異世界転移して最強のおっさん……の隣に住んでいる。

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第1章

剣術スキルLv2の習得

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藤堂さんとの剣術訓練は、俺の想像を遥かに超える地獄だった。

「おいおい、もうバテたのか?」

 目の前で木剣を軽々と振るう藤堂さん。俺はというと、息も絶え絶えに地面にへたり込んでいた。

「……ま、まだやれって言うんですか……?」

「当たり前だ。お前、スキルを習得して満足してんのか?」

「そりゃまぁ……すげぇ感動しましたけど……!」

「バカ、剣術Lv1なんざ赤ん坊がようやく立てるようになったくらいのもんだぞ?」

「……え?」

「Lv1ってのは"剣を扱う基礎を覚えた"ってだけで、それだけじゃ戦えねぇ。これからは、実戦を想定した訓練をする」

「実戦……!?」

 その言葉に、俺の胸が高鳴る。

 確かに、剣が扱えるようになったとはいえ、まだまともに戦ったことはない。本当に異世界で生き抜くには、ただ剣を振れるだけじゃ足りないのは明白だった。

「じゃあ、どうやったら強くなれるんです?」

「簡単だ。俺を倒せばいい。」

「……は?」

「ほら、来いよ。遠慮すんな」

 そう言いながら、藤堂さんは木剣をヒュンッと回す。

「マジっすか!? おじさん、めっちゃ強いんじゃ……!」

「だからなんだ。お前は俺を倒すつもりでこい」

「……やるしかねぇか!」


---

 まさか異世界に来て最初の戦闘訓練が、最強のおじさん相手になるとは思わなかった。

 だけど、やるしかない。俺は剣を構えた。

「行きます!」

 まずは思い切り踏み込んで、真っ直ぐに一撃を振る――

「遅い」

 バシィッ!!

「ぐあっ!」

 俺の木剣は一瞬で弾かれ、バランスを崩す。そのまま横っ面を軽く叩かれ、転がる。

「いってぇ……!」

「お前、動きが単調すぎる。俺の構えを見て、何も考えずに突っ込んできただろ」

「ぐぬぬ……確かに……」

「剣術は**"相手を読む力"**が必要なんだよ」

 相手を読む……。そんなこと、考えたこともなかった。

「じゃあ、もう一回!」

 再び立ち上がり、剣を構える。今度は慎重に間合いを測りながら、フェイントを入れつつ突き込む――

「ほう、さっきよりはマシになったな」

 それでも藤堂さんは余裕でかわす。俺の動きを一つ一つ見切っているようだった。

「くそ……!」

「お前の攻撃はまだ"独りよがり"なんだよ。攻撃は相手の隙を突くためにやるもんだ。力任せに振っても、相手が受け流したら終わりだ」

「じゃあどうすれば……?」

「相手の動きに合わせて攻撃のリズムを変えろ。一定の動きじゃなく、流れを作るんだ」

 そのアドバイスを胸に、俺はもう一度仕掛ける。

 一撃を振る。今度は、わざと隙を作るようにフェイントを入れ、相手が動いた瞬間に逆方向に回り込む。

「……お?」

 藤堂さんの剣が一瞬遅れた。

(今だ!!)

 全力で木剣を振る。

 ――バシィッ!!

「……!」

 俺の剣が、藤堂さんの剣を弾いた。

 ……一瞬だけど、俺の攻撃が通った!?

「……やるじゃねぇか」

 藤堂さんはニヤリと笑った。

「お前、やっと"戦い方"を理解し始めたな」

 その瞬間、俺の視界に再び文字が浮かび上がる。

【剣術スキルLv2を習得しました】

「きたっ……!」

 さっきよりも、さらに剣が馴染む。動きがスムーズになり、頭の中に"攻撃のリズム"が自然と浮かぶような感覚。

「剣が……軽くなった?」

「それがスキルの成長だ。剣術Lv2になれば、お前の体がさらに"戦い方"を理解する。攻撃の幅も広がるってわけだ」

「すげぇ……!」

 俺は剣を振りながら、実感していた。さっきまでとは違う。戦い方が変わった。

「よし、じゃあ次は剣と魔法を組み合わせる戦い方を教えてやるか」

「え……!?」

 藤堂さんの手が軽く動いた。

「お前、魔法も使えるんだから、剣と組み合わせたらもっと強くなれるぞ」

「マジか……!」

 剣だけじゃなく、魔法も……? 俺の異世界戦闘の可能性が、一気に広がった気がした。

「よし、次は魔法訓練だ」

 俺の修行は、まだまだ続く――!
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