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日常の変化

14.

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「ふ~ん、ふふ~ん、ふ~ん」
「あれー?小倉さん今日は何かご機嫌ですね?」
コピー機で印刷していると後ろから恭子ちゃんに声を掛けられた。

「そう?」
「はい!鼻歌歌ってたじゃないですか~」
どうやら無意識に鼻歌を歌っていたらしい。週末は久しぶりにゆっくり家で過ごしたからかな?

「何か良い事あったんですか?」
「んー特にないよ?」
「えー怪しい。まさか、恋人が出来たとか!?」
「恋人っ?な、な訳ないじゃん!」
長谷川部長の告白にまだ返事してないし、まだ恋人じゃないよな?あれ、でもそーなると俺達って今どんな関係?ただの上司と部下にしては関わり過ぎだよな…体の関係もあるし…となると…セフレ?
セフレは何かやだな…。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
部長が出張に行って2度目の週末
お風呂から上がり携帯を開いて見ると部長から着信が入っていた。すぐさま折り返しをする。

「出ないな…」
部長もお風呂に入っているのかもしれない。
携帯をテーブルに置き、テレビを付けた。好きな芸人がバラエティーに出ておりそのまま食い入る様にテレビを観た。



「っ」
折り返しをしてから1時間後携帯が鳴った。現在22時間際。相手はやはり部長だった。

「はい、もしもし」
『すまん、湊。折り返しが遅くなった』
電話の向こうの部長が申し訳なさそうに話す。

「いえ、お疲れ様です」
『ああ、湊もお疲れ。元気か?お菓子ばかり食ってないか?』
「ぷっ、ちゃんとご飯も食べてますよ」
おかんみたいだなと、思わず吹き出してしまう。

『ほ~、よく会社でお昼にお菓子を食べていると聞いたが?』
「ちょ、誰ですかっ!そんな垂れ込みしたの!?」
部長がいないと思って時々、お昼をお菓子で済ませる事があった。まさかそれを部長に報告する人がいたなんて…

『誰が垂れ込みしたかなんて関係ないだろ?湊が俺に嘘をついたのが重要だ。湊分かってるよな?』
「な、にをですか…?」
この後部長が言おうとしている事が想像でき、冷や汗が流れる。

『お仕置きだ』
「っ」
想像していた通りの言葉が紡がれ体がびくんと震えた。

『ふっ、喜ぶな』
「喜んでませんっ!」
『それにしては、お前の後ろは物欲しそうにしているが?』
どうしてこの人俺の事分かるのかな?
部長の言う通り俺の後ろはヒクヒクと何かを求める様に反応し、濡れていた。

「俺の体がおかしいのは、護さんのせいです…」
其れ迄散々否定していた癖に思った事をポロッと言ってしまった。

『っ…。お前、本当覚えてろよ?』
「えっ?」
いきなり怒っている様などこか、耐える様な声を発した護さんにドキッとする。

「俺なにか…『まっもるー!早く来いよー!』」
いきなり電話の向こうから女性の声が入って来た。

『おい、香奈!黙ってろっ』
『つめたー』
香奈?羽柴部長の事だろうか?

『ねえ、早くさっきの続きしよ?私、もー待てないよ』
『あー今から行くから、早く戻れ。ちょ、引っ張んなっ!すまん、湊、またかける!』
俺が返事をするよりも早く、電話が切られた。
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