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双新星編
本編8 それが私の生きる道 その2
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数日後、彼が目を覚ました。
「ご心配お掛けしました・・・」
「馬鹿!死んだかと思ったじゃない!!二度とあんなことしないで!」
涙目になりながら彼に言う。
「すみません・・・」
「カッカッカ!まるで姉弟みたいじゃな。」
「ほほえましいですね~。」
外野の好々爺が茶々をいれてくる。
お世話になっているが若干鬱陶しい。
「ちょっと・・・お願いですから静かにしてください!」
「怒られてしまったぞ。」
「怒られちゃいましたねぇ~」
外野の相手をしていたら、ルーキーの身体がふらつき『パタリ』とベッドに倒れまた昏睡してしまった。
「なんで!?どうして!?」
「かなりの負荷が残っているんじゃろうて。暫くはこんな形になるじゃろうな。」
「そんな・・・」
「まあ、こればかりは日にち薬じゃ。気長に行くしかなかろう。起きてる間に食事を取り、養生に務めることじゃな。」
それからは起きてる間になるべく食事を取らせて体力を付けることに専念した。
次第にルーキーの起きている時間は長くなり、外での活動も出来るようになりつつあった。
しかし、私は彼の看病でとんでもないことを失念していた。
どうして忘れてしまっていたのか!!
ある日、私は「はっ!」となり飛び上がるようにフォーチュンさんに訊く。
「あ、あの!フォーチュンさん、ここから私たちの拠点まで、どれほど時間がかかりますか!?」
「な、なんじゃ急に!?・・・えーと・・・おい、玉無し。何日ぐらいかの?」
「普通の転移者なら軽く走って丸一~二日じゃないですかね?」
私は日にちを刻む壁掛け時計を見る。月初めまでまだ日にちがあった。
「良かった・・・まだ余裕はあるわね。」
私は『ほっ』と胸をなでおろす。
しかし次の瞬間、フォーチュンさんの言葉に私は血の気が引いてゆく。
「む、娘よ・・・あの時計は・・・狂っておるぞ?」
申し訳なさそうに、そう答えるフォーチュンさん。
「え!?で、でも、時間は・・・」
「実験や調合のため時間は概ね合わせておる。じゃが、日にちは・・・。わし等には無用の機能なのでな・・・」
「そ、そんな・・・わ、私たちがここに運ばれてから何日経ちましたか!?」
「な、何日かの~?もうあまり日にち感覚が無くてな。」
フォーチュンさんの目は完全に泳いでいた。
私は放浪者さんを「キッ」と見る。
「あ~・・・すみません。私も放浪生活後、朝昼晩の感覚しか無いんです~。」
苦笑いしながら答える放浪者さん。
「な、なんてこと・・・す、すぐに戻らないと・・・」
「しかし、小僧はまだ本調子じゃないぞ?」
そうだ。彼はまだ散歩したり出来る様になったぐらいだ。どうしよう・・・・
「あ、あの。厚かましいのですが、彼を任せてもよろしいでしょうか?」
「それは構わぬが・・・」
『チラッ』っとフォーチュンさんが彼を見る。
彼は話を聞きベッドから立ち上がるところだった。
「なにしてるの!」
「僕も帰ります。」
「その身体じゃ無理よ!」
「這ってでも行きます。フォーチュンさん杖代わりになるものを頂けませんか?」
するとフォーチュンさんは一振りの剣を彼に投げて寄越す。
「フォーチュンさん!!!」
私は抗議の目でフォーチュンさんを見る。
「無駄じゃ、無駄じゃ。娘っ子。そやつの目を見ぃ。置いて行っても勝手に出ていくぞい。」
確かにフォーチュンさんの言う通りだ。このバカは置いて行ったら本当に這ってでもついてくるだろう。でも私一人じゃ・・・そう思っていると、
「それでしたら私が彼をおぶって走りましょう。」
放浪者さんがそう申し出る。
「尋常ならざる様子。迷っている暇は無いのではないですか?」
私は一呼吸置いてから、
「放浪者さん。お願いします。」
彼に力添えをお願いした。
見送ってくれるフォーチュンさんに簡単にお礼とお別れを言い、私たちは走り出す。
おんぶされているルーキーはまた眠ってしまった。
「私が前を走りますから、ヘッドシューターさんは私の後ろへ。」
負ぶさっている上に私を引く?冗談でしょ?と最初は思ったが、
スリップに入って全力で走っているのに、追いつくどころか離される。
おまけに振り向きもしないで、私が遅れているのを感じると速度を落とす。
くやしい・・・屈辱的だ。まるで子供扱いだ。
同時にこの人やフォーチュンさんについて全く知らないことに今頃ようやく気付いた。
(こんな実力者・・・いったい何者なんだ・・・)
そんなことを考えていると、放浪者さんから話しかけられる。
「どうしてそんなに急いでいるのか聞いても?」
私は拠点のルール、そして私が新人達を性被害から保護していることなどを話した。
「もうすぐ、ポイントの集計日じゃないかと思うんです。私は少しでも多くの子を守りたい。例え、それが全員でなくて、手から零れてしまうとしても・・・」
私はこの時苦しそうな顔をしていたのだと思う。そんな私に放浪者さんは振り返らずに私に語り始めた。
「あなたと少しの間、生活を共にして感じていましたが、お優しいのですね、あなたは。沢山のものを背負いこんでいる。かつて私が捨ててしまったものだ・・・」
その背中からはなんだか昔を懐かしむような、そんな感じがした。
「捨てた・・・とは、どういうことですか?」
「私もかつては拠点で活動する戦士だったんですよ。でも全てを捨てた。財産、名誉、地位、仲間、友人、大切な人・・・そして今の生活、放浪者になりました。」
「どうして・・・」
「苦しかったからです。」
「え?」
「とある事件でね・・・苦しかったからです。人は生きていく上で沢山の持ち物を持ちます。
持てば持つほど失う恐怖が、苦しみが付きまといます。私はそれに耐えられなくて自ら手放したのです。自分の意志でね・・・」
「寂しく・・・悲しくなかったのですか?」
「不意に奪われたり失ったりしたらそうかもしれません。でも、私は自分の意思で納得して手放しましたから、そのような思いはありませんでした。」
とんでもない話だ・・・私には到底できない・・・
目の前のルーキーやぼんぼん君、女騎士さんや聖女ちゃん、部隊のみんな、部屋住まいしてくれてる侍従の子達・・・それらを見捨てる?
出来ない・・・考えるだけで胸が張り裂けそうになる。
「私には・・・私には出来ない生き方です。」
「出来なくていいんです。あなたは私では無いのですから。あなたはあなたの生き方をしてください。
私が正しいのではない。あなたが正しいのではない。
あなたが私のように生きられないように、私にはあなたのような生き方はできません、
ですから私はあなたの生き方に賛同は出来ません。でもあなたの生き方を尊重します。」
「ありがとうございます。なぜ、あなたがフォーチュンさんから”玉無し”と言われているのか、わかった気がします。」
「ちょっとー。最後で台無しじゃないですかー。」
「折角、後輩にかっこよく決めたのになー。」と茶化すようにぶー垂れてる。
その背中を見ながら私は心の中でお礼を言う。
(ありがとうございます、放浪者さん。私は私に自信が持てそうです。)
かつてないほどの距離を走ったと思う。
しかし、それほど疲労感が無いのは彼が引いてくれたおかげだろう。
流れる景色が、いつしか見慣れた景色となっていた。
前を走る放浪者さんが速度を緩める。
「さあ、あとちょっとで拠点ですよ。後は行けますね?君も起きてください。この距離ならリハビリには丁度いいでしょう。」
