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河鷺昂莉はイジメの対象
イジメの発端
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イジメの始まり方は様々だ。
例えば、絡んでいた女子が好きな男子に告白され挙句振った。
例えば、ある雰囲気の中で言わない方がいいことを言ってしまったり。
例えば、"選ばれようとしていた娘より、先に何故か選ばれてしまったり"。
ニュースでよく言っている。イジメはなくなるのか、と。
否。イジメは無くならない。
解。人間が人間と繋がっているから。
だが、イジメられなくすることなら出来る。人間関係を壊すか、はたまた"イジメ返す"か。
だが存外、人という生き物は心が脆く常に情緒不安定だ。いじめ返すのは勇気がいる。
何故なら、いじめられた側の気持ちがよく理解できるからだ。イジメは、弱い自分を守る為の本能だ。だから他人がどうこう言う事ではない。
よくもまぁ悪人を庇うなんてことを立て続けに言うやつだな、とは思って欲しくはない。
庇ってはいない、只の結果だ。俺が生きてきて俺が思ったことだ。だからといって、無闇やたらと人を傷つけてはいけない。
俺も小学校の頃、イジメにあった。3人の女子に。内1人は、空手の黒帯を所有していた。きっかけは、給食の時に面白いなぞなぞをしてと言われたことから始まる。
この頃からあがり症だった俺は、ふと思いついたなぞなぞを口にした。
『ブリはブリでも家の中で走り回るブリななんだ』
ちなみに、このなぞなぞの答えはゴ○ブリ。給食の時間にも関わらず、食欲の失せるなぞなぞだなと今になってわかる。
『えー?分かんなーい』
可愛子ぶった声。
『…リ』
『え?』
『だから、ゴ○ブリ』
教室中が水を打ったように静かになる。その数10秒後、空手の娘(ここではそう呼ばせてもらおう)が怒気を孕んだ声音でブチギレた。
『あぁ?今飯食ってる最中だろうが!キモイんだよ!近寄ってくんな!』
そう言って、俺の机を蹴って絡んでいる女子と運動場へと去って行った。
翌日、教室に入ると俺の机が無かった。よくよく見ると、教室の奥のベランダにひっくり返して置かれていた。
また違う日には、机の上に大量の砂がかけられていた。ざっと砂をゴミ箱に捨てると、手に鋭い痛みを感じた。見てみると画鋲が無数に手に刺さって血が出ていた。
その様子を、先生は見ていた。にも関わらず見て見ぬ振り。ここでようやく俺は気付く。俺に味方はいない。ここにいる奴らは全て敵だと認識した。これらは全て6年生の時に起こった出来事。
以後、中学生になってからは周囲全ての人間を疑った。そして今の俺に至る。
憐れみの目は時に人を傷つける。
そんな回想をしながら俺は"イジメの現場"を見ていた。イジメの対象は小動物のような、
河鷺昂莉。
俺は助けずに見ている。ここはどっかの主人公みたくイジメを止めさせた方がいい?否、俺が出たところで状況が悪化するだけだ。
そんな臆病者の俺の耳にリーダーらしき声が入ってくる。
「あんたさー、くっそ地味の癖に生徒会長に選ばれるとか、何様のつもり?マジウザイんですけど。あんま調子乗ってっとマジでイジメ殺すよ?」
今は昼休み。行きつけの場所で昼食を摂るのだが、来てみれば修羅場となった場所があった。
ふと見てみると金魚の糞Aが河鷺に砂をかけている。
「選ばれなかったらこんな事にはならなかったのにねーww」
それに追い討ちをかけるように金魚の糞Bが、河鷺にべっと唾を吐く。
「お前じゃまともに書記なんて務まるかよww」
そしてリーダーがおもむろにポケットからカッターナイフを出す。
「あ!そーだ!あんたのスカートズタズタにして教室に戻れないようにしてあげる」
嫌な笑みで河鷺に近づく。流石にこれは不味いと俺でもわかる。
…仕方ない。
「先生、こっちでーす!ここに逃げたいぬがー!」
声を裏返し、頭で考えたセリフを叫ぶ。
「やっば!」
そんなセリフを残してイジメ団(これから使おう)はこの場から去って行った。
ちゃんと逃げたか確認し、河鷺のほうへ向った。
「大丈夫か?」
傍観者が何を言っているのか、自分が自分を嘲笑う。
河鷺は濡れた瞳で俺を見上げる。
「あ、ありがとうございます…」
お礼とともに立ち上がる河鷺を見て、俺は駅前で配られていたポケットティッシュを渡す。
「それ。拭いとけ。匂いが気になるなら水場に行ったら…」
ぐすっ。
「え?」
泣いていた。誰が?河鷺が。何故?分からない。
「ーーーっ!?な、泣くなよ。な?」
それでも、手で口を抑え微かな嗚咽と共に涙を流していた。
その涙を止める術は今の俺には無かった。
いや、俺が慰めるわけにはいかない。傍観者が被害者を慰めるのは、憐れむのは余計に被害者を傷つけるだけだと分かっていたからかもしれない。
例えば、絡んでいた女子が好きな男子に告白され挙句振った。
例えば、ある雰囲気の中で言わない方がいいことを言ってしまったり。
例えば、"選ばれようとしていた娘より、先に何故か選ばれてしまったり"。
ニュースでよく言っている。イジメはなくなるのか、と。
否。イジメは無くならない。
解。人間が人間と繋がっているから。
だが、イジメられなくすることなら出来る。人間関係を壊すか、はたまた"イジメ返す"か。
だが存外、人という生き物は心が脆く常に情緒不安定だ。いじめ返すのは勇気がいる。
何故なら、いじめられた側の気持ちがよく理解できるからだ。イジメは、弱い自分を守る為の本能だ。だから他人がどうこう言う事ではない。
よくもまぁ悪人を庇うなんてことを立て続けに言うやつだな、とは思って欲しくはない。
庇ってはいない、只の結果だ。俺が生きてきて俺が思ったことだ。だからといって、無闇やたらと人を傷つけてはいけない。
俺も小学校の頃、イジメにあった。3人の女子に。内1人は、空手の黒帯を所有していた。きっかけは、給食の時に面白いなぞなぞをしてと言われたことから始まる。
この頃からあがり症だった俺は、ふと思いついたなぞなぞを口にした。
『ブリはブリでも家の中で走り回るブリななんだ』
ちなみに、このなぞなぞの答えはゴ○ブリ。給食の時間にも関わらず、食欲の失せるなぞなぞだなと今になってわかる。
『えー?分かんなーい』
可愛子ぶった声。
『…リ』
『え?』
『だから、ゴ○ブリ』
教室中が水を打ったように静かになる。その数10秒後、空手の娘(ここではそう呼ばせてもらおう)が怒気を孕んだ声音でブチギレた。
『あぁ?今飯食ってる最中だろうが!キモイんだよ!近寄ってくんな!』
そう言って、俺の机を蹴って絡んでいる女子と運動場へと去って行った。
翌日、教室に入ると俺の机が無かった。よくよく見ると、教室の奥のベランダにひっくり返して置かれていた。
また違う日には、机の上に大量の砂がかけられていた。ざっと砂をゴミ箱に捨てると、手に鋭い痛みを感じた。見てみると画鋲が無数に手に刺さって血が出ていた。
その様子を、先生は見ていた。にも関わらず見て見ぬ振り。ここでようやく俺は気付く。俺に味方はいない。ここにいる奴らは全て敵だと認識した。これらは全て6年生の時に起こった出来事。
以後、中学生になってからは周囲全ての人間を疑った。そして今の俺に至る。
憐れみの目は時に人を傷つける。
そんな回想をしながら俺は"イジメの現場"を見ていた。イジメの対象は小動物のような、
河鷺昂莉。
俺は助けずに見ている。ここはどっかの主人公みたくイジメを止めさせた方がいい?否、俺が出たところで状況が悪化するだけだ。
そんな臆病者の俺の耳にリーダーらしき声が入ってくる。
「あんたさー、くっそ地味の癖に生徒会長に選ばれるとか、何様のつもり?マジウザイんですけど。あんま調子乗ってっとマジでイジメ殺すよ?」
今は昼休み。行きつけの場所で昼食を摂るのだが、来てみれば修羅場となった場所があった。
ふと見てみると金魚の糞Aが河鷺に砂をかけている。
「選ばれなかったらこんな事にはならなかったのにねーww」
それに追い討ちをかけるように金魚の糞Bが、河鷺にべっと唾を吐く。
「お前じゃまともに書記なんて務まるかよww」
そしてリーダーがおもむろにポケットからカッターナイフを出す。
「あ!そーだ!あんたのスカートズタズタにして教室に戻れないようにしてあげる」
嫌な笑みで河鷺に近づく。流石にこれは不味いと俺でもわかる。
…仕方ない。
「先生、こっちでーす!ここに逃げたいぬがー!」
声を裏返し、頭で考えたセリフを叫ぶ。
「やっば!」
そんなセリフを残してイジメ団(これから使おう)はこの場から去って行った。
ちゃんと逃げたか確認し、河鷺のほうへ向った。
「大丈夫か?」
傍観者が何を言っているのか、自分が自分を嘲笑う。
河鷺は濡れた瞳で俺を見上げる。
「あ、ありがとうございます…」
お礼とともに立ち上がる河鷺を見て、俺は駅前で配られていたポケットティッシュを渡す。
「それ。拭いとけ。匂いが気になるなら水場に行ったら…」
ぐすっ。
「え?」
泣いていた。誰が?河鷺が。何故?分からない。
「ーーーっ!?な、泣くなよ。な?」
それでも、手で口を抑え微かな嗚咽と共に涙を流していた。
その涙を止める術は今の俺には無かった。
いや、俺が慰めるわけにはいかない。傍観者が被害者を慰めるのは、憐れむのは余計に被害者を傷つけるだけだと分かっていたからかもしれない。
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