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第2章
さらに紹介で。
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数日後…
ユートがPCを立ち上げると、匿名メッセージサービスに新着通知が届いていた。
差出人は初見のID。しかし、文面には見覚えのある名前が書かれていた。
---
【件名:山岸さんの紹介でご連絡しました】
> はじめまして。突然のご連絡を失礼いたします。
私の妹は、幼少期の事故で右腕を肘から先まで失っています。
山岸さんから、以前あなたと会い、実際に“足が戻った”ことを聞きました。
正直、最初は信じられませんでした。ですが、彼の目と声が本気だったこと、
そして、実際に義足が外れている姿を見て――迷いがなくなりました。
妹は今、義手を使って生活していますが、やはり苦労が多く、
それでも前を向こうとしている姿を見ると、どうしても……この機会に賭けたいと思いました。
どうか一度だけ、チャンスをいただけないでしょうか。
金銭についても事前に準備しております。
何卒よろしくお願いいたします。
---
ユートは読み終えると、静かに頷きながら返信を打ち始めた。
---
> ご連絡ありがとうございます。山岸さんの件、確認済みです。
条件は以下の通りです:
・顔出し不可/録音・撮影禁止
・服用には私が立ち会います
・金額:300万円(効果が出た場合のみ)
都内で貸し会議室を用意します。希望の日時があればご指定ください。
ご本人の意思が固まっているなら、それで十分です。
---
送信を終えたユートは、魔法袋の中に保管している上級ポーションをひとつ手に取った。
「……これで、またひとり救えるかもしれない」
---
静かなビルの一室。ユートは照明を少し落とし、木箱とともにテーブルの前に座っていた。
時間ぴったり、ドアがノックされる。
「失礼します」
現れたのは30代半ばほどの男性。きちんとしたシャツにジャケットを羽織っている。
後ろには、小柄な若い女性が控えていた。長めの前髪に、どこか不安げな瞳。
男性が軽く頭を下げて言う。
「お忙しい中ありがとうございます。山岸さんから話を聞いて、連絡させてもらいました。
彼とは大学時代からの付き合いで……信頼できる人です。
今日はこちらの――妹、**綾乃(あやの)**を連れてきました」
ユートは軽く頷き、椅子を勧める。
綾乃は右腕の肘から先が無く、義手カバーを装着していた。
口数は少ないが、意志の強さを感じさせる瞳が印象的だった。
---
「こちらが……その“薬”ですか?」
兄が尋ねる。
ユートは木箱の蓋を開け、上級ポーションの瓶を差し出した。
「これを服用すれば、事故や病気で後天的に失った部位の再生が可能だ。
ただし、効果が出た場合のみ、代金をいただく。金額は三百万円。
もちろん、効かなければ一切受け取らない。信頼と実績で成り立ってる、ただの“薬”だ」
「……正直、にわかには信じられないです。でも、山岸から話を聞いて……」
「信じなくていい。選ぶのは本人だ」
---
綾乃はしばらく無言で瓶を見つめ――小さく口を開いた。
「……飲ませてください。
ずっと、もう無理だって思ってた。義手にも慣れたし、我慢すればいいって。
でも、もし……本当に治るなら……私、もう一度“ちゃんと触れたい”人がいるから」
ユートは黙って瓶を差し出した。
液体はすっと喉を通り、数秒後に綾乃の表情が変わる。
「熱い……腕が……」
肘のあたりに浮かぶ魔力の波紋。
まるで“新しい命”が芽吹くように、神経と筋肉が形を取り戻していく。
綾乃は小さく呻きながらも、痛みに耐え、30分後――
完璧に再生された右腕が、目の前に姿を現した。
「……動く……! 指、感じる……!」
兄は隣で言葉を失い、ただ涙を浮かべて笑った。
ユートは静かに、現金の封筒を受け取り、何も言わずに立ち上がる。
「これは奇跡じゃない。
信じて、立ち向かった結果だ。
でも……このことは、誰にも話すな。それが条件だ」
兄妹は、強くうなずいた。
ユートが部屋を後にするころ、
彼の魔法袋の中のポーションは――残り17本になっていた。
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ユートがPCを立ち上げると、匿名メッセージサービスに新着通知が届いていた。
差出人は初見のID。しかし、文面には見覚えのある名前が書かれていた。
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【件名:山岸さんの紹介でご連絡しました】
> はじめまして。突然のご連絡を失礼いたします。
私の妹は、幼少期の事故で右腕を肘から先まで失っています。
山岸さんから、以前あなたと会い、実際に“足が戻った”ことを聞きました。
正直、最初は信じられませんでした。ですが、彼の目と声が本気だったこと、
そして、実際に義足が外れている姿を見て――迷いがなくなりました。
妹は今、義手を使って生活していますが、やはり苦労が多く、
それでも前を向こうとしている姿を見ると、どうしても……この機会に賭けたいと思いました。
どうか一度だけ、チャンスをいただけないでしょうか。
金銭についても事前に準備しております。
何卒よろしくお願いいたします。
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ユートは読み終えると、静かに頷きながら返信を打ち始めた。
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> ご連絡ありがとうございます。山岸さんの件、確認済みです。
条件は以下の通りです:
・顔出し不可/録音・撮影禁止
・服用には私が立ち会います
・金額:300万円(効果が出た場合のみ)
都内で貸し会議室を用意します。希望の日時があればご指定ください。
ご本人の意思が固まっているなら、それで十分です。
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送信を終えたユートは、魔法袋の中に保管している上級ポーションをひとつ手に取った。
「……これで、またひとり救えるかもしれない」
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静かなビルの一室。ユートは照明を少し落とし、木箱とともにテーブルの前に座っていた。
時間ぴったり、ドアがノックされる。
「失礼します」
現れたのは30代半ばほどの男性。きちんとしたシャツにジャケットを羽織っている。
後ろには、小柄な若い女性が控えていた。長めの前髪に、どこか不安げな瞳。
男性が軽く頭を下げて言う。
「お忙しい中ありがとうございます。山岸さんから話を聞いて、連絡させてもらいました。
彼とは大学時代からの付き合いで……信頼できる人です。
今日はこちらの――妹、**綾乃(あやの)**を連れてきました」
ユートは軽く頷き、椅子を勧める。
綾乃は右腕の肘から先が無く、義手カバーを装着していた。
口数は少ないが、意志の強さを感じさせる瞳が印象的だった。
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「こちらが……その“薬”ですか?」
兄が尋ねる。
ユートは木箱の蓋を開け、上級ポーションの瓶を差し出した。
「これを服用すれば、事故や病気で後天的に失った部位の再生が可能だ。
ただし、効果が出た場合のみ、代金をいただく。金額は三百万円。
もちろん、効かなければ一切受け取らない。信頼と実績で成り立ってる、ただの“薬”だ」
「……正直、にわかには信じられないです。でも、山岸から話を聞いて……」
「信じなくていい。選ぶのは本人だ」
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綾乃はしばらく無言で瓶を見つめ――小さく口を開いた。
「……飲ませてください。
ずっと、もう無理だって思ってた。義手にも慣れたし、我慢すればいいって。
でも、もし……本当に治るなら……私、もう一度“ちゃんと触れたい”人がいるから」
ユートは黙って瓶を差し出した。
液体はすっと喉を通り、数秒後に綾乃の表情が変わる。
「熱い……腕が……」
肘のあたりに浮かぶ魔力の波紋。
まるで“新しい命”が芽吹くように、神経と筋肉が形を取り戻していく。
綾乃は小さく呻きながらも、痛みに耐え、30分後――
完璧に再生された右腕が、目の前に姿を現した。
「……動く……! 指、感じる……!」
兄は隣で言葉を失い、ただ涙を浮かべて笑った。
ユートは静かに、現金の封筒を受け取り、何も言わずに立ち上がる。
「これは奇跡じゃない。
信じて、立ち向かった結果だ。
でも……このことは、誰にも話すな。それが条件だ」
兄妹は、強くうなずいた。
ユートが部屋を後にするころ、
彼の魔法袋の中のポーションは――残り17本になっていた。
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