こんな私でいいですか?

棘花翡翠

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好きな人

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あれから父や母、高校の時の友人などが来てくれた。叶人は毎日来ている。

…叶人のせいじゃないのにな。

「結望、見ろよ!この5年で俺はこの技を習得した!秘技、りんごうさぎ!!」

「おおー」

パチパチパチ

叶人はたまにこんな事をして慰めてくれる。

「なーなー」

「んー?」

「結望って外出れないの?」

「…さあ?」

「ずっと部屋にこもってたら気が滅入るだろ?俺、看護師さんに聞いてくるよ」

そう、手を振りながら叶人は出て行った。

私は今、足が動かないだけで健康体だ。退院をしてもいいが、家では車椅子が使えないので使えるようになるまで病院にいることになっている。

「結望、外出ていいだってさ。ちゃんと担当医師の人からも許可っとたぜ!」

「…うん、ありがと」

「おう!!」

いつも来てくれてありがとう。私のために色々してくれてありがとう。
きっと叶人がいるから私は絶望してないんだと思う。

本当に、ありがとう。
そして

ごめんね。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




私たちは外に出ていた。

外と言っても病院の中庭だが。

「風が気持ちいいな~」

「だね~」

叶人に車椅子を押してもらっていた。

「ねー」

「んー?」

「ずっと聞きたかったんだけど、叶人って彼女いる?」

「ぶっ…はぁ!?いきなり何言ってんだよ!!」

叶人が大声を出して動揺している。

胸が痛い。

「ほほぉ…その反応からして彼女はいないが好きな人はいるとみた!!どうだ!」

そう言いながら後ろを向く。

叶人は顔を真っ赤にさせながら横を向き、頬を掻きながらボソリと呟いた。

「…そうだけど?」

ああ、胸が苦しい。

「その好きな人って…私だったりして」

ないと思いながら、少しの期待を乗せて聞く。

「っ、はぁ!?そんなわけないし!!ばっかじゃねーの!!」

顔を真っ赤にさせながら子供のように喚く叶人を可愛いと思いながら、胸を押さえる。

「じゃあ誰なの?」

叶人に悟られないようにしながら聞く。

「え、えっと…大学の後輩!」

「えー?ほんとにー?」

「本当だよ!!」

私のいない間に、か…。
悟られないようにしないと。引き攣るな。笑え。

ニヤニヤしながら叶人をいじった。




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