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訪ね歩くは星降る夜
星降る街
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翌朝、セイカは先日書き留めた修行項目をマホに見せた。
「これからやる修行だ。よく目を通しておけよ」
「はぁーい!!!えっと………せいかさまぁ、これなんて読むのお?」
「あぁ……お前まだそんなに字は読めなかったな。じゃ、まずは字も覚えような」
「うん!!」
すっかりこの光景は見慣れたビオンの隣で、リジェネが朝のコーヒーを飲みながら2人をガン見していた。余程信じられない光景なのだろう。
「ビオン……これがセイカか?」
「そうだよー。いやまぁ、ボクも正直やっと慣れてきたところだよ」
『夢でも見てるみたいで倒れそうだよ』
「ははっ、セラが慣れないでどうするのさ」
『だってぇ~!!』
「なぁビオン、お前製本の魔法得意だよな」
「え?あ、うん」
突然、ビオンに話し掛けたかと思えば急に製本を要求する。
どうやら、マホに字を教えるためのようだ。
そしてついでに、次の町の資料も出してくれと要求した。
次に行く星の街には、夜空に関する街と言うだけあって多くの伝承やおとぎ話が有る。
それをマホに読み聞かせ、字の練習にするのだと言う。
「セイカも先生らしくなってきたじゃん」
「うるせぇ」
「これ、なんてよむのー?」
「あ?あぁ、それは星降る夜って読むんだ。書けそうか?」
「うんとねー、えっとねー、…………ううう!難しい」
「ほら、こうだ」
セイカは、マホの後ろから被さるようにペンを持った手を包み、一緒に動かしてみせる。
その光景は、親子か兄妹のようだった。
「ねーせいかさまぁ!星降る夜、よんでよんでー!」
「はぁ~?おれこういう何……読むのとか苦手なんだよ……ビオンかリリィらへん得意だろ」
「やぁだあ!セイカさまがいい」
「ぁ~~~もうしょうがねぇな」
セイカはマホの強い要求に負け、本を手に取った。
セイカの低すぎず高すぎない声は、読み聞かせをするのには最適な声と言えた。
だが、なにせ棒読みなのだった。
「えーっと……。星降る夜。ある日、1人の男の子が、お星様を捕まえました。流れ星を友達にした男の子は、流れ星が願いを叶えてくれると言うので叶えてもらおうと思いました。ですが、願いは思い浮かびません。お母さんも、お父さんも、美味しいご飯も、ずっと食べたいようなお菓子も、綺麗なおうちも、お世話をしてくれる人だって居ました」
「お金持ちなんだねー!」
「そうみたいだな。……男の子には、ちゃんとお友達も居ました。だから、欲しいものがありませんでした。でも、せっかくだから何か叶えて欲しいよと星に言うと、じゃあ、願いが思い浮かぶまでは一緒にいようよ、と星は言いました」
そして、物語は続く。
星がそう言うと、男の子は喜んでと笑いました。
男の子は、魔法が使えました。
お父さんも、お母さんも魔法使いなので、当然でした。
星を捕まえたんだとお父さんに言うと、お父さんは頭を撫でてくれました。
お母さんも、良かったわねと言ってくれました。
お父さんには弟子がいました。その弟子の子に、星を捕まえたんだと自慢しました。
そうしたら、その弟子はそっけない顔であっそー。よかったな と言いました。本当に素っ気なかったのです。
「……なんかセイカさまみたいな男の子なんだね、弟子」
「………………ノーコメント。…ンンッ!で、えーと…。素っ気ない弟子でも、男の子にとっては大切なお友達でした…。2人で一緒に修行もしました。毎日が楽しかったのです。ある日、その弟子が言いました。「すげー綺麗な花って、見てみたくないか?どんな薬が作れるのか、どんだけ人を夢中にできるのか、俺は気になるんだ」。男の子は、友達の願いを聞いて自分も見てみたいと思いました。そしてその夜、男の子は星にその話をしました」
