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黄金都市編
黄金都市編その8
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「うまっ!うまっ!!!マジで!!?何これ!?」
「ああ・・・本当に素晴らしい!!拠点のシェフの料理より美味しいかもしれない。」
さっきの揉め事はどこへやら。剣士さんが欠食児童のようにがっついている。反面、女騎士さんはどこかのお貴族様だったんだろうか?姿勢を正してゆっくりと綺麗に食事をしていた。とても先程まで口端から涎が垂れていた人とは思えない。
「はぁ~・・・全く。剣士君はもう少し女騎士さんを見習ったらどうです?」
「ふあ、ふぁっふぇほんふぁにふぉいひはったらふぉうふぁりふぁふっふぇ。」
「食べるか喋るかどっちかにしなさい。」
「はは・・・まぁまぁ、放浪者殿。彼の気持ちは解りますよ。私も内心がっついています。」
「どんどんありますのでいっぱい食べてくださいね!」
テーブルに料理を運ぶとお二人とも目を輝かせ新たに運ばれた料理を凝視する。確かにここの料理はとても美味しい。あたしも初めて食べた時は感動したっけな?もう昔の・・・色褪せた想い出だ・・・。それだけに今の自分の状態は残念でならない・・・。お二人が美味しそうに食べるのを見ると嬉しくもあり、少し妬ましくもあった。
「すみません。カルディアさん。あなたもお腹が空いたでしょうに。良ければ一緒に食べませんか?」
「ありがとう。でも私は食べなくても大丈夫だから。それに・・・。」
「それに?」
「えと・・・それは・・・あははー・・・」
女騎士さんが聞き返すがあたしはそれに曖昧に笑って誤魔化す。追及されないように話題を変えようと思っていたら剣士さんが女騎士さんの様子を伺いながらそーっと最後の肉巻きに手を伸ばす。あの肉巻き殆ど剣士さんが食べたんじゃ・・・ちょっと言った方がいいかな?と思っていたら・・・
ザクッ!!!
「おっとすまない。大丈夫か、剣士君。なぁ!大丈夫か!?ええっ!?」
女騎士さんがノールックで剣士さんの手の甲を串刺しに・・・。こ、怖い・・・目が全然笑ってない。言葉遣いもヤクザみたいになって・・・そういった人に詰められてるときってこんな感じなのかな・・・?どうしよう・・・仲裁に入った方が良いんだろうか?
向かいの席の放浪者さんは・・・ダメだ!ニタニタと悪魔の様な笑みを浮かべ、この状況を楽しんでる!?なんなの!?この人!
「え、えと・・・お手々の調子が悪かった・・・みたいです。スミマセン・・・」
小鹿みたいに震えながら声を絞り出す剣士さん。あーあ・・・目尻に涙浮かんでるよ。
「そうだろう、そうだろう。きっとそうに違いないと思っていたよ!さっきまで気絶してたわけだしな。長い付き合いじゃないか!よそってあげるよ。どれが欲しいんだい?ん?言ってみ?」
「あの・・・あの・・・その・・・お、お肉・・・。」
「あ~~~~ん?」
「あの・・・・お、お野菜を・・・」
その言葉を聞くとニコっとして、
「そっかそっか♪野菜も食べれて偉いぞー。たくさん食べろよー。」
「あああああああああああああああ!!!」
「はぁ~~~~~ん?」
「あ・・・・いえ・・・ナンデモナイデス・・・・」
何か嫌いなものだったのかな?モリモリによそわれたきのこのサラダを前に絶叫が店内に響くが、女騎士さんが鬼の様な形相で黙らせる。
山盛りのサラダを悲しそうに見つめ『食事は自由と救いが無ければならないのに・・・』と呟く剣士さんの背中は哀愁が漂っていた。
自業自得とはいえ少し可哀想。あとでとっておきのデザートでも出してあげようかな。
「ああ・・・本当に素晴らしい!!拠点のシェフの料理より美味しいかもしれない。」
さっきの揉め事はどこへやら。剣士さんが欠食児童のようにがっついている。反面、女騎士さんはどこかのお貴族様だったんだろうか?姿勢を正してゆっくりと綺麗に食事をしていた。とても先程まで口端から涎が垂れていた人とは思えない。
「はぁ~・・・全く。剣士君はもう少し女騎士さんを見習ったらどうです?」
「ふあ、ふぁっふぇほんふぁにふぉいひはったらふぉうふぁりふぁふっふぇ。」
「食べるか喋るかどっちかにしなさい。」
「はは・・・まぁまぁ、放浪者殿。彼の気持ちは解りますよ。私も内心がっついています。」
「どんどんありますのでいっぱい食べてくださいね!」
テーブルに料理を運ぶとお二人とも目を輝かせ新たに運ばれた料理を凝視する。確かにここの料理はとても美味しい。あたしも初めて食べた時は感動したっけな?もう昔の・・・色褪せた想い出だ・・・。それだけに今の自分の状態は残念でならない・・・。お二人が美味しそうに食べるのを見ると嬉しくもあり、少し妬ましくもあった。
「すみません。カルディアさん。あなたもお腹が空いたでしょうに。良ければ一緒に食べませんか?」
「ありがとう。でも私は食べなくても大丈夫だから。それに・・・。」
「それに?」
「えと・・・それは・・・あははー・・・」
女騎士さんが聞き返すがあたしはそれに曖昧に笑って誤魔化す。追及されないように話題を変えようと思っていたら剣士さんが女騎士さんの様子を伺いながらそーっと最後の肉巻きに手を伸ばす。あの肉巻き殆ど剣士さんが食べたんじゃ・・・ちょっと言った方がいいかな?と思っていたら・・・
ザクッ!!!
「おっとすまない。大丈夫か、剣士君。なぁ!大丈夫か!?ええっ!?」
女騎士さんがノールックで剣士さんの手の甲を串刺しに・・・。こ、怖い・・・目が全然笑ってない。言葉遣いもヤクザみたいになって・・・そういった人に詰められてるときってこんな感じなのかな・・・?どうしよう・・・仲裁に入った方が良いんだろうか?
向かいの席の放浪者さんは・・・ダメだ!ニタニタと悪魔の様な笑みを浮かべ、この状況を楽しんでる!?なんなの!?この人!
「え、えと・・・お手々の調子が悪かった・・・みたいです。スミマセン・・・」
小鹿みたいに震えながら声を絞り出す剣士さん。あーあ・・・目尻に涙浮かんでるよ。
「そうだろう、そうだろう。きっとそうに違いないと思っていたよ!さっきまで気絶してたわけだしな。長い付き合いじゃないか!よそってあげるよ。どれが欲しいんだい?ん?言ってみ?」
「あの・・・あの・・・その・・・お、お肉・・・。」
「あ~~~~ん?」
「あの・・・・お、お野菜を・・・」
その言葉を聞くとニコっとして、
「そっかそっか♪野菜も食べれて偉いぞー。たくさん食べろよー。」
「あああああああああああああああ!!!」
「はぁ~~~~~ん?」
「あ・・・・いえ・・・ナンデモナイデス・・・・」
何か嫌いなものだったのかな?モリモリによそわれたきのこのサラダを前に絶叫が店内に響くが、女騎士さんが鬼の様な形相で黙らせる。
山盛りのサラダを悲しそうに見つめ『食事は自由と救いが無ければならないのに・・・』と呟く剣士さんの背中は哀愁が漂っていた。
自業自得とはいえ少し可哀想。あとでとっておきのデザートでも出してあげようかな。
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