11 / 16
第1章
理由
しおりを挟む
魔石競技演習の結果――引き分け。
高品質な魔石の数も拮抗し、両チームともに大健闘と認められ、
学園内では“伝説的な演習試合”とさえ噂され始めていた。
勝負の翌日、健人たちは学園内の一角――カイルの私室に招かれていた。
---
「改めて、ありがとう。……あんな勝負ができるなんて、思ってなかった」
カイルは温かい紅茶を差し出しながら、少し照れたように言った。
ティナがにこやかに微笑む。
「カイルさんもすごかったです。私たち、逆に引っ張られてました」
「んでさ。そろそろ聞いてもいいんじゃないか?」
リュカが椅子にもたれながら、にやりと笑う。
「どうしてレオンと“あんな勝負”することになったのかって話」
---
健人も静かにうなずく。
「そうだな。演習形式にしては、少し異質だった。“魔石勝負”というのも……」
カイルは苦笑し、顔を手で覆った。
「……バレるか。いや、言うよ。もうここまで付き合ってもらったんだし、隠すのも失礼だ」
---
そして――カイルはぽつりと口を開いた。
「……実は、俺……レオンの“妹”に想いを寄せててさ」
「……ん?」
「え?」
ティナとリュカが同時に瞬きする。
---
「き、気になってるだけだよ!? 別に告白したわけじゃない!」
「いや、でも気持ちが顔に出てたんだろうな……多分、レオンにバレて」
「……それで、妹に近づきたいなら“実力を見せてからにしろ”って、勝負を吹っかけられた」
「うっわ、古風……!」
リュカが素でツッコミを入れた。
---
健人は苦笑を浮かべながら、静かに言った。
「つまり……俺たちは、“義兄になるかもしれない人間の評価テスト”の手伝いをしてたわけか」
「わー! 言い方ァ!!」
カイルが頭を抱えて転げ回る中、ティナがふっと微笑む。
「でも……その妹さん、きっと素敵な方なんでしょうね。
レオンさんが“あれだけ真剣に試すくらい”なんだから」
---
カイルは頬を赤く染めながら、遠くを見るように呟いた。
「……いつか、ちゃんと気持ちを伝えるよ。君たちのおかげで、その勇気ももらえた気がする」
---
外では、学園の鐘が穏やかに鳴っていた。
命のやり取りも、滅びの謎も、未来の因縁も――
今だけは遠く、ただ仲間たちの笑い声と、ひとつの恋の始まりがそこにあった。
---
学園からの帰路。
馬車に揺られて街へ戻った健人たちは、久々に“何もない一日”を与えられていた。
「いや~やっと羽を伸ばせるな……俺もう足が棒だぞ」
リュカは宿のベッドに大の字になって、幸せそうにうなる。
「カイルさんの告白話で心が温まった後にこれですか……ギャップが……」
ティナは呆れつつも笑っていた。
健人も、荷物を置いて窓辺に腰かけ、そっと深呼吸する。
(静かだな……けど、この平和もいつまで続くか……)
---
午後。
街へ繰り出した3人は、久々にそれぞれ好きなことをすることにした。
ティナは魔道具屋で魔石の研磨道具をチェックし、
リュカは露店で串焼きを食べ歩き、
健人は一人、人気の少ない古本屋の奥へ足を運んでいた。
---
ふと、誰かの視線を感じて振り返る――が、そこには誰もいない。
(……気のせいか)
だが、どこか“空気”が違う。
誰かが、彼の存在を探っている――そんな感覚だけが、微かに残っていた。
---
夜。
3人は屋台で合流し、焼き鳥や魚の干物をつつきながら、地酒を少しだけ楽しむ。
「しばらくは、こういう日が続くといいな」
ティナが言うと、リュカがうんうんと頷く。
「でも、ケント。お前……なんか、今日ずっと落ち着かねぇ顔してるな?」
「……そうか?」
健人は笑ってごまかす。だが――心の奥には確かに、静かに灯る違和感があった。
(何かが、動き始めている――そんな予感がある)
「……ついに来たな、Bランク依頼」
ギルドカウンターの前で、健人は手にした依頼書に目を落とした。
【討伐依頼:グレイハウンドの群れ】
・出現地域:西部山脈の峡谷地帯
・危険度:Bランク相当
・備考:小規模な群れだが連携が巧み、機動力も高い。夜行性で視覚に優れる
---
「これは少し手ごわいわね」
ティナが真剣な表情で依頼書を覗き込む。
「Bランクになると、“数が多いだけ”じゃ済まなくなるからな」
リュカも真顔になる。
「今回は、しっかり準備してから向かおう。武器と防具もそれなりのものに更新しないと」
---
街の鍛冶屋通り。
健人たちは装備を見て回りながら、店主と相談を重ねる。
「この軽鎧、見た目以上に耐久あるな」
リュカが試着した革と金属の混合アーマーを軽く叩いて感心する。
「私は魔法織布のローブを。防御力と魔力の通しやすさ、両方大事ですから」
ティナは深緑色のローブを羽織って鏡の前で回ってみせた。
---
健人はといえば、柄に控えめな刻印の入った重厚な片手剣と、
肩と胸を覆う簡易装甲を選んだ。
(力に頼らずとも、動きやすさを重視。……それでいて、見た目は“強すぎない”)
「それで十分かい、旦那」
鍛冶屋の親父が怪訝そうに言うが、健人は静かに頷いた。
「これでいい。目立たず、でも必要な時に“戦える装備”だ」
---
宿に戻った3人は、改めて地図と依頼内容を確認しながら作戦を立てた。
「グレイハウンドは“群れの連携”が脅威。1匹ずつ相手にしてたら囲まれる。
できるだけ初動で数を削ることが重要だな」
「範囲魔法、いくつか準備しておくわ」
ティナが魔導具を点検しながら頷く。
「じゃあ俺は動きの早いやつを釘付けにしてやるよ。速さじゃ負けねぇからな」
リュカが新調した脚甲を見せながら笑う。
---
「よし――Bランクの実力、見せてやろうぜ」
装備も作戦も整い、健人たちは新たな挑戦へと歩を進める。
---
西部山脈――その麓にある峡谷地帯は、風が唸り、草木すら低く伏せる荒野だった。
「……気配がある。もう近い」
健人がつぶやくと同時に、ティナの杖の先が青白く光る。
「方位魔法反応……右前方、五体。後方にも……三体接近中!」
「挟まれんのかよ。さすがはBランクの連中、知恵があるな」
リュカが舌打ちしながらも、腰を落として構える。
---
峡谷の岩陰から、風のように飛び出す灰色の影――
グレイハウンド。
瘦せ細った狼のような姿に、鉄のような黒い牙。
その動きは“跳ねる”というより、“弾ける”というべき瞬発力だった。
「来る――!」
ティナが魔法陣を展開し、広範囲に《ウィンド・シェル》を展開。
衝撃波のような風圧が一斉に群れをはじく。
---
「っしゃあああ、いただくぜ!」
リュカが弾かれた1体に飛びかかり、
背中を踏みつけると同時に短剣で急所を突く。
獣が呻く前に、その命は地に落ちた。
---
一方、健人の前に現れたのは――リーダー格の個体。
群れの中心に位置し、動きを制御する“頭”だ。
(こいつを落とせば、連携は崩れる)
健人は剣を抜く。
敵の目がギラリと光った瞬間――
ガッ――!!
鋭い牙が健人の肩を狙って飛んでくる。だが。
「遅い」
健人の体が、わずかに軌道をズラす。
そのまま反転し、剣が地を這うように振るわれる。
ズシュッ――!
リーダー格のグレイハウンドが、呻くことなく倒れた。
---
「ナイス! あと四体!」
ティナが叫び、援護魔法を展開。
《スパーク・ネット》が小型のハウンド2体を痺れさせ、リュカがそこに跳び込む。
「こっちは任せろォ!」
---
数分後――
風の唸りが、静かになっていた。
谷の中央には、グレイハウンドの屍。
健人たちは呼吸を整え、確かめ合うように視線を交わした。
「……ふぅ、久々に“歯応え”あったな」
リュカが額の汗を拭きながら笑う。
「でも、全員無事。……やっぱり、みんな強くなってるよね」
ティナの言葉に、健人も小さく頷いた。
---
その足元には、光を反射する黒紫の魔石。
確かに、Bランクの魔物を倒した証がそこにあった。
高品質な魔石の数も拮抗し、両チームともに大健闘と認められ、
学園内では“伝説的な演習試合”とさえ噂され始めていた。
勝負の翌日、健人たちは学園内の一角――カイルの私室に招かれていた。
---
「改めて、ありがとう。……あんな勝負ができるなんて、思ってなかった」
カイルは温かい紅茶を差し出しながら、少し照れたように言った。
ティナがにこやかに微笑む。
「カイルさんもすごかったです。私たち、逆に引っ張られてました」
「んでさ。そろそろ聞いてもいいんじゃないか?」
リュカが椅子にもたれながら、にやりと笑う。
「どうしてレオンと“あんな勝負”することになったのかって話」
---
健人も静かにうなずく。
「そうだな。演習形式にしては、少し異質だった。“魔石勝負”というのも……」
カイルは苦笑し、顔を手で覆った。
「……バレるか。いや、言うよ。もうここまで付き合ってもらったんだし、隠すのも失礼だ」
---
そして――カイルはぽつりと口を開いた。
「……実は、俺……レオンの“妹”に想いを寄せててさ」
「……ん?」
「え?」
ティナとリュカが同時に瞬きする。
---
「き、気になってるだけだよ!? 別に告白したわけじゃない!」
「いや、でも気持ちが顔に出てたんだろうな……多分、レオンにバレて」
「……それで、妹に近づきたいなら“実力を見せてからにしろ”って、勝負を吹っかけられた」
「うっわ、古風……!」
リュカが素でツッコミを入れた。
---
健人は苦笑を浮かべながら、静かに言った。
「つまり……俺たちは、“義兄になるかもしれない人間の評価テスト”の手伝いをしてたわけか」
「わー! 言い方ァ!!」
カイルが頭を抱えて転げ回る中、ティナがふっと微笑む。
「でも……その妹さん、きっと素敵な方なんでしょうね。
レオンさんが“あれだけ真剣に試すくらい”なんだから」
---
カイルは頬を赤く染めながら、遠くを見るように呟いた。
「……いつか、ちゃんと気持ちを伝えるよ。君たちのおかげで、その勇気ももらえた気がする」
---
外では、学園の鐘が穏やかに鳴っていた。
命のやり取りも、滅びの謎も、未来の因縁も――
今だけは遠く、ただ仲間たちの笑い声と、ひとつの恋の始まりがそこにあった。
---
学園からの帰路。
馬車に揺られて街へ戻った健人たちは、久々に“何もない一日”を与えられていた。
「いや~やっと羽を伸ばせるな……俺もう足が棒だぞ」
リュカは宿のベッドに大の字になって、幸せそうにうなる。
「カイルさんの告白話で心が温まった後にこれですか……ギャップが……」
ティナは呆れつつも笑っていた。
健人も、荷物を置いて窓辺に腰かけ、そっと深呼吸する。
(静かだな……けど、この平和もいつまで続くか……)
---
午後。
街へ繰り出した3人は、久々にそれぞれ好きなことをすることにした。
ティナは魔道具屋で魔石の研磨道具をチェックし、
リュカは露店で串焼きを食べ歩き、
健人は一人、人気の少ない古本屋の奥へ足を運んでいた。
---
ふと、誰かの視線を感じて振り返る――が、そこには誰もいない。
(……気のせいか)
だが、どこか“空気”が違う。
誰かが、彼の存在を探っている――そんな感覚だけが、微かに残っていた。
---
夜。
3人は屋台で合流し、焼き鳥や魚の干物をつつきながら、地酒を少しだけ楽しむ。
「しばらくは、こういう日が続くといいな」
ティナが言うと、リュカがうんうんと頷く。
「でも、ケント。お前……なんか、今日ずっと落ち着かねぇ顔してるな?」
「……そうか?」
健人は笑ってごまかす。だが――心の奥には確かに、静かに灯る違和感があった。
(何かが、動き始めている――そんな予感がある)
「……ついに来たな、Bランク依頼」
ギルドカウンターの前で、健人は手にした依頼書に目を落とした。
【討伐依頼:グレイハウンドの群れ】
・出現地域:西部山脈の峡谷地帯
・危険度:Bランク相当
・備考:小規模な群れだが連携が巧み、機動力も高い。夜行性で視覚に優れる
---
「これは少し手ごわいわね」
ティナが真剣な表情で依頼書を覗き込む。
「Bランクになると、“数が多いだけ”じゃ済まなくなるからな」
リュカも真顔になる。
「今回は、しっかり準備してから向かおう。武器と防具もそれなりのものに更新しないと」
---
街の鍛冶屋通り。
健人たちは装備を見て回りながら、店主と相談を重ねる。
「この軽鎧、見た目以上に耐久あるな」
リュカが試着した革と金属の混合アーマーを軽く叩いて感心する。
「私は魔法織布のローブを。防御力と魔力の通しやすさ、両方大事ですから」
ティナは深緑色のローブを羽織って鏡の前で回ってみせた。
---
健人はといえば、柄に控えめな刻印の入った重厚な片手剣と、
肩と胸を覆う簡易装甲を選んだ。
(力に頼らずとも、動きやすさを重視。……それでいて、見た目は“強すぎない”)
「それで十分かい、旦那」
鍛冶屋の親父が怪訝そうに言うが、健人は静かに頷いた。
「これでいい。目立たず、でも必要な時に“戦える装備”だ」
---
宿に戻った3人は、改めて地図と依頼内容を確認しながら作戦を立てた。
「グレイハウンドは“群れの連携”が脅威。1匹ずつ相手にしてたら囲まれる。
できるだけ初動で数を削ることが重要だな」
「範囲魔法、いくつか準備しておくわ」
ティナが魔導具を点検しながら頷く。
「じゃあ俺は動きの早いやつを釘付けにしてやるよ。速さじゃ負けねぇからな」
リュカが新調した脚甲を見せながら笑う。
---
「よし――Bランクの実力、見せてやろうぜ」
装備も作戦も整い、健人たちは新たな挑戦へと歩を進める。
---
西部山脈――その麓にある峡谷地帯は、風が唸り、草木すら低く伏せる荒野だった。
「……気配がある。もう近い」
健人がつぶやくと同時に、ティナの杖の先が青白く光る。
「方位魔法反応……右前方、五体。後方にも……三体接近中!」
「挟まれんのかよ。さすがはBランクの連中、知恵があるな」
リュカが舌打ちしながらも、腰を落として構える。
---
峡谷の岩陰から、風のように飛び出す灰色の影――
グレイハウンド。
瘦せ細った狼のような姿に、鉄のような黒い牙。
その動きは“跳ねる”というより、“弾ける”というべき瞬発力だった。
「来る――!」
ティナが魔法陣を展開し、広範囲に《ウィンド・シェル》を展開。
衝撃波のような風圧が一斉に群れをはじく。
---
「っしゃあああ、いただくぜ!」
リュカが弾かれた1体に飛びかかり、
背中を踏みつけると同時に短剣で急所を突く。
獣が呻く前に、その命は地に落ちた。
---
一方、健人の前に現れたのは――リーダー格の個体。
群れの中心に位置し、動きを制御する“頭”だ。
(こいつを落とせば、連携は崩れる)
健人は剣を抜く。
敵の目がギラリと光った瞬間――
ガッ――!!
鋭い牙が健人の肩を狙って飛んでくる。だが。
「遅い」
健人の体が、わずかに軌道をズラす。
そのまま反転し、剣が地を這うように振るわれる。
ズシュッ――!
リーダー格のグレイハウンドが、呻くことなく倒れた。
---
「ナイス! あと四体!」
ティナが叫び、援護魔法を展開。
《スパーク・ネット》が小型のハウンド2体を痺れさせ、リュカがそこに跳び込む。
「こっちは任せろォ!」
---
数分後――
風の唸りが、静かになっていた。
谷の中央には、グレイハウンドの屍。
健人たちは呼吸を整え、確かめ合うように視線を交わした。
「……ふぅ、久々に“歯応え”あったな」
リュカが額の汗を拭きながら笑う。
「でも、全員無事。……やっぱり、みんな強くなってるよね」
ティナの言葉に、健人も小さく頷いた。
---
その足元には、光を反射する黒紫の魔石。
確かに、Bランクの魔物を倒した証がそこにあった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる