154 / 255
16章 討伐前
1
しおりを挟む
朝起きてルーク様のお支度を手伝い、わたしはルーク様より先に出て演習場で待機。
お昼はルーク様とお兄様の分を入れたお弁当を持って、お兄様の控室でいただき、午後の光の討伐隊との共同演習に向けて剣に魔法を掛ける。
その後は、ルーク様の加護がなくなったら再度加護を付与するよう何度も魔法を掛ける。
……これがまた、最初は魔力のコントロールが効かず、よく帰る頃にはぐったりしてしまっていた。
でも、最近は調節できるようになって、自分の自然回復の具合と、ルーク様が再度加護を欲しがるタイミングが掴めてきた。
夕方にすべての訓練が終わると、お兄様に送ってもらってデイヴィス家に戻り、ルーク様のお夕食の給仕をして、そしてそこでルーク様と一緒にお夕食を食べて(ルーク様が一緒に食べると言い張るので、結局わたしの夕食はルーク様と一緒になった)、そのままルーク様のお部屋でお風呂の支度や隊服のお手入れなどをして、わたしの一日が終わる。
自分の部屋に戻る頃には、半分寝ているような状態だ。
わたしがその生活に慣れてきた頃、不意にルーク様がおっしゃった。
「明日と明後日は訓練を休みにする。その翌日には、王城に行かねばならないから、ニーナは3日間ゆっくりするといい」
ちょうど、演習場でお昼休みに3人でお昼を食べている時だった。
わたしがサンドイッチを両手で口元に持ってきた時だったので、そのままぴょこんと首を傾げると、何故かルーク様とお兄様が悶えだした。
「義兄上……。ニーナってこんなにかわいい生き物だったっけ?」
「いや、ルーク様。きっと、オレたちが歳をとったと言うことだよ。」
二人の言葉を聞いて、わたしの顔にはかぁ~っと熱が集まった。
「か、か、か、かわいいって……」
多分、顔を真っ赤にさせたわたしがふるふるするのを見て、また二人が同時に頷く。
「「かわいい」」
ひゃぁ~!! 恥ずかしい!
っとと、そんな照れまくってる場合じゃなかった。
「もぉっ! からかわないでください! ルーク様! お休みって、どうしてですか?」
悶え終わったルーク様は、すいとサンドイッチに手を伸ばしながらわたしを見た。
「ん? 討伐が近いからな。一度ゆっくり隊員を休ませる意味で休みを設けた」
「え、そんなに近いんですか?」
ルーク様の口にはサンドイッチが入ってしまっているので、今度はお兄様が答える。
「いや、おそらく3ヶ月から半年後くらいだろうな。……というか、それくらいは間をあけたい。王家は早くしろと言いそうだが」
「義兄上の言う通り、早くしろと言うだろうな。討伐準備に入る前の休養を隊員たちに取らせたいんだ。今日の訓練の後、事前準備金も渡すから、家族と小旅行に行くものもいるだろう。……申し訳ないが、ニーナには出ないんだけど……」
「ま、正式な隊員じゃないからな」
ルーク様とお兄様が表情を暗くする。
「準備金なんて、要らないですよ? だって、わたしは何もしていないんですもの。ただ、ルーク様の側にいて、必要なら光の魔法を使うだけです。そんなわたしに準備金なんて、要りません。ここに置いていただけるだけで、ご褒美です」
そう言い切るわたしに、また二人は悶えだした。
「は~っ、愛されてるなあ、ルーク様」
「はい。この上なく幸せです」
揶揄うお兄様に、ルーク様は真顔でキリッと答える。
「ニーナがここに居てくれるだけで、オレはこれ以上ないくらい幸せになれるんだ」
蕩けるような笑顔でわたしにそう言うルーク様を見て、わたしの顔の熱は、ますます温度をあげていった。
お昼はルーク様とお兄様の分を入れたお弁当を持って、お兄様の控室でいただき、午後の光の討伐隊との共同演習に向けて剣に魔法を掛ける。
その後は、ルーク様の加護がなくなったら再度加護を付与するよう何度も魔法を掛ける。
……これがまた、最初は魔力のコントロールが効かず、よく帰る頃にはぐったりしてしまっていた。
でも、最近は調節できるようになって、自分の自然回復の具合と、ルーク様が再度加護を欲しがるタイミングが掴めてきた。
夕方にすべての訓練が終わると、お兄様に送ってもらってデイヴィス家に戻り、ルーク様のお夕食の給仕をして、そしてそこでルーク様と一緒にお夕食を食べて(ルーク様が一緒に食べると言い張るので、結局わたしの夕食はルーク様と一緒になった)、そのままルーク様のお部屋でお風呂の支度や隊服のお手入れなどをして、わたしの一日が終わる。
自分の部屋に戻る頃には、半分寝ているような状態だ。
わたしがその生活に慣れてきた頃、不意にルーク様がおっしゃった。
「明日と明後日は訓練を休みにする。その翌日には、王城に行かねばならないから、ニーナは3日間ゆっくりするといい」
ちょうど、演習場でお昼休みに3人でお昼を食べている時だった。
わたしがサンドイッチを両手で口元に持ってきた時だったので、そのままぴょこんと首を傾げると、何故かルーク様とお兄様が悶えだした。
「義兄上……。ニーナってこんなにかわいい生き物だったっけ?」
「いや、ルーク様。きっと、オレたちが歳をとったと言うことだよ。」
二人の言葉を聞いて、わたしの顔にはかぁ~っと熱が集まった。
「か、か、か、かわいいって……」
多分、顔を真っ赤にさせたわたしがふるふるするのを見て、また二人が同時に頷く。
「「かわいい」」
ひゃぁ~!! 恥ずかしい!
っとと、そんな照れまくってる場合じゃなかった。
「もぉっ! からかわないでください! ルーク様! お休みって、どうしてですか?」
悶え終わったルーク様は、すいとサンドイッチに手を伸ばしながらわたしを見た。
「ん? 討伐が近いからな。一度ゆっくり隊員を休ませる意味で休みを設けた」
「え、そんなに近いんですか?」
ルーク様の口にはサンドイッチが入ってしまっているので、今度はお兄様が答える。
「いや、おそらく3ヶ月から半年後くらいだろうな。……というか、それくらいは間をあけたい。王家は早くしろと言いそうだが」
「義兄上の言う通り、早くしろと言うだろうな。討伐準備に入る前の休養を隊員たちに取らせたいんだ。今日の訓練の後、事前準備金も渡すから、家族と小旅行に行くものもいるだろう。……申し訳ないが、ニーナには出ないんだけど……」
「ま、正式な隊員じゃないからな」
ルーク様とお兄様が表情を暗くする。
「準備金なんて、要らないですよ? だって、わたしは何もしていないんですもの。ただ、ルーク様の側にいて、必要なら光の魔法を使うだけです。そんなわたしに準備金なんて、要りません。ここに置いていただけるだけで、ご褒美です」
そう言い切るわたしに、また二人は悶えだした。
「は~っ、愛されてるなあ、ルーク様」
「はい。この上なく幸せです」
揶揄うお兄様に、ルーク様は真顔でキリッと答える。
「ニーナがここに居てくれるだけで、オレはこれ以上ないくらい幸せになれるんだ」
蕩けるような笑顔でわたしにそう言うルーク様を見て、わたしの顔の熱は、ますます温度をあげていった。
2
あなたにおすすめの小説
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
転生皇女はフライパンで生き延びる
渡里あずま
恋愛
平民の母から生まれた皇女・クララベル。
使用人として生きてきた彼女だったが、蛮族との戦に勝利した辺境伯・ウィラードに下賜されることになった。
……だが、クララベルは五歳の時に思い出していた。
自分は家族に恵まれずに死んだ日本人で、ここはウィラードを主人公にした小説の世界だと。
そして自分は、父である皇帝の差し金でウィラードの弱みを握る為に殺され、小説冒頭で死体として登場するのだと。
「大丈夫。何回も、シミュレーションしてきたわ……絶対に、生き残る。そして本当に、辺境伯に嫁ぐわよ!」
※※※
死にかけて、辛い前世と殺されることを思い出した主人公が、生き延びて幸せになろうとする話。
※重複投稿作品※
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる