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貿易都市グリゴレオ編
26 ピンチって何だっけ
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~トリスト側~
「せい!」
べキッ。
手に残る殴った後の感覚。これはある種の
「か、快感…」
俺のとろけ顔を見てゴブリン達は逃げ始めた。おい、失礼だぞ。男のとろけ顔にも需要があるんだぞ!……あるん、だと思う。けどいいのかねぇ、モンスターってギルドに加入していなかったら殺せないの云々言ってるけど。んー、まぁいっか。
「さあさあ!てめぇら全員丸焼きだ!」
マナを火の原子に変換させゴブリン達を燃やしに燃やし尽くす。さて、手ごたえのないこの状況、ヌルゲー過ぎてちょっと…。
すると、目の前にただならぬ魔力を放出したオーガがいた。体長六メートルは悠に超えている。銀髪に厳格な顔。青白い肌は筋肉質になっている。見ただけでオーガだとわかる。
「おぉ、お前がボスか?」
オーガは俺を一瞥してせせら笑う。
『貴様は呑気な奴だな。仲間が俺達の手中にあるというのに』
あれま。あの2人捕まったのか。助けを呼べって言ったのに。仕方ない。
「なあ、場所教えてくれる?助けに行くから」
『馬鹿か貴様は。教えてくれと言って教える馬鹿がどこに』
いい終わらぬうちにオーガの首を絞めていた。人質とか汚い姑息な真似をするコイツらに妙に腹が立ったのだ。
『かっ!?』
「教えろよ。お前ら雇ってんのって嫉妬の魔王か?」
苦しそうにもがき苦しみながらも笑いを続けようとするオーガ。
『ひ、密、は…まも、るもん、だろ』
「そうだな。仕方ね。自力で探せるからいいや。じゃあねー」
首を絞めている手に力を込めるとオーガは命乞いをはじめる。
『ま、待て!お、俺を、こ、殺せば、あ、の、小娘共はどこ、にいる、か』
「だからァ、わかるって言ってるだろ。なので君はここで始末するから」
更に力を入れる。もうオーガは白目を向いて意識が朦朧とし始める。そして、体中が痙攣し意識がなくなる。そこで、ぱっと手を離す。
「なんちゃって。殺しはしないさ。まぁ後遺症で当分手足が動かせないと思うけど。さてと、マグとリヴィアンは同じところに連れていかれたと見る。とすると自然と一番ゴブリン達が集まっているところになる筈だ」
その場で軽く跳ぶ。周囲一帯ゴブリンだらけだが一点だけゴブリンの密度が高い場所を見つける。俺達が寝床にしようとしていた場所である。っていうか近っ!やっぱりゴブリンもオーガも馬鹿だなこれ。
地面に降りて一気に走る。行く手を塞ぐゴブリンを手当たり次第に燃やし進む。ようやく馬車の元へたどり着く。
そこにはほぼほぼ裸にされたマグとリヴィアンがいた。顔を怒りと羞恥に染めて佇む姿は性欲をそそられるというかなんというか…。じゃなくて!これ、罠だよな。
なんせ、マグとリヴィアンの周りにはオーガやゴブリンが1匹だっていない。ふむ。…ムカつくな。俺の女に手を出すとは。余りにも腹がたったのでそのままリヴィアンとマグを助けに行く。
二人とも俺を見て安堵のため息をつく。
「ご、ごめんなさい」
「すみません。とんだ迷惑を」
しゅんとするリヴィアンとマグ。俺は笑う。
「ああ、大丈夫だ。俺こそ早く助けに来れなくて悪かったな」
ほんわか雰囲気が殺気のこもった魔力で台無しになる。俺の後ろに現れたのは2体のオーガ。片方は左頬に、もう片方は右頬に傷跡がある。
『おい兄貴。コイツが女王が言っていた』
『そうらしい。だが、なんともひ弱そうだ』
ゲラゲラと下品に笑う2体。だが、俺は笑い返して言ってやる。
「お前らの一番下の弟か?向こうでおねんねしてるぜ」
コイツら兄弟だったのか。そっくりってレベルじゃないよなこれ。遺伝子をそのまま二つに割ったような感じがするよ。
「当たり前ですよ。ゴブリンなどモンスターは細胞分裂で増えるので」
微生物!?アメーバもびっくりだな。
『ほう、なかなかやるではないか』
『だがあいつは我々の中では最弱。その程度で喜ぶなど笑止!』
うっわ、ファンタジーあるあるだ!すげー、本場もん聞けたよ。
「あっそういうのいいんで」
言うが早いか俺は一体目に先攻を仕掛ける。突然の不意討ちに右頬に傷跡のあるオーガは反応が遅れる。その隙をつき、まず、足を払う。
『グッ、小癪な!』
二体目のオーガが俺を棍棒で殴ろうとするが、
「物理抵抗」
べキッと棍棒が盛大な音を立てて折れる。マナが物理攻撃を防いたのだ。
普通マナは魔法原子と呼ばれるもので物理的に触れることは出来ない。が、魔法を物理に置き換えることは出来るのではないかと密かに練習していたのだ。その功が実ったのか見事成功に至る。
「裂傷魔法」
その詠唱とともに左頬に傷跡があるオーガの体中から裂傷し血が噴き出す。
これは大量のマナを圧縮させ刃物状にして切った瞬間圧縮が解けるというもの。それを無数に飛ばすことによって、今のオーガのような状態になる。
「呪文ってのは力を抑えるためにあるんだとよ。けど短ければ短いほど力の抑制が難しくなり自身をも傷つけてしまうことがある。それを防ぐために人間、悪魔、モンスターは本能的に詠唱しているんだ。けど今の俺にはそんなもの無意味だ」
地面に大の字で左頬に傷跡のあるオーガは倒れる。その様子を見ていた残り一体は後ずさる。
『や、やめろ…。それ以上近づくな!お前らの世間体は知っている!ギルドに加入していないやつはモンスターを狩ることが出来ないんだろ!?い、いいのか?破れば罪が問わ』
「五月蝿い。てめぇら何したか分かってんのかよ?俺の女達にこんな真っ裸同然の格好させやがって。てめぇら全員、ぶち殺す」
俺は怒りに任せて暴れた。飛びかかってくるゴブリンを焼いて切り裂き溶かした。そして小一時間、俺の周りには大量の死骸が転がっており、残るはオーガ一体だけ。
「さて、最後に質問だ。雇い主は誰だ?」
余程俺の威圧する笑顔が恐ろしかったのか、泡を吹いて気絶してしまった。仕方なく俺はリヴィアンとマグの元へ小走りで行く。
「お待たせー。さあ、もう朝になるな。さっさと荷物直して出発するぞ」
するとリヴィアンが両頬を両手で抑え、小さめな声で俺に問う。
「私のためにあんなに怒ってくれたんだよね?…私、嬉しい」
それを聞いたマグがリヴィアンを押し退けて俺に問う。
「それは違いますよリヴィ。トリストは私のために怒ってくれたのです」
そこからはもう大変だった。
「この生クリーム女!」
「な、何ですってぇ!でも?私の方がその全くないまな板よりでてるからね」
と、団栗の背比べのようなやり取りを続けていたのだ。
○ ○ ○
パッカパカと陽気に馬車が走る。回想は終了。長くてごめんね?そして、今でも俺の両隣で戦争が繰り広げられていた。
「せい!」
べキッ。
手に残る殴った後の感覚。これはある種の
「か、快感…」
俺のとろけ顔を見てゴブリン達は逃げ始めた。おい、失礼だぞ。男のとろけ顔にも需要があるんだぞ!……あるん、だと思う。けどいいのかねぇ、モンスターってギルドに加入していなかったら殺せないの云々言ってるけど。んー、まぁいっか。
「さあさあ!てめぇら全員丸焼きだ!」
マナを火の原子に変換させゴブリン達を燃やしに燃やし尽くす。さて、手ごたえのないこの状況、ヌルゲー過ぎてちょっと…。
すると、目の前にただならぬ魔力を放出したオーガがいた。体長六メートルは悠に超えている。銀髪に厳格な顔。青白い肌は筋肉質になっている。見ただけでオーガだとわかる。
「おぉ、お前がボスか?」
オーガは俺を一瞥してせせら笑う。
『貴様は呑気な奴だな。仲間が俺達の手中にあるというのに』
あれま。あの2人捕まったのか。助けを呼べって言ったのに。仕方ない。
「なあ、場所教えてくれる?助けに行くから」
『馬鹿か貴様は。教えてくれと言って教える馬鹿がどこに』
いい終わらぬうちにオーガの首を絞めていた。人質とか汚い姑息な真似をするコイツらに妙に腹が立ったのだ。
『かっ!?』
「教えろよ。お前ら雇ってんのって嫉妬の魔王か?」
苦しそうにもがき苦しみながらも笑いを続けようとするオーガ。
『ひ、密、は…まも、るもん、だろ』
「そうだな。仕方ね。自力で探せるからいいや。じゃあねー」
首を絞めている手に力を込めるとオーガは命乞いをはじめる。
『ま、待て!お、俺を、こ、殺せば、あ、の、小娘共はどこ、にいる、か』
「だからァ、わかるって言ってるだろ。なので君はここで始末するから」
更に力を入れる。もうオーガは白目を向いて意識が朦朧とし始める。そして、体中が痙攣し意識がなくなる。そこで、ぱっと手を離す。
「なんちゃって。殺しはしないさ。まぁ後遺症で当分手足が動かせないと思うけど。さてと、マグとリヴィアンは同じところに連れていかれたと見る。とすると自然と一番ゴブリン達が集まっているところになる筈だ」
その場で軽く跳ぶ。周囲一帯ゴブリンだらけだが一点だけゴブリンの密度が高い場所を見つける。俺達が寝床にしようとしていた場所である。っていうか近っ!やっぱりゴブリンもオーガも馬鹿だなこれ。
地面に降りて一気に走る。行く手を塞ぐゴブリンを手当たり次第に燃やし進む。ようやく馬車の元へたどり着く。
そこにはほぼほぼ裸にされたマグとリヴィアンがいた。顔を怒りと羞恥に染めて佇む姿は性欲をそそられるというかなんというか…。じゃなくて!これ、罠だよな。
なんせ、マグとリヴィアンの周りにはオーガやゴブリンが1匹だっていない。ふむ。…ムカつくな。俺の女に手を出すとは。余りにも腹がたったのでそのままリヴィアンとマグを助けに行く。
二人とも俺を見て安堵のため息をつく。
「ご、ごめんなさい」
「すみません。とんだ迷惑を」
しゅんとするリヴィアンとマグ。俺は笑う。
「ああ、大丈夫だ。俺こそ早く助けに来れなくて悪かったな」
ほんわか雰囲気が殺気のこもった魔力で台無しになる。俺の後ろに現れたのは2体のオーガ。片方は左頬に、もう片方は右頬に傷跡がある。
『おい兄貴。コイツが女王が言っていた』
『そうらしい。だが、なんともひ弱そうだ』
ゲラゲラと下品に笑う2体。だが、俺は笑い返して言ってやる。
「お前らの一番下の弟か?向こうでおねんねしてるぜ」
コイツら兄弟だったのか。そっくりってレベルじゃないよなこれ。遺伝子をそのまま二つに割ったような感じがするよ。
「当たり前ですよ。ゴブリンなどモンスターは細胞分裂で増えるので」
微生物!?アメーバもびっくりだな。
『ほう、なかなかやるではないか』
『だがあいつは我々の中では最弱。その程度で喜ぶなど笑止!』
うっわ、ファンタジーあるあるだ!すげー、本場もん聞けたよ。
「あっそういうのいいんで」
言うが早いか俺は一体目に先攻を仕掛ける。突然の不意討ちに右頬に傷跡のあるオーガは反応が遅れる。その隙をつき、まず、足を払う。
『グッ、小癪な!』
二体目のオーガが俺を棍棒で殴ろうとするが、
「物理抵抗」
べキッと棍棒が盛大な音を立てて折れる。マナが物理攻撃を防いたのだ。
普通マナは魔法原子と呼ばれるもので物理的に触れることは出来ない。が、魔法を物理に置き換えることは出来るのではないかと密かに練習していたのだ。その功が実ったのか見事成功に至る。
「裂傷魔法」
その詠唱とともに左頬に傷跡があるオーガの体中から裂傷し血が噴き出す。
これは大量のマナを圧縮させ刃物状にして切った瞬間圧縮が解けるというもの。それを無数に飛ばすことによって、今のオーガのような状態になる。
「呪文ってのは力を抑えるためにあるんだとよ。けど短ければ短いほど力の抑制が難しくなり自身をも傷つけてしまうことがある。それを防ぐために人間、悪魔、モンスターは本能的に詠唱しているんだ。けど今の俺にはそんなもの無意味だ」
地面に大の字で左頬に傷跡のあるオーガは倒れる。その様子を見ていた残り一体は後ずさる。
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俺は怒りに任せて暴れた。飛びかかってくるゴブリンを焼いて切り裂き溶かした。そして小一時間、俺の周りには大量の死骸が転がっており、残るはオーガ一体だけ。
「さて、最後に質問だ。雇い主は誰だ?」
余程俺の威圧する笑顔が恐ろしかったのか、泡を吹いて気絶してしまった。仕方なく俺はリヴィアンとマグの元へ小走りで行く。
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するとリヴィアンが両頬を両手で抑え、小さめな声で俺に問う。
「私のためにあんなに怒ってくれたんだよね?…私、嬉しい」
それを聞いたマグがリヴィアンを押し退けて俺に問う。
「それは違いますよリヴィ。トリストは私のために怒ってくれたのです」
そこからはもう大変だった。
「この生クリーム女!」
「な、何ですってぇ!でも?私の方がその全くないまな板よりでてるからね」
と、団栗の背比べのようなやり取りを続けていたのだ。
○ ○ ○
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