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第3章 帝都へ
ロランからの贈り物
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笑いあった後はアンナさんの部屋に行った。
アンナさんは凄く心配そうな顔で私を見ていたけれど、元気だと伝えると喜んでくれた。
そして、道中で「男のあしらい方を教えるよ!」と意気込んでいる。
私も頑張ろうと思っているので、「お願いします」と伝えておいた。
時間はお昼過ぎ、仕事をしている人の昼休憩が終わった頃だろう。
アンナさんは宿で昼食を取ることにしたそうだ。
「私は久し振りに歩いたから少しゆっくりするわ。二人で外を歩いて来なよ」
と言って、この町の地図をくれた。手書きだった。
宿の人に書いてもらっていたらしい。
お礼を言って私たちは、外を出歩くことにした。
大通りを歩いていると、芳しい香りが漂ってくる。屋台だ。
私たちはいくつか食べ物を買い、真ん中にある広場で座って食べていた。
久しぶりにロランの隣を歩いた気がする。町に着く前にあったモヤモヤは既に消え去っていた。
食事を食べ終わる。
「さて、どこに行くか‥‥セリーが行きたいところはあるか?」
首を縦に振り、「洋服屋さんに行きたい」というと驚いた様子だったが、地図を見て連れて行ってくれる。
独り立ちしなくてはならないといけない、これは思うのだが、迷子は治るのだろうか。
そう考えていると、洋服屋についたようだった。
「何か、買うのか?」
目を丸くしているロランだったが、ここに来た理由は私の容姿を隠すフード付きのローブを買うためだ。
見られたくないなら、顔を隠せば良いじゃない。
そう伝えると、ロランはローブを買うことを賛成してくれた。
色々な長さのものがあったけれど、最終的には深めにかぶれるフード付きの物で、長さは腰より長い物をいくつか選んだ。
色は黒しかなかったので、長さが違うだけだが。
ロランは隣で静かに見てくれていた。洋服屋さんの店員さんが、「あらあら」と言って、ニコニコ笑っていたが、なにがあったのだろうか?
ちなみにローブは二人で稼いだお金(ゴブリンとワイルドボア)から出した。自分が出すと言っても、ロランが首を縦に振らなかったのでお礼を言う。
ちなみに一着はすぐに着ることにする。
ローブを買い終わって、またブラブラと歩いていると、ある屋台が目に入った。
ロランに行きたいと伝えて、了承をもらい私たちはその屋台に入る。
「あら、いらっしゃい」
そこには私と同じようなローブを羽織っている女性がいる。20代くらいの女性だろうか。
お店には沢山のリボンが置いてある。シャルモンの街には、リボンが売っている屋台はなかったから新鮮だ。
顔をあげた勢いで、ローブのフードが頭から脱げてしまった。
再度私はフードを被り直す。
「あらあら、綺麗な髪色のお嬢さんね。隣は‥‥彼氏さんかしら?」
そうお姉様に言われて、後ろのロランの顔を見る。
ロランは目が泳いでいるが、肯定も否定もしない。私もどうしたら良いか分からないので、沈黙。
その沈黙を破ったのはお姉様だった。
「うふふ、ごめんなさいね。何か欲しいリボンはあるかしら?」
そう言われて慌てて商品を見ると、ふと目に入ったのは赤いリボンだった。
そのリボンはロランの目と髪の色、そして私の目の色にそっくりな紅玉色だった。
そのリボンに目を奪われていると、横からふっと手が伸びて、見ていたリボンが握られている。
急なことに呆然としていると、横からロランの声が聞こえた。
「これを購入する」
「あら、まあ。うふふふ。ありがとう」
いつの間にかロランがお金を彼女に渡している。
しかもパーティー用の財布ではなく、ロランが以前から持っていた財布からお金を出していた。
止めようとするも、すでに払った後。今渡すのは諦めて、あとでお金を返すことに決める。
「ふふふ、良いモノを見せてもらったわ。はいこれ、おまけ」
手に二つの球を渡される。同じ紅玉色である。
「もし良かったら、ブレスレットとかにして身につけると良いわ」
と言うことだったので、紐も購入して持って帰ることにした。
紐は安かったから良いが、リボンより貰った球体の方が高そうな気がするのだが‥‥ありがたくもらうことにする。
リボンを買った後は、武器や装備、そして食料品などの購入の時間に充てた。
私の収納魔法に入れておけば、時間も止まるので腐ることがない。
なのである程度買って入れておくことにする。
次、宿に泊まるのは辺境伯領と隣の領の境目にある町らしい。
そこまでは村にも寄らず、街道を歩いていくとのことだ。
宿で朝食を取り終わると、鍵を返して出発することになった。
前と同じように、ロラン、アンナさん、私の順で歩く。
相変わらずロランとアンナさんは話しているが、以前より心は軽い。
それはロランからリボンを貰ったからかもしれない。
買ってもらったリボンは、私の髪を一つに縛るのに使っていた。
町を出立して3日目、予定では明日の昼すぎには到着できるらしい。
その時には私も少しづつだが、アンナさんと喋ることができるようになってきた。
‥‥まあ、返事しかできないのだが。
そんなアンナさんが夕食後、私たちにリクエストを伝えてきた。
最近は警備魔法と防御魔法で襲ってくる者もいないため眠っていたが、見張りを経験したい!とのことで、少しの時間一緒に見張りをすることにする。
「じゃあ、セリーが先で、時間になったら俺を起こしてくれ」
アンナさんは、「セリーちゃんと見張りを!」と言っていたので、私と見張りをすることになった。
と言っても、火の番をしているだけなんだけど。
アンナさんはダラムの町で言ったことを覚えていて、どう男性をあしらえば良いか教えてくれた。
「こんな時はね、」が何回飛び出しただろう。
数えきれぬくらい出てきたが、何とか覚えることができた。
「‥‥まあ、何事も‥‥無ければいいんだけどね‥‥」
全てを教えてもらった後、その顔は胸を締め付けられるような表情をしていた。
だが、その顔は一瞬のことだったので、見間違えたのかと思ったくらいだ。
その後には、満面の笑みが待っていた。
「ねえ、セリーちゃん。一つ踏み込んだ質問をするけど」
頬に人差し指を当てて首を傾げるアンナさん。
その姿は同性の私から見ても可愛い。
だが、そんな思いは次の言葉で吹き飛んだ。
「セリーちゃんは、ロランのことどう思ってるの?」
アンナさんは凄く心配そうな顔で私を見ていたけれど、元気だと伝えると喜んでくれた。
そして、道中で「男のあしらい方を教えるよ!」と意気込んでいる。
私も頑張ろうと思っているので、「お願いします」と伝えておいた。
時間はお昼過ぎ、仕事をしている人の昼休憩が終わった頃だろう。
アンナさんは宿で昼食を取ることにしたそうだ。
「私は久し振りに歩いたから少しゆっくりするわ。二人で外を歩いて来なよ」
と言って、この町の地図をくれた。手書きだった。
宿の人に書いてもらっていたらしい。
お礼を言って私たちは、外を出歩くことにした。
大通りを歩いていると、芳しい香りが漂ってくる。屋台だ。
私たちはいくつか食べ物を買い、真ん中にある広場で座って食べていた。
久しぶりにロランの隣を歩いた気がする。町に着く前にあったモヤモヤは既に消え去っていた。
食事を食べ終わる。
「さて、どこに行くか‥‥セリーが行きたいところはあるか?」
首を縦に振り、「洋服屋さんに行きたい」というと驚いた様子だったが、地図を見て連れて行ってくれる。
独り立ちしなくてはならないといけない、これは思うのだが、迷子は治るのだろうか。
そう考えていると、洋服屋についたようだった。
「何か、買うのか?」
目を丸くしているロランだったが、ここに来た理由は私の容姿を隠すフード付きのローブを買うためだ。
見られたくないなら、顔を隠せば良いじゃない。
そう伝えると、ロランはローブを買うことを賛成してくれた。
色々な長さのものがあったけれど、最終的には深めにかぶれるフード付きの物で、長さは腰より長い物をいくつか選んだ。
色は黒しかなかったので、長さが違うだけだが。
ロランは隣で静かに見てくれていた。洋服屋さんの店員さんが、「あらあら」と言って、ニコニコ笑っていたが、なにがあったのだろうか?
ちなみにローブは二人で稼いだお金(ゴブリンとワイルドボア)から出した。自分が出すと言っても、ロランが首を縦に振らなかったのでお礼を言う。
ちなみに一着はすぐに着ることにする。
ローブを買い終わって、またブラブラと歩いていると、ある屋台が目に入った。
ロランに行きたいと伝えて、了承をもらい私たちはその屋台に入る。
「あら、いらっしゃい」
そこには私と同じようなローブを羽織っている女性がいる。20代くらいの女性だろうか。
お店には沢山のリボンが置いてある。シャルモンの街には、リボンが売っている屋台はなかったから新鮮だ。
顔をあげた勢いで、ローブのフードが頭から脱げてしまった。
再度私はフードを被り直す。
「あらあら、綺麗な髪色のお嬢さんね。隣は‥‥彼氏さんかしら?」
そうお姉様に言われて、後ろのロランの顔を見る。
ロランは目が泳いでいるが、肯定も否定もしない。私もどうしたら良いか分からないので、沈黙。
その沈黙を破ったのはお姉様だった。
「うふふ、ごめんなさいね。何か欲しいリボンはあるかしら?」
そう言われて慌てて商品を見ると、ふと目に入ったのは赤いリボンだった。
そのリボンはロランの目と髪の色、そして私の目の色にそっくりな紅玉色だった。
そのリボンに目を奪われていると、横からふっと手が伸びて、見ていたリボンが握られている。
急なことに呆然としていると、横からロランの声が聞こえた。
「これを購入する」
「あら、まあ。うふふふ。ありがとう」
いつの間にかロランがお金を彼女に渡している。
しかもパーティー用の財布ではなく、ロランが以前から持っていた財布からお金を出していた。
止めようとするも、すでに払った後。今渡すのは諦めて、あとでお金を返すことに決める。
「ふふふ、良いモノを見せてもらったわ。はいこれ、おまけ」
手に二つの球を渡される。同じ紅玉色である。
「もし良かったら、ブレスレットとかにして身につけると良いわ」
と言うことだったので、紐も購入して持って帰ることにした。
紐は安かったから良いが、リボンより貰った球体の方が高そうな気がするのだが‥‥ありがたくもらうことにする。
リボンを買った後は、武器や装備、そして食料品などの購入の時間に充てた。
私の収納魔法に入れておけば、時間も止まるので腐ることがない。
なのである程度買って入れておくことにする。
次、宿に泊まるのは辺境伯領と隣の領の境目にある町らしい。
そこまでは村にも寄らず、街道を歩いていくとのことだ。
宿で朝食を取り終わると、鍵を返して出発することになった。
前と同じように、ロラン、アンナさん、私の順で歩く。
相変わらずロランとアンナさんは話しているが、以前より心は軽い。
それはロランからリボンを貰ったからかもしれない。
買ってもらったリボンは、私の髪を一つに縛るのに使っていた。
町を出立して3日目、予定では明日の昼すぎには到着できるらしい。
その時には私も少しづつだが、アンナさんと喋ることができるようになってきた。
‥‥まあ、返事しかできないのだが。
そんなアンナさんが夕食後、私たちにリクエストを伝えてきた。
最近は警備魔法と防御魔法で襲ってくる者もいないため眠っていたが、見張りを経験したい!とのことで、少しの時間一緒に見張りをすることにする。
「じゃあ、セリーが先で、時間になったら俺を起こしてくれ」
アンナさんは、「セリーちゃんと見張りを!」と言っていたので、私と見張りをすることになった。
と言っても、火の番をしているだけなんだけど。
アンナさんはダラムの町で言ったことを覚えていて、どう男性をあしらえば良いか教えてくれた。
「こんな時はね、」が何回飛び出しただろう。
数えきれぬくらい出てきたが、何とか覚えることができた。
「‥‥まあ、何事も‥‥無ければいいんだけどね‥‥」
全てを教えてもらった後、その顔は胸を締め付けられるような表情をしていた。
だが、その顔は一瞬のことだったので、見間違えたのかと思ったくらいだ。
その後には、満面の笑みが待っていた。
「ねえ、セリーちゃん。一つ踏み込んだ質問をするけど」
頬に人差し指を当てて首を傾げるアンナさん。
その姿は同性の私から見ても可愛い。
だが、そんな思いは次の言葉で吹き飛んだ。
「セリーちゃんは、ロランのことどう思ってるの?」
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