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「ん、上手に出来た…夜江、要達に伝えてきて…?俺、これ運ぶから」
「ん、わかった」
弥太君に頷いて、エプロンを外して皆の方へ行くと何やら言い合いをしているようだった
「ソファーカバーは水色でしょぉ?」
「いや、女らしさを出す為にもピンクだ!」
「いや、そもそも夜江は黒が好きなんだから黒でいいだろ」
どうやらソファーカバーで揉めてるらしい。
そんなの何色でもいいよなんて言えばやいのやいの言われるのが目に見えている。
「巧さんが選んだ黒がいいです。」
私が巧さんの手から黒のソファーカバーを取ると、ほら見ろと言いたげにドヤ顔する巧さんと悔しそうにする御堂社長達。
「ってか、お前いつまでその呼び方してんの?
別に会社じゃねぇんだからいつも通り居ろよ」
さっきも似たようなセリフを言われたような…
そんな事を思いながら頷いて、散らかったゴミをゴミ袋に纏める
「分かったよ。ご飯出来たからササッと片付けて食べようよ」
「飯っ!?それは急がねぇとな!!ほら、お前も手伝え!」
「あ、はい」
何か男物の服だとか、私の家にはなかった筈のゲーム機とかが見えたのは気のせいという事にしとこう、うん。
片付け終わりリビングへ向かうと、既に料理は並べ終わっていた。
「ん、夜江此処」
隣をポンポンと叩かれ、弥太君の隣に座ると弥太君が少し微笑んでいた。何で微笑んでるのかも分からず首を傾げていると
「此処、夜江の好きな物とり易いんだ……いっぱい食べてね」
少し照れ臭そうに言う弥太君の言葉に、キュン死にするかと思った。彼はこのキャラが濃すぎるメンバーの中で唯一の私の癒やしである。
「ありがとう、弥太君」
嬉しくて、つい頬が緩む。
「お、レアなもん見たわ。」
「あ、本当だぁ。明日はついてるかもぉ」
「久しぶりに見たな、夜江の本気で緩んだ顔」
「っ」
何か口々に失礼な事を言われてる気はするけど、気にしたら負けだよね。
「ま、食べるかー!」
要君の一言で、皆一斉に手を合わせ食べ始める。
そこからは正に宴会騒ぎだった。
私が気のせいだと思いたかったゲーム機でゲームをやり始める要君達とそれを見ながら酒を飲む私と弥太君。
聡の息子は、未だに視線を私に向けたままだった。
こんなにガン見される程の事をした記憶もなければ、美人でもない。よく言って中の上だろう。可もなく不可もなく、平凡な顔つきだと思う。
「夜江ちゃん、それ一口ちょーだい?」
あ、と口を開けて私を見る聖君の口に食べていたさけちーを入れる
「ありがとぉ、夜江ちゃん何飲んでるのー?」
「えーと…今は…梅酒」
何だっけ、とど忘れしてしまい缶を聖君に見せながら言った
「聖君は?」
「もぉ、聖でいいって何度も言ってるのにっ!」
「嫌だ、聖君信者に殺されるもん」
手でバツを作って首を振るとプクッと頬を膨らまして私を見る
イケメン耐性がついてる私にその手は効かないんだけどね
「いいもんっ、その内呼んでもらうからぁ
えーとね、僕が飲んでるのはウォッカのロックー!」
また度数の高い物を…と思いながら梅酒を飲む
「聖一君もちゃんと飲んでるー?」
「あっ、はい飲んでます」
少しオドオドしながらも返事をする聡の息子はどうやら聖一と言うらしい。名前と職業の真逆さよりも、思ったよりも高い声が印象的だった。
聖君がだる絡みしてるのを横目に見ながら、携帯の電源をつけて思わず溜息が漏れた。
隣に座っていた弥太君の肩に頭を乗せるくらいには、私の気力はごっそり奪い取られた。
「どうしたの?」
「……連絡件数が凄くて…見る前に疲れたの、ごめん、突然もたれて」
「それで夜江が楽なら……もたれてていいよ?」
慌てて離れた私を見て、むしろおいでと言わんばかりに手を広げる弥太君。
「……それじゃあお言葉に甘えて」
前までなら必ず断っていたけど、今はフリーで誰も気にしなくてもいい。私は弥太君にもたれて目を瞑る。
現実逃避をしたいけど、逃げる限りこの問題は私に付き纏ってくる。それならば早々に区切りをつけた方が精神衛生上良い筈だ。
そうわかってる筈なのに、私は携帯を開く事を躊躇してしまう。
「ん、わかった」
弥太君に頷いて、エプロンを外して皆の方へ行くと何やら言い合いをしているようだった
「ソファーカバーは水色でしょぉ?」
「いや、女らしさを出す為にもピンクだ!」
「いや、そもそも夜江は黒が好きなんだから黒でいいだろ」
どうやらソファーカバーで揉めてるらしい。
そんなの何色でもいいよなんて言えばやいのやいの言われるのが目に見えている。
「巧さんが選んだ黒がいいです。」
私が巧さんの手から黒のソファーカバーを取ると、ほら見ろと言いたげにドヤ顔する巧さんと悔しそうにする御堂社長達。
「ってか、お前いつまでその呼び方してんの?
