9 / 21
訪ね歩くは静かなる水
この世界の危険
しおりを挟む
村を出て数時間、休憩を挟みながら水の街へ向かう。
少しの間草原地帯を歩いたが、そのどこにでもあの花…「晴花」が咲いている。
「…これ全部、人間だったのか」
「うん。今のところの予想はそうなるね」
「こわい…」
『大丈夫よマホ。貴方は魔法使いだし、この花はもう動きもしないわ』
「う、うん」
一見すれば、ただ開けた草原に大量の桃色の花が咲き乱れている美しい花畑だ。
これが、人間でなければどれほどに良かっただろうか。
やはり、空は晴天だった。
「そういえば、クラウド卿とスウェネから手紙帰ってきてたよね?よかった、クラウド卿も無事だったんだね」
「ああそうだな。読むか」
セイカは、持っていたクラウド卿の手紙を開いた。
手紙は高級そうな封筒と、丁寧な封蝋をしてある。まさに、クラウド卿のやりそうな返し方だった。
封蝋を割り封筒を開けると、達筆な文が綴ってある便箋が出てきた。
「読み上げるぞ。『久しいなセイカ。お前は無事だと思っていた。何せ家から出ぬ。しばらくお前と連絡を取れずに済まなかった。この晴れ模様だ、1万を超えた老人にはちとキツくてな。なに死ぬことは無い。ようやっと身体を起こしたのだ。ところでセイカよ、この事態についてもう既に調べはついているのだろうが、空について少し話そう。察しの通り、私の雲を操る魔法だが、花の群生地の空は雲が運べぬ。なんとも不思議なことに跳ね返されてしまうのだ。だが、そこ以外の天候は操ることが出来る。…とは言え、もう私の支配下にある地域はほとんどないと言って過言ではない。あるとすれば、お前が生まれた泉周辺じゃ。このとおりの事態じゃ、私は暫し長い休暇を取ろうと思う。来るならいつでも来るがいい、待っているぞ』」
「よかった、無事だね…でもやっぱり、もうほとんど手が出せないみたいだね」
「くらうどじぃじ、ぐあいわるかったの…?」
「く…クラウドじぃじ…ハハッ、いいなそれ」
『マホ、クラウドのことをみんなはクラウド卿と呼んでいるのよ。まぁ確かにおじいちゃんだけれども』
「きょう?」
『貴族様の事よ。プラチナ魔法使いで、その上貴族なの。だからクラウド卿よ』
「わかったー!!」
「でもちょっと呼んでみようよセイカ」
「クラウド…ンフッ…クラウドじぃじ…ハハハッ」
「笑い抑えられない時のセイカ初めて見たかもしれない」
笑いながらクラウドの手紙を丁寧に仕舞うと、次にスウェネからの手紙を開いた。
手紙は赤い封筒で、金の装飾がほどこされている。
中を開くと、丸い文字が特徴的な文の便箋だった。
「この字は確実にスウェネだな」
「ほんとだ、じゃあモノマネしながら僕が読み上げてあげるよ」
ビオンが咳払いをし、喉の調節をする。
出た声は、高く女のような音域の声だった。そして特徴的な語尾の喋り方で読み上げ始めた。
「『せぇ~いかぁ~!すうぇねだよぅぅ!あのねぇいまねぇ!ひとりでさみしぃのぉぅ!うゆ~~!はやくあそびにきてよぅぅ~!!うゆぅ~!!』」
「しぬ!しぬ笑い死ぬ!!」
『元気ねあなた達。2000歳だものね』
『スウェネちゃんいじめるのやめなよ』
『でも似ています。…ちょっと誇張かもしれませんが』
「ビオン様が…へんな喋り方してる…!?」
『これはね、スウェネのマネなのよマホ。本当に、なんか…あの…本当にこれなの』
遂に耐えられなくなって蹲りながら浮いて移動するセイカ。
息ができないほど笑いながら手紙を読み終えると、ビオンは息を切らしながら手紙を仕舞った。
「こんなに笑ったらお腹すいちゃったよ、ご飯にしよっか」
「ははっ…フゥ…そうだな…もう昼だしな」
「ご飯なーにー!?」
「今日のお昼は、月卵トーストだよ」
「やったああ!!」
一行は、草原の開けた場所に腰掛け昼食の準備をする。
ビオンが料理をしている間、セイカは地図を広げルートの確認、マホは妖精たちと遊んでいた。
少しの間だけ、マホから目を離していた。妖精たちが見ているからと。
ふと、セイカが気になってビオンに話しかけにふりかえった時だった。
マホの背後に、とてつもなく大きな『魔獣』が居た。
誰も気付かなかったのだろう。全員が、恐怖に満ちた表情に変わる。
マホの悲鳴が聞こえる。
「マホ!!!」
セイカが駆けつけ、魔獣に杖を振る。
この所、魔獣に会わなかったからこそ油断していた。そもそも、何故魔法使いが街を治める必要がある?
