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18章 討伐
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さて。
お見送りも終わったことだし、わたしも行動を起こさなくちゃ!
今生の別れのようにお見送りをしたけど、決して大人しくこのままここでお帰りを待つわけじゃない。
ふらつく体でフランクさんとサリーさんに向き直る。
「では、しばらくお休みをいただきます」
そう言ってふたりに頭を下げると、ふたりは心配そうな顔でわたしを見た。
「ニーナ、お休みはいいわ。討伐の時にはニーナは教会で討伐が終わるまで祈りを捧げると前々から聞いていたから。でもね、今すぐはダメ。少し休みなさい」
「え、でも」
「そうですぞ。そんなふらつく体でわたしたちが外を歩かせるとでも思ってもいるのですか? ゆっくり温かいお茶でも飲んで、落ち着いてから行きなさい。久しぶりにこのフランクが、ニーナのためにお茶を淹れましょう」
ふたりはそう言ってわたしの両側に立ち、両腕を掴むと、無理矢理屋敷の中に連れて帰った。
できれば、すぐにルーク様の後を追いたいんだけど……。
でも、ふたりの心遣いがありがたく、大人しく使用人控え室にあるソファに座っていると、ティーセットを持ったフランクさんと、お茶菓子のクッキーを持ったサリーさんが現れた。
サリーさんがわたしの前にお茶菓子を置いて、わたしの隣に腰掛ける。
フランクさんは、わたしの横に立ち、鮮やかな手付きで紅茶を淹れ出した。
三つのティーカップをお茶をそそぐ。
目の前にそれが置かれると、ふわりといい香りがした。
「さ、ゆっくり飲んで、体を温めなさい」
フランクさんに促され、紅茶を口にする
「……美味しい……」
喉を通り、温かさがお腹の中に広がり、やがてそれは身体中を駆け巡った。
フランクさんとサリーさんも紅茶を飲んで、一息つく。
「ニーナ、温かいでしょう? 人の思いとは、必ず伝わるものなのです。ニーナが心を込めて捧げる祈りは、必ずやルーク様に届くでしょう。だから、ちゃんと心を込められるように、体調を整えて出掛けなさい」
ふたりは温かい目でわたしに語りかけた。
「……はい!」
「ニーナ、クッキーも食べて。きっと、甘いものが必要だろうと思って、いつもよりお砂糖を多めに焼いたのよ」
「え、サリーさんが?」
「ええ。ちょっと、うまくできたか自信がないけど」
照れくさそうに笑うサリーさんが、クッキーのお皿を差し出す。
ひとつつまんで口に入れると、それは優しい味がして、わたしはうっかり泣いてしまいそうになった。
お茶で身体を温め、クッキーで糖分を補充したわたしは、大きめのバッグにお父様からいただいた光の討伐隊の隊服を入れて、部屋を出た。
屋敷の裏口に行くと、フランクさんとサリーさんが見送りに来てくれていた。
「フランクさん、サリーさん。では、行って参ります」
「はい、ニーナも気をつけて」
「ずっとお祈りだけをしていてはダメよ。ちゃんと、夜は睡眠を取るのよ」
わたしも討伐の地に行くと思っていないふたりは、温かくわたしを送り出してくれる。
本当のことを言えないのは心苦しいけれど、言ったら多分ルーク様からの言葉もあって、行かせてもらえないと思うから、だから、ごめんなさい。
「はい。充分気をつけます。夜はちゃんと仮眠を取ります。我儘言って、お休みをいただいてすみません。では、行ってきます」
わたしはゆっくりと頭を下げて、ふたりの顔をじっと見てから、ドアを開けて出て行った。
ルーク様と共に、わたしも帰らなければ、フランクさんは別棟の執事長として、わたしの部屋を開けるだろう。
わたしは、使用人棟の自室の机の上に、フランクさんとサリーさん宛に手紙を残してきた。
ルーク様の後を追って、討伐に行ったことと、もう一通ある手紙は、今世の家族に届けて欲しいと。
家族に宛てた手紙には、生まれ変わってからこれまでのことと、ルーク様と一緒に討伐に行くことを書いた。
わたしはルーク様をお慕いしていて、病める時も健やかなる時も、ルーク様と共に在りたいと思う気持ちと、
同じくらい、お父さん、お母さん、ルフィを愛していると、そう書いた。
お見送りも終わったことだし、わたしも行動を起こさなくちゃ!
今生の別れのようにお見送りをしたけど、決して大人しくこのままここでお帰りを待つわけじゃない。
ふらつく体でフランクさんとサリーさんに向き直る。
「では、しばらくお休みをいただきます」
そう言ってふたりに頭を下げると、ふたりは心配そうな顔でわたしを見た。
「ニーナ、お休みはいいわ。討伐の時にはニーナは教会で討伐が終わるまで祈りを捧げると前々から聞いていたから。でもね、今すぐはダメ。少し休みなさい」
「え、でも」
「そうですぞ。そんなふらつく体でわたしたちが外を歩かせるとでも思ってもいるのですか? ゆっくり温かいお茶でも飲んで、落ち着いてから行きなさい。久しぶりにこのフランクが、ニーナのためにお茶を淹れましょう」
ふたりはそう言ってわたしの両側に立ち、両腕を掴むと、無理矢理屋敷の中に連れて帰った。
できれば、すぐにルーク様の後を追いたいんだけど……。
でも、ふたりの心遣いがありがたく、大人しく使用人控え室にあるソファに座っていると、ティーセットを持ったフランクさんと、お茶菓子のクッキーを持ったサリーさんが現れた。
サリーさんがわたしの前にお茶菓子を置いて、わたしの隣に腰掛ける。
フランクさんは、わたしの横に立ち、鮮やかな手付きで紅茶を淹れ出した。
三つのティーカップをお茶をそそぐ。
目の前にそれが置かれると、ふわりといい香りがした。
「さ、ゆっくり飲んで、体を温めなさい」
フランクさんに促され、紅茶を口にする
「……美味しい……」
喉を通り、温かさがお腹の中に広がり、やがてそれは身体中を駆け巡った。
フランクさんとサリーさんも紅茶を飲んで、一息つく。
「ニーナ、温かいでしょう? 人の思いとは、必ず伝わるものなのです。ニーナが心を込めて捧げる祈りは、必ずやルーク様に届くでしょう。だから、ちゃんと心を込められるように、体調を整えて出掛けなさい」
ふたりは温かい目でわたしに語りかけた。
「……はい!」
「ニーナ、クッキーも食べて。きっと、甘いものが必要だろうと思って、いつもよりお砂糖を多めに焼いたのよ」
「え、サリーさんが?」
「ええ。ちょっと、うまくできたか自信がないけど」
照れくさそうに笑うサリーさんが、クッキーのお皿を差し出す。
ひとつつまんで口に入れると、それは優しい味がして、わたしはうっかり泣いてしまいそうになった。
お茶で身体を温め、クッキーで糖分を補充したわたしは、大きめのバッグにお父様からいただいた光の討伐隊の隊服を入れて、部屋を出た。
屋敷の裏口に行くと、フランクさんとサリーさんが見送りに来てくれていた。
「フランクさん、サリーさん。では、行って参ります」
「はい、ニーナも気をつけて」
「ずっとお祈りだけをしていてはダメよ。ちゃんと、夜は睡眠を取るのよ」
わたしも討伐の地に行くと思っていないふたりは、温かくわたしを送り出してくれる。
本当のことを言えないのは心苦しいけれど、言ったら多分ルーク様からの言葉もあって、行かせてもらえないと思うから、だから、ごめんなさい。
「はい。充分気をつけます。夜はちゃんと仮眠を取ります。我儘言って、お休みをいただいてすみません。では、行ってきます」
わたしはゆっくりと頭を下げて、ふたりの顔をじっと見てから、ドアを開けて出て行った。
ルーク様と共に、わたしも帰らなければ、フランクさんは別棟の執事長として、わたしの部屋を開けるだろう。
わたしは、使用人棟の自室の机の上に、フランクさんとサリーさん宛に手紙を残してきた。
ルーク様の後を追って、討伐に行ったことと、もう一通ある手紙は、今世の家族に届けて欲しいと。
家族に宛てた手紙には、生まれ変わってからこれまでのことと、ルーク様と一緒に討伐に行くことを書いた。
わたしはルーク様をお慕いしていて、病める時も健やかなる時も、ルーク様と共に在りたいと思う気持ちと、
同じくらい、お父さん、お母さん、ルフィを愛していると、そう書いた。
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