別に会社じゃねぇんだからいつも通り居ろよ」
さっきも似たようなセリフを言われたような…
そんな事を思いながら頷いて、散らかったゴミをゴミ袋に纏める
「分かったよ。ご飯出来たからササッと片付けて食べようよ」
「飯っ!?それは急がねぇとな!!ほら、お前も手伝え!」
「あ、はい」
何か男物の服だとか、私の家にはなかった筈のゲーム機とかが見えたのは気のせいという事にしとこう、うん。
片付け終わりリビングへ向かうと、既に料理は並べ終わっていた。
「ん、夜江此処」
隣をポンポンと叩かれ、弥太君の隣に座ると弥太君が少し微笑んでいた。何で微笑んでるのかも分からず首を傾げていると
「此処、夜江の好きな物とり易いんだ……いっぱい食べてね」
少し照れ臭そうに言う弥太君の言葉に、キュン死にするかと思った。彼はこのキャラが濃すぎるメンバーの中で唯一の私の癒やしである。
「ありがとう、弥太君」
嬉しくて、つい頬が緩む。
「お、レアなもん見たわ。」
「あ、本当だぁ。明日はついてるかもぉ」
「久しぶりに見たな、夜江の本気で緩んだ顔」
「っ」
何か口々に失礼な事を言われてる気はするけど、気にしたら負けだよね。
「ま、食べるかー!」
要君の一言で、皆一斉に手を合わせ食べ始める。
そこからは正に宴会騒ぎだった。
私が気のせいだと思いたかったゲーム機でゲームをやり始める要君達とそれを見ながら酒を飲む私と弥太君。
聡の息子は、未だに視線を私に向けたままだった。
こんなにガン見される程の事をした記憶もなければ、美人でもない。よく言って中の上だろう。可もなく不可もなく、平凡な顔つきだと思う。
「夜江ちゃん、それ一口ちょーだい?」
あ、と口を開けて私を見る聖君の口に食べていたさけちーを入れる
「ありがとぉ、夜江ちゃん何飲んでるのー?」
「えーと…今は…梅酒」
何だっけ、とど忘れしてしまい缶を聖君に見せながら言った
「聖君は?」
「もぉ、聖でいいって何度も言ってるのにっ!」
「嫌だ、聖君信者に殺されるもん」
手でバツを作って首を振るとプクッと頬を膨らまして私を見る
イケメン耐性がついてる私にその手は効かないんだけどね
「いいもんっ、その内呼んでもらうからぁ
えーとね、僕が飲んでるのはウォッカのロックー!」
また度数の高い物を…と思いながら梅酒を飲む
「聖一君もちゃんと飲んでるー?」
「あっ、はい飲んでます」
少しオドオドしながらも返事をする聡の息子はどうやら聖一と言うらしい。名前と職業の真逆さよりも、思ったよりも高い声が印象的だった。
聖君がだる絡みしてるのを横目に見ながら、携帯の電源をつけて思わず溜息が漏れた。
隣に座っていた弥太君の肩に頭を乗せるくらいには、私の気力はごっそり奪い取られた。
「どうしたの?」
「……連絡件数が凄くて…見る前に疲れたの、ごめん、突然もたれて」
「それで夜江が楽なら……もたれてていいよ?」
慌てて離れた私を見て、むしろおいでと言わんばかりに手を広げる弥太君。
「……それじゃあお言葉に甘えて」
前までなら必ず断っていたけど、今はフリーで誰も気にしなくてもいい。私は弥太君にもたれて目を瞑る。
現実逃避をしたいけど、逃げる限りこの問題は私に付き纏ってくる。それならば早々に区切りをつけた方が精神衛生上良い筈だ。
そうわかってる筈なのに、私は携帯を開く事を躊躇してしまう。
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