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16章 想いの行方
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ディリオンが机から顔を上げた。
「王子、そういえば王立植物研究所から連絡がきてるぞ」
「ん? なんだ?」
「毎年、蕾はつけるが枯れてしまう花があっただろう。プラリアという花なのだが、あれが今年は咲いたそうだ。思ったとおり、観光の目玉になりそうなくらい綺麗な花だそうだ」
「そうか……」
プラリアは、ロッテ、いや、シャーロットと植物研究所付属のフラワーガーデンに行った時に、シャーロットが水をやった花だ。
あの日は1日で天国と地獄を味わった日だ。
心弾ませてデートをして、人妻だと打ち明けられて。
落ち着いたら、またシャーロットを連れて花を見に行こう。
「ところで、王子、ディリオン。先ほど離宮の侍女から伝言があったぞ」
コンラッドが立ち上がり、ソファの方に移動した。
そろそろ休憩をしたいのだろう。
オレとディリオンもそれに合わせてソファに移動する。
ここにフレッドがいれば、あいつがお茶を入れてくれるかリサを呼んでくれるのだが、この3人は誰も気が利く奴はいない。
「なんで伝言なんだ? ここに来ればいいのに」
「バカめ。そのジュディとやらは、中央棟に入れる許可のない侍女だろう。伝言するしかないだろう」
ディリオンの言うことはもっともだ。
今度、中央棟にも出入りできるようにしないと不便だな。
「それで、ジュディはなんだって?」
「今夜、母と兄が夜城に来ます。入場の許可をしておいてください。だってよ」
「王子、どの部屋に通す許可証を発行しておく?」
そうだな……。
いきなり平民に偽装している二人を中央棟に招くのは無理があるな。
今は、他国の王族なども泊まっているのだし。
「シャーロットのいる、離宮で面会しよう。コンラッド、門番と案内に通達を出しておいてくれ。できれば、目立たないように離宮まで連れてくるように」
「わかった」
コンラッドは返事をすると、すぐに執務室を出て行った。
「王子、セリーヌ王女と、シャーロット殿下の侍女たちを、鉢合わせないように気を配るようにな」
「そうだな。王家に命を狙われていたからな」
何故、命を狙われていたのか。
今日、アーサーとマリーが来たら、明らかになるのだろうか。
「……王子、喉が乾いたが」
「……そうだな」
「王子、誰のためにこんなに忙しい思いをしているか」
「……ディリオン、お前、仮にも一国の王太子に茶を入れされようとするとは…」
「今更であろう」
「ま、そうだな」
学生時代から、こいつらとは対等な付き合いをしている。
仕事面では王太子として仕えてくれるが、それ以外ではただのライリーとして扱ってくれる。
こんな付き合いも悪くない。
そして、瞬く間に日が暮れて、アーサーたちとの約束の時間になった。
オレとギルバート、ディリオン、フレッド、コンラッド、そして護衛にジェイミーが離宮へと向かった。
そっと闇に紛れて離宮の中に足を踏み入れると、すでにアーサーとマリーは離宮の応接室で待っていた。
ソファには8人までしか座れないため、リビングから椅子を持ってきて、なんとか10人ギリギリ座った。
初対面のディリオンたちに二人を紹介する。
「こちらが、アーサーとマリーだ。オレが森で襲われて動けなかった時に、手当てをしてくれた。アーサー、マリー、こっちから、ディリオン、フレッド、コンラッド、ジェイミー。ギルバートとは面識があるんだったな」
アーサー達は立ち上がって挨拶しようとしたが、オレが手で制した。
「早く話を進めたい。挨拶は後にしよう。まずは、アーサーとマリーが命を狙われた理由から聞きたい」
オレがそう言うと、アーサーは身を固くした。
「ライ、いや、ライリー殿下。オレたちはまだ貴方のことを信用できない。貴方たちが姫様を人質として攫ってきたという事実は変わらないからだ」
その言葉を聞いて、シャーロットがオレを庇おうとする。
「アーサー、でもそれは!」
「シャーロット、いいんだ」
わかっているというように、シャーロットに微笑みかけた。
しかし、痛いところをついてくる。
「それは、シャーロットの気持ちも考えず、すまないことをしたと思っている。シャーロットは人質としてランバラルドに来ることが決まった時には、泣き崩れたと聞いているし、つらい思いをさせたと思っている。シャーロットに仕えていた、アーサーとマリーも、嘸かしつらかっただろうと思う。すまなかった」
オレは思ったことを口にし、素直に頭を下げた。
それを見て、アーサーとマリーは顔を見合わせた。
そして、マリーは表情を和らげる。
「王太子様。お顔を上げてくださいまし。王族である貴方様が頭をお下げになると言うことは、どういうことか、他国とはいえ城勤めの経験があるわたくしどもには充分に理解できます。誠意ある対応、ありがとうございます。わたくしどもは、貴方様を信用して、すべてをお話いたします」
