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真尋?お前、真尋(マヒロ)なのか?
逆光で見えない、けれど、とても懐かしい形。
「真尋!!」
手を伸ばせば届く距離が、どんどん離れていく。
「何で逃げんだよ!!」
走っても、走っても届かない。
幾度も叫んでも、真尋の残影しかこの目には映さない。
ーーーピッーーピッーーピッーー
「、、、!!!!!」
「先生!!猫谷さんの心音戻りました!!」
「まだ微弱だ、強心剤打って!!」
「猫谷さん?聞こえますか?」
「、、ぃ、」
「瞳孔チェックーー反応確認」
「猫谷さーん!!意識強く持って!!」
「チクッとしますよー!!はい、強心剤入りました!」
「心拍どう?」
「まだ微弱です!!」
「呼吸器まわしてー!!」
ここはどこなんだ??
真尋を追いかけてたのに。
「猫谷ちゃん!!しっかりして!!!」
急にドアップで映る見知った顔。
少しやつれてる。
「ちょっと君!落ち着いて!!廊下にいて下さい!!」
怒られてやんの。ざまぁ。
翌日
「うわぁぁぁん!!!」
俺は朝から号泣していた。
オニーサンも声を殺して、猫谷ちゃんを抱きしめていた。
オニーサンの制服、ヨレヨレ。
俺は一旦帰えらされた。やっぱり眠れるわけもなく。
結局、一睡も出来ずに朝イチで病院に着いていた。
「ごめん、兄貴、、。」
管のない猫谷ちゃん。
容態はほぼ安定したみたい。
峠は越えて、本当に安心したぁ。
猫谷ちゃんも嬉しそうにオニーサンの背中に手をまわした。いいなぁ。
「っっ!!お前はぁ!!心配させてよぉっ!!」
オニーサンの目からホロっと涙が流れた。
「悪いって。」
ふと目線が猫谷ちゃんと重なる。
少し気まずそうな猫谷ちゃん。
「その、お前もお見舞い来たのか、、?」
家用に作った薄型レンズに俺の顔が映る。
頷いていいのかな。
うざいって、中途半端野郎でもいいかな。
やっぱり好きって感情は自分を弱くさせる。
でも、決めたんだ。
猫谷ちゃんと向き合うって。
「うん、、。」
「そ、か、、。悪いな。」
「何で謝るの?!悪いのは俺なんだよ?!責めてよ!!いつもみたく怒ってよ!!」
ブチッと俺の中で何かが切れた。
「ばーか。」
アホでもあるな、とかモゴモゴ言ってる猫谷ちゃん。
何で、なんで、、優しいんだろう。
俺の涙腺が再び崩壊した。
猫谷ちゃんは人を責めない。
自分で完結させちゃう。
辛さも、怖さも、麻痺ってる。
だって、猫谷ちゃんの笑顔を1度も見たことない。
「ねこ、、やちゃ、、!!」
俺はその場に崩れてひたすら泣いた。
オニーサンは呆れたように笑って、猫谷ちゃんは頭を抱えていた。
1ヶ月後
「コンコン、はーい?どちらさん?俺です!三毛野でぇす☆」
「ひとりコントすな。」
相変わらず勉強熱心な猫谷ちゃん。
俺は毎日、全教科のノートを運びに病室を訪れている。
進展はまだない。
焦っても意味ないから。
目標その1、猫谷ちゃんの笑顔を見る。
「あ、そこに今日の分置いて。」
カリカリカリとノートにシャーペンを走らせる音。
相変わらず目線を合わせてくれない。
「いちごオレ持ってきたよ。」
「あ、悪ぃ、、。」
目が泳いでる。
何で??
「もう、帰っていいぞ。話すこともねぇし。」
ちゅーといちごオレを飲む猫谷ちゃん。
唇から目が動かない。
俺はスマホの『禁断のエロボイス』を開いて、猫谷ちゃんに見せた。
そう、美術室でのあの事件の音声♡♡
「おまっ!!!この声!!!」
「動画もあるよ?観る?」
「死ね!このクズ野郎!!!」
胸ぐらを掴まれそうだけど、右足複雑骨折で動けない猫谷ちゃん。
「はぁ、やーーっと目線合わせくれた。」
スっと、猫谷ちゃんの頬に触れた。
「っっ、、!!」
言った途端、猫谷ちゃんの目線は毛布に落ちていた。
「もういい、帰る。」
俺だって怒るんだよ。
怒ってないけど。
引き止めてくれたりなんかしなーー
「待てって、、。」
「へ?猫谷、、ちゃん??」
泣きそうな声で止められた。
顔が真っ赤。
「ねねねねね熱!!!!????ナースコール!!」
「違ぇよ!!」
ナースコールを奪われて、俺の頭を掴みにかかる猫谷ちゃん。
「いだだだだ!!ハゲる!!」
「お、お前と居ると、、調子狂うんだよ、、」
真っ赤っか。な顔。
え、これって脈アリ??
髪の毛、むしり取られそう。痛い。
「参考書にヤキモチ妬くめんどくせぇ奴なのに、何か気になるし。名前も知らねぇ奴と付き合ったり。俺の顔、優しいとかほざく野郎なのに。俺、お前のこと、、」
こと、、??!!
「やっぱ何でもねぇ。めんどくせぇ。寝る。」
「ざけんなァ!!期待させといて!!抱き殺す!!」
「バーカ。」
猫谷ちゃんは悪役ヒーローみたいに黒い笑みを浮かべた後に本当に寝た。ちくしょうー!!!
いつか、抱き殺すかんな!!
て、え!!?笑った??
逆光で見えない、けれど、とても懐かしい形。
「真尋!!」
手を伸ばせば届く距離が、どんどん離れていく。
「何で逃げんだよ!!」
走っても、走っても届かない。
幾度も叫んでも、真尋の残影しかこの目には映さない。
ーーーピッーーピッーーピッーー
「、、、!!!!!」
「先生!!猫谷さんの心音戻りました!!」
「まだ微弱だ、強心剤打って!!」
「猫谷さん?聞こえますか?」
「、、ぃ、」
「瞳孔チェックーー反応確認」
「猫谷さーん!!意識強く持って!!」
「チクッとしますよー!!はい、強心剤入りました!」
「心拍どう?」
「まだ微弱です!!」
「呼吸器まわしてー!!」
ここはどこなんだ??
真尋を追いかけてたのに。
「猫谷ちゃん!!しっかりして!!!」
急にドアップで映る見知った顔。
少しやつれてる。
「ちょっと君!落ち着いて!!廊下にいて下さい!!」
怒られてやんの。ざまぁ。
翌日
「うわぁぁぁん!!!」
俺は朝から号泣していた。
オニーサンも声を殺して、猫谷ちゃんを抱きしめていた。
オニーサンの制服、ヨレヨレ。
俺は一旦帰えらされた。やっぱり眠れるわけもなく。
結局、一睡も出来ずに朝イチで病院に着いていた。
「ごめん、兄貴、、。」
管のない猫谷ちゃん。
容態はほぼ安定したみたい。
峠は越えて、本当に安心したぁ。
猫谷ちゃんも嬉しそうにオニーサンの背中に手をまわした。いいなぁ。
「っっ!!お前はぁ!!心配させてよぉっ!!」
オニーサンの目からホロっと涙が流れた。
「悪いって。」
ふと目線が猫谷ちゃんと重なる。
少し気まずそうな猫谷ちゃん。
「その、お前もお見舞い来たのか、、?」
家用に作った薄型レンズに俺の顔が映る。
頷いていいのかな。
うざいって、中途半端野郎でもいいかな。
やっぱり好きって感情は自分を弱くさせる。
でも、決めたんだ。
猫谷ちゃんと向き合うって。
「うん、、。」
「そ、か、、。悪いな。」
「何で謝るの?!悪いのは俺なんだよ?!責めてよ!!いつもみたく怒ってよ!!」
ブチッと俺の中で何かが切れた。
「ばーか。」
アホでもあるな、とかモゴモゴ言ってる猫谷ちゃん。
何で、なんで、、優しいんだろう。
俺の涙腺が再び崩壊した。
猫谷ちゃんは人を責めない。
自分で完結させちゃう。
辛さも、怖さも、麻痺ってる。
だって、猫谷ちゃんの笑顔を1度も見たことない。
「ねこ、、やちゃ、、!!」
俺はその場に崩れてひたすら泣いた。
オニーサンは呆れたように笑って、猫谷ちゃんは頭を抱えていた。
1ヶ月後
「コンコン、はーい?どちらさん?俺です!三毛野でぇす☆」
「ひとりコントすな。」
相変わらず勉強熱心な猫谷ちゃん。
俺は毎日、全教科のノートを運びに病室を訪れている。
進展はまだない。
焦っても意味ないから。
目標その1、猫谷ちゃんの笑顔を見る。
「あ、そこに今日の分置いて。」
カリカリカリとノートにシャーペンを走らせる音。
相変わらず目線を合わせてくれない。
「いちごオレ持ってきたよ。」
「あ、悪ぃ、、。」
目が泳いでる。
何で??
「もう、帰っていいぞ。話すこともねぇし。」
ちゅーといちごオレを飲む猫谷ちゃん。
唇から目が動かない。
俺はスマホの『禁断のエロボイス』を開いて、猫谷ちゃんに見せた。
そう、美術室でのあの事件の音声♡♡
「おまっ!!!この声!!!」
「動画もあるよ?観る?」
「死ね!このクズ野郎!!!」
胸ぐらを掴まれそうだけど、右足複雑骨折で動けない猫谷ちゃん。
「はぁ、やーーっと目線合わせくれた。」
スっと、猫谷ちゃんの頬に触れた。
「っっ、、!!」
言った途端、猫谷ちゃんの目線は毛布に落ちていた。
「もういい、帰る。」
俺だって怒るんだよ。
怒ってないけど。
引き止めてくれたりなんかしなーー
「待てって、、。」
「へ?猫谷、、ちゃん??」
泣きそうな声で止められた。
顔が真っ赤。
「ねねねねね熱!!!!????ナースコール!!」
「違ぇよ!!」
ナースコールを奪われて、俺の頭を掴みにかかる猫谷ちゃん。
「いだだだだ!!ハゲる!!」
「お、お前と居ると、、調子狂うんだよ、、」
真っ赤っか。な顔。
え、これって脈アリ??
髪の毛、むしり取られそう。痛い。
「参考書にヤキモチ妬くめんどくせぇ奴なのに、何か気になるし。名前も知らねぇ奴と付き合ったり。俺の顔、優しいとかほざく野郎なのに。俺、お前のこと、、」
こと、、??!!
「やっぱ何でもねぇ。めんどくせぇ。寝る。」
「ざけんなァ!!期待させといて!!抱き殺す!!」
「バーカ。」
猫谷ちゃんは悪役ヒーローみたいに黒い笑みを浮かべた後に本当に寝た。ちくしょうー!!!
いつか、抱き殺すかんな!!
て、え!!?笑った??
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