M.A.T 対魔法筋肉特殊奇襲部隊

海王星型惑星

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1章 特殊筋肉奇襲部隊

対魔法訓練(2)(長かったので分割しました)

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「う」「うォッ」「うぉああッッ!?!」


みるみるうちに地面が遠く遠くに離れて行く……ヤバい!!!!!


「うおっ!?何じゃありゃ?!」

「やべェ!!!」

広場にいた人間が事に気づいたようで足元から驚きの声が聞こえる。

隣の建物の二階が足元を過ぎた…三階、四階、

屋上?!死ぬ!!これは死ぬ!!


「お、タケツキくんが飛んでる」

眼の前にぬっ、と人の顔が____グルカさ…グルカさん!?!?!?

が!!


飛んでるーーー!?!?



驚きビビリ散らかす俺に構うことなく、グルカさんは俺を連れ去った『何か』を掴んだ。



合計で2人分の体重がかかり、ガクッと『何か』の上昇スピードが弱まった。

しかし止まりはしなかった。グルカさんが(これは予想外だね)という表情を見せる。俺の不安と恐怖は更に増幅した。


 「タケくん、右足掴んでて。なんかあると危ないから」


訳の分からなくなった俺はただ言われるがまま、力の入らなくなってしまった両手でグルカさんの右膝を掴み、両腕で抱きしめるように挟んだ。
ほんとに自分の手じゃ無くなったみたいだ…全く力が入らない…


グルカさんが『何か』によじ登っている。俺もそれに引きずられると、灰色の毛…羽毛が視界を埋めつくした。

えいっ。という声と共に、バキンッ!という乾いた音が響く。


バサッ、バサッ、という羽ばたく音が消えた。
これが消えてようやく、この音がずっと鳴っていたことに気付いた。ずっと聞こえていたはずだったんだ。


上昇が止まった。慣性力が無くなって全身にググッとかかっていた圧が消えていく。

一瞬の空白が生まれて音がこの場から無くなった。


…俺は、というか現代人は「こういう感覚」は案外初めてではない。

ジェットコースター、あるいはフリーフォールの落下する時!!

ここから急降下する時のやつ!!!!


ふあっという感覚のあと再び景色が_今度は上に流れていく!!
レールも安全装置も命綱ない!!!正真正銘の自由落下フリーフォール!!!!!!


ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!!!

死ぬ!死ぬ!!死ぬ!!!死んじゃう!!!!


屋上、四階!死ぬ!レンガで硬く舗装された道路が迫ってくる!三階!二!!い__


ち?
ガクッとまたまた急停止した。首が投げ出される。

「良く離さなかったねー、偉いよぉ」


陽気で呑気な声が上から降りてくる。

ぶるぶる震えながら首だけ反らして上を見上げる。

グルカさんが、両手を窓枠に、左脇にバカみたいにデカイ「何か」を挟んで止まっている。

二階の窓枠。隣の建物のもの…。

呆気に取られている俺をよそに、グルカさんはパッ、と手を離した。

嘘だろ?!と叫びたくても声が出ない。また急加速して…ガクン。と急停止。1階に、地上に着いていた。

右足から手を離す…路上に…地上に背中を預ける。

『母なる大地』__そんな単語が無意識に頭をよぎった……母は今、何をしているのだろう__


「人間じゃ…な…」

「竹月くん。怪我はない?」

………。

「あれ」


「おーい」


「しんでるー」
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