鬼上司が俺の運命の相手って嘘ですよね？

日常の変化

7.

「うわっ」
玄関で靴を脱がされるとそのまま担がれベッドに投げられた。幸いベッドが柔い為、体はどこも痛くない。
ベッドの脇でネクタイを緩める部長の色気が半端ない。この人に今から犯されるんだと自覚する。

「ぶちょ…護さん！俺達は会社の上司と部下で男同士です！こんな事普通あり得ません！」
「それと運命の相手は関係ねーだろ？」
ネクタイを緩め上着を脱いだ部長がベットに上がってくる。せめてもの抵抗でベットヘッドに下がる。

「大体、運命の相手という証拠はどこにあるんですか？」
「これだ」
「これ？」
部長が徐に突き出してきた左手を見るが特に変わった所はない。

「触れ」
「はい…」
指先でちょんと掌を突いてみる。
「っ」
「え、部長大丈夫ですか！？」
部長が耐える様な声を出すので驚いて顔を上げると欲情した顔の部長がいた。何故か下半身がぞくりとする。
部長の顔を見ていられなくて視線を下げると中腰の部長の股間が目に入る。

「え…」
めちゃくちゃ勃ってる。
「補足の為に言うが俺はゲイじゃねぇ」
そういえば先週も男を抱くのは初めて
みたいな事言ってたな。

「俺を女と勘違いしてる…とか？」
「アホか」
バッサリと切り捨てられた。
ですよねー。先週裸を見られてるし俺が女じゃない事なんて知ってる筈だ。

「俺の第二の性感帯だ」
「嘘…」
左手が部長の第二の性感帯？確か運命の相手に触れられないと見つける事が出来ないと言われている。

「普段は何も感じないのにお前に少し触れられただけでこれだ」
これと言う時、股間を少し前に出された。
うう。この人卑猥だ。
そう言えば先週、3次会のカラオケ屋で部長の手に触れた。あの時水を下半身に溢されて流れたが俺に触れられた瞬間部長が驚いた顔をしていたのを思い出した。

「そしたら俺の性感帯はどこですか？」
あの後部長に持ち帰られ処女喪失したが第二の性感帯に思い当たる場所がなかった。
「分からん。が、今からそれを探す」
「え…探す…？」
「ああ、お前は黙って俺に委ねろ」
イケメン。顔だけでなく発言もイケメンだこの人。

「ちょ、待ってください！俺それに従う必要あります？」
「断る必要もどこにある？」
「ありますよ！」
堂々と言い切る部長に思わず突っ込んでしまった。

「この前は気持ち良くなかったか？」
「………気持ちは良かった…です」
嘘がつけなかった。初めてだったのに痛い所がなくて寧ろ気持ち良過ぎてどうすればいいか分からなかった。

「だろうな」
はっ。と笑われる。
「あんだけ気持ちよさそうに声出してたもんな」
ニヤリと笑われ俺の顔に熱が溜まる。

「俺もあんなに気持ちが良かったのは初めてだ」
俺はそもそも行為自体が初めてだったから比べようがない。

「それが運命の相手だからって事ですか？」
「そうだ。今もどうせ濡れてんだろ？」
「濡れてる？」
「ここだよ」
M字開脚していた俺のお尻を指でさしてくる。

「なっ！濡れてるわけ…嘘…」
指で触れてみるとズボンの上からなのにクチュと言う音がしたのが分かった。
なんで？何で俺のケツ濡れてんだ？汗？

「お前は運命の相手についての情報が欠けてるらしいな。運命の相手に触れられた女側は自ずとあそこが濡れんだよ」