ショタ王子が第一王子なんて聞いてませんけど!?

疾矢

文字の大きさ
41 / 90
2.城下町での暮らし

19.

しおりを挟む
「ちゅ…可愛いね三葉」

キスだけでぐでんぐでんの俺の鼻先にちゅとキスを落とすと殿下は微笑んだ。何とも魅惑的で美しい。この顔がもう一度見れるなんて思わなかった。

「殿下、そしたらどうやって呪いを薄めているんですか?」
「ん?物に力を込めて貰っているんだよ。アクセサリーとかね」

じゃらと首から見せてくれたネックレスには確かに聖女の力が込められている様だった。

「俺も込めて良いですか?」
「構わないよ」

美優さんが触れた物を殿下が首から下げているのが何だかもやもやして殿下から許可をもらい目の前のネックレスに重ねて俺の力を込めた。さっきよりも白く光っている様子から上手く力を込められたみたいだ。

「ありがとう。三葉」

俺のおでこに良くできましたと言わんばかりにちゅとキスを落とされた。
何だか今日の殿下は甘い。これは都合のいい夢だろうか?
1人考え込んでいると殿下の手が上半身を撫で上げた。大袈裟に俺の体がしなる。

「くすくす…三葉相変わらず敏感だね?もしかして…私と離れてから誰かに触れられた?」
「やっ!…そ、んな…んっ…ふ…こと…ありま…せっん…やぁ」
「本当に?」
「ひゃぁ!」

乳首を服の上から摘まれ変な声が出る。触れられた乳首に一気に熱が集まった。

「許して下さい…でんかぁ」
「ん?何を許して欲しいのかな?」
「ひやぁ…あぁ…んっう…やん…あっ…あっあん…ああ!」

服の上から乳首を高速でカリカリされ、声がひっきりなしに漏れる。そして服を捲くし上げるとゆっくり肌に沿わせながら殿下の冷たい手が上がって来た。目当ての物を見つけるときゅっと摘まれてしまい先ほどよりも強く快感を得てしまう。

「私以外に触れさせた事?それともちゃんとアンと呼べない事かな?」
「やぁ…ちがっ!…あぁ…むぅ…ひゃ…」
「ちゃんと言わないと分からないよ?」

殿下は右手で乳首を捏ねくり回しながら反対側を舌先で舐めて来た。舐められた所が空気に触れひやっとする。

「そんなっ!…りょ…ほう…はだめっ!」

気持ち良くて頭が働かない。何で殿下は怒っているんだろう?俺が殿下って呼んでしまうから?

「あっ…アン様っ…んゅ…ひっ…やぁ…ちゃんと…ん、ん、…呼べなくてっひっ…ごめんなさっ…いっ!」
「ふふ…ちゃんと謝れて偉いね?後は?」

後?後ってなに?他にもあるって事?

「分からないって顔だね?」
「いゃぁ!!」

ガリっと右の乳首が噛まれた。乳首がジンジンする。噛まれた所をペロペロ舐められるからチリチリとした痛みがそこから走った。でも全然痛くなくて寧ろ気持ちいいと錯覚してしまう。

「私以外にも触らせたの?」

首をぶんぶん横に振る。

「ちゃんと口で答えて。この口で」

気持ち良くてずっと開けっ放しになっている口に殿下の右親指が突っ込まれた。噛んではいけないと思い舌を殿下の親指に絡めてしまう。飲みきれなかった涎が頬を伝って落ちていく感覚がして落ち着かない。でもちゃんと答えなきゃと思い殿下を真っ直ぐ見つめると綺麗な碧眼に射抜かれた。

「へんかられれす」
「ん?」

意地悪く笑い首を傾げた殿下が親指を奥まで刺して来た。ぐっと息が苦しくなる。

「れんからけれす!」

唾を一飲みしてから今度ははっきりと殿下に伝えた。

「ふふ、またその呼び方してるけど許してあげる」

ふわっと笑った殿下が親指を引っこ抜き俺の涎でテロテロになった指を口に含んで舌で舐め上げた。それを見せつけられ俺のあそこは硬くなってしまっていた。

「あ…ん様…エッチです」
「三葉もエッチだよ?」

殿下の言う通りだ。いくら綺麗でカッコいいとは言え男の人に弄られて勃たせるなんてどんだけ変態なんだ俺は。殿下は治療のためにやってるって前言ってたじゃないか。それなのに気持ち良くなってしまうなんて…俺の拙僧なし!
自己嫌悪に浸っていると廊下からタタタと走ってくる音が聞こえた。その音が段々近づいて来て俺の扉に思いっきり体当たりされ巨大の白い生き物。ホワイトが乱入して来た。

「ホワイト!?」

びっくりして起き上がる。
うゔと珍しく唸るホワイトに驚き、殿下の下から這い出るとホワイトに近づいた。

「どうしたの?ホワイト?」
「ナイト様が来たみたいだしここまでにしようか」

ナイト様?殿下は収納袋からマントを取り出し被った。そしてフードも被り誰だか分からなくなってしまった。
それもそうか。殿下は第一王子。こんな所にいたら命が狙われてもおかしくない。
「私は帰るよ」
「はい、お気をつけて!」
「うん。三葉を置いて帰るのは凄く心苦しいね…出来れば君も一緒に連れて帰りたいよ」
「俺は城には戻れませんから…」

王族侮辱罪で城から追い出された身だ。アヒン殿下と共に帰る事は願ってもできない。

「必ず迎えに来る。だから元気でいるんだよ?」
「はい、殿下もお元気で」

ちゅと俺のおでこにキスを落とすとベッドの上に転がっていた兎を回収して収納袋に入れた。

「兎ありがとう。大事にするね」
「え、あ、はい」

まさかあの時選んだ兎のぬいぐるみが殿下に回ると思わなかったが俺の想いが込められたぬいぐるみが殿下の側にいると思うと少し元気が出た。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...