それはこいつのせいだった。魔獣は、魔法使いでなければ倒せないからだ。
守るから、ここに住み経済を回せ。そういう事だ。
「ホーリーヘイト!!」
呪文を唱え杖を振ると、魔獣の頭上と足元に金色の魔法陣が出現し、金色の光となって魔獣を包む。
強い聖属性の魔法は、魔獣を否応なしに消し去った。
「ぁ、あぶねぇ…。あっ、マホ!怪我はないか?」
「う、ぅん…せいかさまぁぁ…」
「あぁあ…えと、ああー、…こ、怖かったな」
余程怖かったのか、マホは泣き出してしまった。
子供と女の泣き顔には免疫がないセイカは、とりあえずマホを撫でて落ち着かせる。
「けど、今聞きたかったことは分かっちまったな…。そうか、魔獣も生きてんだな」
「そうみたいだね…とは言え、前より姿を見ないのはどうして…?っていうかセイカ!?いつの間に聖属性魔法なんか使えるようなったの!?僕ですらホーリーヘイトは苦手なのに!」
「え?あぁいや…俺もそんなに得意じゃねぇが…魔獣には1発だろ?つーか、ホーリーヘイトなんか簡単だろ」
「なーーに言ってんの!?この天才!魔法バカ!紙一重!!」
「悪口か?これ」
『八割褒めてると思うわ』
『ホーリーヘイトの原理ってなに?』
「聖属性の力の元は女神だろ。女神は魔獣が嫌い、イコール聖属性魔法で女神が拒絶してる魔獣を要は駄々みたいな感じに消し去ってるだけ」
『え?そうなの?じゃあヤダーー!!魔獣きらーーい!!やだやだやだ消えちゃえー!!!ってこと?』
「そう。2歳児みたいで面白いだろ。俺は好きだぜホーリーヘイト」
「誰から聞いたんだそんなこと…初めて聞いたよ…」
「ちいせぇ頃にアンジュの女神が目の前でやってた。今セラが言ったのと同じ感じで。キャー、魔獣キモイ、こっち来ないでバカーって」
「わお…」
そんな話をしていると、腕の中で泣いていたマホが徐々にキラキラした顔をセイカに向けた。
「な、なんだ、どうしたマホ」
「セイカ様…すごぉぉい!マホも!マホも戦えるの!?」
「え?あぁまぁ…あでもまだ早いぞ、えっとな…攻撃魔法は15過ぎてからじゃないと…」
『そうよマホ、今使うと、マホの体が耐えられないわ。攻撃魔法はかなり魔力が必要なの』
「そっかあ…」
分かりやすく落ち込むマホを見て、こればかりはどうしようもないと頭を撫でた。
しばらくすると、昼食が出来たようだった。香ばしい小麦の香りと、バターの香りが混ざり合い食欲をそそる。
魔獣に襲われはしたが、一行は何事も無かったかのように昼食をとった。
「んぁ、セイカ、お肉欲しいからさ、今度魔獣…そうだなぁ…インフェルノブル辺り見つけたら消さないで倒そうよ」
「ん?あぁ。アイツうめーもんな」
『あなた達…いやまぁプラチナだけれども…』
『リリィさん、もうこの人達ズレてるから慣れた方がいいよ。そらインフェルノブルなんて高級肉ポンポンとれたら牛なんか育てないから』
『そ、そうよね…。インフェルノブルって…かなりランク高いのに…』
「まあ、通貨の概念がもうねぇに等しいからなぁ…とは言え、魔法使い間では入用の時もあるだろうから、レア魔獣は売りたいな」
リリィがドン引きする中、美味しい昼食を平らげ少し腹休めをする。
あと半日歩けば、水の街に着くだろうとビオンが言うと、一行はやる気を出しまた歩き出すのだった。
少しの間草原地帯を歩いたが、そのどこにでもあの花…「晴花」が咲いている。
「…これ全部、人間だったのか」
「うん。今のところの予想はそうなるね」
「こわい…」
『大丈夫よマホ。貴方は魔法使いだし、この花はもう動きもしないわ』
「う、うん」
一見すれば、ただ開けた草原に大量の桃色の花が咲き乱れている美しい花畑だ。
これが、人間でなければどれほどに良かっただろうか。
やはり、空は晴天だった。
「そういえば、クラウド卿とスウェネから手紙帰ってきてたよね?よかった、クラウド卿も無事だったんだね」
「ああそうだな。読むか」
セイカは、持っていたクラウド卿の手紙を開いた。
手紙は高級そうな封筒と、丁寧な封蝋をしてある。まさに、クラウド卿のやりそうな返し方だった。
封蝋を割り封筒を開けると、達筆な文が綴ってある便箋が出てきた。
「読み上げるぞ。『久しいなセイカ。お前は無事だと思っていた。何せ家から出ぬ。しばらくお前と連絡を取れずに済まなかった。この晴れ模様だ、1万を超えた老人にはちとキツくてな。なに死ぬことは無い。ようやっと身体を起こしたのだ。ところでセイカよ、この事態についてもう既に調べはついているのだろうが、空について少し話そう。察しの通り、私の雲を操る魔法だが、花の群生地の空は雲が運べぬ。なんとも不思議なことに跳ね返されてしまうのだ。だが、そこ以外の天候は操ることが出来る。…とは言え、もう私の支配下にある地域はほとんどないと言って過言ではない。あるとすれば、お前が生まれた泉周辺じゃ。このとおりの事態じゃ、私は暫し長い休暇を取ろうと思う。来るならいつでも来るがいい、待っているぞ』」
「よかった、無事だね…でもやっぱり、もうほとんど手が出せないみたいだね」
「くらうどじぃじ、ぐあいわるかったの…?」
「く…クラウドじぃじ…ハハッ、いいなそれ」
『マホ、クラウドのことをみんなはクラウド卿と呼んでいるのよ。まぁ確かにおじいちゃんだけれども』
「きょう?」
『貴族様の事よ。プラチナ魔法使いで、その上貴族なの。だからクラウド卿よ』
「わかったー!!」
「でもちょっと呼んでみようよセイカ」
「クラウド…ンフッ…クラウドじぃじ…ハハハッ」
「笑い抑えられない時のセイカ初めて見たかもしれない」
笑いながらクラウドの手紙を丁寧に仕舞うと、次にスウェネからの手紙を開いた。
手紙は赤い封筒で、金の装飾がほどこされている。
中を開くと、丸い文字が特徴的な文の便箋だった。
「この字は確実にスウェネだな」
「ほんとだ、じゃあモノマネしながら僕が読み上げてあげるよ」
ビオンが咳払いをし、喉の調節をする。
出た声は、高く女のような音域の声だった。そして特徴的な語尾の喋り方で読み上げ始めた。
「『せぇ~いかぁ~!すうぇねだよぅぅ!あのねぇいまねぇ!ひとりでさみしぃのぉぅ!うゆ~~!はやくあそびにきてよぅぅ~!!うゆぅ~!!』」
「しぬ!しぬ笑い死ぬ!!」
『元気ねあなた達。2000歳だものね』
『スウェネちゃんいじめるのやめなよ』
『でも似ています。…ちょっと誇張かもしれませんが』
「ビオン様が…へんな喋り方してる…!?」
『これはね、スウェネのマネなのよマホ。本当に、なんか…あの…本当にこれなの』
遂に耐えられなくなって蹲りながら浮いて移動するセイカ。
息ができないほど笑いながら手紙を読み終えると、ビオンは息を切らしながら手紙を仕舞った。
「こんなに笑ったらお腹すいちゃったよ、ご飯にしよっか」
「ははっ…フゥ…そうだな…もう昼だしな」
「ご飯なーにー!?」
「今日のお昼は、月卵トーストだよ」
「やったああ!!」
一行は、草原の開けた場所に腰掛け昼食の準備をする。
ビオンが料理をしている間、セイカは地図を広げルートの確認、マホは妖精たちと遊んでいた。
少しの間だけ、マホから目を離していた。妖精たちが見ているからと。
ふと、セイカが気になってビオンに話しかけにふりかえった時だった。
マホの背後に、とてつもなく大きな『魔獣』が居た。
誰も気付かなかったのだろう。全員が、恐怖に満ちた表情に変わる。
マホの悲鳴が聞こえる。
「マホ!!!」
セイカが駆けつけ、魔獣に杖を振る。
この所、魔獣に会わなかったからこそ油断していた。そもそも、何故魔法使いが街を治める必要がある?
それはこいつのせいだった。魔獣は、魔法使いでなければ倒せないからだ。
守るから、ここに住み経済を回せ。そういう事だ。
「ホーリーヘイト!!」
呪文を唱え杖を振ると、魔獣の頭上と足元に金色の魔法陣が出現し、金色の光となって魔獣を包む。
強い聖属性の魔法は、魔獣を否応なしに消し去った。
「ぁ、あぶねぇ…。あっ、マホ!怪我はないか?」
「う、ぅん…せいかさまぁぁ…」
「あぁあ…えと、ああー、…こ、怖かったな」
余程怖かったのか、マホは泣き出してしまった。
子供と女の泣き顔には免疫がないセイカは、とりあえずマホを撫でて落ち着かせる。
「けど、今聞きたかったことは分かっちまったな…。そうか、魔獣も生きてんだな」
「そうみたいだね…とは言え、前より姿を見ないのはどうして…?っていうかセイカ!?いつの間に聖属性魔法なんか使えるようなったの!?僕ですらホーリーヘイトは苦手なのに!」
「え?あぁいや…俺もそんなに得意じゃねぇが…魔獣には1発だろ?つーか、ホーリーヘイトなんか簡単だろ」
「なーーに言ってんの!?この天才!魔法バカ!紙一重!!」
「悪口か?これ」
『八割褒めてると思うわ』
『ホーリーヘイトの原理ってなに?』
「聖属性の力の元は女神だろ。女神は魔獣が嫌い、イコール聖属性魔法で女神が拒絶してる魔獣を要は駄々みたいな感じに消し去ってるだけ」
『え?そうなの?じゃあヤダーー!!魔獣きらーーい!!やだやだやだ消えちゃえー!!!ってこと?』
「そう。2歳児みたいで面白いだろ。俺は好きだぜホーリーヘイト」
「誰から聞いたんだそんなこと…初めて聞いたよ…」
「ちいせぇ頃にアンジュの女神が目の前でやってた。今セラが言ったのと同じ感じで。キャー、魔獣キモイ、こっち来ないでバカーって」
「わお…」
そんな話をしていると、腕の中で泣いていたマホが徐々にキラキラした顔をセイカに向けた。
「な、なんだ、どうしたマホ」
「セイカ様…すごぉぉい!マホも!マホも戦えるの!?」
「え?あぁまぁ…あでもまだ早いぞ、えっとな…攻撃魔法は15過ぎてからじゃないと…」
『そうよマホ、今使うと、マホの体が耐えられないわ。攻撃魔法はかなり魔力が必要なの』
「そっかあ…」
分かりやすく落ち込むマホを見て、こればかりはどうしようもないと頭を撫でた。
しばらくすると、昼食が出来たようだった。香ばしい小麦の香りと、バターの香りが混ざり合い食欲をそそる。
魔獣に襲われはしたが、一行は何事も無かったかのように昼食をとった。
「んぁ、セイカ、お肉欲しいからさ、今度魔獣…そうだなぁ…インフェルノブル辺り見つけたら消さないで倒そうよ」
「ん?あぁ。アイツうめーもんな」
『あなた達…いやまぁプラチナだけれども…』
『リリィさん、もうこの人達ズレてるから慣れた方がいいよ。そらインフェルノブルなんて高級肉ポンポンとれたら牛なんか育てないから』
『そ、そうよね…。インフェルノブルって…かなりランク高いのに…』
「まあ、通貨の概念がもうねぇに等しいからなぁ…とは言え、魔法使い間では入用の時もあるだろうから、レア魔獣は売りたいな」
リリィがドン引きする中、美味しい昼食を平らげ少し腹休めをする。
あと半日歩けば、水の街に着くだろうとビオンが言うと、一行はやる気を出しまた歩き出すのだった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる