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目が覚めて
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気付けば病院のベットの上にいる。
周りを見回すが、私以外に患者は誰もいないようだ。
「…気付かれたんですか!?先生を呼んでくるので待っていてください!!」
看護師の女性がそう言って病室を飛び出していった。
体を起こすと、軋んだ。
いったいな…どれだけ寝てたんだよ…。
そう思いながら、最後の記憶を思い出す。
いつもの信号。青。叶人の呼ぶ声。衝撃。痛い。痛い痛い痛い。叶人の声。痛い。
「…っ」
痛みが蘇る。
大丈夫。落ち着け。落ち着け…。
がらら
誰かが病室に入ってきたようだ。
「結望、今日も来たぞ」
幼馴染の柳橋叶人(やなぎばし かなと)が入ってきた。…こんなに大人っぽかったっけ?
「…ごめんな。俺が急かしたから、こんな事になったんだ」
「そんな事ないよ。たまたま運が悪かっただけ。叶人のせいじゃないよ」
「っんなので納得できるかよ!俺が近くにいたのに、なんも出来なかった。もう、あれから5年たったのにお前は起きない…」
…叶人は何言ってんの?5年たった?私が起きてない?
「はぁ、そうなんだ」
「ああ、何で起きないんだよ!………ん?」
叶人がばっと顔を上げる。
「は、え?お、起きてる?」
「うん、おはよう。いや、おそよう?」
「………はは、ははははっ」
いきなり笑い出す。
「え、なになに?ついに壊れた?あ、もう壊れてるんだったね」
「うるせー!…ほんっとに、何も変わってねーな」
目じりを下げ、目を潤ませながら私に笑いかける。
私もお返しとばかりに笑顔を返した。
「目を覚まされたんですね!5年も意識不明でもうダメかと思っていましたが…よかったです」
白衣の男性が入ってきて言った。
「では、記憶に問題がないか調べますね。自分の事は分かりますか?」
「泉川結望(いずみがわ ゆみ)、17歳。誕生日は7月2日。そういえば5年経ってたんだっけ?なら22歳?…実感無いわぁ」
「はい、記憶はきちんとあるようですね。…あの時、何が起こったか分かりますか?」
「…学校から帰る途中、反対歩道から叶人に呼ばれて歩行者信号を確認して横断歩道を渡っていた時…何か大きな衝撃を受けました」
「…はい。飲酒運転の車にぶつかられて、病院に運ばれてきました」
「…そうですか」
「……それと、残念なお知らせなのですが、結望さんの足は、もう、動きません。跳ねられたあと、車で足を轢かれて…」
医者は、目をふせながらそう言った。
「そう、ですか」
もう、歩けないのか。別に歩くのは好きじゃないけど、叶人の隣を歩けないのは、悲しいかな。
いや、もう5年経ってるんだ。きっと彼女とか出来てるよね。もう、遅いよね。
こんな事になっているのに考えるのは叶人の事ばかり。
呆れてため息をつく。
これから、どうなるんだろ。
周りを見回すが、私以外に患者は誰もいないようだ。
「…気付かれたんですか!?先生を呼んでくるので待っていてください!!」
看護師の女性がそう言って病室を飛び出していった。
体を起こすと、軋んだ。
いったいな…どれだけ寝てたんだよ…。
そう思いながら、最後の記憶を思い出す。
いつもの信号。青。叶人の呼ぶ声。衝撃。痛い。痛い痛い痛い。叶人の声。痛い。
「…っ」
痛みが蘇る。
大丈夫。落ち着け。落ち着け…。
がらら
誰かが病室に入ってきたようだ。
「結望、今日も来たぞ」
幼馴染の柳橋叶人(やなぎばし かなと)が入ってきた。…こんなに大人っぽかったっけ?
「…ごめんな。俺が急かしたから、こんな事になったんだ」
「そんな事ないよ。たまたま運が悪かっただけ。叶人のせいじゃないよ」
「っんなので納得できるかよ!俺が近くにいたのに、なんも出来なかった。もう、あれから5年たったのにお前は起きない…」
…叶人は何言ってんの?5年たった?私が起きてない?
「はぁ、そうなんだ」
「ああ、何で起きないんだよ!………ん?」
叶人がばっと顔を上げる。
「は、え?お、起きてる?」
「うん、おはよう。いや、おそよう?」
「………はは、ははははっ」
いきなり笑い出す。
「え、なになに?ついに壊れた?あ、もう壊れてるんだったね」
「うるせー!…ほんっとに、何も変わってねーな」
目じりを下げ、目を潤ませながら私に笑いかける。
私もお返しとばかりに笑顔を返した。
「目を覚まされたんですね!5年も意識不明でもうダメかと思っていましたが…よかったです」
白衣の男性が入ってきて言った。
「では、記憶に問題がないか調べますね。自分の事は分かりますか?」
「泉川結望(いずみがわ ゆみ)、17歳。誕生日は7月2日。そういえば5年経ってたんだっけ?なら22歳?…実感無いわぁ」
「はい、記憶はきちんとあるようですね。…あの時、何が起こったか分かりますか?」
「…学校から帰る途中、反対歩道から叶人に呼ばれて歩行者信号を確認して横断歩道を渡っていた時…何か大きな衝撃を受けました」
「…はい。飲酒運転の車にぶつかられて、病院に運ばれてきました」
「…そうですか」
「……それと、残念なお知らせなのですが、結望さんの足は、もう、動きません。跳ねられたあと、車で足を轢かれて…」
医者は、目をふせながらそう言った。
「そう、ですか」
もう、歩けないのか。別に歩くのは好きじゃないけど、叶人の隣を歩けないのは、悲しいかな。
いや、もう5年経ってるんだ。きっと彼女とか出来てるよね。もう、遅いよね。
こんな事になっているのに考えるのは叶人の事ばかり。
呆れてため息をつく。
これから、どうなるんだろ。
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