星は、「それなら、僕がいつかそれを見せてあげるよ」と言いました。
星は、次の日から男の子の前に現れませんでした。それが願いとして受け取られたのです。
男の子はたいそう寂しがりましたが、弟子と一緒に修行し、成長していくとそんなことも忘れてしまうのでした。
その花は、まだ見ることは叶っていません。いつかその日が来た時は
「…弟子と一緒に、その花で、冠を…」
「セイカ?」
「…………。…なんでもない。じゃあ、…この絵本読めるようになったら、美味いお菓子の作り方教えてやるから…頑張れ」
「え?わ、わかりましたぁ!…?セイカさまー?どこ行くのー?」
「トイレ」
セイカは足早に部屋を出ると、そのまま外に出る。
セラは異変を察し、主人を追い掛ける。
ジリジリと照りつける陽光、街の至るところにある、大輪の美しい花。
吹き抜ける風、街を流れる水の音。誰もいない、虚空の街。
その静けさの中に、膝から崩れ落ちる音だけが動としてあった。
『ご主人…?』
「……ぜんぶ、…おれの、せい…?」
『えっ?』
「なぁセラ俺…俺…!」
今までに見たことの無い顔でセラに縋るような声を出すセイカ。
すると、そこに聞きなれない足音がした。
「わはいの。ろうした」
「え……。…えっと」
「…ふん、セイカは君か」
「え、あ、はい…。なんすか」
「ワシはりしぇねのししょうら。きいへないか」
「…………?…あ、…リジェネの師匠?で合ってるのかこれセラ…!」
『ちょっとこっちに聞かないでよ…!』
「ききほれんへもよい。ワシは、おまえのせいれはないほ、いいにきららけら」
「ッッ…聞き、取れなくても、いい…??…えっと…お前のせいじゃないと、…言いに来た…か…?」
「そうじゃ」
「…いや、あれを言ったのは紛れもなく俺なんだ。覚えてる。…サンと、約束したんだ、その花で冠作れたら、きっと綺麗だからって。……まさか、その花ってさ…」
「……こればかひは、ひぇいぇきん。が、おまえのせいれはない。すべへ、運命はきまっへいら」
「否定できん、か…。…俺が言わなくても、こうなってたってことなのか?」
「あぁ、そうじゃ」
その言葉に、まだ少しモヤモヤしているものの表情は戻ったように見えた。
老師は、それだけを言うと階段を降りて行った。
「…もどるか、あちぃし」
『そ、そうだね』
セイカは、また屋敷の中に戻り全員がいる部屋に入る。
マホは、言いつけ通り絵本の内容の書き取りと読み取りをしていた。それを、ビオンが見守っている。
セイカが戻ってきたことに気付くと、ビオンは優しい顔をした。
「セイカ、マホちゃん本当にすごいよね。もう半分は読めるよ」
「そ、うか…。えらいな、マホ」
「ほんと!?まほ、えらい!?」
「あぁ、偉い。…明日、サンの街に向かおうか」
「そうか、もう行くのか」
コーヒーを飲んでいたリジェネが、少し寂しげに言う。
「なんだ?寂しいのか」
「そりゃあ、久しぶりの友人達だ。当たり前だろう」
「あー…。まぁ、また来る、前よりは頻繁に……多分」
「あぁ、そうしてくれ。待っている」
そう言うと、リジェネはまたコーヒーを飲み始める。
ビオンが、ソファに座り向かい合ったマホを見守りながら話す。
「セイカさ。ちょっと疲れてるんじゃない?…修行はまだ序盤の基礎でしょ、内容も書いてあるし……。少し休みなよ、ボクが代わりに見ておくからさ」
「別に、疲れてなんか……」
「いーや。だって、名前が同じ花が咲いてて、それが人間で、自分は救世主と言われて、弟子ができて、旅も続いてって。疲れない人がいるの?」
「……。……わかったよ、頼む。少し寝てくる」
「うん、おやすみ」
ビオンに押され、セイカは部屋に戻る。
リジェネの屋敷のゲスト用の部屋は、白い壁に白い天井、ふかふかのシングルベッドに水が流れるチロチロとした音が響いて、眠気を誘う。
先程起きたと言うのに、またすぐに眠りにつくのだった。
「これからやる修行だ。よく目を通しておけよ」
「はぁーい!!!えっと………せいかさまぁ、これなんて読むのお?」
「あぁ……お前まだそんなに字は読めなかったな。じゃ、まずは字も覚えような」
「うん!!」
すっかりこの光景は見慣れたビオンの隣で、リジェネが朝のコーヒーを飲みながら2人をガン見していた。余程信じられない光景なのだろう。
「ビオン……これがセイカか?」
「そうだよー。いやまぁ、ボクも正直やっと慣れてきたところだよ」
『夢でも見てるみたいで倒れそうだよ』
「ははっ、セラが慣れないでどうするのさ」
『だってぇ~!!』
「なぁビオン、お前製本の魔法得意だよな」
「え?あ、うん」
突然、ビオンに話し掛けたかと思えば急に製本を要求する。
どうやら、マホに字を教えるためのようだ。
そしてついでに、次の町の資料も出してくれと要求した。
次に行く星の街には、夜空に関する街と言うだけあって多くの伝承やおとぎ話が有る。
それをマホに読み聞かせ、字の練習にするのだと言う。
「セイカも先生らしくなってきたじゃん」
「うるせぇ」
「これ、なんてよむのー?」
「あ?あぁ、それは星降る夜って読むんだ。書けそうか?」
「うんとねー、えっとねー、…………ううう!難しい」
「ほら、こうだ」
セイカは、マホの後ろから被さるようにペンを持った手を包み、一緒に動かしてみせる。
その光景は、親子か兄妹のようだった。
「ねーせいかさまぁ!星降る夜、よんでよんでー!」
「はぁ~?おれこういう何……読むのとか苦手なんだよ……ビオンかリリィらへん得意だろ」
「やぁだあ!セイカさまがいい」
「ぁ~~~もうしょうがねぇな」
セイカはマホの強い要求に負け、本を手に取った。
セイカの低すぎず高すぎない声は、読み聞かせをするのには最適な声と言えた。
だが、なにせ棒読みなのだった。
「えーっと……。星降る夜。ある日、1人の男の子が、お星様を捕まえました。流れ星を友達にした男の子は、流れ星が願いを叶えてくれると言うので叶えてもらおうと思いました。ですが、願いは思い浮かびません。お母さんも、お父さんも、美味しいご飯も、ずっと食べたいようなお菓子も、綺麗なおうちも、お世話をしてくれる人だって居ました」
「お金持ちなんだねー!」
「そうみたいだな。……男の子には、ちゃんとお友達も居ました。だから、欲しいものがありませんでした。でも、せっかくだから何か叶えて欲しいよと星に言うと、じゃあ、願いが思い浮かぶまでは一緒にいようよ、と星は言いました」
そして、物語は続く。
星がそう言うと、男の子は喜んでと笑いました。
男の子は、魔法が使えました。
お父さんも、お母さんも魔法使いなので、当然でした。
星を捕まえたんだとお父さんに言うと、お父さんは頭を撫でてくれました。
お母さんも、良かったわねと言ってくれました。
お父さんには弟子がいました。その弟子の子に、星を捕まえたんだと自慢しました。
そうしたら、その弟子はそっけない顔であっそー。よかったな と言いました。本当に素っ気なかったのです。
「……なんかセイカさまみたいな男の子なんだね、弟子」
「………………ノーコメント。…ンンッ!で、えーと…。素っ気ない弟子でも、男の子にとっては大切なお友達でした…。2人で一緒に修行もしました。毎日が楽しかったのです。ある日、その弟子が言いました。「すげー綺麗な花って、見てみたくないか?どんな薬が作れるのか、どんだけ人を夢中にできるのか、俺は気になるんだ」。男の子は、友達の願いを聞いて自分も見てみたいと思いました。そしてその夜、男の子は星にその話をしました」
星は、「それなら、僕がいつかそれを見せてあげるよ」と言いました。
星は、次の日から男の子の前に現れませんでした。それが願いとして受け取られたのです。
男の子はたいそう寂しがりましたが、弟子と一緒に修行し、成長していくとそんなことも忘れてしまうのでした。
その花は、まだ見ることは叶っていません。いつかその日が来た時は
「…弟子と一緒に、その花で、冠を…」
「セイカ?」
「…………。…なんでもない。じゃあ、…この絵本読めるようになったら、美味いお菓子の作り方教えてやるから…頑張れ」
「え?わ、わかりましたぁ!…?セイカさまー?どこ行くのー?」
「トイレ」
セイカは足早に部屋を出ると、そのまま外に出る。
セラは異変を察し、主人を追い掛ける。
ジリジリと照りつける陽光、街の至るところにある、大輪の美しい花。
吹き抜ける風、街を流れる水の音。誰もいない、虚空の街。
その静けさの中に、膝から崩れ落ちる音だけが動としてあった。
『ご主人…?』
「……ぜんぶ、…おれの、せい…?」
『えっ?』
「なぁセラ俺…俺…!」
今までに見たことの無い顔でセラに縋るような声を出すセイカ。
すると、そこに聞きなれない足音がした。
「わはいの。ろうした」
「え……。…えっと」
「…ふん、セイカは君か」
「え、あ、はい…。なんすか」
「ワシはりしぇねのししょうら。きいへないか」
「…………?…あ、…リジェネの師匠?で合ってるのかこれセラ…!」
『ちょっとこっちに聞かないでよ…!』
「ききほれんへもよい。ワシは、おまえのせいれはないほ、いいにきららけら」
「ッッ…聞き、取れなくても、いい…??…えっと…お前のせいじゃないと、…言いに来た…か…?」
「そうじゃ」
「…いや、あれを言ったのは紛れもなく俺なんだ。覚えてる。…サンと、約束したんだ、その花で冠作れたら、きっと綺麗だからって。……まさか、その花ってさ…」
「……こればかひは、ひぇいぇきん。が、おまえのせいれはない。すべへ、運命はきまっへいら」
「否定できん、か…。…俺が言わなくても、こうなってたってことなのか?」
「あぁ、そうじゃ」
その言葉に、まだ少しモヤモヤしているものの表情は戻ったように見えた。
老師は、それだけを言うと階段を降りて行った。
「…もどるか、あちぃし」
『そ、そうだね』
セイカは、また屋敷の中に戻り全員がいる部屋に入る。
マホは、言いつけ通り絵本の内容の書き取りと読み取りをしていた。それを、ビオンが見守っている。
セイカが戻ってきたことに気付くと、ビオンは優しい顔をした。
「セイカ、マホちゃん本当にすごいよね。もう半分は読めるよ」
「そ、うか…。えらいな、マホ」
「ほんと!?まほ、えらい!?」
「あぁ、偉い。…明日、サンの街に向かおうか」
「そうか、もう行くのか」
コーヒーを飲んでいたリジェネが、少し寂しげに言う。
「なんだ?寂しいのか」
「そりゃあ、久しぶりの友人達だ。当たり前だろう」
「あー…。まぁ、また来る、前よりは頻繁に……多分」
「あぁ、そうしてくれ。待っている」
そう言うと、リジェネはまたコーヒーを飲み始める。
ビオンが、ソファに座り向かい合ったマホを見守りながら話す。
「セイカさ。ちょっと疲れてるんじゃない?…修行はまだ序盤の基礎でしょ、内容も書いてあるし……。少し休みなよ、ボクが代わりに見ておくからさ」
「別に、疲れてなんか……」
「いーや。だって、名前が同じ花が咲いてて、それが人間で、自分は救世主と言われて、弟子ができて、旅も続いてって。疲れない人がいるの?」
「……。……わかったよ、頼む。少し寝てくる」
「うん、おやすみ」
ビオンに押され、セイカは部屋に戻る。
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