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1章 森林の巨獣
猛進する魔物
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暗がりから黄ばんだ白い牙をのぞかせる_それは、猪だった。
のそり、と一歩前に出てきた。ただの猪ではない。
体高、体長共に通常の猪よりも一回り大きく、ツノも牙も巨大で、鋭い。
「こいつは不慮の事故ってやつだな」
理源は背中に腕を伸ばし、身につけていた刃物を抜く。
二尺(約60cm)程度の打刀である。
彼は左腰にもう一本、刀を備えていた。
「出る前に言ったが、自分の命は自分で守りな。この数じゃ人の心配なんざしてられねえ」
「...わかった」
シルヴィアも腰からナイフを抜く。
ナイフの刃渡りは魔物の牙よりもやや短かった。
面と向かって戦うとなるとシルヴィアのナイフが相手に刺さるより先に、魔物のツノが自分に刺さるだろう。
その場面を想像しないようにしたが、シルヴィアの腕は少し震えていた。
「倒せって言ってんじゃねえ、逃げ回ってても生きてりゃ上等だ」
シルヴィアの心中を察したように、理源が押し殺した声で囁く。しかし視線は外していない。
「...うん」
その瞬間である。無数の内の一頭が2人めがけて突進してきた!
シルヴィアよりも前にいた理源は、両手で刀を握ったまま動かない。
猪と向き合う形で構えているが、彼の眼光に鋭さはなく、というか目は開いても何も見ていないような普段通りの無気力さがあった。
頭を下げつつ、猪が理源の懐へ潜り込む。
ツノが理源の腹に突き刺さり、たちまち深々と刺し込まれていく。
下げた頭を大きく振り上げ、理源をかち上げた。
それと同時に猪の喉元から血が噴き出る。
血しぶきが地面を朱く湿らせた後、断末魔も上げずに猪は倒れた。ドッ、と重量感のある音が閑静な森に響いた。
動かなくなった猪の隣に理源の姿があった。
ツノが刺さったはずの腹部に外傷はなかった。
目の前で起きた出来事に理解が追い付かず、シルヴィアは驚愕し目を見張った。
(今...あいつ刺さって...!?)
出来事の不可解さは魔物達にも理解出来たのか、うろたえた様子で鋭い視線を理源に向ける。
そして意を決したかのように、今度は複数方向から同時に突っ込んで来た!
「狩りは数勝負ってか?」
魔物達を嘲笑うような表情を浮かべ、群れの中で真っ先に到達する背面の猪に向かい合う。
魔物達の間をゆらゆらと縫うように通り抜けていく。
シルヴィアは彼がきらめく糸のような物をまとっているように見えた。
それが太刀筋であったということにようやく気付いた。
すれ違った猪達から次々と鮮血が噴き出ていく。
どちらが狩る側であったか、魔物たちがそれに気付いた頃には皆等しく地に転がっていた。
奴らの飛び出した周りの木々は軒並み削られ擦り切れていた。
突進してきた全てを倒した後でも、理源は一切警戒を解かなかった。
余りに弱かったためである。
(直観と出てきた奴らが見合っていない)
感じた異様な気配の正体は別にある…
理源が刀を構えつつ振り返った瞬間、巨大な影が1つ飛び出してきた!
最高速で疾走する馬と同等以上の速さで突進して何かに、理源は動じない。また煙に巻くように揺らぎで頸を切り裂いた。
しかし、傷はやや浅く、多少血が吹き出ただけあった。最高速を維持したまま通り過ぎて、また闇の中に消えた。
(あいつが群れのボスか?)
素早い動きで姿を見れたのは一瞬であったが、理源は影の正体を他の個体を遥かに凌ぐ大きさの猪だと視認する事ができた。
..........。
束の間の静寂が訪れる。
不自然なほどに沈黙は続いている。
それが破られることはなかった。巨大な猪が音も立てずに_前方から__そして右方からさらにもう一体突っ込んできた!
(前が囮_!)
