異世界転移したおっさんが、凡庸スキルで現実的に成り上がる

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第一章

封印を守る防衛機構

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ゴゴゴゴゴ……!

遺跡の震動が強まり、扉に埋め込まれた3つの球が完全に輝きを放つと、突如として石の壁がスライドし始めた。

「何か出てくるぞ……!」

俺はすぐに武器を構えた。

ガコンッ!

壁の奥から現れたのは、巨大な石造りのゴーレムだった。

高さは3メートルを超え、全身は黒い鉱石で覆われ、両腕には刃のような形状の武器が埋め込まれている。

「こいつが……封印を守る防衛機構か。」

「普通のゴーレムとは違う……体の材質が異常に硬そうね。」

リディアが鋭く観察する。

「トリアス、何か情報は?」

「……少し待ってくれ。」

トリアスは壁に刻まれた記述を急いで読み取る。

「……"黒鋼の守護者"。かつてこの遺跡の封印を守るために作られた防衛装置。魔力に反応し、敵対者と見なした者を排除する。」

「じゃあ、俺たちの魔力に反応して動き出したってことか……。」

「封印を解除しようとすると、守護者が起動する仕組みだったんだな。」

エドガーが剣を構え、にやりと笑う。

「ま、強そうな相手ほど燃えるってもんだ。」

「余裕ぶるな。あの体格……相当な防御力があるぞ。」

俺は冷静に敵を分析する。


---



ゴゴゴ……!

ゴーレムの目に相当する部分が淡く光り、その巨体がゆっくりと動き出した。

ズシン……ズシン……!

「……動きは遅いか?」

エドガーがそう言いかけた瞬間――

ガシュッ!!

ゴーレムの腕が高速で振り下ろされる!

ドガァンッ!!

「っ!? 速い!!」

エドガーは寸前で跳び退り、地面が深くえぐれた。

「ちょっ……あの大きさでそのスピード!?」

リディアの顔が青ざめる。

「予想より手強そうだな……!」

俺は雷魔法を放つ。

「雷撃!!」

バチバチバチッ!

雷がゴーレムの表面を走るが――

「……効いてない!?」

「このゴーレム……魔力の耐性が高いのかもしれない。」

トリアスが壁の記述を読みながら言う。

「物理攻撃なら効くのか!?」

エドガーが素早く懐に飛び込み、剣を振り下ろす。

ガキィン!!

「っ……!?」

衝撃でエドガーの手がしびれ、剣が跳ね返された。

「ダメだ! 硬すぎる!」

「くそ……じゃあ、どうすれば!?」

俺たちは攻めあぐねていた。


---



「どこかに弱点はないのか!?」

俺はゴーレムの動きを見極めながら問いかけた。

「待て、ここの記述……!」

トリアスが何かを発見したようだ。

「"黒鋼の守護者、その心臓を破壊せよ"。」

「心臓……?」

「ゴーレムの胸部にコアがあるはずだ。そこを破壊すれば、動きを止められる。」

「だが、あの装甲を貫けるのか?」

「直接は無理だろう。……だが、コアが魔力で動いているなら、過負荷をかければ破壊できるかもしれない。」

「過負荷……?」

「つまり、ゴーレムが自分自身の魔力を暴走させるように誘導するのよ!」

リディアが理解し、声を上げた。

「よし、それなら俺が雷魔法でコアを誘導する!」

俺はゴーレムの胸部に向けて再び雷撃を放った。

バチバチバチッ!!

今度は狙いを定め、直接コアへ向かって雷を流し込む。

「効いてる……!?」

ゴーレムの動きが一瞬鈍った。

「この隙に、エドガー!」

「おう!」

エドガーが跳び上がり、全力でコアに向かって剣を振り下ろした。

ズドンッ!!

「……やったか!?」

しかし――

「いや、まだだ……!」

ゴーレムは動きを鈍らせながらも、まだ完全には止まっていない。

「もう一撃必要か……!」

「リディア! 炎でコアを炙れ!」

「了解! フレアブラスト!!」

ボォォォォ!!

リディアの炎がゴーレムのコアを包む。

「これで……!」

俺はさらに雷を流し込み――

「今だ、エドガー!!」

「うおおおお!!」

ドガァァァン!!

エドガーの剣が、完全に暴走したコアを粉砕した。

ゴゴゴ……ゴゴ……

ゴーレムが静かに崩れ落ちる。

「……終わったか。」

俺は息をつき、剣を収めた。

「ふぅ……思った以上に強敵だったわね。」

リディアが肩で息をしながら呟く。

「でも、なんとか倒せたな。」

エドガーが剣を振り、汗を拭う。

「封印の防衛機構……こんなものまで遺されていたとはな。」

トリアスがゴーレムの残骸を観察しながら呟く。

「さて……ようやく扉が開くか。」

俺たちは再び封印の扉へ向かった。


---



「封印が完全に解けたみたいね。」

リディアが扉の前で確認する。

「いよいよ、アダマス合金があるかもしれない場所に突入か……。」

俺は深呼吸し、扉に手をかける。

ギィ……ギギギ……

封印の扉がゆっくりと開かれる。

「何が待っているかわからない……慎重に行こう。」

俺たちは武器を構え、扉の向こうへと足を踏み入れた――。


---

ギギギ……ガコン……!

封印の扉がゆっくりと開くと、冷たい空気が流れ込んできた。

俺たちは慎重に中へと足を踏み入れる。

「……随分と雰囲気が変わったな。」

エドガーが周囲を見回しながら呟く。

先ほどまでの石造りの遺跡とは異なり、扉の向こうには金属質の壁と滑らかな床が広がっていた。

「まるで……遺跡じゃなくて、何かの施設みたい。」

リディアが不思議そうに壁に触れる。

「これは……」

トリアスが驚いた表情で床に膝をつき、手帳を取り出した。

「この材質、王国に存在するどの金属とも一致しない。……一体、何でできているんだ?」

「もしかして、アダマス合金じゃないか?」

俺が推測すると、トリアスは興奮気味に頷く。

「可能性は高い。これは相当な技術を持つ文明が作ったものだ。」

「つまり……異世界の技術ってことか?」

俺は壁に触れながら考える。

(ハロウがいた宇宙船……リバティと同じ技術の可能性がある。)

「何にせよ、ここが本当に"沈黙の遺跡"の核心部ってことは間違いないな。」

エドガーが剣を握り直す。

「アダマス合金がここにあるなら、それを持ち帰らないとな。」


---



俺たちは慎重に奥へと進んだ。

遺跡の内部は広く、天井には小さな発光体が取り付けられており、ぼんやりとした光が空間を照らしている。

「光源があるってことは、まだ機能しているってことか。」

「……うん、明らかに普通の遺跡じゃない。」

リディアが辺りを見渡しながら言った。

「ここで何があったんだ?」

エドガーが壁に刻まれた文字を指さす。

「トリアス、読めるか?」

「……これは、フェルドン王国の時代よりも古い言語だな。」

トリアスは眉をひそめながら解析を続ける。

「"封印施設"……"異界の技術"……"実験"……?」

「実験?」

俺たちは思わず顔を見合わせた。

「どうやら、ここは単なる遺跡ではなく、何かを研究していた施設らしい。」

「研究……って何を?」

「それは……わからないが、"異界の技術"と関係があるのは確かだ。」


---



探索を続けるうちに、俺たちは大きな円形の部屋にたどり着いた。

部屋の中央には、黒光りする金属の柱がそびえ立っている。

「これは……!?」

「……おそらく、アダマス合金だ。」

トリアスが興奮した表情で近づき、手を伸ばした。

ゴォォォン……!

その瞬間、金属柱が鈍い音を立てて震えた。

「っ!? 何か仕掛けがあるのか!?」

俺たちは慌てて構える。

ズズズ……!

柱の周囲の壁がスライドし、巨大な機械の腕のようなものがゆっくりと動き出した。

「また防衛装置か……!?」

「いや、違う……!」

トリアスが手帳をめくりながら叫んだ。

「これは、"解析装置"だ! おそらく、誰が来たのかを確認しているんだ!」

「つまり、敵とは限らないってことか?」

「慎重に動いたほうがいいな。」

俺たちは警戒しながら様子をうかがった。

ピピピ……!

突然、天井のスピーカーのような部分から機械音が響いた。

「……識別プロセス、起動……訪問者の魔力を確認……識別不能……。」

「何を言ってるんだ?」

「たぶん、俺たちの魔力をスキャンしてるんだろうな。」

俺は壁の端末らしきものを見つけ、恐る恐る触れてみた。

すると――

ピッ……

目の前のモニターが起動し、古い映像のようなものが映し出された。

そこに映っていたのは……

白い研究服を着た、人間の姿だった。

「……人間?」

俺たちは息を呑んだ。

「これは……この施設を作った者たちの記録か?」

「もしかして……異世界から来た人間?」

リディアが小声で言う。

(まさか……異世界の技術が、200年以上も前からこの世界に存在していたのか……?)

俺たちは、これから何が明かされるのかを固唾をのんで見守った――。


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