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7.案内
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愛想笑いで誤魔化すような答え。小西先生も困ったように小さく溜息をついている。小西先生としてはもっと俗物的な答えを求めていたのだろう。しかし美波さんは答えることすら拒否しているかのようだった。
「今すぐ私を信用して全て話せなんて酷なことは言わん。今後の人生に関わることだからゆっくりでいい。だが私はその為に協力は惜しまないとだけは覚えておいて欲しい」
小西先生は無理に答えを出すように強要することはせず、そう言って持っていた鞄からプリントを取り出した。俺と美波さんの目の前に一枚ずつ。そのプリントには罫線だけが引かれていて、何かの文章を書くためだけの用紙と言った風だった。
「これから毎週月曜日の放課後に簡単な面談をさせてもらう。その時にやりたいことや一週間の中で感情が揺さぶられたことについて聞くつもりだから、その報告資料として簡単にで良いから何か書いておけ」
「分かりました……」
俺はそう答えると鞄のファスナーを開けて中にプリントをしまった。美波さんも同様に通学鞄を開いてプリントを中に入れる。分かりましたと言いはしたものの、内心では面倒で仕方なかった。どうせ一週間でそんなに人生観が変わったり感情的になったりするようなことが起こるはずもない。来週の月曜日に何を書くか悩んでいる自分が目に浮かぶ。
「できれば未確定能力者同士、二人には協力して学校生活を送ってもらいたい。特殊能力が分かっていないことで何かと学校生活で問題が起きるかもしれないしな」
何かと学校生活で問題が起きる……。それは暗にいじめ問題に発展する可能性があることを示唆しているのだろうか。変わり者はいじめのターゲットになりやすいというのは十五年も生きていれば分かること。俺たちがそのターゲットにならないように祈るばかりだ。ホームルームの自己紹介ではいじめが起きるような感じはしなかったのであまり不安は無いけれど。
「長い時間拘束して悪かったな。まだ食堂で飯を食べるには十分時間があると思うから廊下は走るんじゃないぞ。あと、コップはそのまま置いといてくれていいから」
小西先生はそう言って立ち去って行った。残された俺たちの目の前には小西先生が用意してくれた湯のみが二つ遠慮気味に湯気を立てている。
「じゃあ行こっか」
「あの……」
俺が鞄を手に持って立ち上がると美波さんはそう言って上目遣いで見てきた。何か言いたいことがあるのだろう。少し申し訳なさそうな怯えたような様子が小動物っぽさを感じさせる。
「食堂の場所が分からないので案内してもらえませんか?」
「今すぐ私を信用して全て話せなんて酷なことは言わん。今後の人生に関わることだからゆっくりでいい。だが私はその為に協力は惜しまないとだけは覚えておいて欲しい」
小西先生は無理に答えを出すように強要することはせず、そう言って持っていた鞄からプリントを取り出した。俺と美波さんの目の前に一枚ずつ。そのプリントには罫線だけが引かれていて、何かの文章を書くためだけの用紙と言った風だった。
「これから毎週月曜日の放課後に簡単な面談をさせてもらう。その時にやりたいことや一週間の中で感情が揺さぶられたことについて聞くつもりだから、その報告資料として簡単にで良いから何か書いておけ」
「分かりました……」
俺はそう答えると鞄のファスナーを開けて中にプリントをしまった。美波さんも同様に通学鞄を開いてプリントを中に入れる。分かりましたと言いはしたものの、内心では面倒で仕方なかった。どうせ一週間でそんなに人生観が変わったり感情的になったりするようなことが起こるはずもない。来週の月曜日に何を書くか悩んでいる自分が目に浮かぶ。
「できれば未確定能力者同士、二人には協力して学校生活を送ってもらいたい。特殊能力が分かっていないことで何かと学校生活で問題が起きるかもしれないしな」
何かと学校生活で問題が起きる……。それは暗にいじめ問題に発展する可能性があることを示唆しているのだろうか。変わり者はいじめのターゲットになりやすいというのは十五年も生きていれば分かること。俺たちがそのターゲットにならないように祈るばかりだ。ホームルームの自己紹介ではいじめが起きるような感じはしなかったのであまり不安は無いけれど。
「長い時間拘束して悪かったな。まだ食堂で飯を食べるには十分時間があると思うから廊下は走るんじゃないぞ。あと、コップはそのまま置いといてくれていいから」
小西先生はそう言って立ち去って行った。残された俺たちの目の前には小西先生が用意してくれた湯のみが二つ遠慮気味に湯気を立てている。
「じゃあ行こっか」
「あの……」
俺が鞄を手に持って立ち上がると美波さんはそう言って上目遣いで見てきた。何か言いたいことがあるのだろう。少し申し訳なさそうな怯えたような様子が小動物っぽさを感じさせる。
「食堂の場所が分からないので案内してもらえませんか?」
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