放浪者さんは背中のルーキーを揺すって起こした。
「ありがとうございます。放浪者さん。」
そうお礼を言うと彼は手を挙げて音もなく走り去っていった。
「ご心配お掛けしました・・・」
「馬鹿!死んだかと思ったじゃない!!二度とあんなことしないで!」
涙目になりながら彼に言う。
「すみません・・・」
「カッカッカ!まるで姉弟みたいじゃな。」
「ほほえましいですね~。」
外野の好々爺が茶々をいれてくる。
お世話になっているが若干鬱陶しい。
「ちょっと・・・お願いですから静かにしてください!」
「怒られてしまったぞ。」
「怒られちゃいましたねぇ~」
外野の相手をしていたら、ルーキーの身体がふらつき『パタリ』とベッドに倒れまた昏睡してしまった。
「なんで!?どうして!?」
「かなりの負荷が残っているんじゃろうて。暫くはこんな形になるじゃろうな。」
「そんな・・・」
「まあ、こればかりは日にち薬じゃ。気長に行くしかなかろう。起きてる間に食事を取り、養生に務めることじゃな。」
それからは起きてる間になるべく食事を取らせて体力を付けることに専念した。
次第にルーキーの起きている時間は長くなり、外での活動も出来るようになりつつあった。
しかし、私は彼の看病でとんでもないことを失念していた。
どうして忘れてしまっていたのか!!
ある日、私は「はっ!」となり飛び上がるようにフォーチュンさんに訊く。
「あ、あの!フォーチュンさん、ここから私たちの拠点まで、どれほど時間がかかりますか!?」
「な、なんじゃ急に!?・・・えーと・・・おい、玉無し。何日ぐらいかの?」
「普通の転移者なら軽く走って丸一~二日じゃないですかね?」
私は日にちを刻む壁掛け時計を見る。月初めまでまだ日にちがあった。
「良かった・・・まだ余裕はあるわね。」
私は『ほっ』と胸をなでおろす。
しかし次の瞬間、フォーチュンさんの言葉に私は血の気が引いてゆく。
「む、娘よ・・・あの時計は・・・狂っておるぞ?」
申し訳なさそうに、そう答えるフォーチュンさん。
「え!?で、でも、時間は・・・」
「実験や調合のため時間は概ね合わせておる。じゃが、日にちは・・・。わし等には無用の機能なのでな・・・」
「そ、そんな・・・わ、私たちがここに運ばれてから何日経ちましたか!?」
「な、何日かの~?もうあまり日にち感覚が無くてな。」
フォーチュンさんの目は完全に泳いでいた。
私は放浪者さんを「キッ」と見る。
「あ~・・・すみません。私も放浪生活後、朝昼晩の感覚しか無いんです~。」
苦笑いしながら答える放浪者さん。
「な、なんてこと・・・す、すぐに戻らないと・・・」
「しかし、小僧はまだ本調子じゃないぞ?」
そうだ。彼はまだ散歩したり出来る様になったぐらいだ。どうしよう・・・・
「あ、あの。厚かましいのですが、彼を任せてもよろしいでしょうか?」
「それは構わぬが・・・」
『チラッ』っとフォーチュンさんが彼を見る。
彼は話を聞きベッドから立ち上がるところだった。
「なにしてるの!」
「僕も帰ります。」
「その身体じゃ無理よ!」
「這ってでも行きます。フォーチュンさん杖代わりになるものを頂けませんか?」
するとフォーチュンさんは一振りの剣を彼に投げて寄越す。
「フォーチュンさん!!!」
私は抗議の目でフォーチュンさんを見る。
「無駄じゃ、無駄じゃ。娘っ子。そやつの目を見ぃ。置いて行っても勝手に出ていくぞい。」
確かにフォーチュンさんの言う通りだ。このバカは置いて行ったら本当に這ってでもついてくるだろう。でも私一人じゃ・・・そう思っていると、
「それでしたら私が彼をおぶって走りましょう。」
放浪者さんがそう申し出る。
「尋常ならざる様子。迷っている暇は無いのではないですか?」
私は一呼吸置いてから、
「放浪者さん。お願いします。」
彼に力添えをお願いした。
見送ってくれるフォーチュンさんに簡単にお礼とお別れを言い、私たちは走り出す。
おんぶされているルーキーはまた眠ってしまった。
「私が前を走りますから、ヘッドシューターさんは私の後ろへ。」
負ぶさっている上に私を引く?冗談でしょ?と最初は思ったが、
スリップに入って全力で走っているのに、追いつくどころか離される。
おまけに振り向きもしないで、私が遅れているのを感じると速度を落とす。
くやしい・・・屈辱的だ。まるで子供扱いだ。
同時にこの人やフォーチュンさんについて全く知らないことに今頃ようやく気付いた。
(こんな実力者・・・いったい何者なんだ・・・)
そんなことを考えていると、放浪者さんから話しかけられる。
「どうしてそんなに急いでいるのか聞いても?」
私は拠点のルール、そして私が新人達を性被害から保護していることなどを話した。
「もうすぐ、ポイントの集計日じゃないかと思うんです。私は少しでも多くの子を守りたい。例え、それが全員でなくて、手から零れてしまうとしても・・・」
私はこの時苦しそうな顔をしていたのだと思う。そんな私に放浪者さんは振り返らずに私に語り始めた。
「あなたと少しの間、生活を共にして感じていましたが、お優しいのですね、あなたは。沢山のものを背負いこんでいる。かつて私が捨ててしまったものだ・・・」
その背中からはなんだか昔を懐かしむような、そんな感じがした。
「捨てた・・・とは、どういうことですか?」
「私もかつては拠点で活動する戦士だったんですよ。でも全てを捨てた。財産、名誉、地位、仲間、友人、大切な人・・・そして今の生活、放浪者になりました。」
「どうして・・・」
「苦しかったからです。」
「え?」
「とある事件でね・・・苦しかったからです。人は生きていく上で沢山の持ち物を持ちます。
持てば持つほど失う恐怖が、苦しみが付きまといます。私はそれに耐えられなくて自ら手放したのです。自分の意志でね・・・」
「寂しく・・・悲しくなかったのですか?」
「不意に奪われたり失ったりしたらそうかもしれません。でも、私は自分の意思で納得して手放しましたから、そのような思いはありませんでした。」
とんでもない話だ・・・私には到底できない・・・
目の前のルーキーやぼんぼん君、女騎士さんや聖女ちゃん、部隊のみんな、部屋住まいしてくれてる侍従の子達・・・それらを見捨てる?
出来ない・・・考えるだけで胸が張り裂けそうになる。
「私には・・・私には出来ない生き方です。」
「出来なくていいんです。あなたは私では無いのですから。あなたはあなたの生き方をしてください。
私が正しいのではない。あなたが正しいのではない。
あなたが私のように生きられないように、私にはあなたのような生き方はできません、
ですから私はあなたの生き方に賛同は出来ません。でもあなたの生き方を尊重します。」
「ありがとうございます。なぜ、あなたがフォーチュンさんから”玉無し”と言われているのか、わかった気がします。」
「ちょっとー。最後で台無しじゃないですかー。」
「折角、後輩にかっこよく決めたのになー。」と茶化すようにぶー垂れてる。
その背中を見ながら私は心の中でお礼を言う。
(ありがとうございます、放浪者さん。私は私に自信が持てそうです。)
かつてないほどの距離を走ったと思う。
しかし、それほど疲労感が無いのは彼が引いてくれたおかげだろう。
流れる景色が、いつしか見慣れた景色となっていた。
前を走る放浪者さんが速度を緩める。
「さあ、あとちょっとで拠点ですよ。後は行けますね?君も起きてください。この距離ならリハビリには丁度いいでしょう。」
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