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青い本と棺
神と百合と少女
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「蒼月さんは、私はここに入れないってだけ。でも、陽が差してるからですよね?」
「よく考えてみてよ。いくら晴れていたって、綺麗にこれだけの木がここを避けて陽を浴びせていて、尚且つその日は曇りだった。……陽が差してるのおかしいと思わない?」
確かに、この場所一角だけが陽に照らされていてキラキラと輝いている。
あの日は、蒼月が外で活動できるほど曇りだったはずだ、それなのに確かに陽が差していた。単にその時だけ晴れたんだと思っていたが、紅月は1日曇りで晴れ間なんてなかったと言っている。
また、百合の強い香りが鼻をくすぐる。
「なんで、ここだけこんな陽が差してるんです?もう吸血鬼がいる時点で不可解なことには慣れてますけど……」
「あはは、そっか、流石に霊能力が強くても、神様までは見えないよね」
紅月は陽が差しているギリギリまで歩みを進める。明るくなっている1歩手前でピタリと止まり、ニコリと微笑んだ。
「ここには、あのドッペルゲンガーは近づけないよ。気付いてもいないんじゃないかな?そのフラヴィアーナちゃんは呼ばれたんだろう、この神様に」
「かみさま……?」
「ここに近付けるのは、上位の人外と人間だけ。それも、優しい心の持ち主だけだよ。蒼月が気付いたのはフラヴィアーナちゃんの血の匂いだろうけど、ここは多分……ほかの人外じゃ、道ですらない」
蒼柊は、陽の中に歩みを進めた。すると、紅月は蒼柊を呼び止める。
「蒼柊、神様にご挨拶しなよ。この前はしなかったでしょ?」
「え、ど、どこにいるの?」
「蒼柊の右側、すぐ隣で微笑んでいらっしゃるよ。ほら、フラヴィアーナちゃんも」
今まで、恐怖で口を閉ざしていたフラヴィアーナの背中を優しく押して陽の中へ入れる。
百合畑の中は、それは暖かい陽で照らされていた。
「えっ、と……か、神様、初めまして、紅 蒼柊と申します……えっと……先日は、勝手にこの花畑に入りましたことお詫び申し上げます……」
「あ、エト……フラヴィアーナ・ラフォレーゼ……デス!エト……お花、バタケ……倒れてて、ゴメンなさい」
紅月は、隣に立つ2人に見えていない神が微笑んだことを伝えようと、口を開こうとした。
しかし、それは聞きなれない声に遮断された。
『よいのです。顔を上げなさい。私が、ここに呼んだのです。あの銀髪の吸血鬼と、そこの黒髪の吸血鬼の事もね』
「えっ……?」
「え……」
紅月は唖然とした。その声は神から発せられたものだった。
それは、自分のことを指していた事による驚きではなかった。
「い、今の……神様の声……?」
紅月が驚いたのは、神が声を発したことだった。そもそも、空気にぼんやりと顔のパーツが浮かび上がっている霧のような存在は、紅月の認識の中では喋らないものだった。
神は自分たちとは言葉を交わそうとはしない。どんなレベルの神であろうと、神である事に変わりはなく、言葉など交わすことすら叶わないという意味だ。
だがしかし、確実に今、自分や蒼柊に対して言葉を発した。
『あまり、言葉を交わすことは有りません。ですが、どうしても、どうしても伝えたいことが有るのです。この場所は天照にも愛される高貴な日差しが差し込む地。この場所にいながら、鳥や、生き物以外の者達が世界のことを教えてくれます。この先、同じように不可解なことが起こることでしょう。それはあなた達全員を取り巻き、巻き込みます』
「……」
3人は、息を飲んで神の声に耳を傾ける。予言、預言。これらはこうして起こるのだと。
そして、神は続ける。
『とにかく本を助けなさい。そして、始祖の吸血鬼を救い出しなさい。彼らは今、各々に危機が降り掛かっています。まずは地下洞窟の始祖。彼を助け、そして手助けを乞うのです。必ずや助けになってくれましょう。行き詰まったらまたここにおいでなさい、私は必ずここに居ます』
そして、言い終わると、神はお行きなさいと言って3人を紅月と蒼月の実家まで飛ばした。
花畑からは少し距離があるはずなのが、グンッと道が縮まったような、無くなってしまったような感覚になる。
