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8章 記憶
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ワイワイと賑やかなお店は、パンやお菓子を売っている隣で、ちょっとした喫茶コーナーも設けてある。
カーテンはレース、テーブルクロスは可愛いフリルで彩られていて、まさに女の子の夢のお店だ。
喫茶コーナーにも長蛇の列ができているし、クッキーを買うレジにも列ができている。
店の中は女の子だらけ。
その中にいるルーク様は、背が高いこともあって、人混みの中で頭がひょっこり抜け出ていて、とても目立っていた。
わたしは棚からクッキーを10袋ほど取り、ルーク様と一緒にレジに並ぶ。
「ルーク様、目立ってますね……」
周りの女の子が、みんなルーク様を見ている。
女の子達はルーク様を見て、誰? あのカッコイイ人、と囁き合っていた。
ルーク様は赤くなって、不貞腐れた顔をわたしに向けた。
「だからおまえを呼んだんだ。オレ一人で並んだら目立ってしようがない」
そうは言うものの、わたしと二人で並んでも、ルーク様は目立ってますけど。
少しずつ列は進んで、やっと数十分後にクッキーは買えた。
「すごい人気のお店でしたね~。はい、ルーク様。クッキーです。これ、討伐隊のみんなで食べるんですか?」
討伐隊の男ばかりの集団で、可愛いハート型の恋が叶うクッキーを食べる。
……うーん。シュールだ。想像しただけでムサイ空気が漂ってくる。
わたしが微妙な顔をしながら大きなペーパーバッグに入れてもらったクッキーを渡すと、その中から一袋とって、わたしに戻した。
「あれ? 買う数間違っちゃいました? すみません」
ルーク様はまだ不貞腐れた表情だったが、「それはお駄賃にやる」と言って、そっぽを向いた。
わたしの手の中には、食べると恋が叶うクッキー。
でも、わたしの恋は……。
「ルーク様、これ、いらないです」
わたしにクッキーを返されて気分を害したのか、ルーク様は右眉をピクリと上げる。
「なんだ、クッキーは嫌いじゃないだろう」
「はい。クッキーは好きですけど、恋が叶うクッキーはいらないんです」
ルーク様は右眉を上げたまま、先を促す。
「わたしの恋は、もう、叶ったから、いいんです」
わたしは手元のクッキーから目線を上げて、ルーク様のお顔を見る。
わたしの恋は、あなたに全部差し上げました。
生まれ変わっても、その思いは違わずこの身にあります。
ーーーでも、それは
「ルーク様には教えてあげませんけど!」
「なんだと?」
ルーク様は片眉をピクリとさせる。
「おまえの恋人はオレの知っている者か?」
「なんでそんなことルーク様に言わなくちゃいけないんですか。ティーンの乙女の恋の話は、秘密に包まれているもんなんですよ」
わたしがルーク様の持っているペーパーバッグにクッキーを戻すと、ルーク様は不服そうにしていたけど、黙って歩き出した。
「ルーク様、馬車まで行きますか?」
ルーク様の後をついて行くと、ルーク様は馬車を停めている場所と違う方へと足を進めた。
「カフェで休んでから帰ることにしよう」
ルーク様はそう言って後ろを振り向き、ニヤリと笑う。
「美味しいホットケーキを食わせてやるぞ」
「ルーク様、それはわたしのホットケーキが美味しくないと言ってますか? 喧嘩売ってますか?」
「いや、理由なんかあってもなくても美味いものを食った方がいいだろう。そして、今後の勉強になるなら一石二鳥だ」
そうですかねぇ。
なんか、ルーク様にうまく言いくるめられたような気がするけど、まあいいか。
カーテンはレース、テーブルクロスは可愛いフリルで彩られていて、まさに女の子の夢のお店だ。
喫茶コーナーにも長蛇の列ができているし、クッキーを買うレジにも列ができている。
店の中は女の子だらけ。
その中にいるルーク様は、背が高いこともあって、人混みの中で頭がひょっこり抜け出ていて、とても目立っていた。
わたしは棚からクッキーを10袋ほど取り、ルーク様と一緒にレジに並ぶ。
「ルーク様、目立ってますね……」
周りの女の子が、みんなルーク様を見ている。
女の子達はルーク様を見て、誰? あのカッコイイ人、と囁き合っていた。
ルーク様は赤くなって、不貞腐れた顔をわたしに向けた。
「だからおまえを呼んだんだ。オレ一人で並んだら目立ってしようがない」
そうは言うものの、わたしと二人で並んでも、ルーク様は目立ってますけど。
少しずつ列は進んで、やっと数十分後にクッキーは買えた。
「すごい人気のお店でしたね~。はい、ルーク様。クッキーです。これ、討伐隊のみんなで食べるんですか?」
討伐隊の男ばかりの集団で、可愛いハート型の恋が叶うクッキーを食べる。
……うーん。シュールだ。想像しただけでムサイ空気が漂ってくる。
わたしが微妙な顔をしながら大きなペーパーバッグに入れてもらったクッキーを渡すと、その中から一袋とって、わたしに戻した。
「あれ? 買う数間違っちゃいました? すみません」
ルーク様はまだ不貞腐れた表情だったが、「それはお駄賃にやる」と言って、そっぽを向いた。
わたしの手の中には、食べると恋が叶うクッキー。
でも、わたしの恋は……。
「ルーク様、これ、いらないです」
わたしにクッキーを返されて気分を害したのか、ルーク様は右眉をピクリと上げる。
「なんだ、クッキーは嫌いじゃないだろう」
「はい。クッキーは好きですけど、恋が叶うクッキーはいらないんです」
ルーク様は右眉を上げたまま、先を促す。
「わたしの恋は、もう、叶ったから、いいんです」
わたしは手元のクッキーから目線を上げて、ルーク様のお顔を見る。
わたしの恋は、あなたに全部差し上げました。
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ーーーでも、それは
「ルーク様には教えてあげませんけど!」
「なんだと?」
ルーク様は片眉をピクリとさせる。
「おまえの恋人はオレの知っている者か?」
「なんでそんなことルーク様に言わなくちゃいけないんですか。ティーンの乙女の恋の話は、秘密に包まれているもんなんですよ」
わたしがルーク様の持っているペーパーバッグにクッキーを戻すと、ルーク様は不服そうにしていたけど、黙って歩き出した。
「ルーク様、馬車まで行きますか?」
ルーク様の後をついて行くと、ルーク様は馬車を停めている場所と違う方へと足を進めた。
「カフェで休んでから帰ることにしよう」
ルーク様はそう言って後ろを振り向き、ニヤリと笑う。
「美味しいホットケーキを食わせてやるぞ」
「ルーク様、それはわたしのホットケーキが美味しくないと言ってますか? 喧嘩売ってますか?」
「いや、理由なんかあってもなくても美味いものを食った方がいいだろう。そして、今後の勉強になるなら一石二鳥だ」
そうですかねぇ。
なんか、ルーク様にうまく言いくるめられたような気がするけど、まあいいか。
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