25 / 114
第1章
オークションの結果
しおりを挟む
翌朝、俺たちはギルドへ向かった。
「さて、今日は何をするんだ?」
「俺がギルドの依頼を受ける。ユート、お前も付き合ってくれ」
「まぁ、別にいいけどな。どんな依頼なんだ?」
「薬草採取だ」
「……薬草採取?」
バルトが得意げに頷く。
「お前、薬草って見たことあるか?」
「いや、全然」
「なら、ちょうどいい。これは冒険者の基本知識だし、覚えておいて損はねぇぞ」
確かに、薬草なんて今まで意識したこともなかった。
実際に採取することで、どんなものか学べるのは悪くない。
バルトが受けた依頼は、**「治癒薬の材料となる薬草の採取」**だった。
《依頼内容》
薬草の種類:グリーンリーフ(回復薬の原料)
採取地:王都近郊の森林
必要数:20本
「よし、行くか!」
「おう」
こうして、俺たちは王都を出て、近くの森林へ向かうことになった。
王都を抜けると、広大な草原が広がっていた。
地面は適度に起伏があり、遠くには森の入り口が見える。
鳥のさえずりが聞こえ、穏やかな風が心地いい。
「こうして見ると、やっぱり自然っていいよな」
「まぁな。王都の喧騒とはまた違った良さがある」
森の中に入ると、周囲は一気に緑に包まれた。
木々が生い茂り、地面にはコケやシダ植物が生えている。
小川が流れ、時折小動物の気配も感じる。
「さて、薬草採取を始めるか」
「でも、薬草ってどこに生えてるんだ?」
「基本的には、湿気が多く、日陰になる場所だ」
バルトが地面にしゃがみ、木の根元を指さす。
「ほら、これがグリーンリーフだ」
「おお……これか」
地面から生えているのは、細長い葉っぱの植物だった。
見た目は普通の雑草と大差ないが、よく見ると葉の縁がわずかに光沢を帯びている。
「これが回復薬の原料になるんだな」
「そういうことだ。間違えて別の草を採らないように気をつけろよ?」
「お前、詳しいな」
「村では農業をやってたからな。薬草も多少は知識がある」
「なるほどな……」
バルトの意外な特技に驚きつつ、俺も地面にしゃがんで薬草を探す。
俺たちは薬草を摘みながら、他愛のない話をした。
「そういえば、お前って村でどんな生活してたんだ?」
「まぁ、普通の農家だよ。朝早く起きて畑仕事して、昼には飯食って、夕方にはまた作業して……って感じだな」
「それでよく、こんな冒険者になろうと思ったな」
「……まぁ、単純に、このまま一生を終えるのが嫌だったってのもある」
バルトは空を見上げながら言う。
「畑仕事が嫌いだったわけじゃない。だけど、毎日同じことの繰り返しでさ。刺激がねぇっていうか……」
「まぁ、気持ちはわからんでもないな」
「だから、剣の訓練を続けてたんだ。冒険者になるって決めてからは、村の訓練場で毎日稽古してた」
「それで今の腕があるわけか」
「まぁ、まだまだ未熟だけどな」
バルトはそう言って、抜いた薬草をカゴに入れる。
「でも、俺はもっと強くなりたいんだよな」
「理由は?」
「……そりゃ、お前。冒険者になったからには、強くなって一旗揚げるってのが夢だろ?」
「なるほどな」
俺は苦笑しながら頷いた。
「じゃあ、お前はどうなんだよ? 何か夢とかあんのか?」
「俺の夢か……」
俺は少し考えて――
「まぁ、まだ決まってねぇな」
と答えた。
バルトは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑った。
「じゃあ、お前も探しながら冒険すればいいさ」
「……そうかもな」
世間話をしながら薬草を探していると、あっという間に目標の20本を集めることができた。
「よし、これで依頼達成だな!」
「意外と楽しかったな、薬草採取」
「まぁ、たまにはこういうのもいいだろ?」
バルトは満足げにカゴを持ち上げる。
「よし、ギルドに戻るか!」
「おう!」
こうして、俺たちは王都のギルドへと戻った。
---
俺たちはギルドの依頼掲示板の前で、どの討伐依頼を受けるかを相談していた。
「さて、どれにする?」
「戦闘経験を積むなら、多少強めの敵がいいよな」
「そうだな……」
掲示板には、いくつかの依頼が貼られていた。
① ゴブリン討伐(Fランク向け)
- 場所:王都近郊の森
- 報酬:銅貨100枚
- 内容:ゴブリンの群れを討伐し、討伐証を持ち帰る
- 危険度:低
② 巨大ボア討伐(Eランク向け)
- 場所:街道沿いの森
- 報酬:銀貨5枚
- 内容:旅人や馬車を襲う巨大なイノシシの討伐
- 危険度:中
③ 夜の墓地のアンデッド討伐(Dランク向け)
- 場所:王都近郊の墓地
- 報酬:銀貨10枚
- 内容:夜に出現するアンデッドを討伐し、被害を防ぐ
- 危険度:高(夜間戦闘)
---
「お前、どれがいい?」
バルトが期待の目で俺を見てくる。
「そうだな……」
しばらく考え――
「ボアいってみるか。」
「依頼を受けます」
「はい、ではギルドカードをお願いします」
俺はギルドカードを提出し、依頼を正式に受注した。
すると、受付の職員が俺をじっと見て、少し躊躇うような素振りを見せる。
「ユートさん……ちょうどいいタイミングでした」
「ん?」
「先日、オークションに出品された魔石の落札が完了しました」
「……そうか」
俺は内心で少し構えながら、何気ない素振りを装う。
受付嬢は一枚の紙を俺に手渡した。
紙には――
「金貨6300枚」
と書かれていた。
(……想像以上に高額になったな)
正直なところ、金貨6300枚がどの程度の価値なのか、まだ実感が湧かない。
しかし、バルトにはこの紙の内容を見せないように、サッとしまう。
「……それと」
「ん?」
受付嬢は少し言いにくそうな表情をしながら続ける。
「今回の落札者が、ユートさんに会いたいと申し出ています」
「……俺に?」
「はい。落札者の身元は公にはされていませんが、貴族である可能性が高いとのことです」
「貴族……」
少し考え込む。
「もちろん、会うかどうかはユートさん次第です。無理に会う必要はありません」
「……」
(貴族が俺に何の用だ?)
単に取引の感謝か、それとも他に何か目的があるのか。
金貨6300枚を出せるような貴族だ。
それなりの立場と権力を持っているのは間違いない。
しかし、安易に会うのは少しリスクもあるかもしれない。
① 貴族に会う(直接交渉)
- 何の目的で俺に会いたいのか、確かめる。
- 交渉次第では、新たなつながりを作れるかも?
- ただし、思わぬ問題に巻き込まれる可能性も……?
② 会わない(警戒する)
- 余計なトラブルを避ける。
- 貴族とは関わらず、普通に冒険者として活動する。
- ただし、向こうがしつこい場合、強引に接触されるかも……?
「……どうしますか?」
受付嬢が俺を見つめる。
(さて、どうする……?)
「貴族ってのがどんなものか気になるし、会ってみるか」
俺がそう言うと、受付嬢は少し驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「かしこまりました。それでは、三日後にギルドの特別室にてお待ちください。落札者の方には、その旨をお伝えします」
「了解」
(貴族ってのがどんなものか、実際に見てみるのも悪くない)
貴族と関わるのが得か損かはまだわからないが、ただ避けるだけなのもつまらない。
俺は軽く頷き、バルトの方へ振り返る。
「さて、三日後に予定ができたが、今日は討伐に行くか」
「おう! そっちの貴族との話も気になるけど、まずは金がねぇからな!」
バルトが拳を握り、やる気満々の顔をする。
「受けた依頼は巨大ボア討伐だな?」
「そうだ。銀貨5枚の依頼だ。王都近郊の街道沿いの森に出るらしい」
「よし、やるか!」
俺たちは装備を整え、ギルドを出発した。
---
王都を出発し、街道沿いの森へ向かう。
依頼内容は巨大ボアの討伐。
旅人や馬車を襲い、被害が出ているという報告がある。
森の入り口に着くと、すでに空気が変わっていた。
地面には何かが踏み荒らしたような跡があり、大きな蹄の跡が残っている。
「……すげぇな。こりゃ確かにデカそうだ」
「だな。しかも結構な重量がありそうだ」
バルトが剣を構え、慎重に進んでいく。
---
巨大ボアとの遭遇
森の奥へ進むと、地響きのような音が聞こえてきた。
「おい、来るぞ」
木々の間から現れたのは、体長2.5メートルを超える巨大なイノシシ――巨大ボアだった。
通常のイノシシよりも一回り大きく、鋭い牙と分厚い体毛を持つ。
目は血走っており、すでにこちらを敵と認識しているようだ。
「……こいつか」
「でけぇ……!」
バルトがゴクリと喉を鳴らす。
――ブオオォォォォォンッ!!
巨大ボアが鼻を鳴らし、突進の構えに入る。
---
バルト vs 巨大ボア!
「俺がやる! ユート、お前は援護頼む!」
「了解」
俺はすでに勝負の行方が見えていた。
バルトにとっては、そこそこ手ごたえのある相手だが、俺にとっては余裕すぎる。
(まぁ、俺が手を出しすぎると、修行にならんしな)
俺はあくまでアシストに徹することにした。
---
巨大ボアの突進!
「来るぞ!」
巨大ボアが轟音を立てながら突進してくる。
その巨体が一直線にバルトへ向かう――!
「っしゃあ!」
バルトは両手剣を構え、横へと跳躍する。
巨大ボアの突進はそのまま地面を削りながら通り過ぎた。
「速ぇな……!」
驚いた様子のバルトだが、すぐに態勢を立て直す。
---
ユートのアシスト!
「バルト、動きを鈍らせるぞ!」
俺はウォーターボールを放ち、巨大ボアの足元の土を濡らした。
ぬかるんだ地面に、巨大ボアの足が一瞬だけ沈み込む。
「今だ!」
「おう!」
バルトが一気に間合いを詰め、両手剣で斬りかかる!
ズバァァン!!
剣が巨大ボアの肩口に食い込み、血が吹き出る。
「効いてる!」
「もう一撃だ!」
---
巨大ボアの反撃!
傷ついた巨大ボアが怒り狂い、バルトに向かって牙を振るう!
「チッ……!」
バルトは間一髪で後退するが、完全には避けきれず、肩をかすめる。
「ぐっ……!」
「回復しとくぞ」
俺はヒールを発動し、バルトの傷を即座に治す。
「助かる!」
---
バルトのとどめ!
「これで終わりだ!」
バルトが気合を入れ、剣を構え直す。
俺は風魔法でバルトの動きを加速させた。
「――行くぞ!!」
風の力を借りたバルトが、凄まじい速度で跳躍する!
巨大ボアの首元めがけて――
ズバァァァン!!
渾身の一撃を叩き込んだ!
---
巨大ボア、討伐完了!
「ブオオオオォォン……!」
巨大ボアが苦しげな声を上げ、地面に倒れ込む。
そのままピクリとも動かなくなった。
「……よし、終わったか」
バルトが深く息を吐く。
「いやぁ、強かったぜ……けど、なんとかなったな!」
「まぁ、お前も成長してるしな」
「お前が楽勝そうにしてるのがちょっとムカつくけどな」
「俺が手を出したら、一瞬で終わるしな」
「……マジでどんなレベルなんだよ、お前」
バルトが苦笑しながら、巨大ボアの死体を見下ろす。
「さて、証拠として牙を持っていくか」
俺たちは巨大ボアの牙を切り取り、証拠として持ち帰ることにした。
こうして、俺たちは王都のギルドへ戻ることになった――。
---
ギルドに戻った俺たちは、さっそく受付へ向かった。
「巨大ボア討伐、完了しました」
「お疲れ様です! 討伐証明の牙を確認しますね」
受付嬢が俺たちの提出した巨大ボアの牙を見て、頷く。
「間違いありませんね。それでは報酬をお支払いします」
そう言って、カウンターに置かれたのは銀貨3枚。
「これが報酬です。依頼達成、おめでとうございます!」
「よし、これで宿代と飯代はなんとかなるな」
バルトが安堵の表情を浮かべる。
「……まぁ、俺が奢るけどな」
「えっ!? マジで!?」
「お前、宿代すらギリギリだったろ? たまには奢ってやるよ」
「やったぜ! なら、ちょっといい飯屋に行こうぜ!」
「はいはい」
俺たちはギルドを後にし、王都の飲食街へ向かった。
---
王都の食堂「金のスプーン亭」
バルトが選んだのは、王都の庶民向けの食堂 「金のスプーン亭」 だった。
「ここ、安い割にうまいんだってよ。俺の村のやつが王都に来たときに勧めてたんだ」
「ほう、じゃあ期待していいのか?」
「おう、バッチリだ!」
店内は活気があり、冒険者や商人たちが食事を楽しんでいた。
テーブルに座ると、店員が注文を取りに来る。
「とりあえず、肉の盛り合わせとパン、スープ、ビールでいいか?」
「文句なしだ!」
しばらくして運ばれてきた料理は、香ばしく焼かれた肉の盛り合わせと、温かいスープ。
パンはふわふわで、バターが塗られている。
「くぅ~っ、うまそう!」
バルトがさっそく肉にかぶりつく。
「おお、柔らかくてジューシーだ! 塩とスパイスが効いてて最高だな!」
「確かに、悪くないな」
俺も肉を口に運ぶと、ほどよい塩味と肉の旨みが広がる。
スープも濃厚で、体に染み渡る。
「はぁ~、やっぱり戦った後の飯は最高だな!」
「そうだな」
ビールを飲みながら、今日の戦いを振り返る。
---
明日の計画――討伐依頼を受ける!
「で、明日はどうする?」
「やっぱり、討伐依頼を受けようと思う」
バルトが真剣な顔で答えた。
「もっと戦闘経験を積んで、強くなりたいんだよ」
「なるほどな」
「俺はまだまだ未熟だ。今日の巨大ボアだって、あんまり余裕なかったしな」
「まぁ、確かに。もう少し戦闘慣れはしておいたほうがいいかもな」
「だろ? だから、明日も討伐依頼に挑戦する」
「いいぜ。付き合ってやるよ」
「おう! なら、明日はもうちょい強い敵を狙うか!」
バルトが気合いを入れ、酒を飲み干す。
「よし、明日は強敵相手に頑張るぞ!」
「ま、無理しない範囲でな」
こうして、俺たちは明日の討伐に向けて準備を整えつつ、食事を楽しんだ――。
「さて、今日は何をするんだ?」
「俺がギルドの依頼を受ける。ユート、お前も付き合ってくれ」
「まぁ、別にいいけどな。どんな依頼なんだ?」
「薬草採取だ」
「……薬草採取?」
バルトが得意げに頷く。
「お前、薬草って見たことあるか?」
「いや、全然」
「なら、ちょうどいい。これは冒険者の基本知識だし、覚えておいて損はねぇぞ」
確かに、薬草なんて今まで意識したこともなかった。
実際に採取することで、どんなものか学べるのは悪くない。
バルトが受けた依頼は、**「治癒薬の材料となる薬草の採取」**だった。
《依頼内容》
薬草の種類:グリーンリーフ(回復薬の原料)
採取地:王都近郊の森林
必要数:20本
「よし、行くか!」
「おう」
こうして、俺たちは王都を出て、近くの森林へ向かうことになった。
王都を抜けると、広大な草原が広がっていた。
地面は適度に起伏があり、遠くには森の入り口が見える。
鳥のさえずりが聞こえ、穏やかな風が心地いい。
「こうして見ると、やっぱり自然っていいよな」
「まぁな。王都の喧騒とはまた違った良さがある」
森の中に入ると、周囲は一気に緑に包まれた。
木々が生い茂り、地面にはコケやシダ植物が生えている。
小川が流れ、時折小動物の気配も感じる。
「さて、薬草採取を始めるか」
「でも、薬草ってどこに生えてるんだ?」
「基本的には、湿気が多く、日陰になる場所だ」
バルトが地面にしゃがみ、木の根元を指さす。
「ほら、これがグリーンリーフだ」
「おお……これか」
地面から生えているのは、細長い葉っぱの植物だった。
見た目は普通の雑草と大差ないが、よく見ると葉の縁がわずかに光沢を帯びている。
「これが回復薬の原料になるんだな」
「そういうことだ。間違えて別の草を採らないように気をつけろよ?」
「お前、詳しいな」
「村では農業をやってたからな。薬草も多少は知識がある」
「なるほどな……」
バルトの意外な特技に驚きつつ、俺も地面にしゃがんで薬草を探す。
俺たちは薬草を摘みながら、他愛のない話をした。
「そういえば、お前って村でどんな生活してたんだ?」
「まぁ、普通の農家だよ。朝早く起きて畑仕事して、昼には飯食って、夕方にはまた作業して……って感じだな」
「それでよく、こんな冒険者になろうと思ったな」
「……まぁ、単純に、このまま一生を終えるのが嫌だったってのもある」
バルトは空を見上げながら言う。
「畑仕事が嫌いだったわけじゃない。だけど、毎日同じことの繰り返しでさ。刺激がねぇっていうか……」
「まぁ、気持ちはわからんでもないな」
「だから、剣の訓練を続けてたんだ。冒険者になるって決めてからは、村の訓練場で毎日稽古してた」
「それで今の腕があるわけか」
「まぁ、まだまだ未熟だけどな」
バルトはそう言って、抜いた薬草をカゴに入れる。
「でも、俺はもっと強くなりたいんだよな」
「理由は?」
「……そりゃ、お前。冒険者になったからには、強くなって一旗揚げるってのが夢だろ?」
「なるほどな」
俺は苦笑しながら頷いた。
「じゃあ、お前はどうなんだよ? 何か夢とかあんのか?」
「俺の夢か……」
俺は少し考えて――
「まぁ、まだ決まってねぇな」
と答えた。
バルトは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑った。
「じゃあ、お前も探しながら冒険すればいいさ」
「……そうかもな」
世間話をしながら薬草を探していると、あっという間に目標の20本を集めることができた。
「よし、これで依頼達成だな!」
「意外と楽しかったな、薬草採取」
「まぁ、たまにはこういうのもいいだろ?」
バルトは満足げにカゴを持ち上げる。
「よし、ギルドに戻るか!」
「おう!」
こうして、俺たちは王都のギルドへと戻った。
---
俺たちはギルドの依頼掲示板の前で、どの討伐依頼を受けるかを相談していた。
「さて、どれにする?」
「戦闘経験を積むなら、多少強めの敵がいいよな」
「そうだな……」
掲示板には、いくつかの依頼が貼られていた。
① ゴブリン討伐(Fランク向け)
- 場所:王都近郊の森
- 報酬:銅貨100枚
- 内容:ゴブリンの群れを討伐し、討伐証を持ち帰る
- 危険度:低
② 巨大ボア討伐(Eランク向け)
- 場所:街道沿いの森
- 報酬:銀貨5枚
- 内容:旅人や馬車を襲う巨大なイノシシの討伐
- 危険度:中
③ 夜の墓地のアンデッド討伐(Dランク向け)
- 場所:王都近郊の墓地
- 報酬:銀貨10枚
- 内容:夜に出現するアンデッドを討伐し、被害を防ぐ
- 危険度:高(夜間戦闘)
---
「お前、どれがいい?」
バルトが期待の目で俺を見てくる。
「そうだな……」
しばらく考え――
「ボアいってみるか。」
「依頼を受けます」
「はい、ではギルドカードをお願いします」
俺はギルドカードを提出し、依頼を正式に受注した。
すると、受付の職員が俺をじっと見て、少し躊躇うような素振りを見せる。
「ユートさん……ちょうどいいタイミングでした」
「ん?」
「先日、オークションに出品された魔石の落札が完了しました」
「……そうか」
俺は内心で少し構えながら、何気ない素振りを装う。
受付嬢は一枚の紙を俺に手渡した。
紙には――
「金貨6300枚」
と書かれていた。
(……想像以上に高額になったな)
正直なところ、金貨6300枚がどの程度の価値なのか、まだ実感が湧かない。
しかし、バルトにはこの紙の内容を見せないように、サッとしまう。
「……それと」
「ん?」
受付嬢は少し言いにくそうな表情をしながら続ける。
「今回の落札者が、ユートさんに会いたいと申し出ています」
「……俺に?」
「はい。落札者の身元は公にはされていませんが、貴族である可能性が高いとのことです」
「貴族……」
少し考え込む。
「もちろん、会うかどうかはユートさん次第です。無理に会う必要はありません」
「……」
(貴族が俺に何の用だ?)
単に取引の感謝か、それとも他に何か目的があるのか。
金貨6300枚を出せるような貴族だ。
それなりの立場と権力を持っているのは間違いない。
しかし、安易に会うのは少しリスクもあるかもしれない。
① 貴族に会う(直接交渉)
- 何の目的で俺に会いたいのか、確かめる。
- 交渉次第では、新たなつながりを作れるかも?
- ただし、思わぬ問題に巻き込まれる可能性も……?
② 会わない(警戒する)
- 余計なトラブルを避ける。
- 貴族とは関わらず、普通に冒険者として活動する。
- ただし、向こうがしつこい場合、強引に接触されるかも……?
「……どうしますか?」
受付嬢が俺を見つめる。
(さて、どうする……?)
「貴族ってのがどんなものか気になるし、会ってみるか」
俺がそう言うと、受付嬢は少し驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「かしこまりました。それでは、三日後にギルドの特別室にてお待ちください。落札者の方には、その旨をお伝えします」
「了解」
(貴族ってのがどんなものか、実際に見てみるのも悪くない)
貴族と関わるのが得か損かはまだわからないが、ただ避けるだけなのもつまらない。
俺は軽く頷き、バルトの方へ振り返る。
「さて、三日後に予定ができたが、今日は討伐に行くか」
「おう! そっちの貴族との話も気になるけど、まずは金がねぇからな!」
バルトが拳を握り、やる気満々の顔をする。
「受けた依頼は巨大ボア討伐だな?」
「そうだ。銀貨5枚の依頼だ。王都近郊の街道沿いの森に出るらしい」
「よし、やるか!」
俺たちは装備を整え、ギルドを出発した。
---
王都を出発し、街道沿いの森へ向かう。
依頼内容は巨大ボアの討伐。
旅人や馬車を襲い、被害が出ているという報告がある。
森の入り口に着くと、すでに空気が変わっていた。
地面には何かが踏み荒らしたような跡があり、大きな蹄の跡が残っている。
「……すげぇな。こりゃ確かにデカそうだ」
「だな。しかも結構な重量がありそうだ」
バルトが剣を構え、慎重に進んでいく。
---
巨大ボアとの遭遇
森の奥へ進むと、地響きのような音が聞こえてきた。
「おい、来るぞ」
木々の間から現れたのは、体長2.5メートルを超える巨大なイノシシ――巨大ボアだった。
通常のイノシシよりも一回り大きく、鋭い牙と分厚い体毛を持つ。
目は血走っており、すでにこちらを敵と認識しているようだ。
「……こいつか」
「でけぇ……!」
バルトがゴクリと喉を鳴らす。
――ブオオォォォォォンッ!!
巨大ボアが鼻を鳴らし、突進の構えに入る。
---
バルト vs 巨大ボア!
「俺がやる! ユート、お前は援護頼む!」
「了解」
俺はすでに勝負の行方が見えていた。
バルトにとっては、そこそこ手ごたえのある相手だが、俺にとっては余裕すぎる。
(まぁ、俺が手を出しすぎると、修行にならんしな)
俺はあくまでアシストに徹することにした。
---
巨大ボアの突進!
「来るぞ!」
巨大ボアが轟音を立てながら突進してくる。
その巨体が一直線にバルトへ向かう――!
「っしゃあ!」
バルトは両手剣を構え、横へと跳躍する。
巨大ボアの突進はそのまま地面を削りながら通り過ぎた。
「速ぇな……!」
驚いた様子のバルトだが、すぐに態勢を立て直す。
---
ユートのアシスト!
「バルト、動きを鈍らせるぞ!」
俺はウォーターボールを放ち、巨大ボアの足元の土を濡らした。
ぬかるんだ地面に、巨大ボアの足が一瞬だけ沈み込む。
「今だ!」
「おう!」
バルトが一気に間合いを詰め、両手剣で斬りかかる!
ズバァァン!!
剣が巨大ボアの肩口に食い込み、血が吹き出る。
「効いてる!」
「もう一撃だ!」
---
巨大ボアの反撃!
傷ついた巨大ボアが怒り狂い、バルトに向かって牙を振るう!
「チッ……!」
バルトは間一髪で後退するが、完全には避けきれず、肩をかすめる。
「ぐっ……!」
「回復しとくぞ」
俺はヒールを発動し、バルトの傷を即座に治す。
「助かる!」
---
バルトのとどめ!
「これで終わりだ!」
バルトが気合を入れ、剣を構え直す。
俺は風魔法でバルトの動きを加速させた。
「――行くぞ!!」
風の力を借りたバルトが、凄まじい速度で跳躍する!
巨大ボアの首元めがけて――
ズバァァァン!!
渾身の一撃を叩き込んだ!
---
巨大ボア、討伐完了!
「ブオオオオォォン……!」
巨大ボアが苦しげな声を上げ、地面に倒れ込む。
そのままピクリとも動かなくなった。
「……よし、終わったか」
バルトが深く息を吐く。
「いやぁ、強かったぜ……けど、なんとかなったな!」
「まぁ、お前も成長してるしな」
「お前が楽勝そうにしてるのがちょっとムカつくけどな」
「俺が手を出したら、一瞬で終わるしな」
「……マジでどんなレベルなんだよ、お前」
バルトが苦笑しながら、巨大ボアの死体を見下ろす。
「さて、証拠として牙を持っていくか」
俺たちは巨大ボアの牙を切り取り、証拠として持ち帰ることにした。
こうして、俺たちは王都のギルドへ戻ることになった――。
---
ギルドに戻った俺たちは、さっそく受付へ向かった。
「巨大ボア討伐、完了しました」
「お疲れ様です! 討伐証明の牙を確認しますね」
受付嬢が俺たちの提出した巨大ボアの牙を見て、頷く。
「間違いありませんね。それでは報酬をお支払いします」
そう言って、カウンターに置かれたのは銀貨3枚。
「これが報酬です。依頼達成、おめでとうございます!」
「よし、これで宿代と飯代はなんとかなるな」
バルトが安堵の表情を浮かべる。
「……まぁ、俺が奢るけどな」
「えっ!? マジで!?」
「お前、宿代すらギリギリだったろ? たまには奢ってやるよ」
「やったぜ! なら、ちょっといい飯屋に行こうぜ!」
「はいはい」
俺たちはギルドを後にし、王都の飲食街へ向かった。
---
王都の食堂「金のスプーン亭」
バルトが選んだのは、王都の庶民向けの食堂 「金のスプーン亭」 だった。
「ここ、安い割にうまいんだってよ。俺の村のやつが王都に来たときに勧めてたんだ」
「ほう、じゃあ期待していいのか?」
「おう、バッチリだ!」
店内は活気があり、冒険者や商人たちが食事を楽しんでいた。
テーブルに座ると、店員が注文を取りに来る。
「とりあえず、肉の盛り合わせとパン、スープ、ビールでいいか?」
「文句なしだ!」
しばらくして運ばれてきた料理は、香ばしく焼かれた肉の盛り合わせと、温かいスープ。
パンはふわふわで、バターが塗られている。
「くぅ~っ、うまそう!」
バルトがさっそく肉にかぶりつく。
「おお、柔らかくてジューシーだ! 塩とスパイスが効いてて最高だな!」
「確かに、悪くないな」
俺も肉を口に運ぶと、ほどよい塩味と肉の旨みが広がる。
スープも濃厚で、体に染み渡る。
「はぁ~、やっぱり戦った後の飯は最高だな!」
「そうだな」
ビールを飲みながら、今日の戦いを振り返る。
---
明日の計画――討伐依頼を受ける!
「で、明日はどうする?」
「やっぱり、討伐依頼を受けようと思う」
バルトが真剣な顔で答えた。
「もっと戦闘経験を積んで、強くなりたいんだよ」
「なるほどな」
「俺はまだまだ未熟だ。今日の巨大ボアだって、あんまり余裕なかったしな」
「まぁ、確かに。もう少し戦闘慣れはしておいたほうがいいかもな」
「だろ? だから、明日も討伐依頼に挑戦する」
「いいぜ。付き合ってやるよ」
「おう! なら、明日はもうちょい強い敵を狙うか!」
バルトが気合いを入れ、酒を飲み干す。
「よし、明日は強敵相手に頑張るぞ!」
「ま、無理しない範囲でな」
こうして、俺たちは明日の討伐に向けて準備を整えつつ、食事を楽しんだ――。
13
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる