88 / 151
サブストーリー1【いじめはいじめられる方が悪い】
3
しおりを挟む
『……お前さ、何やってんの?』
中学二年生の青山四郎は、デパートのファッションコーナーで、幼い女の子と手を繋ぎ歩く少年に声をかけた。
髪はボサボサで、背も低い。体は痩せている――と言うよりかはガリガリであり、全体的に頼りない雰囲気が漂っている。
彼の名は、河野真白。中学二年になり、四郎と同じクラスになった、陰湿で目立たない人間だ。
『あ……。えっと、誰?』
『同じクラスの青山だよ』
『あ……僕は、河野……』
『いや、知ってっから。んで、何やってんの?』
四郎は威圧するように聞くと、真白はもごもごと口を動かし、顔を俯けた。
何かを言っているようだが、緊張感からか早口になっており、何よりも、声が小さく聞き取りづらい。四郎は真白の喋り方にイライラして、大きくため息を吐いた。
『何言ってんの?』
『え……あ……いや……その……。……こ、こ、の子、迷子……』
『……はぁ?』
『だから……迷子で…………お、お母さん……探して……』
四郎はガリガリと頭を掻く。ぼそぼそとしか喋らない真白に、殊更苛立ちを覚えたのだ。
なんだよコイツ、本当に気持ち悪いな。四郎が小さく舌打ちをした、その時だった。
『すまん、四郎!』
四郎の後ろから、体の大きな男子が近付いて来た。
髪はそれなりに短く、背は四郎と同じ程度だ。体は太っており、しかし、脂ぎった不健康な太り方ではなく、十分な筋肉が下地となった太り方をしていた。
『おう、勇次郎』
『悪い、トイレ待ってもらって』
四郎が手を挙げると、勇次郎はゲラゲラと笑いながら彼に近寄った。
勇次郎は柔道部に所属している。恰幅が良いのはそのためであり、太っていると言うよりかは、脂肪の付いた筋肉質と言った方が正確である。
『で、何してんだお前?』
『いや、なんかコイツが子供連れ回してるからさ』
勇次郎の問い掛けに四郎が答える。すると勇次郎は、困惑している真白へと目を向け、変わらぬテンションで彼に話しかけた。
『おう、お前クラスのアイツじゃん。えっと……誰だっけ?』
『あ……河野……河野真白…………』
『あー、そうそう! なんかいつも本読んでるか寝てる奴!』
『あう……あ……えっと……』
『で、なにやってんのお前? その子誰? 迷子?』
『あ……う、うん…………お母さん…………探してる…………泣きそうだったから……』
真白はたどたどしく、声を震わせ勇次郎に受け答える。勇次郎は目を大きくすると、『大変じゃねぇか!』と叫んだ。
『ちょっ、どの辺にいたんその子?』
『あ…………それが…………お母さん探して、かなり歩いたみたいで…………どこから来たのか、わかんない…………』
『あー。じゃあどうしよっかなぁ~』
勇次郎が頭をガリガリ掻く。四郎は彼の言葉にクスリと笑い、『いや、わかんねぇなら迷子センター行けばいいじゃん』と答えた。
『あー、それだ! それしかないよな』
『いや、普通こんなのすぐ浮かぶだろ』
『あ…………そ、そっか…………呼んでもらえばよかったのか…………』
『いや…………お前さぁ。ちょっとは考えろよ』
『あ…………ごめん…………』
真白は四郎に詰められ、しゅんと顔を下げた。四郎は真白の態度に、面倒臭いとまたため息を吐いた。
『じゃあ、さっさと行こうぜ! 3人で!』
勇次郎が真白と四郎に言う。2人は同時に『えっ、』と声を出し、目を丸くした。
『いや、勇次郎。え、コイツと? マジで?』
『え? 逆になんか問題ある?』
『いや……まあ、別に、そうだけどさぁ』
『じゃあ良いだろ』
勇次郎は首を傾げながら、強引に四郎の言葉をまとめてしまった。四郎は、迷子を送ること自体には賛成だったが、真白が付属してくることにはどうしても辟易としていた。