いつの間にか、あの家が目の前にあった。
「神様に言われたこと……しなくちゃね」
「確か、洞窟の中の2人のお父さんを助けるのはそうなんだけど……蒼月さんは?まだ?」
「……アオト、コーゲツ、……ここ、イヤ。前より、イヤ!」
「フラヴィアーナちゃん?」
フラヴィアーナは、手を胸の前で組み祈るように震えた。
どうやら、中から異様な気配がするようだ。どうにもフラヴィアーナは敏感なようで、蒼柊にはさっぱりだった。
「紅月さん、僕って霊感強いとか言ってましたけど本当なんですか?なにも感じませんけど」
「いや、実際ここはめちゃくちゃに嫌だ。でも感じる嫌な空気それぞれは弱いものの集まりだ。だからだろうね」
「というと?」
「君は霊感も強いけど、生命力が桁違いなんだよ。何があろうと生き延びる、病気になろうとすぐ治る、怪我をしようとノーダメージ。そんな人間だからね。生命力が強い人間に、霊は寄り付きたがらない」
さぁ、と、紅月は先陣を切って扉を開けた。蒼柊はフラヴィアーナの手を握り後について行く。
以前開けたままだったため、本棚のあった場所から階段を直ぐに降りていくことが出来た。
降りきると、やはり前よりはどんよりと重たい空気だと蒼柊も感じる。
ジメジメと、松明の火が湿気で消えそうな程だ。あの儀式の間に近づくにつれ、蒼柊にもその「嫌な空気」というものが伝わってきた。
相変わらず、棺は掲げられ開いた様子はない。だが、棺の周りをいくつもの火の玉がゆらゆら回っていた。まるで、かごめかごめをする様に。
「……あれ、もしかして殺された人たちの魂ですか?」
「そうだね。今目に見えてるのは少ないけれど、見えていないものも含めると全員分がここにある。……剛力さんって人が居るかどうかは分からない、見分けは付かない……」
「どうしたらいいんです?これ」
「蒼月があのドッペルゲンガーを倒したら事は早く済む。……まだ手こずってるみたいだね、それともいたぶって遊んでるのかな。……多分後者だろうなあ」
「蒼月さんって、そんなに強いんですか?そうは見えないけど」
「私より強いさ。アイツは容赦情ってものがないんだ。それに見たでしょ?あの蒼月の怒った顔。般若みたいだ、あーこわいこわい」
「物凄く、本能的にちびりそうでした……。ていうことは、蒼月さんが終わるまではここで待機していたら良いんでしょうか?」
「だね。ほら、向こう側の部屋があるだろう?あの部屋から研究所の何処かに繋がってるんだ。来るならあっちからだと思うよ。棺はまだ開く気配はしない、でも時間の問題だろう。開きそうになったら何としてでも阻止するよ」
「わ、分かりました」
3人は、岩陰に身を潜め揺蕩う魂たちを見た。
蓋は開く気配がないが、夥しい数の魂に吐き気すら覚える。
耳を澄ましていると、向こう側の部屋からズルズルと何かを引きずるような音がした。それと同時に、ゆっくりと、地面を擦って歩くような草履の音も聞こえる。
「こ、紅月さん…!?なんか、なんか来ません!?」
「しっ!声が大きい…!……いや、これは…」
制止され、扉を凝視する。
すると、ゆっくりと、錆びた蝶番が音を立てて曲がる。
向こう側から来る何者かが、ゆっくりと姿を現していく。
それは…
「ぁっ、そ、蒼月さん!?なんだぁ、良かったあ…」
「ん?なんだお前たちか。ほれみろ、このドッペルゲンガー、吠えた割にはこの通りだ」
片手に、剛の姿と本来の鬼の姿を混ぜたような醜いボロボロのドッペルゲンガーを持っている蒼月だった。
まだ息はあるようで、ヒクヒクと痙攣している。
「ふむ…魂たちはここに囚われていたか。ふん、雑な仕事だ。紅月、この魂、どうしてやるか」
「研究所の死体は、久しぶりに帰省したら異臭がしたから通報したという前提で警察に任せよう。きっと警察も、こんな不可解なこと公にはしたくないはずだ。魂はこちらで送り届けよう。悪霊化したら面倒だからね」
「あ、あの!蒼月さん!」
「なんだ?」
「…その、剛力さんは …」
「……。じじいには素直に話すしかあるまい。ドッペルゲンガーは姿を模倣するだけ、死体は別に有るだろう。じじいに探させるのも酷だ、俺たちで探す」
「やっぱり、亡くなってたんですか?」
「コイツが数発殴ったら吐いた。だが、馬鹿なようでな、どこに捨てたか忘れたそうだ」
ヒクヒクと痙攣するドッペルゲンガーを持ち上げ、やれやれと言った顔をする。
すると、その瞬間。
棺がガタンッと動いた。
「よく考えてみてよ。いくら晴れていたって、綺麗にこれだけの木がここを避けて陽を浴びせていて、尚且つその日は曇りだった。……陽が差してるのおかしいと思わない?」
確かに、この場所一角だけが陽に照らされていてキラキラと輝いている。
あの日は、蒼月が外で活動できるほど曇りだったはずだ、それなのに確かに陽が差していた。単にその時だけ晴れたんだと思っていたが、紅月は1日曇りで晴れ間なんてなかったと言っている。
また、百合の強い香りが鼻をくすぐる。
「なんで、ここだけこんな陽が差してるんです?もう吸血鬼がいる時点で不可解なことには慣れてますけど……」
「あはは、そっか、流石に霊能力が強くても、神様までは見えないよね」
紅月は陽が差しているギリギリまで歩みを進める。明るくなっている1歩手前でピタリと止まり、ニコリと微笑んだ。
「ここには、あのドッペルゲンガーは近づけないよ。気付いてもいないんじゃないかな?そのフラヴィアーナちゃんは呼ばれたんだろう、この神様に」
「かみさま……?」
「ここに近付けるのは、上位の人外と人間だけ。それも、優しい心の持ち主だけだよ。蒼月が気付いたのはフラヴィアーナちゃんの血の匂いだろうけど、ここは多分……ほかの人外じゃ、道ですらない」
蒼柊は、陽の中に歩みを進めた。すると、紅月は蒼柊を呼び止める。
「蒼柊、神様にご挨拶しなよ。この前はしなかったでしょ?」
「え、ど、どこにいるの?」
「蒼柊の右側、すぐ隣で微笑んでいらっしゃるよ。ほら、フラヴィアーナちゃんも」
今まで、恐怖で口を閉ざしていたフラヴィアーナの背中を優しく押して陽の中へ入れる。
百合畑の中は、それは暖かい陽で照らされていた。
「えっ、と……か、神様、初めまして、紅 蒼柊と申します……えっと……先日は、勝手にこの花畑に入りましたことお詫び申し上げます……」
「あ、エト……フラヴィアーナ・ラフォレーゼ……デス!エト……お花、バタケ……倒れてて、ゴメンなさい」
紅月は、隣に立つ2人に見えていない神が微笑んだことを伝えようと、口を開こうとした。
しかし、それは聞きなれない声に遮断された。
『よいのです。顔を上げなさい。私が、ここに呼んだのです。あの銀髪の吸血鬼と、そこの黒髪の吸血鬼の事もね』
「えっ……?」
「え……」
紅月は唖然とした。その声は神から発せられたものだった。
それは、自分のことを指していた事による驚きではなかった。
「い、今の……神様の声……?」
紅月が驚いたのは、神が声を発したことだった。そもそも、空気にぼんやりと顔のパーツが浮かび上がっている霧のような存在は、紅月の認識の中では喋らないものだった。
神は自分たちとは言葉を交わそうとはしない。どんなレベルの神であろうと、神である事に変わりはなく、言葉など交わすことすら叶わないという意味だ。
だがしかし、確実に今、自分や蒼柊に対して言葉を発した。
『あまり、言葉を交わすことは有りません。ですが、どうしても、どうしても伝えたいことが有るのです。この場所は天照にも愛される高貴な日差しが差し込む地。この場所にいながら、鳥や、生き物以外の者達が世界のことを教えてくれます。この先、同じように不可解なことが起こることでしょう。それはあなた達全員を取り巻き、巻き込みます』
「……」
3人は、息を飲んで神の声に耳を傾ける。予言、預言。これらはこうして起こるのだと。
そして、神は続ける。
『とにかく本を助けなさい。そして、始祖の吸血鬼を救い出しなさい。彼らは今、各々に危機が降り掛かっています。まずは地下洞窟の始祖。彼を助け、そして手助けを乞うのです。必ずや助けになってくれましょう。行き詰まったらまたここにおいでなさい、私は必ずここに居ます』
そして、言い終わると、神はお行きなさいと言って3人を紅月と蒼月の実家まで飛ばした。
花畑からは少し距離があるはずなのが、グンッと道が縮まったような、無くなってしまったような感覚になる。
いつの間にか、あの家が目の前にあった。
「神様に言われたこと……しなくちゃね」
