元悪役令嬢は何でも屋になる。

葉叶

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新しい依頼 X-01

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「さて、行きましょうか」

時間は与えた。
彼がどちらを選ぼうと選べまいと決断の時だ。

前と同じようにエルに不可視の魔法をかけてもらい小屋の中に入った。

「それじゃあ、聞かせてもらいましょうか?」

昨日とは違いこちらを威嚇する目ではなく覚悟が決まった目をしたジルニア・ドンスターは真っ直ぐコチラを見た。

「…僕……Diabloに依頼を受けて欲しいっ
あいつ等に僕と同じ苦しみを味わってほしい…っ…!」

目の奥に揺らめく憎悪の炎。

「その願い、Diabloが叶えましょう。」

ニコリと微笑み私達はお辞儀をした。

「エル、やる事はわかるわよね?」

「勿論。また後でね、ハル」

私の頬にチュッとキスをして鼻歌まじりに小屋から出ていった

「クリス、服はあるわね?」

「あたぼーよ!」

「流石ね。それじゃあジルニア・ドンスター。
まずはコレを飲みなさい。貴方今まともに動けないでしょ?コレは簡単に言えば栄養剤よ。昔の様にとはいかないけれど普通に歩く事くらいは出来る筈よ」

蛍光色の液体を見て吃驚しているジルニア・ドンスターに説明してテキパキと準備を進める
この栄養剤関係の薬品はどうしても色が奇抜になっちゃうみたいなのよね。
効果を知らない人は大体飲むのを嫌がるわ…

「…っ!あれ…美味しい…?」

一気に飲み干したジルニア・ドンスターは首を傾げ私と薬品が入っていたフラスコを見ていた

「味は飲みやすい様に改良したもの。
最初の頃は…思い出したくもないわ…」

状態異常に強い私達が特に実験体になっていたから最初の強烈な味は今でも忘れられないわ…
苦いっ!と思ったら次の瞬間強烈な辛さと舌をグサグサ刺してくる刺激…
試行錯誤を繰り返し今の美味しいフルーツシリーズが出来上がった。

「あれは…もう飲みたくねぇなぁ…罰ゲームでもアレだけは嫌だわ」

「そ、そんなになんですか?」

遠くを見る私達を吃驚しながら見るジルニア・ドンスター

「いいか、ジルニア・ドンスター
Diabloに入ったら新人歓迎会があるが
間違っても勝ち目のない勝負は受けるなよ!
今でもたまにあの味を再現したドリンクが罰ゲームで出てくるからな!!」

「は、はいっ」

「よし、髪型はこんなのでどうかしら?」

「お、いいじゃん!大分サッパリしたな!」

前髪をバッサリ切って後ろの伸ばしっぱなしだった髪の毛も短髪に整えました。
体は魔法で綺麗にしたし大分綺麗になったんじゃないかしら?

「それじゃあ、これに着替えてちょうだい。」

「あっ、は、はいっ」

一応配慮の為後ろを向いて準備を続ける。
外の方はエルがやっていてくれるから私は内側の準備だ。
とはいってもやる事はそんなにないんだけどね。
武器や道具の組み立てや計画の練り直しとかかしらね。

「着替えましたっ」

振り返るとやっぱりクリスの服じゃちょっと大きかったみたいね。
ちゃんとご飯を食べたら肉もつくしいい感じにはなりそうだけど。

「ジルニア・ドンスター動くなよ
服調整すっから」

「はいっ!」

待ってる間にこの屋敷の間取りをもう一度頭に叩き込む。
もしもの時の為の脱出ルートやターゲットを逃してしまった時何処から逃げるかも考えなきゃいけない。
対価をもらうのだから依頼はきっちりこなしたい。
だから、隠しルートを調べそこなって逃がしたなんて事はあっちゃいけない。

ガチャッ

「外は終わったよー
これで邪魔者は来ないし、逃げらんないよ。
ハルー褒めて褒めて!」

「ありがとう。エル。
やっぱりエルは凄いわね」

抱きついてきたエルを抱き締めて頭を撫でると嬉しそうに口を緩め私に擦り寄ってきた。

「ん?大分見違えたね
…これまた顔が整ってるなぁ
何でDiabloに来る奴って皆顔がイイの?」

それは私も思ったけど、私に聞かれてもわからないのよね
美形率の高さが尋常じゃないのよね…

「さぁ?わからないわ。」

「よし、これでどうだ?動きにくかったりしねぇか?」

「大丈夫です」

簡単に手足を動かして確認してからニッコリ笑うジルニア・ドンスター

「準備は出来たわ。
それじゃあ、貴方の希望を聞こうかしら?」

「希望…ですか?」

「例えばぁ
一人ずつジワジワ追い詰めて殺したいとかぁ
殺し合いをさせたいとかぁ
殺し方の希望だよー」

「一人ずつ…いきたいです。
最後に父様を…殺したいです。」

「わかったわ。それじゃあ近い順に行きましょうか。
使用人はどうする?別に殺し方を問わないなら私達が適当に殺っちゃうけど」

「…燃やして…下さい。」

「そう、わかったわ。
さて、行くわよ」

私が一番嫌な死に方は溺死と焼死だ。
中々死ねず苦しみだけが強い死に方。私だったらサクッと死にたいわ。

そんな事を考えながら私達は屋敷へと向かった。


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