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2章 ちょこまかする王子
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共同浴場から戻ってきたコンラッドとジェイミーは、第二王女人質作戦を聞いて憤慨した。
コンラッドは顔を真っ赤にして怒り、そんな非人道的なことはやりたくないと言った。
無口なジェイミーも眉を寄せ、コンラッドの言うことに首を激しく縦に振って同意した。
…しかし、脳筋ふたりが戻ってきたからと言って他に名案は浮かばず。
結局、ディリオンの案に乗るしか方法は浮かばなかった。
「何、人質と言っても、丁重に扱いさえすれば悪いものでもないさ」
ディリオンは事も無げに言う。
「しかし、人質だからなあー。第二王女ちゃん、かわいそうに」
フレッドも同情こそすれ、それだけだ。
「まあ、王太子の側室という肩書のもと、大事にされるのならば文句もあるまい」
………。
言葉を発したディリオン以外が固まった。
「な、なんだと?王太子の側室ってどういうことだ?オレは側室なんかもらう予定はないぞ!」
「しかし、単なる人質でランバラルドに引き取っても対処に困るだろう。外聞も悪いし、いざ、王位継承権の行使をする時に、逃げられて帰国されてしまえばなんの意味もない。婚姻関係にあれば、妻に代わりランバラルドで政治を行うのに、なんの障害もない」
「悪魔だ…ディリちゃん、ひどいやつだとわかっていたけど、ほんとに悪魔だ…。王子、まだ正妃どころか婚約者もいないのにかわいそうに」
「同情するならディリオンをなんとかしてくれ」
「無理!オレ、頭脳戦でディリオンに勝てる気がしないもん。それに、言ってることはもっともだし。」
ぽかんと開いた口が塞がらない。
どこがもっともなんだ!
「なんだ。王太子殿は人質に手を出すつもりがあるのか?」
「あるわけないだろう!」
「では、なんの問題もない。お飾りの妻にしておけばいいのだ。今後、正妃を娶ることがあっても、手を出すつもりがないならそのまま放っておけばいい。下手に子どもでも作られたら、ランバラルドの王位継承権にかかわるからな」
「第二王女はどうなるんだ」
「…命があるだけ儲け物と思ってもらわねば。それによって、防げる戦争があり、救える命があるのだから。これまでワガママ放題してきたのだろう。この後、一生をかけてその分役に立てばいい」
聞けばまだ15歳だという。
ワガママ放題だったのは、親の責任ではないか?
それを、ボナール王がやってしまったことを償うのが娘というのは、おかしくはないか?
だが、誰も傷つかない解決策なんてありはしない。
ボナール王国のせいで、幾多の命が失われ、そして残った命も貧困に喘ぐ心配をしている。
オレの気持ちは揺れ動いたが、今までの第二王女の行いを思い出し、戦争の最中、軽く城が一つ買えるくらいの値段の宝石を買った分の支払いを、第二王女が自身ですることになったと思えば、名前だけの側室を迎えることに、オレも同意できた。
「では、書類を作成しよう。ランバラルドで予め作っておいた書類は、内容変更のために使えないからな」
フレッドはいつものおふざけをやめ、紙とペンを取り出した。
内容を記すのは、王家の紋章の入った羊皮紙だ。
「ディリオン、失敗したら後がないからディリオンが書いて」
ペンをディリオンへ渡す。
オレに渡さない所は、納得していいのか怒っていいのか。
「こんなものでどうだ。王太子殿、最後にサインを」
内容を確認する。
1、ボナール王国外の領地は、ランバラルド王国へ譲渡する。
2、ランバラルド王国との国境にある、ハイランド山とその麓はランバラルド王国の領地とする。
3、賠償金として、一年以内に金貨750枚をランバラルド王国へと支払う。
4、第二王女とランバラルド王国王太子との婚姻を了承すること。
5、第二王女とランバラルド王国王太子との間に男児が産まれた場合でも、ボナール王国としての姻戚関係は認めない。
「…ディリオン、なんだこの5は」
「金貨を半額にたところを突っ込まれると思っていたのだがそっちか。5は当然のことだろう。万が一、貴様と第二王女に間違いがあってみろ。ボナール王国に付け入るスキを見せることになるだろうが」
「万が一もありえん!オレはワガママな女は嫌いだ。例えどんな美人であっても、戦争中にパーティ三昧のお姫さんなんて、死んでもごめんだ」
ニヤニヤとフレッドが横から口を挟む。
「会ったらコロッと恋に落ちちゃったりして…」
「落ちん!」
「いや、会ってみたら案外と」
「会わん!会わんし、落ちんし、どうにもならん!!」
オレは王太子のはずなんだがな。
なんでいじられキャラなんだ…。
コンラッドは顔を真っ赤にして怒り、そんな非人道的なことはやりたくないと言った。
無口なジェイミーも眉を寄せ、コンラッドの言うことに首を激しく縦に振って同意した。
…しかし、脳筋ふたりが戻ってきたからと言って他に名案は浮かばず。
結局、ディリオンの案に乗るしか方法は浮かばなかった。
「何、人質と言っても、丁重に扱いさえすれば悪いものでもないさ」
ディリオンは事も無げに言う。
「しかし、人質だからなあー。第二王女ちゃん、かわいそうに」
フレッドも同情こそすれ、それだけだ。
「まあ、王太子の側室という肩書のもと、大事にされるのならば文句もあるまい」
………。
言葉を発したディリオン以外が固まった。
「な、なんだと?王太子の側室ってどういうことだ?オレは側室なんかもらう予定はないぞ!」
「しかし、単なる人質でランバラルドに引き取っても対処に困るだろう。外聞も悪いし、いざ、王位継承権の行使をする時に、逃げられて帰国されてしまえばなんの意味もない。婚姻関係にあれば、妻に代わりランバラルドで政治を行うのに、なんの障害もない」
「悪魔だ…ディリちゃん、ひどいやつだとわかっていたけど、ほんとに悪魔だ…。王子、まだ正妃どころか婚約者もいないのにかわいそうに」
「同情するならディリオンをなんとかしてくれ」
「無理!オレ、頭脳戦でディリオンに勝てる気がしないもん。それに、言ってることはもっともだし。」
ぽかんと開いた口が塞がらない。
どこがもっともなんだ!
「なんだ。王太子殿は人質に手を出すつもりがあるのか?」
「あるわけないだろう!」
「では、なんの問題もない。お飾りの妻にしておけばいいのだ。今後、正妃を娶ることがあっても、手を出すつもりがないならそのまま放っておけばいい。下手に子どもでも作られたら、ランバラルドの王位継承権にかかわるからな」
「第二王女はどうなるんだ」
「…命があるだけ儲け物と思ってもらわねば。それによって、防げる戦争があり、救える命があるのだから。これまでワガママ放題してきたのだろう。この後、一生をかけてその分役に立てばいい」
聞けばまだ15歳だという。
ワガママ放題だったのは、親の責任ではないか?
それを、ボナール王がやってしまったことを償うのが娘というのは、おかしくはないか?
だが、誰も傷つかない解決策なんてありはしない。
ボナール王国のせいで、幾多の命が失われ、そして残った命も貧困に喘ぐ心配をしている。
オレの気持ちは揺れ動いたが、今までの第二王女の行いを思い出し、戦争の最中、軽く城が一つ買えるくらいの値段の宝石を買った分の支払いを、第二王女が自身ですることになったと思えば、名前だけの側室を迎えることに、オレも同意できた。
「では、書類を作成しよう。ランバラルドで予め作っておいた書類は、内容変更のために使えないからな」
フレッドはいつものおふざけをやめ、紙とペンを取り出した。
内容を記すのは、王家の紋章の入った羊皮紙だ。
「ディリオン、失敗したら後がないからディリオンが書いて」
ペンをディリオンへ渡す。
オレに渡さない所は、納得していいのか怒っていいのか。
「こんなものでどうだ。王太子殿、最後にサインを」
内容を確認する。
1、ボナール王国外の領地は、ランバラルド王国へ譲渡する。
2、ランバラルド王国との国境にある、ハイランド山とその麓はランバラルド王国の領地とする。
3、賠償金として、一年以内に金貨750枚をランバラルド王国へと支払う。
4、第二王女とランバラルド王国王太子との婚姻を了承すること。
5、第二王女とランバラルド王国王太子との間に男児が産まれた場合でも、ボナール王国としての姻戚関係は認めない。
「…ディリオン、なんだこの5は」
「金貨を半額にたところを突っ込まれると思っていたのだがそっちか。5は当然のことだろう。万が一、貴様と第二王女に間違いがあってみろ。ボナール王国に付け入るスキを見せることになるだろうが」
「万が一もありえん!オレはワガママな女は嫌いだ。例えどんな美人であっても、戦争中にパーティ三昧のお姫さんなんて、死んでもごめんだ」
ニヤニヤとフレッドが横から口を挟む。
「会ったらコロッと恋に落ちちゃったりして…」
「落ちん!」
「いや、会ってみたら案外と」
「会わん!会わんし、落ちんし、どうにもならん!!」
オレは王太子のはずなんだがな。
なんでいじられキャラなんだ…。
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