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1.異世界召喚
8.
次の日飽きもせずアヒン殿下の元を訪ねるといつものベンチにいなかった。あれ?と周りを見ると殿下が庭園の奥から歩いてくるのが見えた。
「殿下~!」
思わず殿下に駆け寄りながら大きく手を振ると殿下が微笑み手を上げてくれた。
「やあ、三葉。今日も元気だね」
「はい!殿下今日は体調が良いのですか?」
いつも誰かの手を借りないと歩けない殿下が今日は1人で歩いている。
「うん。三葉の元気がうつったみたいだよ」
「っ!!良かったです!折角なので今日は一緒にお散歩しても良いですか?」
「ふふ。構わないよ」
今日の殿下は隈がなくよく眠れた様子だ。三葉があげたテディーベアのおかげだったらいいなと思いながら殿下の隣を歩く。
「殿下は夢とかありますか?」
小さい子に聞く定番の質問を殿下にしてみた。
「あるよ。私は必ずこの病を克服して次期国王になる」
あまりにも真剣に話す殿下の様子に言葉が出なかった。
「殿下はお強いですね」
真っ直ぐと前を見据えている。否、前しか見ていない。病気の事なんて殿下にとったら通過点でしかないのだ。だけど、赤髪王子のライアス殿下がいるのにアヒン殿下が国王になれるのだろうか?まあ、俺的にはライアス殿下だと頼りない所あるしアヒン殿下の方が向いていると思うけど。
「そうかい?三葉も中々強いと思うけど」
「俺ですか?俺なんて何も強くないですよ…」
そう。これは決して謙遜ではない。俺はいつも現実から目を逸らして逃げてばかりだ。こんな俺が殿下の様に強い訳がない。
「そんなに卑下する事はないよ。人の強さはそれぞれだからね。三葉がこうやって私の身分を気にせず表裏なく近寄ってくれるのは君の強い所の一部だと私は思っているよ」
「殿下…ありがとうございます!嬉しいです!何か元気出ました」
年下の殿下に元気付けられてしまった。やっぱり俺の天使だ。
「殿下は目の前の現実から目を逸らしたいと思った事はないですか?」
「何度もあるよ」
「えっ!?」
「ふふ。その反応は心外だな。私だって人の子だよ?いつも逃げたい事だらけだよ。でも逃げないのは、逃げた所で問題を先延ばしにしているだけだと気付いたからかな」
「先延ばしにしている…」
「そう。いずれその問題はまた自分の元に戻ってくるよ。三葉は何か逃げたい事があるの?若しくは何かから逃げてるとか?」
「っ…どっちもです」
アヒン殿下の言葉はどうしてこう真っ直ぐなのだろうか?俺の心に真っ直ぐに刺さってくる。
「私に相談できる事であればいつでも話を聞くよ」
「ありがとうございます…」
どうしよう。アヒン殿下に気を遣わせてしまった。余計な不安は持たせたくなかったのに…
「っ!アヒン殿下っ!?」
「ん?駄目かい?いつも三葉が触れると元気が出るから私も触れてみたのだが…」
「いえ!嬉しいです!!」
殿下がいきなり手を握ってきたので嬉しくて動揺してしまった。小さい手でぎゅっとされると俺の心もぎゅっとなる。
ああ、可愛いとデレデレしていると殿下に笑われてしまった。
「殿下~!」
思わず殿下に駆け寄りながら大きく手を振ると殿下が微笑み手を上げてくれた。
「やあ、三葉。今日も元気だね」
「はい!殿下今日は体調が良いのですか?」
いつも誰かの手を借りないと歩けない殿下が今日は1人で歩いている。
「うん。三葉の元気がうつったみたいだよ」
「っ!!良かったです!折角なので今日は一緒にお散歩しても良いですか?」
「ふふ。構わないよ」
今日の殿下は隈がなくよく眠れた様子だ。三葉があげたテディーベアのおかげだったらいいなと思いながら殿下の隣を歩く。
「殿下は夢とかありますか?」
小さい子に聞く定番の質問を殿下にしてみた。
「あるよ。私は必ずこの病を克服して次期国王になる」
あまりにも真剣に話す殿下の様子に言葉が出なかった。
「殿下はお強いですね」
真っ直ぐと前を見据えている。否、前しか見ていない。病気の事なんて殿下にとったら通過点でしかないのだ。だけど、赤髪王子のライアス殿下がいるのにアヒン殿下が国王になれるのだろうか?まあ、俺的にはライアス殿下だと頼りない所あるしアヒン殿下の方が向いていると思うけど。
「そうかい?三葉も中々強いと思うけど」
「俺ですか?俺なんて何も強くないですよ…」
そう。これは決して謙遜ではない。俺はいつも現実から目を逸らして逃げてばかりだ。こんな俺が殿下の様に強い訳がない。
「そんなに卑下する事はないよ。人の強さはそれぞれだからね。三葉がこうやって私の身分を気にせず表裏なく近寄ってくれるのは君の強い所の一部だと私は思っているよ」
「殿下…ありがとうございます!嬉しいです!何か元気出ました」
年下の殿下に元気付けられてしまった。やっぱり俺の天使だ。
「殿下は目の前の現実から目を逸らしたいと思った事はないですか?」
「何度もあるよ」
「えっ!?」
「ふふ。その反応は心外だな。私だって人の子だよ?いつも逃げたい事だらけだよ。でも逃げないのは、逃げた所で問題を先延ばしにしているだけだと気付いたからかな」
「先延ばしにしている…」
「そう。いずれその問題はまた自分の元に戻ってくるよ。三葉は何か逃げたい事があるの?若しくは何かから逃げてるとか?」
「っ…どっちもです」
アヒン殿下の言葉はどうしてこう真っ直ぐなのだろうか?俺の心に真っ直ぐに刺さってくる。
「私に相談できる事であればいつでも話を聞くよ」
「ありがとうございます…」
どうしよう。アヒン殿下に気を遣わせてしまった。余計な不安は持たせたくなかったのに…
「っ!アヒン殿下っ!?」
「ん?駄目かい?いつも三葉が触れると元気が出るから私も触れてみたのだが…」
「いえ!嬉しいです!!」
殿下がいきなり手を握ってきたので嬉しくて動揺してしまった。小さい手でぎゅっとされると俺の心もぎゅっとなる。
ああ、可愛いとデレデレしていると殿下に笑われてしまった。
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