「確か、洞窟の中の2人のお父さんを助けるのはそうなんだけど……蒼月さんは?まだ?」
「……アオト、コーゲツ、……ここ、イヤ。前より、イヤ!」
「フラヴィアーナちゃん?」
フラヴィアーナは、手を胸の前で組み祈るように震えた。
どうやら、中から異様な気配がするようだ。どうにもフラヴィアーナは敏感なようで、蒼柊にはさっぱりだった。
「紅月さん、僕って霊感強いとか言ってましたけど本当なんですか?なにも感じませんけど」
「いや、実際ここはめちゃくちゃに嫌だ。でも感じる嫌な空気それぞれは弱いものの集まりだ。だからだろうね」
「というと?」
「君は霊感も強いけど、生命力が桁違いなんだよ。何があろうと生き延びる、病気になろうとすぐ治る、怪我をしようとノーダメージ。そんな人間だからね。生命力が強い人間に、霊は寄り付きたがらない」
さぁ、と、紅月は先陣を切って扉を開けた。蒼柊はフラヴィアーナの手を握り後について行く。
以前開けたままだったため、本棚のあった場所から階段を直ぐに降りていくことが出来た。
降りきると、やはり前よりはどんよりと重たい空気だと蒼柊も感じる。
ジメジメと、松明の火が湿気で消えそうな程だ。あの儀式の間に近づくにつれ、蒼柊にもその「嫌な空気」というものが伝わってきた。
相変わらず、棺は掲げられ開いた様子はない。だが、棺の周りをいくつもの火の玉がゆらゆら回っていた。まるで、かごめかごめをする様に。
「……あれ、もしかして殺された人たちの魂ですか?」
「そうだね。今目に見えてるのは少ないけれど、見えていないものも含めると全員分がここにある。……剛力さんって人が居るかどうかは分からない、見分けは付かない……」
「どうしたらいいんです?これ」
「蒼月があのドッペルゲンガーを倒したら事は早く済む。……まだ手こずってるみたいだね、それともいたぶって遊んでるのかな。……多分後者だろうなあ」
「蒼月さんって、そんなに強いんですか?そうは見えないけど」
「私より強いさ。アイツは容赦情ってものがないんだ。それに見たでしょ?あの蒼月の怒った顔。般若みたいだ、あーこわいこわい」
「物凄く、本能的にちびりそうでした……。ていうことは、蒼月さんが終わるまではここで待機していたら良いんでしょうか?」
「だね。ほら、向こう側の部屋があるだろう?あの部屋から研究所の何処かに繋がってるんだ。来るならあっちからだと思うよ。棺はまだ開く気配はしない、でも時間の問題だろう。開きそうになったら何としてでも阻止するよ」
「わ、分かりました」
3人は、岩陰に身を潜め揺蕩う魂たちを見た。
蓋は開く気配がないが、夥しい数の魂に吐き気すら覚える。
耳を澄ましていると、向こう側の部屋からズルズルと何かを引きずるような音がした。それと同時に、ゆっくりと、地面を擦って歩くような草履の音も聞こえる。
「こ、紅月さん…!?なんか、なんか来ません!?」
「しっ!声が大きい…!……いや、これは…」
制止され、扉を凝視する。
すると、ゆっくりと、錆びた蝶番が音を立てて曲がる。
向こう側から来る何者かが、ゆっくりと姿を現していく。
それは…
「ぁっ、そ、蒼月さん!?なんだぁ、良かったあ…」
「ん?なんだお前たちか。ほれみろ、このドッペルゲンガー、吠えた割にはこの通りだ」
片手に、剛の姿と本来の鬼の姿を混ぜたような醜いボロボロのドッペルゲンガーを持っている蒼月だった。
まだ息はあるようで、ヒクヒクと痙攣している。
「ふむ…魂たちはここに囚われていたか。ふん、雑な仕事だ。紅月、この魂、どうしてやるか」
「研究所の死体は、久しぶりに帰省したら異臭がしたから通報したという前提で警察に任せよう。きっと警察も、こんな不可解なこと公にはしたくないはずだ。魂はこちらで送り届けよう。悪霊化したら面倒だからね」
「あ、あの!蒼月さん!」
「なんだ?」
「…その、剛力さんは …」
「……。じじいには素直に話すしかあるまい。ドッペルゲンガーは姿を模倣するだけ、死体は別に有るだろう。じじいに探させるのも酷だ、俺たちで探す」
「やっぱり、亡くなってたんですか?」
「コイツが数発殴ったら吐いた。だが、馬鹿なようでな、どこに捨てたか忘れたそうだ」
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