『ほら、河野! 行こうぜ!』
勇次郎が真白に声をかける。見た目通りの豪快な態度に、真白はたじたじになり、『あ……うん……』と返事をした。
◇ ◇ ◇ ◇
その後、迷子センターで母親を呼び付けてもらい、女の子は3人にお礼を言って立ち去っていった。
四郎は朗らかな表情で帰って行く女の子を見て、微笑ましい気持ちになっていた。
何事も無くて本当に良かった。四郎がそんなことを思っていると、傍らの勇次郎が、突然真白に話しかけた。
『おい河野、お前、よかったな! お手柄じゃんか!』
勇次郎が真白の背を叩くと、真白は緊張した面持ちで、『あ、う、うん……』とたどたどしく呟いた。四郎は、真白がハッキリしない態度を取っているのにまた苛立ちを覚えた。
『……お前さ、てか、小さいとは言え、よく女の子の手あんなガッシリ握れたよな』
『え? …………あ、別に…………どうでもいい……って言うか……』
真白は四郎から目を逸らしながらもごもごと言った。四郎は真白の態度にまた大きくため息を吐いた。
河野真白。四郎のクラスメイトであり、結構な変人としても有名な人間である。
誰かと話している様子は無く、席に座り本を読んでいるか眠っているかがデフォルトであり、陰湿な見た目も合わさり、不気味な雰囲気が漂っている。
控えめな印象のある彼だが、その割にはデリカシーが無く、女子がいる前でも平然と着替えを始める。四郎が女友達から聞いた話では、「初めて見た男子の裸が真白だった」と言う者もいた(とは言え、流石に下着は脱がないので、正確に言えば裸に近い姿、なのだが)。
四郎にとって、真白は一言で表せば『キモい』人間だった。特に、男の癖にハッキリとせず、なよなよとした雰囲気があるのが、四郎にとっては我慢ならなかった。
できることなら、さっさとこの場から立ち去ってしまいたい。四郎はそう思っていたのだが、割と誰にでもフレンドリーな勇次郎がどうやら真白を気に入ったらしく、やたら彼に話しかけているので、この場から逃げ出す訳にもいかなくなってしまった。
『お前さ、今日なんでここに来てんの? 俺らは映画見に来たんだけどさ』
『あ…………僕は、お母さんの付き添い…………』
『はぁ、母ちゃんと買い物か!』
勇次郎は大きな声で真白を困惑させている。四郎は小さく舌打ちをすると、鬱陶しいと思いながらも、真白に話しかけた。
『……てか、お前、それならさ。母ちゃん、一体どしたん?』
『――あ、』
真白は四郎の言葉にハッと目を見開いた。
『……どうしよう』
『お、おいおい。お前、まさか、今度は自分が迷子かよ?』
『………………』
真白はやや顔面を白くして、何も言わずに立ち尽くしていた。
中学生にもなって迷子とか、マジかよ。四郎は真白の間抜けさに思わず吹き出し、彼を嘲笑うように言った。
『どうすんだよ。アレなら、呼んでもらうか? さっきの子みたいに』
『…………さ、流石に、ちょっと…………』
真白は顔を赤くさせて下を向いた。四郎は彼が恥ずかしがっている姿が面白く、内心でこの状況を楽しみ始めていた。
と、
『真白!』
突然、離れたところから声がしたかと思えば、1人の女性が急ぎ足で真白に近寄って来た。
『アンタ、何やってんの! なんで勝手にいなくなったりしたの!』
『あ……お、おかあさ……』
『まったく、もう! いつも言ってるじゃない、お母さんに心配させないでって! 本当、なんでそんなことも……』
と、真白の母親らしき女性は、ハッと四郎と勇次郎の方を見た。
真白の母親はしばらく目を点にしてから、『あら、君たち、真白の友達?』と首を傾げた。四郎はすかさずに、『いや、クラスメイトっス』と返すと、真白の母親は、『あら、いつも仲良くしてもらって、ありがとうね』と笑った。
『ごめんね、うちの子に付き合ってもらって』