理源の判断は速かった。前方の一体目に突っ込むと前足の間に滑り込んだ。
一体目は全速力で理源を轢こうとし駆け抜けたが、その実体を捉えることはできなかった。ボグッ、と吐血交じりの息が鼻と口から吐き出た。
理源が腹の下から刀を突き刺したのである。猪は腹から血を滴らせながらも走り続けている。
再び二体目が姿を現し_た瞬間、理源は跳ねる魚のように全身を弾いてそれの頭上に飛び乗った。
暴れ馬より数段激しく振りまわる猪に構わず、彼は斧で大木を切り倒すように全身をねじり込んだ。
前腕・上肢・肩背筋体幹・腰・下腿そして足の十指に至るまでを引き絞る。ギリ…ギリ…と弓弦のように力をため込んで_放った。
人の片腕程度しかない刀身の刃が、さながらギロチンの如く叩きつけられ、大木の幹ほどの頸が、一刀両断、叩き落とされた。
もとの一体目の目には生命力が感じられなかった。放っても死ぬであろうが、理源は首元に向き直って刀を頭上に構えた。
猪は水気を帯びた鼻息をあげるだけだった。そして一太刀の後、眠った。
今度こそ、森に静寂が戻った。
理源は黙って刀の血脂を振り落とし、懐に入れた布切れで拭きながら元の場所に戻った。ここでふと思い出す。
「…あのガキどこ行った……?」
理源は常に一人で適当にプラプラ生きていた類の者であり、そういえば誰かを_しかも女の子供を連れて何かをするようなことなどなかったのだ。
しかしここは休日に遊びに出るような街中ではなく、先ほど魔物が出た立入禁止中の森の中である。
やばい。正直あのガキそのものはいいとして、保護監督者責任であの路上ファミリー(主に姉ちゃん)とクエスト受注所に責任を負わされるに違いない。そうなると報酬どころではないし、自分に靡いていた(間違いなく)であろうあの二人もこの手から離れていくことになる。
理源は全神経を五感に(ついでに第六感にも)集中させシルヴィアの所在を割り出そうとした。が、目当ての少女はすぐに脇の茂みから飛び出してきた。
「助けェ~~!!!」
全身葉っぱまみれ、顔や腕に枝の引っ掻かき傷だらけになったシルヴィアが一体、中型犬程度の小さな猪を連れてきた。
「逃げ回ってでも とは言ったが…」
理源は呆れたが、取り敢えずこの程度のハプニングで助かった。
追いかけてきた猪には小さな傷があった。シルヴィアがナイフで与えたのだろう。しかし大して効いていないようなので逃げてきた、と…
周りに気を配っても他の個体がいる様子はなかった。こいつで最後の一体だ。手追いながらも敵を追いかけまわしているところに、あるいは仲間を殺された故の執念のようなものを感じ取った。
実際、小さな傷ではあったが、大分出血はあったようで既に立つだけで震えている。
「どのみちダメだな、殺すぞ」
理源の一言に、シルヴィアはうぅ、と渋るような声をあげた。
「あのさ…助けてって言っておいてなんだけどさ…追っ払うだけじゃダメかな…」
「なんか…かわいそうになってきて…」
理源は少し沈黙した。どうするべきか悩んだのではない。
「人間社会、とりわけ文明的で平和な集団にいると希薄になるが…自然の規則は命の奪い合いと自然選択だ」
理源の視線は、震えながらも二人を睨む猪に向いていた。
「森に…ヒト以外が棲む領域に足を踏み入れた以上、俺もお前も、こいつも_ここでのルールで生きてくことになる」
「そもそもこいつの仲間は俺が全部殺した。でけえ二頭は番(つがい)で小せぇのは子供だったかもしれねえ…群れで生きる存在がそれを失って生き永らえても、もう長くは生きられん」
「その上で俺が殺した。俺が生きるためだ。…お前は勘違いしていることがある。お前とこいつ、上なのはこの小せぇ方だ。弱い奴が強い奴にその場限りの慈悲を与える__そんな傲慢な事はないだろ」
理源が猪に近寄り、刀を首筋に近づけた。
「始めたのは俺だ…この命の奪い合いは俺で終わらせる…別んとこでも見てろよ」
切り落とす瞬間を、命が命を奪う瞬間をまだ見ないように促したがシルヴィアは申しわけないという風に言った。
「いや…見るよ、見させてくれ」
「…そうか」
ギッ、と声があがった。それは一瞬であった。
シルヴィアは日頃の暮らしが噓偽りのものではないと確信していた。そもそも自分らもその日生きるのに精いっぱいであって、決して生ぬるい生き方をしている訳ではない。
しかし、これもまた事実である。そのことを受け止め、シルヴィアは少しの間俯いていた。
……!?
