいものお口いっぱい溜め込むのやめなさい」
とさーこ。
ジジの顔を見てみんな笑いました。
続く
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