異世界転移して最強のおっさん……の隣に住んでいる。

モデル.S

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第1章

初めての"宝箱の部屋"――罠か?財宝か?

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「……さて、開いたな」

 壁の向こうに広がるのは、うっすらと魔力の漂う薄暗い空間。
 ダンジョンの通常の通路とは違い、天井が高く、床には埃が溜まっている。

「やっぱり……"宝箱の部屋"か?」

「おそらくな」

 藤堂さんが慎重に周囲を見渡す。

「だが、警戒を怠るな。こういう部屋には罠が仕掛けられてることが多い」

「……ですよね」

 俺はゴクリと唾を飲み込み、部屋の中央へと歩みを進めた。



「……あった!」

 部屋の奥。

 そこには、黒光りする金属製の大きな宝箱が鎮座していた。

「……めっちゃそれっぽい!」

 俺は思わず興奮するが、藤堂さんは腕を組んで渋い顔をしている。

「……うーん」

「え、なんですか?」

「ちょっと待て。これは……」

 藤堂さんがポケットから小さな石を取り出し、宝箱の前にポイッと投げた。

カチッ

「!!」

ゴゴゴゴ……!!

 突然、天井から鋭い鉄槍が一斉に降り注いだ!!

「うわぁぁ!? 罠だ!!」

「ほらな」

 藤堂さんは呆れたように肩をすくめる。

「こういう"分かりやすい宝箱"は大抵、罠が仕掛けられてるんだよ」

「……めっちゃ危なかった」

 俺は冷や汗を拭う。

「ってことは、これ……"ミミック"の可能性もあります?」

「あるな。試しに"魔力感知"してみろ」

「了解です」

 俺は魔力を集中し、宝箱の周囲に漂う魔力を探る。

(……おかしい)

 通常の物体とは違う"魔力の揺らぎ"が感じられる。

「……ミミックですね、これ」

「だろうな」

「どうします?」

「ミミックも魔石を持ってるし、倒せばいい。ついでに"本物の宝箱"も探そう」

「了解!」



「じゃあ、仕掛けるぞ!」

 俺は魔力を込め、魔法を発動する。

「"フレイムバースト!!"」

 高密度の火炎弾を宝箱に向かって撃ち込む!!

ドォォン!!

 爆炎が吹き上がり、宝箱が激しく揺れる。

ギシャアアアアアア!!!

「やっぱりか……!」

 黒い金属製の箱が大きく口を開け、無数の鋭い歯を露わにする。
 目のようなものがいくつも浮かび上がり、異様なうめき声を上げながら飛びかかってきた。

「"ロックバインド!!"」

 地面から石の鎖を発生させ、ミミックの動きを封じる!

「"ハイドロスピア!!"」

 高圧縮した水の弾を、弱点の口内に撃ち込む!

ブシュウウッ!!

「ギャアアア!!」

 ミミックが苦しげにのたうち回る。

「仕上げだ!」

 俺は魔力を込めて**"エアブレード"**を発動。
 風の刃を放ち、ミミックの身体を真っ二つに切り裂く!!

ザシュッ!!

ギィィィ……!!

 ミミックは悶えながら、そのまま床に崩れ落ちた。



「……倒した」

 俺は息を整えながら、倒れたミミックを見下ろす。

「さて、魔石を回収しろ」

「了解!」

 俺は短剣を取り出し、ミミックの体を切り開く。
 すると――

「……おぉ!」

 中から紫色の大きな魔石が出てきた。

「お、なかなかのサイズじゃねぇか。これは結構な値がつくぞ」

「やった!」

 俺は魔石をポケットにしまう。

「さて、だが……"本物の宝箱"は別にあるはずだ」

「え?」

 藤堂さんが周囲を見渡しながら言う。

「こういう場所には、"本物の宝箱"があることも多い。探してみろ」

「……わかりました!」



(ミミックがいたってことは、ここの"価値"は高いはず。なら、どこかに隠されてる……)

 壁を叩いてみたり、床の違和感を探る。

カン……カン……コーン……?

(……ん?)

 違う音がした。

「おじさん! ここ、なんか変です!」

「お? どれどれ……」

 藤堂さんが近づいてくる。

「この床、明らかに音が違います」

「ほう……なら、開けてみるか」

 藤堂さんが軽く足で踏みつけると――

ガコォン……!

 床がスライドし、隠し部屋が出現した!!

「おぉ!? マジであった!!」

「ほぉ……これはアタリかもな」

 中には、小さな木製の宝箱が置かれていた。

「さっきのミミックと違って、こっちは普通の宝箱っぽいですね」

「一応、罠がないか調べろ」

「はい!」

 俺は慎重に魔力感知を使う。
 ……が、特に魔力の揺らぎはない。

「罠はなさそうです」

「よし、開けろ」

 俺はゴクリと唾を飲み込みながら、ゆっくりと宝箱の蓋を開ける――。



「よし、開けるぞ……」

 俺は慎重に宝箱の蓋を持ち上げる。

ギィ……

 木製の蓋がきしみ、ゆっくりと開いていく。

(頼む、すごいお宝であってくれ……!)

 期待を込めながら中を覗くと――

ゴロゴロッ……

「おぉ……!?」



銀色に輝く短剣(魔力を感じる)

黒い布袋(中には小さな宝石が入っている)

金貨50枚


「……うおおお!? めっちゃ当たりじゃないですか!!」

「ふむ、なかなかいいな」

 藤堂さんが腕を組みながら頷く。


「おじさん、これ……ただの短剣じゃないですよね?」

「ああ、間違いなく魔力を宿した武器だな」

 俺は短剣を手に取り、柄の部分を握る。
 すると、微かに魔力が反応し、刀身に淡い光の紋様が浮かび上がった。

「おお……!」

「試しに振ってみろ」

「はい」

 俺はダンジョンの壁に向かって短剣を振るった。

スパァァッ!!

 刃の軌跡に沿って、風の流れが生まれる。

 壁の表面がスパッと削れ、遅れて風の余韻が残った。

「……これは」

「ほう、"風の魔力"が込められてるみたいだな」

「やっぱり!」

 試しにもう一度、軽く振る。

ヒュンッ……

 今度は斬撃の軌道に沿って"風圧"が発生し、少し先の壁にまで影響が出ている。

「こりゃ、戦闘でも使えそうだな」

「せっかくだし、もう少し奥で実戦投入してみるか」

「そうしよう」

 俺は短剣を腰に収め、戦利品を整理した。
 この"風の短剣"が、これからの戦いにどう役立つのか――試すのが楽しみになってきた。



「で、こっちの袋には……?」

 俺は黒い布袋を開ける。
 中には、色とりどりの小さな宝石が詰まっていた。

「これは……?」

「鉱石や宝石だな。大きさは小さいが、加工すれば装飾品や魔道具の材料になる」

「つまり、これも売れば結構な値段になると?」

「その通り」

 俺は慎重に袋を閉じ、ポケットにしまった。




「あと、金貨も入ってますね」

 俺は宝箱の底にある金貨を確認する。
 異世界の金貨の価値はまだ完全に理解していないが、普通にまとまったお金が手に入るのはありがたい。

「これは生活費としても使えそうですね」

「まぁ、ちょっとした贅沢くらいはできる額だな」

「やった……!!」



「さて、これで今回の探索は"大成功"ってところだな」

「はい! ミミックはいたけど、めっちゃいいアイテム手に入りましたし!」

 俺は満面の笑みで手に入れたアイテムを確認する。
 特に"風の短剣"は、これからの戦闘でも活躍しそうだ。

「だが、まだダンジョンの奥にはさらにいい宝が眠ってるかもしれねぇぞ?」

「……行くしかないですね!」

 俺は再び気を引き締め、ダンジョンの更なる奥へと歩を進めるのだった――!


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