異世界転移して最強のおっさん……の隣に住んでいる。

モデル.S

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第1章

オークションの結果

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翌朝、俺たちはギルドへ向かった。

「さて、今日は何をするんだ?」

「俺がギルドの依頼を受ける。ユート、お前も付き合ってくれ」

「まぁ、別にいいけどな。どんな依頼なんだ?」

「薬草採取だ」

「……薬草採取?」

 バルトが得意げに頷く。

「お前、薬草って見たことあるか?」

「いや、全然」

「なら、ちょうどいい。これは冒険者の基本知識だし、覚えておいて損はねぇぞ」

 確かに、薬草なんて今まで意識したこともなかった。
 実際に採取することで、どんなものか学べるのは悪くない。


 バルトが受けた依頼は、**「治癒薬の材料となる薬草の採取」**だった。

《依頼内容》

薬草の種類:グリーンリーフ(回復薬の原料)

採取地:王都近郊の森林

必要数:20本


「よし、行くか!」

「おう」

 こうして、俺たちは王都を出て、近くの森林へ向かうことになった。


 王都を抜けると、広大な草原が広がっていた。

 地面は適度に起伏があり、遠くには森の入り口が見える。
 鳥のさえずりが聞こえ、穏やかな風が心地いい。

「こうして見ると、やっぱり自然っていいよな」

「まぁな。王都の喧騒とはまた違った良さがある」

 森の中に入ると、周囲は一気に緑に包まれた。
 木々が生い茂り、地面にはコケやシダ植物が生えている。
 小川が流れ、時折小動物の気配も感じる。

「さて、薬草採取を始めるか」

「でも、薬草ってどこに生えてるんだ?」

「基本的には、湿気が多く、日陰になる場所だ」

 バルトが地面にしゃがみ、木の根元を指さす。

「ほら、これがグリーンリーフだ」

「おお……これか」

 地面から生えているのは、細長い葉っぱの植物だった。
 見た目は普通の雑草と大差ないが、よく見ると葉の縁がわずかに光沢を帯びている。

「これが回復薬の原料になるんだな」

「そういうことだ。間違えて別の草を採らないように気をつけろよ?」

「お前、詳しいな」

「村では農業をやってたからな。薬草も多少は知識がある」

「なるほどな……」

 バルトの意外な特技に驚きつつ、俺も地面にしゃがんで薬草を探す。

 俺たちは薬草を摘みながら、他愛のない話をした。

「そういえば、お前って村でどんな生活してたんだ?」

「まぁ、普通の農家だよ。朝早く起きて畑仕事して、昼には飯食って、夕方にはまた作業して……って感じだな」

「それでよく、こんな冒険者になろうと思ったな」

「……まぁ、単純に、このまま一生を終えるのが嫌だったってのもある」

 バルトは空を見上げながら言う。

「畑仕事が嫌いだったわけじゃない。だけど、毎日同じことの繰り返しでさ。刺激がねぇっていうか……」

「まぁ、気持ちはわからんでもないな」

「だから、剣の訓練を続けてたんだ。冒険者になるって決めてからは、村の訓練場で毎日稽古してた」

「それで今の腕があるわけか」

「まぁ、まだまだ未熟だけどな」

 バルトはそう言って、抜いた薬草をカゴに入れる。

「でも、俺はもっと強くなりたいんだよな」

「理由は?」

「……そりゃ、お前。冒険者になったからには、強くなって一旗揚げるってのが夢だろ?」

「なるほどな」

 俺は苦笑しながら頷いた。

「じゃあ、お前はどうなんだよ? 何か夢とかあんのか?」

「俺の夢か……」

 俺は少し考えて――

「まぁ、まだ決まってねぇな」

 と答えた。

 バルトは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑った。

「じゃあ、お前も探しながら冒険すればいいさ」

「……そうかもな」


 世間話をしながら薬草を探していると、あっという間に目標の20本を集めることができた。

「よし、これで依頼達成だな!」

「意外と楽しかったな、薬草採取」

「まぁ、たまにはこういうのもいいだろ?」

 バルトは満足げにカゴを持ち上げる。

「よし、ギルドに戻るか!」

「おう!」

 こうして、俺たちは王都のギルドへと戻った。


---
俺たちはギルドの依頼掲示板の前で、どの討伐依頼を受けるかを相談していた。

「さて、どれにする?」

「戦闘経験を積むなら、多少強めの敵がいいよな」

「そうだな……」

 掲示板には、いくつかの依頼が貼られていた。

① ゴブリン討伐(Fランク向け)

 - 場所:王都近郊の森
 - 報酬:銅貨100枚
 - 内容:ゴブリンの群れを討伐し、討伐証を持ち帰る
 - 危険度:低

② 巨大ボア討伐(Eランク向け)

 - 場所:街道沿いの森
 - 報酬:銀貨5枚
 - 内容:旅人や馬車を襲う巨大なイノシシの討伐
 - 危険度:中

③ 夜の墓地のアンデッド討伐(Dランク向け)

 - 場所:王都近郊の墓地
 - 報酬:銀貨10枚
 - 内容:夜に出現するアンデッドを討伐し、被害を防ぐ
 - 危険度:高(夜間戦闘)


---

「お前、どれがいい?」

 バルトが期待の目で俺を見てくる。

「そうだな……」

 しばらく考え――

「ボアいってみるか。」



「依頼を受けます」

「はい、ではギルドカードをお願いします」

 俺はギルドカードを提出し、依頼を正式に受注した。

 すると、受付の職員が俺をじっと見て、少し躊躇うような素振りを見せる。

「ユートさん……ちょうどいいタイミングでした」

「ん?」

「先日、オークションに出品された魔石の落札が完了しました」

「……そうか」

 俺は内心で少し構えながら、何気ない素振りを装う。


 受付嬢は一枚の紙を俺に手渡した。

 紙には――

「金貨6300枚」

 と書かれていた。

(……想像以上に高額になったな)

 正直なところ、金貨6300枚がどの程度の価値なのか、まだ実感が湧かない。

 しかし、バルトにはこの紙の内容を見せないように、サッとしまう。

「……それと」

「ん?」

 受付嬢は少し言いにくそうな表情をしながら続ける。

「今回の落札者が、ユートさんに会いたいと申し出ています」

「……俺に?」

「はい。落札者の身元は公にはされていませんが、貴族である可能性が高いとのことです」

「貴族……」

 少し考え込む。

「もちろん、会うかどうかはユートさん次第です。無理に会う必要はありません」

「……」

(貴族が俺に何の用だ?)

 単に取引の感謝か、それとも他に何か目的があるのか。

 金貨6300枚を出せるような貴族だ。
 それなりの立場と権力を持っているのは間違いない。

 しかし、安易に会うのは少しリスクもあるかもしれない。



① 貴族に会う(直接交渉)

 - 何の目的で俺に会いたいのか、確かめる。
 - 交渉次第では、新たなつながりを作れるかも?
 - ただし、思わぬ問題に巻き込まれる可能性も……?

② 会わない(警戒する)

 - 余計なトラブルを避ける。
 - 貴族とは関わらず、普通に冒険者として活動する。
 - ただし、向こうがしつこい場合、強引に接触されるかも……?



「……どうしますか?」

 受付嬢が俺を見つめる。

(さて、どうする……?)


「貴族ってのがどんなものか気になるし、会ってみるか」

 俺がそう言うと、受付嬢は少し驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。

「かしこまりました。それでは、三日後にギルドの特別室にてお待ちください。落札者の方には、その旨をお伝えします」

「了解」

(貴族ってのがどんなものか、実際に見てみるのも悪くない)

 貴族と関わるのが得か損かはまだわからないが、ただ避けるだけなのもつまらない。

 俺は軽く頷き、バルトの方へ振り返る。

「さて、三日後に予定ができたが、今日は討伐に行くか」

「おう! そっちの貴族との話も気になるけど、まずは金がねぇからな!」

 バルトが拳を握り、やる気満々の顔をする。

「受けた依頼は巨大ボア討伐だな?」

「そうだ。銀貨5枚の依頼だ。王都近郊の街道沿いの森に出るらしい」

「よし、やるか!」

 俺たちは装備を整え、ギルドを出発した。

---

 王都を出発し、街道沿いの森へ向かう。

 依頼内容は巨大ボアの討伐。
 旅人や馬車を襲い、被害が出ているという報告がある。

 森の入り口に着くと、すでに空気が変わっていた。
 地面には何かが踏み荒らしたような跡があり、大きな蹄の跡が残っている。

「……すげぇな。こりゃ確かにデカそうだ」

「だな。しかも結構な重量がありそうだ」

 バルトが剣を構え、慎重に進んでいく。


---

巨大ボアとの遭遇

 森の奥へ進むと、地響きのような音が聞こえてきた。

「おい、来るぞ」

 木々の間から現れたのは、体長2.5メートルを超える巨大なイノシシ――巨大ボアだった。

 通常のイノシシよりも一回り大きく、鋭い牙と分厚い体毛を持つ。
 目は血走っており、すでにこちらを敵と認識しているようだ。

「……こいつか」

「でけぇ……!」

 バルトがゴクリと喉を鳴らす。

 ――ブオオォォォォォンッ!!

 巨大ボアが鼻を鳴らし、突進の構えに入る。


---

バルト vs 巨大ボア!

「俺がやる! ユート、お前は援護頼む!」

「了解」

 俺はすでに勝負の行方が見えていた。
 バルトにとっては、そこそこ手ごたえのある相手だが、俺にとっては余裕すぎる。

(まぁ、俺が手を出しすぎると、修行にならんしな)

 俺はあくまでアシストに徹することにした。


---

巨大ボアの突進!

「来るぞ!」

 巨大ボアが轟音を立てながら突進してくる。

 その巨体が一直線にバルトへ向かう――!

「っしゃあ!」

 バルトは両手剣を構え、横へと跳躍する。
 巨大ボアの突進はそのまま地面を削りながら通り過ぎた。

「速ぇな……!」

 驚いた様子のバルトだが、すぐに態勢を立て直す。


---

ユートのアシスト!

「バルト、動きを鈍らせるぞ!」

 俺はウォーターボールを放ち、巨大ボアの足元の土を濡らした。

 ぬかるんだ地面に、巨大ボアの足が一瞬だけ沈み込む。

「今だ!」

「おう!」

 バルトが一気に間合いを詰め、両手剣で斬りかかる!

 ズバァァン!!

 剣が巨大ボアの肩口に食い込み、血が吹き出る。

「効いてる!」

「もう一撃だ!」


---

巨大ボアの反撃!

 傷ついた巨大ボアが怒り狂い、バルトに向かって牙を振るう!

「チッ……!」

 バルトは間一髪で後退するが、完全には避けきれず、肩をかすめる。

「ぐっ……!」

「回復しとくぞ」

 俺はヒールを発動し、バルトの傷を即座に治す。

「助かる!」


---

バルトのとどめ!

「これで終わりだ!」

 バルトが気合を入れ、剣を構え直す。

 俺は風魔法でバルトの動きを加速させた。

「――行くぞ!!」

 風の力を借りたバルトが、凄まじい速度で跳躍する!

 巨大ボアの首元めがけて――

 ズバァァァン!!

 渾身の一撃を叩き込んだ!


---

巨大ボア、討伐完了!

「ブオオオオォォン……!」

 巨大ボアが苦しげな声を上げ、地面に倒れ込む。
 そのままピクリとも動かなくなった。

「……よし、終わったか」

 バルトが深く息を吐く。

「いやぁ、強かったぜ……けど、なんとかなったな!」

「まぁ、お前も成長してるしな」

「お前が楽勝そうにしてるのがちょっとムカつくけどな」

「俺が手を出したら、一瞬で終わるしな」

「……マジでどんなレベルなんだよ、お前」

 バルトが苦笑しながら、巨大ボアの死体を見下ろす。

「さて、証拠として牙を持っていくか」

 俺たちは巨大ボアの牙を切り取り、証拠として持ち帰ることにした。

 こうして、俺たちは王都のギルドへ戻ることになった――。

---

 ギルドに戻った俺たちは、さっそく受付へ向かった。

「巨大ボア討伐、完了しました」

「お疲れ様です! 討伐証明の牙を確認しますね」

 受付嬢が俺たちの提出した巨大ボアの牙を見て、頷く。

「間違いありませんね。それでは報酬をお支払いします」

 そう言って、カウンターに置かれたのは銀貨3枚。

「これが報酬です。依頼達成、おめでとうございます!」

「よし、これで宿代と飯代はなんとかなるな」

 バルトが安堵の表情を浮かべる。

「……まぁ、俺が奢るけどな」

「えっ!? マジで!?」

「お前、宿代すらギリギリだったろ? たまには奢ってやるよ」

「やったぜ! なら、ちょっといい飯屋に行こうぜ!」

「はいはい」

 俺たちはギルドを後にし、王都の飲食街へ向かった。


---

王都の食堂「金のスプーン亭」

 バルトが選んだのは、王都の庶民向けの食堂 「金のスプーン亭」 だった。

「ここ、安い割にうまいんだってよ。俺の村のやつが王都に来たときに勧めてたんだ」

「ほう、じゃあ期待していいのか?」

「おう、バッチリだ!」

 店内は活気があり、冒険者や商人たちが食事を楽しんでいた。
 テーブルに座ると、店員が注文を取りに来る。

「とりあえず、肉の盛り合わせとパン、スープ、ビールでいいか?」

「文句なしだ!」

 しばらくして運ばれてきた料理は、香ばしく焼かれた肉の盛り合わせと、温かいスープ。
 パンはふわふわで、バターが塗られている。

「くぅ~っ、うまそう!」

 バルトがさっそく肉にかぶりつく。

「おお、柔らかくてジューシーだ! 塩とスパイスが効いてて最高だな!」

「確かに、悪くないな」

 俺も肉を口に運ぶと、ほどよい塩味と肉の旨みが広がる。
 スープも濃厚で、体に染み渡る。

「はぁ~、やっぱり戦った後の飯は最高だな!」

「そうだな」

 ビールを飲みながら、今日の戦いを振り返る。


---

明日の計画――討伐依頼を受ける!

「で、明日はどうする?」

「やっぱり、討伐依頼を受けようと思う」

 バルトが真剣な顔で答えた。

「もっと戦闘経験を積んで、強くなりたいんだよ」

「なるほどな」

「俺はまだまだ未熟だ。今日の巨大ボアだって、あんまり余裕なかったしな」

「まぁ、確かに。もう少し戦闘慣れはしておいたほうがいいかもな」

「だろ? だから、明日も討伐依頼に挑戦する」

「いいぜ。付き合ってやるよ」

「おう! なら、明日はもうちょい強い敵を狙うか!」

 バルトが気合いを入れ、酒を飲み干す。

「よし、明日は強敵相手に頑張るぞ!」

「ま、無理しない範囲でな」

 こうして、俺たちは明日の討伐に向けて準備を整えつつ、食事を楽しんだ――。
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