幼馴染のリスナーに媚びて人気者になりたい

久羽しん

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第2章

109 ニコニコ秋風《前編》

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「ふー……」

 俺は作業を途中で止め、息を吐いて頭を左右に倒した。
 首がじい~んと伸びる感覚。

 次いで、背中側で手を組み肩甲骨も伸ばしていく。

 ポキポキと軽い音が鳴って、体が少しスッキリした。

「んー……っ!」

 長時間PCに向き合っていると、どうも全身が凝ってだめだ。

 とはいえ、今座っているごちゃハウスのゲーミングチェアは俺の実家の椅子よりは格段に疲れにくいのだけれども……。

 (……ちょっと休憩するかぁ)

 時計を見ると、時刻は午後二時。明日はしゅごフェスだし、今日は早めに家に帰って休んだ方がいいかもしれない。

 (休憩挟んで、あと数時間やったら帰ろー)

 そんなことを考えながら、俺は家から持ってきたお弁当を取り出した。

 昼ごはんを食べつつ、スマホを見る。

 すると、メッセージアプリに春川かりんちゃんからのメッセージが来ていた。

「お……! うまそ~っ」

 今日のランチはパスタでした、との言葉付きで美味しそうな写真が届いているではないか。

「『めっちゃ美味しそうですねっ! 俺は今、自分で作った弁当を食べてます。昨日の残り物がほとんどですけど!』……っと」

 俺もお弁当の写真を撮って、返信をした。

 最近、何食べたとか、何買ったとか……かりんちゃんがよくメッセージをくれる。それに、おはようメッセージもおやすみメッセージも毎日している。

 俺たちの距離はすごく近づいた。

 こないだ、かりんちゃんとの、ドキドキの食事デート? を終えてからだ。それから、より仲良くなったと思う。

 (本当、良かったなぁ。無事に成功して……)

 俺はスマホを見ながら、数日前のかりんちゃんとのデートの日を思い出した。

 あの日は……とても気合を入れてむかえた。
 
 なんといっても、前日までの準備が本当に難関だった……。

 今回は双子にそっぽを向かれてしまったから、自分でコーディネートを考えなくてはいけない。

 当然俺にはそんなの無理だから、俺は現役モデルである秋風に頼ることにした。

 そしたら、秋風がこういう感じがいいと思うよと教えてくれたから、その通りネットで買って。無事、かっこいい仕上がりになった。

 あと、俺みたいな冴えない奴と会ってくれる女の子は貴重だし、お礼にかりんちゃんにプレゼントを渡したいなと思って。それも秋風に相談をした。

 俺は、女の子が喜びそうなブランド物のネックレスとか指輪とか、高めの……コスメ? ってやつを買って行こうと思ったのだけど、初回からそれはダメだと秋風に止められてしまった。それをしたら、喜ばれるどころか重たくて引かれる可能性があるらしい。
 初回デートに持って行くのなら、プチギフトが良いのだと。
 そのへんのバランス感覚は俺にはないから、忠告してくれてほんと助かった。

 でも、プチギフトって何……? 男に渡すんなら酒とか靴下とか何かしら適当に選ぶけども、女の子が欲しがるものなんて俺には分からない……。

 困ってしまった俺に秋風は、スイーツ、紅茶、ハンドクリームなどを買えばいいのだと例をあげて教えてくれた。
 それでもピンと来ずに悩んでいたら、秋風のオススメの洋菓子屋さんまで紹介してくれた。

 俺はそのお店でマカロンの詰め合わせを買って──女の子ってマカロン好きそう──当日かりんちゃんに手渡した。

 ──結果、かりんちゃんは大喜びだった。

 なんか有名なお店だったらしくて、アオくんセンスが良いってすっごくべた褒めしてくれた。(いや、俺じゃなくて秋風なんだけど……ゴメンナサイ……!)と心の中で若干罪悪感も生まれたけど、喜んでもらうことが何より重要だから俺は口を引き結んだ。

 友達にアドバイスをもらったり協力してもらうことは恋愛物の漫画やアニメでよく見るし……別に卑怯じゃない。うん。
 普通のことだ。だってそういう漫画とかって、大抵主人公の恋を応援してくれる有能な友達がいるのだ。

 俺にも、秋風という恋愛経験豊富な頼りになる友達がいてくれて幸運だった。

 食事したお店も、美味しいしお洒落で素敵だって言ってかりんちゃんめちゃくちゃ気に入ってたし、これも秋風のおかげだ。

 おかげさまで、俺の『女の子との初デート?』は大成功だったと言える。

 帰り際、かりんちゃんの方から二回目を誘ってくれもして。びっくりしたけど、すごい嬉しかった。

 俺はすぐさまメッセージアプリで秋風に成功を報告した。

 秋風も、良かったねって喜んでくれた。

 ただ……なんだろ? 帰ってから疲労がどっと来て、その日は十時間以上眠ってしまった。

 人生で初めての女の子とのデートは、俺にとって未知の体験すぎたのだ。

 だって、女の子って、何から何まで綺麗で繊細でふわふわで、男とは全く別の生命体みたいで……。お菓子でできてるんじゃないだろうか? と思ってしまうほどだ。特にかりんちゃんは、近くにいるだけですっごい良い匂いしたし、小さい顔も高い声もめちゃくちゃ甘ったるくて、俺より低いところにある目線も華奢な肩も全部が全部かわいくって、やばい。クラクラした。
 だから俺は、絶対何もミスらないようにしなきゃってずーっと気を張って、正直ご飯も全然味がしなかった。俺が面白い話で楽しませなきゃ! って話題も選びまくって、自分を取り繕って……。

 (ほんと、疲れたよな……あの日……)

 正直、友達と遊ぶ時のように、いっぱい笑って、はしゃいで、楽しい~~って感覚は全然なかった。

 そう感じてしまう俺がおかしいのかな? って思ってググってみたけど、『異性より同性の友達と遊んでいた方が楽しい』って意見はネット上に結構あって。どうやら、あるあるのことみたいだけど。

 (もしかして、一回目だからなのかもな。慣れたらもうちょっと気軽に話せるようになるのかも……?)

 どうだろう。

 もしも、何回会ってもずっとこのままの感じだったら疲れるし……しんどい。

「……いや。俺のくせに、贅沢な悩みすぎだろ……」

 そう思うけど。

 でも……、……。

 (……はぁ。この変な気持ち、誰かに聞いてもらいたいな……。客観的な意見が欲しい)

 秋風には、色々協力してもらって順調だと報告しているのに、今更ナイーブになっていることを話すのは恥ずかしい。

 夕陽さんも、明日はイベントなのに、こんなことで多忙なあの人の時間を割かせるわけにはいかないし。 

 それに、秋風も夕陽さんもかりんちゃんのことを知っているから。勝手に裏でネガティブなことを話すのは良くない気がする……。

 (うーん……)

 俺のこともかりんちゃんのことも知らない人に相談できたらベストなんだけど……と思って、俺はあっと思いついた。

「そ、そうだ……! グループチャットがあるじゃん!!」

 [ウェーブ:誰かいる?]

 ひらめいた俺は、さっそくアプリを開いて聞いてみた。

 すると、すぐに返信があった。

 {オクラ沼:いるよー}

 [ウェーブ:お……!! オクラ沼さんだけっ?]

 {オクラ沼:うん、たぶん。しゅがーは講義、床さんとBlauは仕事じゃない? 私は空きコマでちょい暇してるとこ}  

 [ウェーブ:そうか! 俺も今、昼休憩中で……、良かったら、その。ちょっと話聞いて欲しいんだけど……]

 {オクラ沼:ん? 話って? アキアオのこと?? ウェルカム!!}

 [ウェーブ:いや……ごめん。ちがう。現実のことで、ちょっと相談というか……人の意見を聞きたいことがあるんだ]

 {オクラ沼:えっ!? なになに? 全然いいよ! 前もウェーブくん、私としゅがーに話してくれたよね。友達と喧嘩してるって。またその子と喧嘩したとか??}

 [ウェーブ:あ、前もありがとな! 今回は、友達のことじゃなくて、女の子のことなんだけどさ……]

 {オクラ沼:!? 女の子!? ってことは……恋バナ!??}

 [ウェーブ:うんまあ……そう……かも?]

 {オクラ沼:聞きたい聞きたい!! 私恋バナ大好き!!!}

「え゛……」

 (夢女子のしゅがーなら分かるけど、オクラ沼さんってそういう話好きなんだ。なんか意外だな……)

 {オクラ沼:BL漫画のネタゲット!!}

 (そういうことかよ!!)

 [ウェーブ:オクラ沼さん、心の声漏れてるぞ]

 {オクラ沼:あ、うそごめん。ネタになんてしないよ。ちゃんと真剣に聞くから。怖くないよーウェーブくん、こっちにおいでーー}

 [ウェーブ:こえぇわ……]

 {オクラ沼:冗談はさておき}

 (冗談だったの??)

 {オクラ沼:DM行こうか? ここだと、後から来たみんなに筒抜けだし}

 [ウェーブ:お……そうだな! そうしよう]

 別に良いんだけど、今話してたことを夜に来たみんなに見られてワーキャーされても恥ずかしいし。ここは、オクラ沼さんの提案にありがたく乗らせてもらうことにしよう。

 俺はフレンド一覧からオクラ沼さんのアイコンを見つけて、吹き出しマークを押した。

 パッとオクラ沼さんとのトークが開かれる。

 グループチャットじゃないから、これで他の人には見られなくて安心だ。

 {それでウェーブくん、話って?}

 [実はさ……数日前、俺、人生で初めて異性とお出かけをしたんだ]

 {え。人生で、初めて……? そうなんだ……}

 [うわ、引いてる……! だって、モテないんだから仕方がないだろ……!!]

 {引いてない。ただ、重圧が……。だってさ、ウェーブくんっておぢでしょ??}

 [お、おいっ! 前から人にニートだのおじさんだの色々嫌疑かけてきて、ひどいぞ! この際言うけど、二十代前半だからな!? 俺っ!]

 {え……、? マ、、?}

 [マジ!!]

 {そ、そうだったんだ……? えぇ……。いや、ウェーブくんって、私らより年上ってことしか言ってなかったから、勝手に四十五十をイメージしてたわ}

 どんだけだよ。

 [そら、四十五十の男で人生初デートとか言い出したら、反応に困るか。確かにな……]

 {そう。『どうしよ、だいぶ年上の人の初恋に意見? 私が?? 重大責任じゃん……』って、勝手に身構えちゃって。。。でも、同年代ってことなら気軽にアドバイスするから、大丈夫}

 [おう! 頼んだ!! それでな、俺、こないだ仕事関係で出会った超可愛い、タイプど真ん中の子と食事をしたんだけど……]

 {おぉ。良かったじゃん?}

 [うん。たださ……俺、すげー緊張しちゃって。今この瞬間、女の子に一挙一動を見定められて、ジャッジされてるんだよなって思ったら、生きた心地もしなかったっていうか……。一個でもダサって思われることしたら即終了になるんだよなって、話してても隣歩いててもずっと怖くて怖くて……}

 {あー……。まあ、減点方式の恋愛する人は割と多いからね。女子にとって、ないわ~ってことをしたら、確かに一瞬で冷められる可能性はあるよ。特にウェーブくんは、失言多いし……}

 [う……。そう。だからか、せっかく良いレストラン? に行ったのに、全然味がしなかったんだよな。食い方とかも汚く見えないようにしなきゃって思ってめっちゃ取り繕ったし、正直全然ラフに楽しめなくって。そのちょっと前に友達と出かけたときなんか、すっごい楽しかったから、俺、その時と比べちゃったりして……。これっておかしいか??]

 {うーん……。いや……別に、おかしくはないと思うよ。私も、男子と遊ぶより女子会でバカ騒ぎしてた方が楽しい時もある。腐女子同士ならなおさら、BLの話もできるし。いちいち気を遣う異性より、同性といた方が楽ではあるよね}

 [! そうだよな!?]

 {でも、それとは別に、異性……っていうか、恋愛? でしか感じられないものはもちろんあると思う。友達といる時の楽しさと、恋愛のときめきとかは全く違うわけだからさ。で、はっきりさせとくべきは、ウェーブくんはその女の子と友達になりたいのか。恋人になりたいのか……ってことだよね}

 [えっ……! それは……こ、恋人になりたい……欲を言うならば]

 {恋人になりたいんだ。どうして?}

 [俺、ずっと彼女欲しかったから!]

 {うん? なんで彼女が欲しいの? 男友達といた方が楽しいならそうしてりゃいいじゃん}

 [え!? そんなわけにはいかないだろ。みんな普通、彼女くらいいるもんだし]

 {多様性の時代だから、いない人もいると思うけど……?}

 [でも……。あ、いやこれはオクラ沼さんに対するセクハラになるかもしれないから言えないんだけど……]

 {? いいよ別に。なに??}

 [で、でも……下ネタ的なアレだし……その……]

 {いや、私らも散々腐った話してるし、お互い様ということで。私のこと女と思わなくていいから、どうぞどうぞ}

 [えー……。じゃ、じゃあ……。あの、ぶっちゃけると俺さ、童貞を卒業したいんだよな……!? 正直、それが彼女が欲しい一番の理由。学生の時からずーーっと思ってたんだよ!!]

 {…………うっわぁ……}

 (あれ!? 言って良いって言ったのに……!!)

 いざ白状したら、めちゃくちゃ引かれてしまった……。

 {……つまりウェーブくんは、体目的で彼女が欲しいってことか。一緒にいても楽しくないけど、女子の話なんかちーっとも面白くないけど、童貞卒業してみたいから誰か付き合ってくんね~? って。うんうん、そういうあれね}

「!! ち、ちが……!」

 改めて言葉にされると俺、やばすぎる。全然そういうつもりではないんだが。

 [か、体目的っていうか……今の俺、童貞なのがコンプレックスで。周りはモテるやつばっかだし。ずっとずっと羨ましくって。だから、それさえ解決できれば? 俺の中の何かが変わる、そんな気がして……]

 {いや……。あのさ、ウェーブくんみたいに、『童貞卒業』さえしたら俺の人生何かが変わるかもって過剰に思ってる童貞よくいるけど。それ、普通にバカだよ。そんなん何も変わらないから。女抱いて変な自信がついたとして、それはあなたの本物の自信じゃないので}

 ぐさっっっ。

 [あっ! でも……! あの、ほんと、それだけじゃなくって……!! 普通に手とか繋いでみたいんだよな。ハグもしたい。女の子って、柔らかくて良い匂いして、俺と全然違う生命体だから、気になるし……っ。イチャイチャとか、してみたい……!]

 {うーん。。。なんか……ウェーブくん、夢見すぎじゃない? 私らみたいな腐女子と関わってるんだから、分かると思うけどな。女子だって、男子と変わらず普通の人間ね。良い匂いは香水かヘアオイルだし、メイクとか服とか頑張ってるからウェーブくんと全然違って見えるだけ。おんなじ生命体だよ}

「……!」

 (そ、そうなのか……?)

 {しゅがーみたいなふわふわ系がウェーブくんの頭の中のザ・女の子像なのかもしれないけどさ。私やBlauみたいなのもいるわけだからね? 個人差あるよ。ウェーブくんは、『女の子』っていう属性、集合体でしか見てないんだろうけど、性別に限らず一人一人の人間だよみんな}

「……」

 [……たしかに……]

 俺はオクラ沼さんの意見に納得し、俯いた。

 俺は、リアルの異性と全然関わったことがない上に、教科書は全部二次元の美少女キャラだから、固定観念を持ちすぎているところはあるかもしれない。

 [たしかに俺、夢見すぎてるかも……。うん……]

 (……う、うーん、……だけど……)

 [だけどやっぱ、彼女は欲しいな……?! だって単純に、彼女いない歴=年齢なのをなんとかしたいし。恥ずかしすぎるだろ?]

