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黄金都市編
黄金都市編その22
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数日後、すでに登塔の準備を終えた僕らはアドミラルさんの所に再びやってきていた。これでダメなら諦めて今のメンバーで塔に入ろうと・・・。
アイスエイジとカルディアさん扉の前に、僕らは少し離れて物陰から様子を伺った。
アイスエイジがノックをしようとした瞬間・・・
”ガシャンっ!”
家の中で物が割れる音がする。
「アドミラルさん!?アドミラルさん!?」
アイスエイジが激しくノックをするが応答は無かった。ただ事では無さそうだ。僕らも扉の前まで行き合流した。
「どうする?」
「致し方ない。扉を破ろう。アイスエイジと剣士君は左右で警戒してくれ。カルディアさんは下がってて。てっちゃん、お願いできるか?」
「わかった、女騎士。カルディアは任せたぞ。」
女騎士さんの指示で各自配置につく。犬コロが扉に体当たりすると扉は吹っ飛び粉々になった。
「な、なにやってるのよ!あんた!!!」
中の様子を目の当たりにしたアイスエイジが激昂し、能力で氷塊を作り、中に居たイージスに向けて発射する。突然の出来事でイージスは碌に回避も出来ず、まともに食らって吹っ飛び気絶した。
「大丈夫ですか!?」
女騎士さんがアドミラルさん駆け寄り、自分の外套を体に羽織らせる。服を破られ痣と擦り傷だらけになり、涙しているアドミラルさんの股からは赤い血に混じって白い男の欲望の印が流れ出ていた。
「すぐに手当てを・・・」
「触れないで!!!!!お願い・・・触れないで・・・」
カルディアさんがアドミラルさんに近づき、手当てしようとすると異常なまでの拒絶を見せる。
(この人は・・・優しいな・・・)
「アドミラルさん。彼女は大丈夫です。彼女は・・・その・・・特殊ですから・・・だからあなたの懸念は杞憂です。治療を受けてください。」
カルディアさんの事情を勝手に言うのはマナー違反だと思ったが、彼女に治療を受けさせるために迷いながら暴露する。
(カルディアさんには後で謝らないとな。許してくれるか分からないが・・・)
「アドミラルさん。僕らと共に塔に入りましょう。イージスと決別してください。」
「でも・・・。」
「イージスがあなたのことを知ればタダでは置かないのでは無いですか?お願いします。決断してください。」
「わか・・・りました。でも、手紙だけ・・・書かせてください。」
「ええ。でも、手早くお願いします。いつ、イージスが目を覚ますか分かりませんから。」
アドミラルさんが準備している間に僕とカルディアさんは荷物を取りに、アイスエイジと女騎士さんには彼女に付いていてもらい、塔の入口で待ち合わせることにした。
「カルディアさん・・・さっきはすみません。勝手にあなたの事情を・・・」
「え?・・・ああ。いいですよ~。お店の常連さんなんか知ってますし、そこまで隠してるわけではないですから・・・。ただ・・・。」
「ただ?」
「元が・・・その・・・男性向けの性欲を処理する人形みたいで・・・。それを知ってヤらせてくれっていう人がたまに居るのが困りますね。でも、てっちゃんが追い払ってくれて、二度と姿を見せなくなるんですけどね!」
追い払ってるんじゃなくて闇討ちで食い殺してるんじゃないかな?あいつならやりかねん・・・。
僕とカルディアさんは手早く荷物を犬コロに積み込み、マスターに急な出発になったことの謝罪とお別れを済ませて塔の入口へ向かった。
塔の入口には既に3人が待っていて入塔手続きをしてくれているところだった。
「ごめん!待った?」
「いや、私達も今来たところだ。」
これ、逆パターンも案外いいかもしれない。こんな切羽詰まった状況じゃなければ・・・
「あら?あなた達は・・・」
馬鹿なことを考えていたら後ろから声を掛けられる。聞き覚えのある声は闘技場で出会ったフード付きのローブを着たピンク色の髪の女性だった。
「あなた達もこれから塔に?私もなんです~。」
「そ、そうなんですね。」
なぜかこの女性を見ていると心がざわつく・・・
「中に入ってもどうぞよろしく~。」
女性が深々とお辞儀した際、向こう側にあるものが見える。ソレを見た瞬間女性の手を取りこちら側に引き寄せて僕は叫んだ。
「みんな伏せろ!!ストラクチャー!!!」
アイスエイジとカルディアさん扉の前に、僕らは少し離れて物陰から様子を伺った。
アイスエイジがノックをしようとした瞬間・・・
”ガシャンっ!”
家の中で物が割れる音がする。
「アドミラルさん!?アドミラルさん!?」
アイスエイジが激しくノックをするが応答は無かった。ただ事では無さそうだ。僕らも扉の前まで行き合流した。
「どうする?」
「致し方ない。扉を破ろう。アイスエイジと剣士君は左右で警戒してくれ。カルディアさんは下がってて。てっちゃん、お願いできるか?」
「わかった、女騎士。カルディアは任せたぞ。」
女騎士さんの指示で各自配置につく。犬コロが扉に体当たりすると扉は吹っ飛び粉々になった。
「な、なにやってるのよ!あんた!!!」
中の様子を目の当たりにしたアイスエイジが激昂し、能力で氷塊を作り、中に居たイージスに向けて発射する。突然の出来事でイージスは碌に回避も出来ず、まともに食らって吹っ飛び気絶した。
「大丈夫ですか!?」
女騎士さんがアドミラルさん駆け寄り、自分の外套を体に羽織らせる。服を破られ痣と擦り傷だらけになり、涙しているアドミラルさんの股からは赤い血に混じって白い男の欲望の印が流れ出ていた。
「すぐに手当てを・・・」
「触れないで!!!!!お願い・・・触れないで・・・」
カルディアさんがアドミラルさんに近づき、手当てしようとすると異常なまでの拒絶を見せる。
(この人は・・・優しいな・・・)
「アドミラルさん。彼女は大丈夫です。彼女は・・・その・・・特殊ですから・・・だからあなたの懸念は杞憂です。治療を受けてください。」
カルディアさんの事情を勝手に言うのはマナー違反だと思ったが、彼女に治療を受けさせるために迷いながら暴露する。
(カルディアさんには後で謝らないとな。許してくれるか分からないが・・・)
「アドミラルさん。僕らと共に塔に入りましょう。イージスと決別してください。」
「でも・・・。」
「イージスがあなたのことを知ればタダでは置かないのでは無いですか?お願いします。決断してください。」
「わか・・・りました。でも、手紙だけ・・・書かせてください。」
「ええ。でも、手早くお願いします。いつ、イージスが目を覚ますか分かりませんから。」
アドミラルさんが準備している間に僕とカルディアさんは荷物を取りに、アイスエイジと女騎士さんには彼女に付いていてもらい、塔の入口で待ち合わせることにした。
「カルディアさん・・・さっきはすみません。勝手にあなたの事情を・・・」
「え?・・・ああ。いいですよ~。お店の常連さんなんか知ってますし、そこまで隠してるわけではないですから・・・。ただ・・・。」
「ただ?」
「元が・・・その・・・男性向けの性欲を処理する人形みたいで・・・。それを知ってヤらせてくれっていう人がたまに居るのが困りますね。でも、てっちゃんが追い払ってくれて、二度と姿を見せなくなるんですけどね!」
追い払ってるんじゃなくて闇討ちで食い殺してるんじゃないかな?あいつならやりかねん・・・。
僕とカルディアさんは手早く荷物を犬コロに積み込み、マスターに急な出発になったことの謝罪とお別れを済ませて塔の入口へ向かった。
塔の入口には既に3人が待っていて入塔手続きをしてくれているところだった。
「ごめん!待った?」
「いや、私達も今来たところだ。」
これ、逆パターンも案外いいかもしれない。こんな切羽詰まった状況じゃなければ・・・
「あら?あなた達は・・・」
馬鹿なことを考えていたら後ろから声を掛けられる。聞き覚えのある声は闘技場で出会ったフード付きのローブを着たピンク色の髪の女性だった。
「あなた達もこれから塔に?私もなんです~。」
「そ、そうなんですね。」
なぜかこの女性を見ていると心がざわつく・・・
「中に入ってもどうぞよろしく~。」
女性が深々とお辞儀した際、向こう側にあるものが見える。ソレを見た瞬間女性の手を取りこちら側に引き寄せて僕は叫んだ。
「みんな伏せろ!!ストラクチャー!!!」
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