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双新星編
サブストーリー10 師匠と弟子
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通路に一人の男がやってくる。
いつものチャラそうな服装。
だが表情はいつものおちゃらけた陽気さは、なりを潜めてる。
「よお。ヴォイス。」
「来てたのか、次元斬。」
「まあな・・・。」
「君の弟子は本当に・・・ほっとするくらい普通の子だな。」
「あいつが?へっ・・・あいつは異常だよ。」
「なに?」
「この世界にきて、あれほど”普通”を保てるのは最早異常だとは思わんか?
ベルセルクやサド女みたいなキチガイになることもなく、
その取り巻きのようなクズになるわけでもなく、
あの助けに入ったお嬢ちゃん達みたいに信念と蛮勇さを持つこともなく、
それでいて心が壊れて首くくるわけでもないんだ。
臆病で、泣き虫で、恥じ入って、しかし生きようとしている。
まるで、いつまでもここに来たてほやほやの”普通の新人”だ。」
「確かにな・・・ひと月・・・早けりゃ一週間もあれば皆、この狭間世界に染まってゆく。なのに染まらないな。あのおデブちゃんは。」
「だろ?アイツは強くなる。技術的なもんじゃない。人を殺す技術は俺を凌ぐことは到底無理だろう。
そうじゃない。アイツはこれからも本当に危ない、死ぬような真似はしないだろう。
死の危険を察知し、ひたすらそれを避け、たとえ仲間を見捨てることになっても、生きようとするだろう。自分を恥じながら、仲間を失う悲しみに打ちひしがれながら、血の涙を流して、後悔の念に苛まれて、それでも生きるだろう。きっと最後に立ってる奴はああいう奴だ。」
「じゃあ、あのおデブちゃんがみんなを連れて行ってくれるのかねぇ・・・」
「俺はそう睨んでるよ。」
「それじゃ、俺っちもあのぼんぼんちゃんには良くしておくかな~。」
そう言って手を振って去っていくヴォイス。
俺は通路から観客席で今なお泣き続ける弟子の姿を見る。
(ぼん・・・生きろよ、ぼん。生き残ってるからこそ出来ることがある、そのこと忘れるなよ。)
俺は踵を返し一足先に拠点へ帰る。
(ったく、あの状態じゃ気づいてなさそうだし、俺がやっておくか・・・・)
きっと、あいつにとって必要なものになるだろうから。
いつものチャラそうな服装。
だが表情はいつものおちゃらけた陽気さは、なりを潜めてる。
「よお。ヴォイス。」
「来てたのか、次元斬。」
「まあな・・・。」
「君の弟子は本当に・・・ほっとするくらい普通の子だな。」
「あいつが?へっ・・・あいつは異常だよ。」
「なに?」
「この世界にきて、あれほど”普通”を保てるのは最早異常だとは思わんか?
ベルセルクやサド女みたいなキチガイになることもなく、
その取り巻きのようなクズになるわけでもなく、
あの助けに入ったお嬢ちゃん達みたいに信念と蛮勇さを持つこともなく、
それでいて心が壊れて首くくるわけでもないんだ。
臆病で、泣き虫で、恥じ入って、しかし生きようとしている。
まるで、いつまでもここに来たてほやほやの”普通の新人”だ。」
「確かにな・・・ひと月・・・早けりゃ一週間もあれば皆、この狭間世界に染まってゆく。なのに染まらないな。あのおデブちゃんは。」
「だろ?アイツは強くなる。技術的なもんじゃない。人を殺す技術は俺を凌ぐことは到底無理だろう。
そうじゃない。アイツはこれからも本当に危ない、死ぬような真似はしないだろう。
死の危険を察知し、ひたすらそれを避け、たとえ仲間を見捨てることになっても、生きようとするだろう。自分を恥じながら、仲間を失う悲しみに打ちひしがれながら、血の涙を流して、後悔の念に苛まれて、それでも生きるだろう。きっと最後に立ってる奴はああいう奴だ。」
「じゃあ、あのおデブちゃんがみんなを連れて行ってくれるのかねぇ・・・」
「俺はそう睨んでるよ。」
「それじゃ、俺っちもあのぼんぼんちゃんには良くしておくかな~。」
そう言って手を振って去っていくヴォイス。
俺は通路から観客席で今なお泣き続ける弟子の姿を見る。
(ぼん・・・生きろよ、ぼん。生き残ってるからこそ出来ることがある、そのこと忘れるなよ。)
俺は踵を返し一足先に拠点へ帰る。
(ったく、あの状態じゃ気づいてなさそうだし、俺がやっておくか・・・・)
きっと、あいつにとって必要なものになるだろうから。
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