 {はい、なるほど。つまり、体目的&世間体ってことね}

 [まとめるのやめてっっ!!]

 {いや、だってそういう意味でしょ。『彼女ができたことないと周りにみっともないと思われる』っていう、世間体を気にしてるんだよ、ウェーブくんは}

 [そ、そうだけど……! それもあるけど……うう。世間体? というか……、俺はただ、誰かの一番特別に選ばれてみたいんだよ……! 友達はたくさん枠があるだろ? でも、恋人は、一個しか枠がないじゃん! 浮気なんてもってのほかだし。だから俺は、ただ一人だけを選んで、相手の人からもただ一人に選ばれてみたい。恋人でいる限り、この世の中でお互いが一番同士なのが分かるよな? そういうの、すげー憧れるんだよ。今の俺は、恋人できたことないし……誰からも選ばれない、愛されない人間なんだって、思い知らされてる現状がとにかく辛いんだ]

 {はー、なるほど……。なんとなくわかったかも。ウェーブくんの言いたいことは}

 [ほんと!?!]

 {うん。じゃあ、その……今のいい感じの女の子? と関係を進めたらいいんじゃない? その子のたった一人に選ばれるように努力したらいいよ。選ばれるための努力が楽しくないんだとしても、それは仕方のないこと}

 [だよな? 俺もそう思う、し……頑張りたい……]

 {それでいいと思うよ。うん。なのに何を悩んでるの?}

「……!!」

 [んーと……、なんかさ……。さっきも言ったけど、俺は、その子と遊んだ時に友達と遊んだ時のことばっか思い出しちゃったんだよ。友達といた時はあんなに楽しかったのに、疲れなかったのに、とか……]

 {えー……。ひどすぎない? それ}

 [ほんとそう。自分でも思う。ごめん]

 {……何をそんなに比べたの……?}

 [! えっと、上手く言葉にできないんだけど……。めちゃくちゃ些細なこと! 例えばな、数日前その女の子と遊んだ時。俺が空に浮かんでる雲を、綿菓子みたいだ~って思わず呟いちゃったんだ。そしたらさ、遊んだ女の子、めっちゃ苦笑い? で。「……あはは。美味しそうですね……」「はい……」って感じで、気まずくなって、やばい空気で会話終了した]

 {うわ。気まず……。子供っぽい男だなーって思われちゃったのかもね}

 [だ、だと思う……。俺、勝手に思ったことが頭から出ちゃって、よく独り言を言うから。その日も目に飛び込んできたものの感想を逐一声に出しちゃって、結局ほとんどスルーされてたな……。でも、友達の場合は、違うんだ。俺の言葉をなんでも拾ってくれるんだよ。どんなしょーもない独り言でも。苦笑いじゃなくて、優しい感じで笑ってくれるの!!]

 {ほう……?}

 [前に全くおんなじ状況があってさ、俺が「綿菓子みたいだ~」て言ったら友達は、「分かる。それに、隣の雲、猫の形みたいじゃない? ウェーブにそっくりだね」って返してきて、俺の独り言から話を広げてくれたんだ。その時の俺は、「なんだよそれ!」って怒ったんだけどな]

 {怒ったんか?!}

 [怒っちゃった。でも今思ったら、独り言をスルーしないの、優しいよな……。普通に道を歩いてる時も、そう。俺が好きなアニメのポスターちらっと一瞬見たら、そいつは速攻気がついて、「どうかしたの?」って。「もしかしたら、撮りたいの? 一旦止まろうか」って言ってくれたり。食べてる時も、「ウェーブ、美味しい?」って笑って聞いてくれたり。俺のしたいこと、したくないこと、何も言わなくてもいつも視線だけで気づいてくれるし、俺の分からないことはなんでも説明してくれるんだ。いっぱい質問しても、全然鬱陶しがらないで、全部丁寧に教えてくれるの]

 {……? え? えっと、なに? 急に雲行き怪しいんだけど。え、これ、惚気? BL?????}
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