「王子、そういえば王立植物研究所から連絡がきてるぞ」
「ん? なんだ?」
「毎年、蕾はつけるが枯れてしまう花があっただろう。プラリアという花なのだが、あれが今年は咲いたそうだ。思ったとおり、観光の目玉になりそうなくらい綺麗な花だそうだ」
「そうか……」
プラリアは、ロッテ、いや、シャーロットと植物研究所付属のフラワーガーデンに行った時に、シャーロットが水をやった花だ。
あの日は1日で天国と地獄を味わった日だ。
心弾ませてデートをして、人妻だと打ち明けられて。
落ち着いたら、またシャーロットを連れて花を見に行こう。
「ところで、王子、ディリオン。先ほど離宮の侍女から伝言があったぞ」
コンラッドが立ち上がり、ソファの方に移動した。
そろそろ休憩をしたいのだろう。
オレとディリオンもそれに合わせてソファに移動する。
ここにフレッドがいれば、あいつがお茶を入れてくれるかリサを呼んでくれるのだが、この3人は誰も気が利く奴はいない。
「なんで伝言なんだ? ここに来ればいいのに」
「バカめ。そのジュディとやらは、中央棟に入れる許可のない侍女だろう。伝言するしかないだろう」
ディリオンの言うことはもっともだ。
今度、中央棟にも出入りできるようにしないと不便だな。
「それで、ジュディはなんだって?」
「今夜、母と兄が夜城に来ます。入場の許可をしておいてください。だってよ」
「王子、どの部屋に通す許可証を発行しておく?」
そうだな……。
いきなり平民に偽装している二人を中央棟に招くのは無理があるな。
今は、他国の王族なども泊まっているのだし。
「シャーロットのいる、離宮で面会しよう。コンラッド、門番と案内に通達を出しておいてくれ。できれば、目立たないように離宮まで連れてくるように」
「わかった」
コンラッドは返事をすると、すぐに執務室を出て行った。
「王子、セリーヌ王女と、シャーロット殿下の侍女たちを、鉢合わせないように気を配るようにな」
「そうだな。王家に命を狙われていたからな」
何故、命を狙われていたのか。
今日、アーサーとマリーが来たら、明らかになるのだろうか。
「……王子、喉が乾いたが」
「……そうだな」
「王子、誰のためにこんなに忙しい思いをしているか」
「……ディリオン、お前、仮にも一国の王太子に茶を入れされようとするとは…」
「今更であろう」
「ま、そうだな」
学生時代から、こいつらとは対等な付き合いをしている。
仕事面では王太子として仕えてくれるが、それ以外ではただのライリーとして扱ってくれる。
こんな付き合いも悪くない。
そして、瞬く間に日が暮れて、アーサーたちとの約束の時間になった。
オレとギルバート、ディリオン、フレッド、コンラッド、そして護衛にジェイミーが離宮へと向かった。
そっと闇に紛れて離宮の中に足を踏み入れると、すでにアーサーとマリーは離宮の応接室で待っていた。
ソファには8人までしか座れないため、リビングから椅子を持ってきて、なんとか10人ギリギリ座った。
初対面のディリオンたちに二人を紹介する。
「こちらが、アーサーとマリーだ。オレが森で襲われて動けなかった時に、手当てをしてくれた。アーサー、マリー、こっちから、ディリオン、フレッド、コンラッド、ジェイミー。ギルバートとは面識があるんだったな」
アーサー達は立ち上がって挨拶しようとしたが、オレが手で制した。
「早く話を進めたい。挨拶は後にしよう。まずは、アーサーとマリーが命を狙われた理由から聞きたい」
オレがそう言うと、アーサーは身を固くした。
「ライ、いや、ライリー殿下。オレたちはまだ貴方のことを信用できない。貴方たちが姫様を人質として攫ってきたという事実は変わらないからだ」
その言葉を聞いて、シャーロットがオレを庇おうとする。
「アーサー、でもそれは!」
「シャーロット、いいんだ」
わかっているというように、シャーロットに微笑みかけた。
しかし、痛いところをついてくる。
「それは、シャーロットの気持ちも考えず、すまないことをしたと思っている。シャーロットは人質としてランバラルドに来ることが決まった時には、泣き崩れたと聞いているし、つらい思いをさせたと思っている。シャーロットに仕えていた、アーサーとマリーも、嘸かしつらかっただろうと思う。すまなかった」
オレは思ったことを口にし、素直に頭を下げた。
それを見て、アーサーとマリーは顔を見合わせた。
そして、マリーは表情を和らげる。
「王太子様。お顔を上げてくださいまし。王族である貴方様が頭をお下げになると言うことは、どういうことか、他国とはいえ城勤めの経験があるわたくしどもには充分に理解できます。誠意ある対応、ありがとうございます。わたくしどもは、貴方様を信用して、すべてをお話いたします」
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