女子に追いかけられて死んで転生した:ヌルゲーで異世界生活:

涼雪 涼

文字の大きさ
28 / 118
信仰都市ギャンヴェル編

28 裸体の女性

しおりを挟む
 いない。あのお馬鹿二人組がいない。もう勘弁して…。

「なかなか出てきませんね」

「申し訳ないです…」

 ネックレスを渡し、さぁいざ行かん!と辺りを見回しマグとリヴィアンを探したところ、いなくなっていました。はい、そうですよね。僕のせいですよね。もうやんなっちゃうね!

 その後、フェイに相談して探すことになりましたとさ。めでたくねぇ。

「もう一層の事放っておけば」

「うんもうちょっと探そっか!」

 むーと唇をとんがらせるフェイ。ここではフェイって呼んでるけど、実際呼んでいいものなのか分からないよな。

「なぁ、フェイ」

「は?」

 思いのほかフェイの反応が面白かった。可愛らしい口をぽかんと開けている。ちょっと間の抜けた感じ。いじらしい!

「い、いま私を呼んだんですか?」

「え、お、おう。何か、嫌だった?長いからちょっと短くしようと思ったんだけど」

「いえ!とんでもないです!わ、私も貴方を名前で呼んでもよろしいでしょうか」

 勿論!もう死ぬ程呼んで!俺を萌え殺して!ところで萌え殺すって怖いよな。萌えーっ!とかいって悶絶して苦しむんだぜ?ある種の兵器として扱っても問題ないな。可愛いは正義。

「呼んでくれ!是非ともお願いしますっ!」

 頭まで下げてしまったよ。もう、フェイが可愛すぎるから。

「で、では。トリ」

「いやー迷っちゃったー(棒)」

「迷いましたねぇー(棒)」

 わざとらしく人混みから出てくるマグとリヴィアン。この2人仲いいな。

 そして当の本人達はしらっと馬車の後ろへ乗っていた。そこには板挟みのようにされているフェイの姿が見えた。

「おい、お前ら二人でどこいってた?」

「ちょっとねー」

「ええ、トリストには全く関係の無いことです」

 頑として話そうとしない。なんだ?やましいことでもあるのか?

「心配したんだからな」
 
 全く、心配させんじゃねぇよ。可愛いから許されるわけではないんだからねっ!今回は許すけど!

「さぁ、ベルフェゴールの城に行くぞ」

 ここでようやく、話が進んだな。



   ○   ○   ○



 ものの数十分もしないうちに城に着く。隣は教会だ。宗教の人間は金への執着が強いって聞くがほんとかね?教えて!ギ○ル子ちゃん!

 と言ってもここにギ○ル子ちゃんがいるはずもなくというかリアルにもいなかったな。結局はマグが答える。

「その認識で間違いはありませんね。ここの宗教はいわゆる仏教に近いもので、地獄の沙汰もガルド次第なんてこともそっくりですね」

 日本の宗教のパクr…ゲフンゲフン。リスペクト的なやつか。そんなことをぼぉっと考えていると、城の門の前に立っている憲兵に止められる。

「用はなんだ?」

「ベルフェゴール様への挨拶に」

 フェイ(いつの間にか鎧と兜を装着していた)が憲兵に伝える。

「ふんっ、監視兵か。まぁいいだろう。ただし、武器などはここにおいて行け」

 無愛想な憲兵だなあと思いつつ、リヴィアン達に目で合図する。

 その視線を受け取ってか、リヴィアンが刀を渡す。フェイも護衛用の細剣レイピアを憲兵に渡す。

「よし、全員渡したな。さっさと挨拶して出てこいよ」

 最後の最後まで態度悪いな。愚痴りつつ、門をくぐった。そこで待っていたのは、メイドさんいわゆる侍女だった。

「ルシファー様からお伺いしております。こちらへ」

 恭しく頭を下げカツカツと歩いていく。綺麗なフワフワとした栗毛色の長い髪。十九世紀に使われていたメイド服。メイド服の始まりは修道院のシスターたちが作業の為、修道服の上からエプロンを来たことから始まったとされる。メイド服を見ればメイドたちの階級が分かるんだとか。

 俺に階級を見分ける知識はなくただ本物のメイドさんに感嘆のため息をついていた。ハラショー…。

 城の中はなかなか小奇麗で、石畳の上に赤い絨毯を敷いたり、壁には肖像画や背景画などの絵を飾っている。上を見上げると小さなランタンに似たものがぶら下がっている。よくよく見るとガラスの中に蝋燭を入れているではないか。これはガラスの光の反射を利用したもので、小さな蝋燭の火でも光の反射でより明るくなるのだ。

「ここって結構文明が発展してるのな」
 
 その独り言をリヴィアンが笑って答える。

「そうね。かなり進んではいるわ。でも、いつまで経っても神頼みじゃこれ以上の発展は出来ないって他の国からは言われてるの」

「確かにそうですけど、我が国は神は信仰するだけの価値があるから信仰しているのです」

 フェイも劣らずギャンヴェルのいい所を話し出す。

「ギャンヴェルは確かに神頼みの傾向が拭い去れません。しかし、この国の神はモリガンと呼ばれる神様なの。モリガンに愛され交わったものはモリガンの祝福ギフトが与えられるとされてるの」

 う、モリガン。俺が最も嫌いな神様だ。非常に好戦的で主に烏の姿で戦場に現れる。他にも、鎧と灰色のマントを羽織真っ赤なドレスで現れ、2頭の真っ赤な馬に乗っているだの。ともかくおぞましいのだ。美しい姿もあるがそれ故に恐ろしい。

 と、メイドさんが立ち止まる。不味いこと言ったのかな?なんて不安に駆られたが、目の前に大きな扉があった。

「この向こうにベルフェゴール様が鎮座しております。ごゆっくりどうぞ」

 またも恭しく頭を下げ、言ってしまった。俺達四人は顔を見合わせ、頷く。

 大きな扉の前に立ち、深呼吸をする。そして、大きな扉を押す。ぎぃぃと軋む音とともに扉が開ける。

 部屋の中は見渡す限り、

「枕ぁ!?」

 枕の山々。その枕の間から、肌白い美しく湾曲したお尻。そこから伸びるいかにも弾力性のある太もも。上半身は見えないがどう見ても分かるように、裸体の女性が寝ていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

処理中です...