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17話

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 さっきよりもさらに一つずつ注目しながら見てまわる。
 胸の高さくらいある両手剣。スタンダードな形をした振り回しやすそうな片手剣。小回りが利きそうなダガー。
 他にも鎧なんかも置いてある。
 どれも精巧な造りなことから、これを使っていた冒険者はかなりの難易度なクエストをしていたことが窺える。
 
 俺は盗賊だから、なるべく機動性を重視した戦いかたをするべきだろう。
 そうなると当然、武器は短めのダガーなんかになってくる。
 ただ、俺はこの世界の敵対生物について無知過ぎる。
 ある程度イメージしていても実際は上手くいかないことだらけだろう。
 まあそこは徐々に知識を深めていくしかない。
 となれば少し距離をとって戦える片手剣が妥当なところか。
 
 軽そうなのを適当に持って振り回してみる。
 それは思っていたよりもはるかに重かった。
 ゲームだと盾と片手剣を両手に持って、てのが基本だったのに…
 そりゃそうか、1メートルちょいの金属の棒だもんな~。
 こりゃあ剣一本で攻撃で防御する戦法をとるしかないレベルだ。
 しばらくは様子見ってことでそれでもいいか。
 おそらく街の近くにはそんな強い魔物はいないだろう。
 
 ついでに本に夢中になってるヒヨリが使う武器にも目星をつけておこう。
 ヒヨリはプリーストだから杖になるのかな?
 ていうか杖って持ってたらどんなメリットがあるんだろう?あとでメリーに聞いてみよう。
 一通り見てみたが杖は他と比べてあまり種類がないようだ。
 そのへんに落ちてそうな木の棒の先に水晶がくっついてるもの。軽い金属の棒にこれまた水晶がついているものの二つだけだ。
 これはもうヒヨリに直感で決めてもらうことにしよう。

 「お二人ともー!食事の準備ができましたよー!」
 
 「「はーい。」」
 メリーの声だ。一旦食事にするとしよう。
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