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7章 人質姫のもう一つの生活
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「えっ、ジュディは一緒に行けないんですか?」
翌日、離宮に迎えに来てくれたギルバート様は、侍女を二人も連れてお忍びはできないから、私だけを連れて行くと言う。
ジュディは心配そうに私の手を握った。
「大丈夫ですか、姫様…。やっぱり外出は取りやめにしますか?というか、わたし、心配でおちおち仕事もしていられません…」
ジュディの言葉を聞いて、気を悪くしたギルバート様が眉根を寄せる。
「わたしがついているのだから、大丈夫に決まっているだろう。早く手を離さんか」
ジュディはじと目でギルバート様を見つめた。
「わたしの姫様を本当に守ってくださるんですよね?」
「お前…昨日の感動の一幕はなんだったんだ。信用しろ。命に変えても守る」
「本当ですか?」
「くどい!わたしに二言はない!」
こうして、泣く泣くジュディはお留守番役を引き受けてくれた。
私はギルバート様に連れられて、お城の出口まで向かった。
フレッド様と馬車に乗った時は、急いでいたからか正面から馬車に乗ったが、今日はギルバート様と2人でお忍びでのお出かけなので、裏口から出るらしい。
馬車の手前まで来て、フレッド様と馬車にメイド服で乗った時には、フレッド様のお供の方が、私と同じ馬車に乗せたくないみたいだったのを思い出した。
乗るのを躊躇していると、先に乗り込んだギルバート様が顔を出す。
「どうした?馬車も乗ったことがないのか?」
「いえ…前にフレッド様に連れられて馬車に乗った時に、メイドと同じ馬車には乗れないって言われたので…」
ギルバート様の眉間にまたシワが寄る。
「今日はいい。早く乗れ」
手を引かれ、馬車に乗り込んだ。
フレッド様と馬車に乗った時より小振りの馬車だ。
中も狭いので、向かい合って座っても少し気を許すと膝同士がぶつかりそうだ。
ギルバート様は腕を組んで、不機嫌そうに声をかけた。
「フレッドとどこに行ったんだ」
「…はい?」
「だから、前にフレッドと馬車に乗ったというのはどこに行ったんだと聞いている。だいたい、外に出て出たことはないと言ったじゃないか」
「あぁ、そういえば外に出たことになりますね。でも、馬車に乗ってフレッド様のお邸に行っただけですよ?」
「なにっ、フレッドの家に行ったのか!?なんの用があって?」
ギルバート様に勢いよく詰め寄られて、フレッド様と出かけた時のことを細かに説明させられた。
「なんだ。医者ならわたしに言えば城内で診察させたのに」
「そんなこと言ってもギルバート様と知り合う前ですから!」
「しかし…髪の色と瞳の色が変わったら、大分印象は変わるだろうな。その頃のシャーロットにも会いたかったな」
「仕方ないですよ。変わる前の私に会うとしたら、ボナールで会うしかないですからね」
そんな話をしているうちに、馬車はあるお店の前で停まった。
「ギルバート様、ここは…」
「いいから入れ。話は通してある」
ギルバート様は私の手を取ると、ずんずんと中に入って行った。
そこは、お洋服屋さんだった。
「わたしが前もって選んである。着替えて来い」
そのまま、店員さんに連れられてお店の奥の部屋へと足を運んだ。
あれよあれよと言う間に、店員さんに着付けられたそれは、淡い若草色のワンピースだった。
鏡を見ても、着慣れないそれを身につけてギルバート様の元へと行くのが恥ずかしく、ドアの前でモジモジしていると店員さんが「大丈夫。よくお似合いですよ」と微笑んでドアを大きく開けて、ギルバート様に声をかけた。
ギルバート様は私を見て、眩しそうに目を細める。
「やっぱり、よく似合う。すみれの花のようだ」
嬉しそうにそう呟くと、私の手を取った。
「これで、ちょっと裕福な商家の娘くらいに見えるだろう。護衛は離れてついて来る。気にせず、好きなところへいけるぞ」
「はい!」
さあ!
町へ繰り出そう!
翌日、離宮に迎えに来てくれたギルバート様は、侍女を二人も連れてお忍びはできないから、私だけを連れて行くと言う。
ジュディは心配そうに私の手を握った。
「大丈夫ですか、姫様…。やっぱり外出は取りやめにしますか?というか、わたし、心配でおちおち仕事もしていられません…」
ジュディの言葉を聞いて、気を悪くしたギルバート様が眉根を寄せる。
「わたしがついているのだから、大丈夫に決まっているだろう。早く手を離さんか」
ジュディはじと目でギルバート様を見つめた。
「わたしの姫様を本当に守ってくださるんですよね?」
「お前…昨日の感動の一幕はなんだったんだ。信用しろ。命に変えても守る」
「本当ですか?」
「くどい!わたしに二言はない!」
こうして、泣く泣くジュディはお留守番役を引き受けてくれた。
私はギルバート様に連れられて、お城の出口まで向かった。
フレッド様と馬車に乗った時は、急いでいたからか正面から馬車に乗ったが、今日はギルバート様と2人でお忍びでのお出かけなので、裏口から出るらしい。
馬車の手前まで来て、フレッド様と馬車にメイド服で乗った時には、フレッド様のお供の方が、私と同じ馬車に乗せたくないみたいだったのを思い出した。
乗るのを躊躇していると、先に乗り込んだギルバート様が顔を出す。
「どうした?馬車も乗ったことがないのか?」
「いえ…前にフレッド様に連れられて馬車に乗った時に、メイドと同じ馬車には乗れないって言われたので…」
ギルバート様の眉間にまたシワが寄る。
「今日はいい。早く乗れ」
手を引かれ、馬車に乗り込んだ。
フレッド様と馬車に乗った時より小振りの馬車だ。
中も狭いので、向かい合って座っても少し気を許すと膝同士がぶつかりそうだ。
ギルバート様は腕を組んで、不機嫌そうに声をかけた。
「フレッドとどこに行ったんだ」
「…はい?」
「だから、前にフレッドと馬車に乗ったというのはどこに行ったんだと聞いている。だいたい、外に出て出たことはないと言ったじゃないか」
「あぁ、そういえば外に出たことになりますね。でも、馬車に乗ってフレッド様のお邸に行っただけですよ?」
「なにっ、フレッドの家に行ったのか!?なんの用があって?」
ギルバート様に勢いよく詰め寄られて、フレッド様と出かけた時のことを細かに説明させられた。
「なんだ。医者ならわたしに言えば城内で診察させたのに」
「そんなこと言ってもギルバート様と知り合う前ですから!」
「しかし…髪の色と瞳の色が変わったら、大分印象は変わるだろうな。その頃のシャーロットにも会いたかったな」
「仕方ないですよ。変わる前の私に会うとしたら、ボナールで会うしかないですからね」
そんな話をしているうちに、馬車はあるお店の前で停まった。
「ギルバート様、ここは…」
「いいから入れ。話は通してある」
ギルバート様は私の手を取ると、ずんずんと中に入って行った。
そこは、お洋服屋さんだった。
「わたしが前もって選んである。着替えて来い」
そのまま、店員さんに連れられてお店の奥の部屋へと足を運んだ。
あれよあれよと言う間に、店員さんに着付けられたそれは、淡い若草色のワンピースだった。
鏡を見ても、着慣れないそれを身につけてギルバート様の元へと行くのが恥ずかしく、ドアの前でモジモジしていると店員さんが「大丈夫。よくお似合いですよ」と微笑んでドアを大きく開けて、ギルバート様に声をかけた。
ギルバート様は私を見て、眩しそうに目を細める。
「やっぱり、よく似合う。すみれの花のようだ」
嬉しそうにそう呟くと、私の手を取った。
「これで、ちょっと裕福な商家の娘くらいに見えるだろう。護衛は離れてついて来る。気にせず、好きなところへいけるぞ」
「はい!」
さあ!
町へ繰り出そう!
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