『いや…………お母さん…………その、』
『いいから、さっさと行くよ! ありがとうね、2人とも。それじゃあ、またうちの子によろしくね』
真白の母親はそう言うと、真白の手を握り、彼を引っ張るようにしてその場から立ち去った。
『……なんだったんだよ、アイツ』
四郎は真白が去っていくのを見て小さく吹き出した。傍らでは勇次郎が、『なんか、意外と面白い奴だったな』と微笑んでいた。
『お前、マジかよ。まあ、キモいのはわかるけどさ』
『四郎。お前、さっきから思ってたけど、アイツのことバカにしてないか?』
『いや、だって、キモいじゃん、アイツ』
四郎が冗談めかしく笑うと、勇次郎は分かりやすく表情を曇らせ、声を少しだけ怒らせ四郎へと言った。
『お前さ。まあ、言いたいことはわかるけどさ』
『だろ? 今もさ、ずっとボソボソさ、』
『そうじゃねぇって。アイツ、小さい女の子助けようとしてたんだぞ?』
勇次郎が言うと、四郎は『あ、』と言葉を詰まらせ、ゆっくりと彼から目を逸らした。
『意外とさ、こんだけ人がいて、女の子が困ってて、それに話しかけるのって出来ない物なんだぞ。アイツ、だけど、勇気出してさ、あの子に手を差し伸べたんだ』
『…………』
『それをキモいって言うのは、ちょっと、俺、マジで信じられねぇわ。……確かに、学校のアイツ、何やってるかわかんねぇし、取っ付き辛いけどさ。
けど、アイツ、確かにキモイかもしんねぇけど、少なくとも、悪い奴じゃねぇよ』
勇次郎が、いなくなった真白の背を見ながら言う。四郎は彼の視線に合わせて、消えた真白にへと目を向ける。
『…………。……まあ、お前の言う通りだな』
四郎は罪悪感に駆られ、勇次郎に言う。
『なんか、すまん。冷めること言って』
『……俺じゃなくて、アイツに謝れな。お前、結構嫌な奴だったぞ』
勇次郎の言葉は、四郎の頭を殊更に悩ませた。
中学二年生の青山四郎は、デパートのファッションコーナーで、幼い女の子と手を繋ぎ歩く少年に声をかけた。
髪はボサボサで、背も低い。体は痩せている――と言うよりかはガリガリであり、全体的に頼りない雰囲気が漂っている。
彼の名は、河野真白。中学二年になり、四郎と同じクラスになった、陰湿で目立たない人間だ。
『あ……。えっと、誰?』
『同じクラスの青山だよ』
『あ……僕は、河野……』
『いや、知ってっから。んで、何やってんの?』
四郎は威圧するように聞くと、真白はもごもごと口を動かし、顔を俯けた。
何かを言っているようだが、緊張感からか早口になっており、何よりも、声が小さく聞き取りづらい。四郎は真白の喋り方にイライラして、大きくため息を吐いた。
『何言ってんの?』
『え……あ……いや……その……。……こ、こ、の子、迷子……』
『……はぁ?』
『だから……迷子で…………お、お母さん……探して……』
四郎はガリガリと頭を掻く。ぼそぼそとしか喋らない真白に、殊更苛立ちを覚えたのだ。
なんだよコイツ、本当に気持ち悪いな。四郎が小さく舌打ちをした、その時だった。
『すまん、四郎!』
四郎の後ろから、体の大きな男子が近付いて来た。
髪はそれなりに短く、背は四郎と同じ程度だ。体は太っており、しかし、脂ぎった不健康な太り方ではなく、十分な筋肉が下地となった太り方をしていた。
『おう、勇次郎』
『悪い、トイレ待ってもらって』
四郎が手を挙げると、勇次郎はゲラゲラと笑いながら彼に近寄った。
勇次郎は柔道部に所属している。恰幅が良いのはそのためであり、太っていると言うよりかは、脂肪の付いた筋肉質と言った方が正確である。
『で、何してんだお前?』
『いや、なんかコイツが子供連れ回してるからさ』
勇次郎の問い掛けに四郎が答える。すると勇次郎は、困惑している真白へと目を向け、変わらぬテンションで彼に話しかけた。
『おう、お前クラスのアイツじゃん。えっと……誰だっけ?』
『あ……河野……河野真白…………』
『あー、そうそう! なんかいつも本読んでるか寝てる奴!』
『あう……あ……えっと……』
『で、なにやってんのお前? その子誰? 迷子?』
『あ……う、うん…………お母さん…………探してる…………泣きそうだったから……』
真白はたどたどしく、声を震わせ勇次郎に受け答える。勇次郎は目を大きくすると、『大変じゃねぇか!』と叫んだ。
『ちょっ、どの辺にいたんその子?』
『あ…………それが…………お母さん探して、かなり歩いたみたいで…………どこから来たのか、わかんない…………』
『あー。じゃあどうしよっかなぁ~』
勇次郎が頭をガリガリ掻く。四郎は彼の言葉にクスリと笑い、『いや、わかんねぇなら迷子センター行けばいいじゃん』と答えた。
『あー、それだ! それしかないよな』
『いや、普通こんなのすぐ浮かぶだろ』
『あ…………そ、そっか…………呼んでもらえばよかったのか…………』
『いや…………お前さぁ。ちょっとは考えろよ』
『あ…………ごめん…………』
真白は四郎に詰められ、しゅんと顔を下げた。四郎は真白の態度に、面倒臭いとまたため息を吐いた。
『じゃあ、さっさと行こうぜ! 3人で!』
勇次郎が真白と四郎に言う。2人は同時に『えっ、』と声を出し、目を丸くした。
『いや、勇次郎。え、コイツと? マジで?』
『え? 逆になんか問題ある?』
『いや……まあ、別に、そうだけどさぁ』
『じゃあ良いだろ』
勇次郎は首を傾げながら、強引に四郎の言葉をまとめてしまった。四郎は、迷子を送ること自体には賛成だったが、真白が付属してくることにはどうしても辟易としていた。
『ほら、河野! 行こうぜ!』
勇次郎が真白に声をかける。見た目通りの豪快な態度に、真白はたじたじになり、『あ……うん……』と返事をした。
◇ ◇ ◇ ◇
その後、迷子センターで母親を呼び付けてもらい、女の子は3人にお礼を言って立ち去っていった。
四郎は朗らかな表情で帰って行く女の子を見て、微笑ましい気持ちになっていた。
何事も無くて本当に良かった。四郎がそんなことを思っていると、傍らの勇次郎が、突然真白に話しかけた。
『おい河野、お前、よかったな! お手柄じゃんか!』
勇次郎が真白の背を叩くと、真白は緊張した面持ちで、『あ、う、うん……』とたどたどしく呟いた。四郎は、真白がハッキリしない態度を取っているのにまた苛立ちを覚えた。
『……お前さ、てか、小さいとは言え、よく女の子の手あんなガッシリ握れたよな』
『え? …………あ、別に…………どうでもいい……って言うか……』
真白は四郎から目を逸らしながらもごもごと言った。四郎は真白の態度にまた大きくため息を吐いた。
河野真白。四郎のクラスメイトであり、結構な変人としても有名な人間である。
誰かと話している様子は無く、席に座り本を読んでいるか眠っているかがデフォルトであり、陰湿な見た目も合わさり、不気味な雰囲気が漂っている。
控えめな印象のある彼だが、その割にはデリカシーが無く、女子がいる前でも平然と着替えを始める。四郎が女友達から聞いた話では、「初めて見た男子の裸が真白だった」と言う者もいた(とは言え、流石に下着は脱がないので、正確に言えば裸に近い姿、なのだが)。
四郎にとって、真白は一言で表せば『キモい』人間だった。特に、男の癖にハッキリとせず、なよなよとした雰囲気があるのが、四郎にとっては我慢ならなかった。
できることなら、さっさとこの場から立ち去ってしまいたい。四郎はそう思っていたのだが、割と誰にでもフレンドリーな勇次郎がどうやら真白を気に入ったらしく、やたら彼に話しかけているので、この場から逃げ出す訳にもいかなくなってしまった。
『お前さ、今日なんでここに来てんの? 俺らは映画見に来たんだけどさ』
『あ…………僕は、お母さんの付き添い…………』
『はぁ、母ちゃんと買い物か!』
勇次郎は大きな声で真白を困惑させている。四郎は小さく舌打ちをすると、鬱陶しいと思いながらも、真白に話しかけた。
『……てか、お前、それならさ。母ちゃん、一体どしたん?』
『――あ、』
真白は四郎の言葉にハッと目を見開いた。
『……どうしよう』
『お、おいおい。お前、まさか、今度は自分が迷子かよ?』
『………………』
真白はやや顔面を白くして、何も言わずに立ち尽くしていた。
中学生にもなって迷子とか、マジかよ。四郎は真白の間抜けさに思わず吹き出し、彼を嘲笑うように言った。
『どうすんだよ。アレなら、呼んでもらうか? さっきの子みたいに』
『…………さ、流石に、ちょっと…………』
真白は顔を赤くさせて下を向いた。四郎は彼が恥ずかしがっている姿が面白く、内心でこの状況を楽しみ始めていた。
と、
『真白!』
突然、離れたところから声がしたかと思えば、1人の女性が急ぎ足で真白に近寄って来た。
『アンタ、何やってんの! なんで勝手にいなくなったりしたの!』
『あ……お、おかあさ……』
『まったく、もう! いつも言ってるじゃない、お母さんに心配させないでって! 本当、なんでそんなことも……』
と、真白の母親らしき女性は、ハッと四郎と勇次郎の方を見た。
真白の母親はしばらく目を点にしてから、『あら、君たち、真白の友達?』と首を傾げた。四郎はすかさずに、『いや、クラスメイトっス』と返すと、真白の母親は、『あら、いつも仲良くしてもらって、ありがとうね』と笑った。
『ごめんね、うちの子に付き合ってもらって』
『いや…………お母さん…………その、』
『いいから、さっさと行くよ! ありがとうね、2人とも。それじゃあ、またうちの子によろしくね』
真白の母親はそう言うと、真白の手を握り、彼を引っ張るようにしてその場から立ち去った。
『……なんだったんだよ、アイツ』
四郎は真白が去っていくのを見て小さく吹き出した。傍らでは勇次郎が、『なんか、意外と面白い奴だったな』と微笑んでいた。
『お前、マジかよ。まあ、キモいのはわかるけどさ』
『四郎。お前、さっきから思ってたけど、アイツのことバカにしてないか?』
『いや、だって、キモいじゃん、アイツ』
四郎が冗談めかしく笑うと、勇次郎は分かりやすく表情を曇らせ、声を少しだけ怒らせ四郎へと言った。
『お前さ。まあ、言いたいことはわかるけどさ』
『だろ? 今もさ、ずっとボソボソさ、』
『そうじゃねぇって。アイツ、小さい女の子助けようとしてたんだぞ?』
勇次郎が言うと、四郎は『あ、』と言葉を詰まらせ、ゆっくりと彼から目を逸らした。
『意外とさ、こんだけ人がいて、女の子が困ってて、それに話しかけるのって出来ない物なんだぞ。アイツ、だけど、勇気出してさ、あの子に手を差し伸べたんだ』
『…………』
『それをキモいって言うのは、ちょっと、俺、マジで信じられねぇわ。……確かに、学校のアイツ、何やってるかわかんねぇし、取っ付き辛いけどさ。
けど、アイツ、確かにキモイかもしんねぇけど、少なくとも、悪い奴じゃねぇよ』
勇次郎が、いなくなった真白の背を見ながら言う。四郎は彼の視線に合わせて、消えた真白にへと目を向ける。
『…………。……まあ、お前の言う通りだな』
四郎は罪悪感に駆られ、勇次郎に言う。
『なんか、すまん。冷めること言って』
『……俺じゃなくて、アイツに謝れな。お前、結構嫌な奴だったぞ』
勇次郎の言葉は、四郎の頭を殊更に悩ませた。
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる