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双新星編
本編5 ブラック企業は入院して初めて休暇になる その5
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3人でお店を出て歩いていると、前に見知った顔があった。
あれは隊長とおデブちゃんじゃ・・・おデブちゃんは精一杯おしゃれを頑張ったのか、どこかの”ぼんぼん”のような恰好だった。
すると横から「お前たちこっちだ」という声がして見てみると大きな柱の陰に木こりが、
僕たちはそーっと見つからないように木こりの隠れている柱に移動した。
「どういう状況なのアレ。」
僕は木こりに経緯を聞いてみる。
「あいつ、お金を借りに来たんだ。別にそれは構わないんだが、あいつは気が弱いからな。もしかしたらカツアゲにでもあってるのかと心配で・・・出歯亀するつもりはなかったんだが・・・」
「カツアゲ?日本の食べ物ですか?」
まずい!女騎士さんが顔面崩壊して涎が垂れて来てる!
木こりがちょっと引きながら「脅して金品を巻き上げる行為です」と説明する。
「お優しいのですね。」
そう女騎士さんが褒めると木こりは照れくさそうに頬をポリポリと掻いた。
「しかし、このまま覗いていて良いのでしょうか?」
後ろめたいのだろう、申し訳なさそうに聖女様が言う。
うーん確かに・・・それはそうなんだが。あのお金を借りに来たのは、このデートのためだったんだな。それはいい。でも、何だろう。人のこと言えないけど、とてつもなく心配だ。木こりもきっと同じ思いだからこうして姿を確認した後でも帰らず見守っているのだろう。
「うーん・・・良くないこととは思うけど、すんごく心配なんだよね。」
ぼくがそう言うと、みんなそう思ていたのか、
「それは物凄くわかる。」
その場にいた全員がハモッて同意した。やっぱ共通認識だったのね。
四人で暫くつけてみると、
(あ、隊長がウインドウ見てる。お?横に並んで・・・あー肩を落とした。デジャブ)
おデブのぼんぼんは隊長を色々つれて回るが、ここは狭間世界の銀座。そうそう買えるものがあるわけなく、ぼんぼんは次々と空回りしまくる。
女騎士と聖女様なんか『見てられない』と手を合わせて祈ってる。痛ましや。
意気消沈するぼんぼんに、ついに隊長が肩を叩いて慰め始めた。
僕と木こりは額に手をやり『アチャー』のポーズ。
そして隊長はぼんぼんを促し移動し始めた。
第一モールを出てどんどん下の階に下っていく。僕たちも合わせて移動する。
隊長たちは第二のモールの喫茶店に入るとテーブル席に対面で座った。
ちょうどファミレスのように隣のテーブルの人が見えないような作りだったので僕たちは、隊長たちのテーブルの隣に席をとり、そーっと隣を覗く。
「今日はありがとう。誘ってくれて。」
「いえ・・・ぼくは・・・」
ぼんぼんのテンションが完全に逝ってしまっている。
しばらくすると隊長たちのテーブルに注文の品が運ばれてくる。
隊長はショートケーキに紅茶。
ぼんぼんはメロンソーダを頼んでいた。
そのテンションでメロンソーダを頼める君はきっと大物になるぞ。
「本当は・・・」
ぼんぼんが俯きながらぽつりぽつりと話始める。
「ん~?」
「本当はもっといいお店に・・・」
「無理しなくていいんだよ~」
「む、無理は・・・」
隊長がぼんぼんの口を人差し指で塞ぐ。
「私さ、元居た世界で、すんごく貧乏だったの。」
静かに語り始める隊長。
「だからお菓子なんて滅多に食べられなくて・・・。でも、お誕生日の日だけ近くの駅の洋菓子店でケーキ買ってもらえたんだ。一番安いイチゴのショートケーキ」
話しながら懐かしむ顔でショートケーキをつつく。ぼんぼんはじっと隊長を見据え、静かに耳を傾ける。
「それが嬉しくって嬉しくって。お父さんとお母さんと笑顔でそれを食べるの。小さい頃の・・・まだ幸せだったころの想い出。」
「なにがさ・・・幸せなのか。それはきっと人によって違うよ。私は高い服もアクセサリーも高級な食事も要らない。大切な人と話して、お茶して、ご飯食べて、笑い合って。そんな、代り映えのしない、なんでもない日々が大切で幸せなの。」
「だからさ・・・今日はありがとう。とても楽しかったわ。」
穏やかな顔で隊長はお礼を言うと、ぼんぼんはぼろぼろと泣き出した。
「もう、駄目だぞー!デート中に。ほら笑って。ね?」
「は・・・・い・・・・」
「もう!せっかくのよそ行きの服に鼻水ついちゃうよ。」
チーンしてチーン、と鼻水の面倒までみる隊長。完全に保護者と子供の構図なんですが、それは。
「今日はさ、君、暗い顔であんまり楽しめてなさそうだったから今度は君もいっぱい笑おうね!」
そう優しくぼんぼんを慰めた。
「グスッグスッ」と何やら聞き耳立てているこちら側からすすり泣く音が、見たら聖女様が貰い泣きしてた。何この人、感受性強すぎない?
(聖女様!駄目ですって!ばれちゃいます!)
3人で慌てて宥めようとしたが、席の仕切りの上から、
「な~~~~~~~にやってるのかな~~~~~?君たち~~~~?」
隊長がこっちを覗き込んでました。固まる三人、相変わらず、べそをかく聖女様。
「あ、あははー・・・」と乾いた笑いで返すほかありませんでした。はい。
「もう!趣味悪いよ!」
三人並んでお説教を受ける。
聖女様だけ隊長の胸に飛び込んでグズグズ言って、隊長に背中をポンポンされてる。
ぼんぼんもさすがに不機嫌だけど木こりが「心配だった」と言うと、「しょうがねえな!」と言って背中を叩き機嫌を直してくれた。
(こういうのも将来良い思い出になるのかな?おじいさんになって懐かしむ時がくるのかな・・・そうだといいな・・・)
「た、隊長!」
「何よ!?」
ちょっと機嫌直してくださいよ。ほんと、悪かったけどさ・・・
「えーと・・・みんな、集まるなんて中々無いから写真取りたいなー・・・なんつって」
隊長は「はぁ~」と息を吐き、それでいつもの調子に戻り、
「いいわよ。撮りましょ。確かに中々無いもんね、こんな機会。」
「ま・ず・は・お二人さん!」
そう言ってぼんぼんと隊長の背中を押し、二人をフレームに入れる。
そのタイミングで「あ、あの!」とぼんぼんが隊長に向き合う。
木こりが「このタイミングで渡すのか」と呟く。
何かプレゼントを用意していたのか、あいつ。
「こ、これ!貰ってください!」
ぼんぼんがガチガチの表情で木彫りのペンダントを隊長に渡す。
「あ、ありがとう。」
隊長はそれを、少し頬を赤くして緊張した面持ちで受け取る。
二人がちょうどペンダントを受け渡しする瞬間、僕はカメラのシャッターを切る。
(いい絵が撮れたな・・・)
「よし!今度はみんなで撮ろう!」
そう皆に伝え、僕は通行人の人にお願いしてシャッターを切ってもらった!撮れた写真を確認する。
僕、その隣に泣いて目の赤い聖女様、それに寄り添う私服姿の凛々しい女騎士さん、穏やかに笑う木こり、
その四人の前に緊張しまくってピン!となって半分目が閉じてるぼんぼんと満面の笑みの隊長。
最高の一枚が撮れた。
帰り際にみんなでカメラを買ったショップに行って人数分の写真を焼いてもらう。
それぞれが色んな写真を見て「目が赤いですぅー」とか「変顔が映ってる!」とか「半分目が閉じてるじゃないか!」とかワイワイやってる。
(本当に楽しかった・・・こんな日があと何日、僕らには残されているのだろう。)
あれは隊長とおデブちゃんじゃ・・・おデブちゃんは精一杯おしゃれを頑張ったのか、どこかの”ぼんぼん”のような恰好だった。
すると横から「お前たちこっちだ」という声がして見てみると大きな柱の陰に木こりが、
僕たちはそーっと見つからないように木こりの隠れている柱に移動した。
「どういう状況なのアレ。」
僕は木こりに経緯を聞いてみる。
「あいつ、お金を借りに来たんだ。別にそれは構わないんだが、あいつは気が弱いからな。もしかしたらカツアゲにでもあってるのかと心配で・・・出歯亀するつもりはなかったんだが・・・」
「カツアゲ?日本の食べ物ですか?」
まずい!女騎士さんが顔面崩壊して涎が垂れて来てる!
木こりがちょっと引きながら「脅して金品を巻き上げる行為です」と説明する。
「お優しいのですね。」
そう女騎士さんが褒めると木こりは照れくさそうに頬をポリポリと掻いた。
「しかし、このまま覗いていて良いのでしょうか?」
後ろめたいのだろう、申し訳なさそうに聖女様が言う。
うーん確かに・・・それはそうなんだが。あのお金を借りに来たのは、このデートのためだったんだな。それはいい。でも、何だろう。人のこと言えないけど、とてつもなく心配だ。木こりもきっと同じ思いだからこうして姿を確認した後でも帰らず見守っているのだろう。
「うーん・・・良くないこととは思うけど、すんごく心配なんだよね。」
ぼくがそう言うと、みんなそう思ていたのか、
「それは物凄くわかる。」
その場にいた全員がハモッて同意した。やっぱ共通認識だったのね。
四人で暫くつけてみると、
(あ、隊長がウインドウ見てる。お?横に並んで・・・あー肩を落とした。デジャブ)
おデブのぼんぼんは隊長を色々つれて回るが、ここは狭間世界の銀座。そうそう買えるものがあるわけなく、ぼんぼんは次々と空回りしまくる。
女騎士と聖女様なんか『見てられない』と手を合わせて祈ってる。痛ましや。
意気消沈するぼんぼんに、ついに隊長が肩を叩いて慰め始めた。
僕と木こりは額に手をやり『アチャー』のポーズ。
そして隊長はぼんぼんを促し移動し始めた。
第一モールを出てどんどん下の階に下っていく。僕たちも合わせて移動する。
隊長たちは第二のモールの喫茶店に入るとテーブル席に対面で座った。
ちょうどファミレスのように隣のテーブルの人が見えないような作りだったので僕たちは、隊長たちのテーブルの隣に席をとり、そーっと隣を覗く。
「今日はありがとう。誘ってくれて。」
「いえ・・・ぼくは・・・」
ぼんぼんのテンションが完全に逝ってしまっている。
しばらくすると隊長たちのテーブルに注文の品が運ばれてくる。
隊長はショートケーキに紅茶。
ぼんぼんはメロンソーダを頼んでいた。
そのテンションでメロンソーダを頼める君はきっと大物になるぞ。
「本当は・・・」
ぼんぼんが俯きながらぽつりぽつりと話始める。
「ん~?」
「本当はもっといいお店に・・・」
「無理しなくていいんだよ~」
「む、無理は・・・」
隊長がぼんぼんの口を人差し指で塞ぐ。
「私さ、元居た世界で、すんごく貧乏だったの。」
静かに語り始める隊長。
「だからお菓子なんて滅多に食べられなくて・・・。でも、お誕生日の日だけ近くの駅の洋菓子店でケーキ買ってもらえたんだ。一番安いイチゴのショートケーキ」
話しながら懐かしむ顔でショートケーキをつつく。ぼんぼんはじっと隊長を見据え、静かに耳を傾ける。
「それが嬉しくって嬉しくって。お父さんとお母さんと笑顔でそれを食べるの。小さい頃の・・・まだ幸せだったころの想い出。」
「なにがさ・・・幸せなのか。それはきっと人によって違うよ。私は高い服もアクセサリーも高級な食事も要らない。大切な人と話して、お茶して、ご飯食べて、笑い合って。そんな、代り映えのしない、なんでもない日々が大切で幸せなの。」
「だからさ・・・今日はありがとう。とても楽しかったわ。」
穏やかな顔で隊長はお礼を言うと、ぼんぼんはぼろぼろと泣き出した。
「もう、駄目だぞー!デート中に。ほら笑って。ね?」
「は・・・・い・・・・」
「もう!せっかくのよそ行きの服に鼻水ついちゃうよ。」
チーンしてチーン、と鼻水の面倒までみる隊長。完全に保護者と子供の構図なんですが、それは。
「今日はさ、君、暗い顔であんまり楽しめてなさそうだったから今度は君もいっぱい笑おうね!」
そう優しくぼんぼんを慰めた。
「グスッグスッ」と何やら聞き耳立てているこちら側からすすり泣く音が、見たら聖女様が貰い泣きしてた。何この人、感受性強すぎない?
(聖女様!駄目ですって!ばれちゃいます!)
3人で慌てて宥めようとしたが、席の仕切りの上から、
「な~~~~~~~にやってるのかな~~~~~?君たち~~~~?」
隊長がこっちを覗き込んでました。固まる三人、相変わらず、べそをかく聖女様。
「あ、あははー・・・」と乾いた笑いで返すほかありませんでした。はい。
「もう!趣味悪いよ!」
三人並んでお説教を受ける。
聖女様だけ隊長の胸に飛び込んでグズグズ言って、隊長に背中をポンポンされてる。
ぼんぼんもさすがに不機嫌だけど木こりが「心配だった」と言うと、「しょうがねえな!」と言って背中を叩き機嫌を直してくれた。
(こういうのも将来良い思い出になるのかな?おじいさんになって懐かしむ時がくるのかな・・・そうだといいな・・・)
「た、隊長!」
「何よ!?」
ちょっと機嫌直してくださいよ。ほんと、悪かったけどさ・・・
「えーと・・・みんな、集まるなんて中々無いから写真取りたいなー・・・なんつって」
隊長は「はぁ~」と息を吐き、それでいつもの調子に戻り、
「いいわよ。撮りましょ。確かに中々無いもんね、こんな機会。」
「ま・ず・は・お二人さん!」
そう言ってぼんぼんと隊長の背中を押し、二人をフレームに入れる。
そのタイミングで「あ、あの!」とぼんぼんが隊長に向き合う。
木こりが「このタイミングで渡すのか」と呟く。
何かプレゼントを用意していたのか、あいつ。
「こ、これ!貰ってください!」
ぼんぼんがガチガチの表情で木彫りのペンダントを隊長に渡す。
「あ、ありがとう。」
隊長はそれを、少し頬を赤くして緊張した面持ちで受け取る。
二人がちょうどペンダントを受け渡しする瞬間、僕はカメラのシャッターを切る。
(いい絵が撮れたな・・・)
「よし!今度はみんなで撮ろう!」
そう皆に伝え、僕は通行人の人にお願いしてシャッターを切ってもらった!撮れた写真を確認する。
僕、その隣に泣いて目の赤い聖女様、それに寄り添う私服姿の凛々しい女騎士さん、穏やかに笑う木こり、
その四人の前に緊張しまくってピン!となって半分目が閉じてるぼんぼんと満面の笑みの隊長。
最高の一枚が撮れた。
帰り際にみんなでカメラを買ったショップに行って人数分の写真を焼いてもらう。
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