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8章 人質姫と忘れんぼ王子の邂逅
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鹿は急いで宿泊所まで戻ってくれた。
でも、行き帰りでかなり時間が経っていたようで、アーサーが心配して私を探しに来てくれたところだった。
アーサーは鹿に乗った私を見つけると、驚いたようだったが急いでこちらに駆けつけた。
「ひ、ロッテ、心配したじゃないですか。一体どこまで行ってたんですか!そして、これは誰ですか?何故鹿に乗ってるんですか?野生の鹿でしょう、これ」
アーサーは私を抱き上げて鹿から下ろしてくれる。
「説明は後でするから。彼、ひどい怪我なの。森の奥で倒れていたのよ。早く中に入れて手当てしてあげて」
アーサーは彼を見ると怪我の状態を察知して、すぐに担ぎあげて宿泊所の方へと連れて行った。
私も後を追おうとして、足を止め、鹿に向き直る。
「あなたは彼を助けようとしたのね。ありがとう。あとは任せてちょうだいね」
鹿の首にそっと手を回し、頬を寄せた。
鹿は少しの間、私をじっと見ていたが、すぐに踵を返して林の奥に消えて行った。
私はそれを見送ってから、アーサーの後を追った。
アーサーは使用人に見つからないように、静かに彼を自分の部屋に運び入れた。
ベッドに横たわらせたところで、マリーとジュディがアーサーの部屋にやって来る。
「姫様、一体これはどういうことですか!?」
ジュディがびっくりして私に問いかける。
「しっ、ジュディ。私はロッテ。怪我人の前で大声出さないで」
さっき、アーサーは姫様と呼ぼうとして踏みとどまってくれたのに。ジュディってば。
アーサーは自分のベッドに彼を寝かせて、そっと腕の状態を見る。
「こっちは打撲だな。酷く打ちつけたようだが湿布をして動かさなければ大丈夫だろう。問題は足だが…。母さん、清潔なタオルを何枚か持ってきてくれ。ジュディ、ロッテ、大きなタライにお湯を汲んできてくれ」
アーサーは騎士団にいたので、多少の怪我なら診ることができた。
私達はアーサーに言われた通りに用意をする。
ボトムスを切り取り、傷口の様子を見る。
「これは…。傷口の周りについている黄色いシミから、かなり化膿してると思ったんだが、ちゃんと瘡蓋になっている…。どういうことだ?」
アーサーは首を傾げながら、慎重に傷口の汚れを拭いていく。
「うん。大丈夫だな。あとは体の汚れを清めるから、女性は部屋を出て行ってくれ」
ふたりを残して、私たちは部屋を出て、隣の二人部屋へと移動した。
「姫様!どういうことか説明してください!!」
マリー、ジュディ親子に詰め寄られて、私は怖々とふたりに説明をした。
「その鹿は、神様のお使いだったのかもしれませんね」
マリーはため息とともに、そんな声を漏らした。
「姫様は昔から鳥や動物に好かれてて。たまに動物が姫様の言葉がわかるんじゃないかと思うこともありましたし。きっと、姫様ならわかってくれると思って現れたのかもしれません」
マリーもジュディも、疲れたように長椅子にもたれかかる。
「でも、姫様。あんまり心配させないでください。お昼を過ぎても姫様が帰って来なかった時、本当に生きた心地がしませんでした」
私も1人掛けの椅子に座り、身を縮ませて謝まる。
「心配かけてごめんなさい」
ひと心地ついたところで、私はメイド服に着替えて、遅い昼食をもらいに行った。
さすが、王族が使う施設。
使用人さんは嫌な顔ひとつせずに、用意をしてくれた。
あと、食べられるかわからないけれど、あの人用にポタージュをお願いした。
もちろん、できた使用人さんは、嫌な顔ひとつせずに用意してくれた。
でも、行き帰りでかなり時間が経っていたようで、アーサーが心配して私を探しに来てくれたところだった。
アーサーは鹿に乗った私を見つけると、驚いたようだったが急いでこちらに駆けつけた。
「ひ、ロッテ、心配したじゃないですか。一体どこまで行ってたんですか!そして、これは誰ですか?何故鹿に乗ってるんですか?野生の鹿でしょう、これ」
アーサーは私を抱き上げて鹿から下ろしてくれる。
「説明は後でするから。彼、ひどい怪我なの。森の奥で倒れていたのよ。早く中に入れて手当てしてあげて」
アーサーは彼を見ると怪我の状態を察知して、すぐに担ぎあげて宿泊所の方へと連れて行った。
私も後を追おうとして、足を止め、鹿に向き直る。
「あなたは彼を助けようとしたのね。ありがとう。あとは任せてちょうだいね」
鹿の首にそっと手を回し、頬を寄せた。
鹿は少しの間、私をじっと見ていたが、すぐに踵を返して林の奥に消えて行った。
私はそれを見送ってから、アーサーの後を追った。
アーサーは使用人に見つからないように、静かに彼を自分の部屋に運び入れた。
ベッドに横たわらせたところで、マリーとジュディがアーサーの部屋にやって来る。
「姫様、一体これはどういうことですか!?」
ジュディがびっくりして私に問いかける。
「しっ、ジュディ。私はロッテ。怪我人の前で大声出さないで」
さっき、アーサーは姫様と呼ぼうとして踏みとどまってくれたのに。ジュディってば。
アーサーは自分のベッドに彼を寝かせて、そっと腕の状態を見る。
「こっちは打撲だな。酷く打ちつけたようだが湿布をして動かさなければ大丈夫だろう。問題は足だが…。母さん、清潔なタオルを何枚か持ってきてくれ。ジュディ、ロッテ、大きなタライにお湯を汲んできてくれ」
アーサーは騎士団にいたので、多少の怪我なら診ることができた。
私達はアーサーに言われた通りに用意をする。
ボトムスを切り取り、傷口の様子を見る。
「これは…。傷口の周りについている黄色いシミから、かなり化膿してると思ったんだが、ちゃんと瘡蓋になっている…。どういうことだ?」
アーサーは首を傾げながら、慎重に傷口の汚れを拭いていく。
「うん。大丈夫だな。あとは体の汚れを清めるから、女性は部屋を出て行ってくれ」
ふたりを残して、私たちは部屋を出て、隣の二人部屋へと移動した。
「姫様!どういうことか説明してください!!」
マリー、ジュディ親子に詰め寄られて、私は怖々とふたりに説明をした。
「その鹿は、神様のお使いだったのかもしれませんね」
マリーはため息とともに、そんな声を漏らした。
「姫様は昔から鳥や動物に好かれてて。たまに動物が姫様の言葉がわかるんじゃないかと思うこともありましたし。きっと、姫様ならわかってくれると思って現れたのかもしれません」
マリーもジュディも、疲れたように長椅子にもたれかかる。
「でも、姫様。あんまり心配させないでください。お昼を過ぎても姫様が帰って来なかった時、本当に生きた心地がしませんでした」
私も1人掛けの椅子に座り、身を縮ませて謝まる。
「心配かけてごめんなさい」
ひと心地ついたところで、私はメイド服に着替えて、遅い昼食をもらいに行った。
さすが、王族が使う施設。
使用人さんは嫌な顔ひとつせずに、用意をしてくれた。
あと、食べられるかわからないけれど、あの人用にポタージュをお願いした。
もちろん、できた使用人さんは、嫌な顔ひとつせずに用意してくれた。
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