驚いたのは猪の死体から黒い湯気のようなものが立ち上ったためである。それがひとしきり空に昇った後には、先ほどより明らかにちいさな牙と体躯の幼体が残されていた。
「火はつけない。すぐに朝まで体を休めとけ。…いつになるか分からんが、次が本番だ」
のそり、と一歩前に出てきた。ただの猪ではない。
体高、体長共に通常の猪よりも一回り大きく、ツノも牙も巨大で、鋭い。
「こいつは不慮の事故ってやつだな」
理源は背中に腕を伸ばし、身につけていた刃物を抜く。
二尺(約60cm)程度の打刀である。
彼は左腰にもう一本、刀を備えていた。
「出る前に言ったが、自分の命は自分で守りな。この数じゃ人の心配なんざしてられねえ」
「...わかった」
シルヴィアも腰からナイフを抜く。
ナイフの刃渡りは魔物の牙よりもやや短かった。
面と向かって戦うとなるとシルヴィアのナイフが相手に刺さるより先に、魔物のツノが自分に刺さるだろう。
その場面を想像しないようにしたが、シルヴィアの腕は少し震えていた。
「倒せって言ってんじゃねえ、逃げ回ってても生きてりゃ上等だ」
シルヴィアの心中を察したように、理源が押し殺した声で囁く。しかし視線は外していない。
「...うん」
その瞬間である。無数の内の一頭が2人めがけて突進してきた!
シルヴィアよりも前にいた理源は、両手で刀を握ったまま動かない。
猪と向き合う形で構えているが、彼の眼光に鋭さはなく、というか目は開いても何も見ていないような普段通りの無気力さがあった。
頭を下げつつ、猪が理源の懐へ潜り込む。
ツノが理源の腹に突き刺さり、たちまち深々と刺し込まれていく。
下げた頭を大きく振り上げ、理源をかち上げた。
それと同時に猪の喉元から血が噴き出る。
血しぶきが地面を朱く湿らせた後、断末魔も上げずに猪は倒れた。ドッ、と重量感のある音が閑静な森に響いた。
動かなくなった猪の隣に理源の姿があった。
ツノが刺さったはずの腹部に外傷はなかった。
目の前で起きた出来事に理解が追い付かず、シルヴィアは驚愕し目を見張った。
(今...あいつ刺さって...!?)
出来事の不可解さは魔物達にも理解出来たのか、うろたえた様子で鋭い視線を理源に向ける。
そして意を決したかのように、今度は複数方向から同時に突っ込んで来た!
「狩りは数勝負ってか?」
魔物達を嘲笑うような表情を浮かべ、群れの中で真っ先に到達する背面の猪に向かい合う。
魔物達の間をゆらゆらと縫うように通り抜けていく。
シルヴィアは彼がきらめく糸のような物をまとっているように見えた。
それが太刀筋であったということにようやく気付いた。
すれ違った猪達から次々と鮮血が噴き出ていく。
どちらが狩る側であったか、魔物たちがそれに気付いた頃には皆等しく地に転がっていた。
奴らの飛び出した周りの木々は軒並み削られ擦り切れていた。
突進してきた全てを倒した後でも、理源は一切警戒を解かなかった。
余りに弱かったためである。
(直観と出てきた奴らが見合っていない)
感じた異様な気配の正体は別にある…
理源が刀を構えつつ振り返った瞬間、巨大な影が1つ飛び出してきた!
最高速で疾走する馬と同等以上の速さで突進して何かに、理源は動じない。また煙に巻くように揺らぎで頸を切り裂いた。
しかし、傷はやや浅く、多少血が吹き出ただけあった。最高速を維持したまま通り過ぎて、また闇の中に消えた。
(あいつが群れのボスか?)
素早い動きで姿を見れたのは一瞬であったが、理源は影の正体を他の個体を遥かに凌ぐ大きさの猪だと視認する事ができた。
..........。
束の間の静寂が訪れる。
不自然なほどに沈黙は続いている。
それが破られることはなかった。巨大な猪が音も立てずに_前方から__そして右方からさらにもう一体突っ込んできた!
(前が囮_!)
理源の判断は速かった。前方の一体目に突っ込むと前足の間に滑り込んだ。
一体目は全速力で理源を轢こうとし駆け抜けたが、その実体を捉えることはできなかった。ボグッ、と吐血交じりの息が鼻と口から吐き出た。
理源が腹の下から刀を突き刺したのである。猪は腹から血を滴らせながらも走り続けている。
再び二体目が姿を現し_た瞬間、理源は跳ねる魚のように全身を弾いてそれの頭上に飛び乗った。
暴れ馬より数段激しく振りまわる猪に構わず、彼は斧で大木を切り倒すように全身をねじり込んだ。
前腕・上肢・肩背筋体幹・腰・下腿そして足の十指に至るまでを引き絞る。ギリ…ギリ…と弓弦のように力をため込んで_放った。
人の片腕程度しかない刀身の刃が、さながらギロチンの如く叩きつけられ、大木の幹ほどの頸が、一刀両断、叩き落とされた。
もとの一体目の目には生命力が感じられなかった。放っても死ぬであろうが、理源は首元に向き直って刀を頭上に構えた。
猪は水気を帯びた鼻息をあげるだけだった。そして一太刀の後、眠った。
今度こそ、森に静寂が戻った。
理源は黙って刀の血脂を振り落とし、懐に入れた布切れで拭きながら元の場所に戻った。ここでふと思い出す。
「…あのガキどこ行った……?」
理源は常に一人で適当にプラプラ生きていた類の者であり、そういえば誰かを_しかも女の子供を連れて何かをするようなことなどなかったのだ。
しかしここは休日に遊びに出るような街中ではなく、先ほど魔物が出た立入禁止中の森の中である。
やばい。正直あのガキそのものはいいとして、保護監督者責任であの路上ファミリー(主に姉ちゃん)とクエスト受注所に責任を負わされるに違いない。そうなると報酬どころではないし、自分に靡いていた(間違いなく)であろうあの二人もこの手から離れていくことになる。
理源は全神経を五感に(ついでに第六感にも)集中させシルヴィアの所在を割り出そうとした。が、目当ての少女はすぐに脇の茂みから飛び出してきた。
「助けェ~~!!!」
全身葉っぱまみれ、顔や腕に枝の引っ掻かき傷だらけになったシルヴィアが一体、中型犬程度の小さな猪を連れてきた。
「逃げ回ってでも とは言ったが…」
理源は呆れたが、取り敢えずこの程度のハプニングで助かった。
追いかけてきた猪には小さな傷があった。シルヴィアがナイフで与えたのだろう。しかし大して効いていないようなので逃げてきた、と…
周りに気を配っても他の個体がいる様子はなかった。こいつで最後の一体だ。手追いながらも敵を追いかけまわしているところに、あるいは仲間を殺された故の執念のようなものを感じ取った。
実際、小さな傷ではあったが、大分出血はあったようで既に立つだけで震えている。
「どのみちダメだな、殺すぞ」
理源の一言に、シルヴィアはうぅ、と渋るような声をあげた。
「あのさ…助けてって言っておいてなんだけどさ…追っ払うだけじゃダメかな…」
「なんか…かわいそうになってきて…」
理源は少し沈黙した。どうするべきか悩んだのではない。
「人間社会、とりわけ文明的で平和な集団にいると希薄になるが…自然の規則は命の奪い合いと自然選択だ」
理源の視線は、震えながらも二人を睨む猪に向いていた。
「森に…ヒト以外が棲む領域に足を踏み入れた以上、俺もお前も、こいつも_ここでのルールで生きてくことになる」
「そもそもこいつの仲間は俺が全部殺した。でけえ二頭は番(つがい)で小せぇのは子供だったかもしれねえ…群れで生きる存在がそれを失って生き永らえても、もう長くは生きられん」
「その上で俺が殺した。俺が生きるためだ。…お前は勘違いしていることがある。お前とこいつ、上なのはこの小せぇ方だ。弱い奴が強い奴にその場限りの慈悲を与える__そんな傲慢な事はないだろ」
理源が猪に近寄り、刀を首筋に近づけた。
「始めたのは俺だ…この命の奪い合いは俺で終わらせる…別んとこでも見てろよ」
切り落とす瞬間を、命が命を奪う瞬間をまだ見ないように促したがシルヴィアは申しわけないという風に言った。
「いや…見るよ、見させてくれ」
「…そうか」
ギッ、と声があがった。それは一瞬であった。
シルヴィアは日頃の暮らしが噓偽りのものではないと確信していた。そもそも自分らもその日生きるのに精いっぱいであって、決して生ぬるい生き方をしている訳ではない。
しかし、これもまた事実である。そのことを受け止め、シルヴィアは少しの間俯いていた。
……!?
驚いたのは猪の死体から黒い湯気のようなものが立ち上ったためである。それがひとしきり空に昇った後には、先ほどより明らかにちいさな牙と体躯の幼体が残されていた。
「火はつけない。すぐに朝まで体を休めとけ。…いつになるか分からんが、次が本番だ」
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